EMフェスタ99
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ミニセミナー No.02
1999.11.6/7
EMで生ゴミ処理と土づくり
講師:波照間永一
The Exhibition Event --------
Effectiv Microorganisms
「日本は、昔から微生物に非常にお世話になっている国です。昔の人は山の中から土を取ってきて、ヌカに入れて発酵させ、それをボカシとして畑にまいたんです。今はね、山から取ってきた土の代わりに、EMを使ってボカシを作る。これが、“EMボカシ”です」
説得力のある声音に、参加者は初めから一気に引き込まれた。ゼスチャーをまじえて、表情豊かに語りかける波照間永一(はてるまえいいち)さん。「EM・1の中には、何兆もの微生物が入っています。これを増やして使うんです。では、その増やし方を見ていきましょう」。さっそく、EMボカシ作りが始まった。なに事も体験して身につける…がモットーだという波照間さん。「必ずご自分でもやってみてくださいね」と観衆に声を掛けた。
簡単に、EMボカシの作り方を紹介しておこう。1-水1リットルをバケツに入れ、2-糖蜜10ccをそのバケツに入れ、よく混ぜ合わせる。(糖蜜100倍希釈液)3-EM・1を10cc同じバケツに入れ、混ぜ合わせる。4-ブルーシートなどに米ヌカ5キログラムを広げ、糖蜜100倍希釈液をジョーロで少しずつかけながら、ヌカをかき混ぜる。5-かき混ぜたヌカを手で握り、団子状にして指で押し、団子がパカッとくずれる程度の水分であることを確かめる。6-ヌカがよく混ざったら、密閉容器(またはビニール袋)に入れ、空気が入らないように密封する。7-直射日光が当たらない、温度変化の少ない所に1〜2週間(沖縄以北の地域では3週間)保管し、発酵を待つ。8-甘ずっぱい匂いがしたら出来上がり。
米ヌカに混ぜる水分の調整が大切
波照間さんは、所々で注意点を述べながら観衆の反応を見た。糖蜜100倍希釈液を作る際には、水質について触れ、「日本の水は塩素が多い。微生物は塩素に弱いので、まず水に糖蜜を入れる。すると、塩素が糖蜜の成分と結びついて、水の性質が変わります。そこにEMを入れてやるんです。この順番は大事ですよ、いいですか」。
糖蜜やEM・1をとにかく混ぜればいいと、つい思ってしまいがちだが、作業の順番にも大事な理由があるのだ。
波照間さんの注意がさらに続く。「これから話すことは大切ですので、気をつけて聞いてください。大事なことは米ヌカに混ぜる水分の調整です。水が多すぎると腐ってしまう」。波照間さんは、米ヌカを団子状にしたものを参加者に示し、指で押した。パカッと割れると、また一言「水の量は、とても大事です。いいですか」。
空気との接触を少なくするために、ビニール袋にヌカを入れて密封する時にも、波照間さんの技が出た。上から押して空気を抜いて口を縛るのが一般的なやり方だが、波照間さんは、ビニール袋の口の両端を、ぐるぐると巻いていく。空気は、まず一方の端から抜き、次にもう片方の端から抜く。さらに口を巻いて空気を抜き、最後に両端をまん中でしっかりと結ぶ。この密封方法は、ほかにも応用ができる。
ところで、密封したものを1〜2週間置いて完成したEMボカシがうまく出来たかどうかをどうやって判断すればいいのだろう。
答えは、鼻。「鼻は最高の検査道具」だという。予め作っておいたEMボカシを袋に入れて、参加者に回す。実際に匂いを確かめてもらうためだ。「どうですか。どうしても我慢できないにおいですか。何のにおいがしますか」。波照間さんの質問に「漬物のにおい」「味噌のにおい」などの答えが返ってきた。「漬物も味噌も、体にいいでしょう。こんなにおいになると、ボカシ作りが成功です。よく覚えておいてください」。
「EMは、ただごとじゃないですよ」
EM実践はすでに達人の波照間さん。しかし、意外にもEMとの出会いはつい3年前。機械技師をしていた波照間さんは、退職後、家でただテレビを見る生活をしていたという。そんなある日、息子さんが生ゴミ処理用のバケツを買ってきた。最初は、あまり気に留めていなかったが、大事に育てていた月下美人を、その年の台風でやられてしまい、それからEMの実践に導かれた。
波照間さんは、どうにかして月下美人を蘇生させたいと色々な肥料を与えてみた。しかし、効果はない。ものは試しと、生ゴミを使ってEM堆肥を作った。それを月下美人に与えると、みるみるうちに元気になった。嬉しさと驚きが入り交じり、以後、奥さんから生ゴミを“分けてもらい”、EM堆肥・液肥づくりを始めたそうだ。
「EMは、ただごとじゃないですよ。でも、身近なものです。人間の腸にも髪にも皮膚にもEMはいるんです。ふだんから、人間はEMのお世話になっているのです。EMの優れたところは、人間が嫌だなと思ったものを、喜んで食べてくれることです。メタンガス、硫化水素、アンモニア、石油ガスなど、人間に害になるものを食べてくれます」
EMボカシ作りの後は、生ゴミ処理の実演。生ゴミ処理用バケツに、細かい穴のあいたビニール袋を入れる。それに先ほど作ったEMボカシをさっとまく。初めの発酵をスムーズにするためだ。次に生ゴミを入れていく。生ゴミを入れるたびにEMボカシを一握り振りかけるのがポイント。EMボカシと生ゴミをかき混ぜた後、シャモジなどで生ゴミを押さえて空気を抜く。中ブタをするとなお空気接触が少なくなる。後はバケツのフタをしっかり閉める。液肥(発酵液)が溜まったら取り出し、水で500倍以上に薄めて活用する。
手際よく作業を見せながら解説する波照間さんに、参加者からも質問も相次いだ。長野県の男性からは「氷点下10度にもなるのですが、ボカシ作りのバケツはただ置いておいて大丈夫でしょうか」という質問。波照間さんは「温度が一定でわりと暖かな場所にバケツを置いてください。不要になった毛布で、バケツをくるむのもいいかと思います。沖縄と違って気温が低い地域では、ちょっとだけ注意してください」とアドバイス。EMは、低温でダメになることはないが、発酵の速さが気温によって異なってくる場合があるそうだ。