EMフェスタ99
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ミニセミナー No.07
1999.11.6/7
パソコンで学ぶEM環境教育
講師:渡部 敬(分校教諭)
The Exhibition Event --------
Effectiv Microorganisms
白いスクリーンには、ノートパソコンと連動した画面。画面の主役は、太陽の形をした「EMくん」というキャラクター。マウスで画面のボタンをクリックしていくと、「EMくん研究所」が現れる。
自作教材ソフトウエアを使って、EM環境教育の実践を紹介したのは、小学校教諭の渡部敬(わたなべたかし)さんだ。農業分野で開発されたEMだが、渡部さんは、比嘉照夫教授の著作を読むうちに「EMには環境問題そのものを解決する可能性がある」と思うようになり、「そんな可能性のあるEMを、学校現場で取り上げて子供たちに紹介し、明るい未来を語れるようになれば」と、教材ソフト「EMくん」を作成したという。
当日のセミナーでは、CD-ROM版のソフトを用意し、希望者に実費で配布した。
ソフト「EMくん」の内容は、学校生活や授業の指導要領に基づいた各教科単元の内容に関連している。例えば、給食で出る生ゴミ、学校菜園の実習、授業での植物の観察(小3理科)、「ゴミと住みよいくらし」(小4社会科)、「地球の環境と世界の平和」(小6社会科)などだ。
セミナー会場には、大学生や親子連れも訪れ、渡部さんの説明に聞き入った。
実際に、観衆が体験したソフト「EMくん」の内容を一部紹介しよう。
ソフト「EMくん」の世界
まず「EMくん研究所」を入ると、いくつかの項目が示される。「あんない」とEMの「5つの研究室」だ。研究室はそれぞれ、第1研究室:EMってなにかな?、第2研究室:やくにたつEM、第3研究室:きれいにするEM、第4研究室:環境問題とEM、第5研究室:取り組まれるEM…となっている。
各研究室には、「EMしらべコース」と「EMクイズコース」の2つが用意されている。クイズは各研究室5問ずつ。全25問のクイズを楽しみながら、EMを学ぶことができる。調べ学習や、子供の興味を考えたコースだ。
メニューをクリックして、第1研究室に入り、クイズコースに進んでみた。実際の台所の生ゴミの映像の上に、三択のクイズが出る。Q:台所から出るゴミは、役に立ちますか。A-1くさくなるので、役に立たない。A-2あることをすると役に立つ。A-3そのままでも役に立つ。A-2の番号をクリックすると、こたえが出てきて、生ゴミが「あるものの力をかりて、スーパー生ゴミに変身」すると解説が流れる。クイズを進むにしたがい、この「あるもの」は微生物で、そのうちの「80ぐらいの役に立つ微生物を集めたもの」がEMだと理解できるようになっている。
クイズを楽しみながら、植物や微生物の映像も目にすることができるので、より立体的な学習ができる。答えを間違えた時には、ブザーが鳴る。
さて、続く第2研究室では、どのような点でEMが役立つかが分かるようになっている。しらべコースに進んでみると、生ゴミの映像と共に→が出てくる。この矢印をクリックして進むうちに、EMによる生ゴミ処理の実際を学ぶことができる。生ゴミを、専用バケツに入れ、EMボカシを混ぜてふたをする。これらの作業が映像で紹介される。
こうした内容は、理科の学習や花だんや畑の土づくりなどでも取り上げることができる。ソフトの特徴は、何と言ってもEMの解説と実践映像がセットになっている点だ。解説の部分では、円グラフなどで、家庭から出されるゴミの量が図示される。パソコン普及時代ならではの教材ソフトと言えよう。
第4、第5教室は高学年を対応した内容になっており、環境問題への言及や市民運動やいろいろな施設でのEMの取り組みが示されている。特に第4研究室では、環境問題と公害問題の違いにふれ、環境破壊の重大さに目を向けるよう促す。環境破壊のために植物が育たなくなった土壌の改良に、EMが役立っているという紹介がある。
強い酸性になり、植物が育たなくなった土地。そこにEMを散布する。1週間すると草木の芽が出る。1ヶ月後、地面が芝に覆われる。こうした写真を見ていく中で、EMを使った環境への取り組みが理解できるようになる。
第5研究室「取り組まれるEM」では、国内外のEMの実践例を報告。特に、タイの学校で、授業にEM農業技術が取り入れられている様子が紹介されている。タイは、EMの利用が最も盛んな国。タイの小学生が、農場でEM堆肥を混ぜ合わせている写真の画面を見ると、そのこともよく分かる。
また、酸性雨やオゾン層破壊、放射能で汚染された土地の回復などにも、EMが活かされるということも示唆されており、締めくくりは「EMは環境問題を解決できるかもしれませんね」という言葉。「明るい未来を語っていきたい」という渡部さんの思いが伝わってくる。
EM入門として大人にも最適
会場では、スクリーンの映像を見ながら、子供たちが「EMくん」のキャラクターに誘われるように画面を追っていた。また、大学1年生の男性は、高校の授業などで環境問題が取り上げられたが、出口がない無い…という暗い気持ちにしかならなかったと述べたうえで、「EMのことを知ってからは、ゴミの処理や農業への活用などの実践を知るにつれ、希望を持てるようになりました。土が肥えて、野菜の出来がよくなれば、食糧難にならずに済む国だって出てくるのですからね」。
また、三重県から参加の山村さんは、「団体の研修などで活用します。EM入門としてちょうどいい」と、ソフト「EMくん」を購入していた。
渡部さんは、「EMくん」を使った授業のほかに、3年生のクラスで実際にEMを使った生ゴミの処理を行ったこともあるという。そのとき、ある生徒が「ゴミの臭いとは違う。甘いにおいがする」と言ったそうだ。「子供たちは臭いにとても敏感です。百聞は一見にしかずですね」。
なお、「EMくん」は、渡部先生のホームページでも見ることができる。こちらもぜひアクセスしてみよう。
アドレスは、
http://www.sannai.gr.jp/nabe/em/