EMフェスタ99 > ミニセミナー


ミニセミナー No.01
1999.11.6/7
 EM入門
講師:親盛啓介
The Exhibition Event --------
Effectiv Microorganisms





 「EM」は、今や『現代用語の基礎知識』に載るほどに知られた言葉。しかし、そのしくみや活用の方法についての具体的な説明を、もっと聞きたいという声は多い。「EM入門」は、そういう声に応えたEMを知るためのセミナーだ。EMフェスタの定番イベントになりつつある。
 南風原(はえばる)町にある(有)サン興産業の親盛啓介(おやもりけいすけ)さんが、本セミナーの講師。EMのしくみについてのパンフレットや、商品カタログを手にしながら解説。入門編らしい分かりやすいセミナーになった。


EMは肥料ではありません

 親盛さんはまず、集まった人たちに、泡盛やビールの酵母菌が入った袋を回した。においを実際に嗅いでもらうためだ。パンやお酒が、酵母の発酵によって出来上がるということはよく知られている。「酵母菌もEMのひとつですよ」。酵母菌が、作物の生産を助ける微生物群のひとつだという説明に、会場はうなずいたように見えた。EMについてよく知らない人でも、身近なところにEMの働きがあると分かると興味がわくのだろう。
 セミナーで取り上げられたのは、農業や家庭菜園。無農薬・無化学肥料による有機栽培を可能にするとあって、EMはこの分野でたいへん活用されている。「作物は、まず土づくりが大事なんです」と親盛さん。それに対して、会場から「EMは、肥料ではないんですか」という質問。「EMは、肥料の力を助けるものです。作物に、害無く早く栄養を吸収させるんです」。
 鶏糞をそのまま肥料として使うと、鶏糞からはガスが出る。そのガスが植物の根を痛めてしまう。肥料の性質や使い方にも注意が要る。「そんなときに、糖蜜とEM・1を鶏糞に混ぜて発酵させると、ガスが発生しなくなり、肥料として、ものすごくいい素材になるんですよ」。酸化を防ぎ、発酵を促す。EMには、こうした「抗酸化作用」といわれる働きがあるのだ。
 EM資材は、有機物を扱う農業で主に用いられているが、無機物にも応用され、さまざまなEM商品も作られている。「EMという微生物は、用途に応じてうまく使い分けること。この使い分けをしっかりと理解してくださいね」と語る親盛さん。EMの働きは、さまざまな用途に応用可能なのだ。
 

大切なのは、微生物を知ること

 セミナー参加は、「EMは決して肥料ではありません」という説明を繰り返して聞いているうちに、EMがどういうものなのか分かってくる。「EMは、その場所に合った使い方を覚えることが大切」なのだ。特に重要なことのひとつは、「抗酸化作用」というEMの働きをよく知り、それを応用していくことだ。
 親盛さんの話に呼応して、会場からの質問がさらに続く。長野から参加した男性は、気温が低い地域でのEMの使用法について聞いた。「長野では沖縄に比べて気温が低いけれど、冬には土壌の中で微生物は死なないのか」。確かに、沖縄との気温差は気になる。「気温が低いときは、微生物は、ゆっくり不活性化します。気温が高くなれば活性化しますので、大きな問題ではありません」と、親盛さんの明快な答えが返ってくる。
 EMは、気温にそれほど左右されるものではないが、糖蜜を混ぜたEMの希釈液に関しては事情が異なるようだ。那覇市首里から参加の宮城さん(女性)は、「うすめて作った液は、どれくらいの期間で使い切ればいいのですか」と質問。「沖縄でしたら、糖蜜を入れて作ったEMの希釈液は、一日、つまり一回で使い切ってください、栄養の固まりですので。ほかの微生物や雑菌が入ってきた場合、液が腐敗してしまいますから」と親盛さん。
 EMの希釈液を作る際、初心者であれば失敗して液を腐敗させてしまうこともある。この腐敗液の処理についても、質問が出る。一度腐敗してしまった液は、強い酸化力をもっている。親盛さんのアドバイスは、「そのまま捨てるのではなく、水でうすめて、作物の根から離れた所へ戻して下さい。排水口には流さないで下さい」と、環境のことも考慮に入れている。
 また、pH値が3.5でも適切ではない発酵があるという話も出たが、その場合には、液の「においの変化」に注意するという親盛さんのアドバイス。EMの発酵液のにおいがきつい場合には、基本に戻ってEM濃縮液のにおいに近くなるような発酵を心掛けるようにすればよいという。希釈に失敗しても、液を無駄にしないように液を土に戻しましょうという話に、勇気づけらた参加者も多い様子。生ゴミの有効活用のためにEMで処理を試みたはいいが、腐敗させてしまう。意気消沈してしまうところだが、土に戻せば廃棄物にならずに済む。これには救われる。
 希釈や発酵に失敗した腐敗液のための、水の浄化剤というものもある。しかし、まず「大切なのは、微生物を知ること」だそうだ。「微生物ってのは、面白いです。使い方次第でどうにでもなるんです。また、いい微生物もいるけど、栄養が多すぎると、悪い微生物も増えるんです。繰り返しますが、使い方を誤らないでほしいですね」。
 親盛さんは、さすがEMの精通者だけあって、植物の知識も豊富。例えば、EM希釈液の使い方については、「バラ科の植物、ナシ、リンゴなどは、酸に弱いので、葉面に液をかける時には、pHの値に気を付けてください」と、適切な指示。微生物について知ると同時に、植物の特性などもある程度知っておく必要を訴えた。