EMフェスタ99
> ポスターセッション
ポスターセッション No.04
1999.11.6/7
EMによるダイオキシン対策
EM研究機構 宮島正登
The Exhibition Event --------
Effectiv Microorganisms
EMフェスタ'99のポスターセッションでは、今日話題になっているダイオキシン問題に関するセッションが2つ行われた。そのひとつを担当したのがEM研究機構の宮島正登(みやじままさと)さん。ダイオキシンの危険性やその性質などをやさしく説明した後、ダイオキシンがどういう分子構造を持つ物質かということを、化学式で解説し始めた。「ダイオキシンを構成している元素としては、酸素と水素と炭素と塩素。これらの4つから構成されています。ごく普通 の元素なのですが、これが組み合わせによっていろいろな毒性を持つ物質に変化するのです」
その中でもっとも重要な役割を持つのが塩素で、これは食塩やビニール袋、塩素系洗剤、漂白された紙など我々の生活の中にあふれているという。
「ダイオキシンはこれらを燃やす段階で生成します。たとえば自動車の排気ガスやゴミ焼却場、それから、ごく微量 ですが、煙草の煙にもダイオキシンが含まれているのです」
身近な話になってくると、客席も乗ってくる。会場からは「○○さん、タバコやめなきゃあかん」という声も上がり、場の雰囲気が一気に和やかになった。
ゴミ焼却場でのEM効果
普段の生活環境の中にさまざまな発生要因があるダイオキシンだが、現在、日本で一番対策が急がれているのが、ゴミ焼却施設である。宮島さんは、EMを使ってゴミ焼却場で発生するダイオキシンの90パーセント以上が抑制できたという驚くべき実験結果を報告した。実験場となった焼却施設は、沖縄県具志川市の具志川工場と埼玉県和光市の清掃センターだ。
具志川工場では1998年7月から10月までの3ヶ月間に渡って実験が行われた。集めてきたゴミを集積するゴミピットにEM活性液とEM・Z、EM・Zセラミックスを混合して入れ、ガス冷却室にはEM活性液を投入。それぞれ量を変えて計8回の実験が行われたが、EM・Zセラミックスをトン当たり1キログラム使用した場合に、かなりのダイオキシン抑制効果が確認されている。数字で比較すると、EMを使わない場合に飛灰に含まれるダイオキシン類濃度が75ナノグラム―TEQ/グラム だったのに対し、EM・Zセラミックスを使用した場合は0.01ナノグラム―TEQ/グラムまでダイオキシン類濃度が下がっている。抑制率はなんと99.9パーセントである。焼却灰に含まれる同濃度を比較した場合でも、0.0234ナノグラム―TEQ/グラムが0.006ナノグラム ―TEQ/グラム まで下がり、最大74.4パーセントの抑制率を示した。
和光市の実験では、ゴミピットにEM希釈液を、ゴミホッパや火炉、煙道入口にEM、EM・Z、EM・Zセラミックスを投入し、EM処理前とあとでダイオキシン類の濃度を比較した。すると、排ガス中のダイオキシン類濃度16ナノグラム―TEQ/N立方メートルが0.82ナノグラム―TEQ/N立方メートルに、飛灰中の同濃度は59ナノグラム―TEQ/G から0.0023ナノグラム―TEQ/グラム に、焼却灰中の同濃度が0.054ナノグラム―TEQ/グラム から0.0003ナノグラム―TEQ/グラム に減少。抑制率はそれぞれ90パーセント以上という素晴らしい効果を示したのである。
「2002年から実施される新ガイドラインでは、和光市と同型の焼却施設の排ガス基準は1ナノグラム―TEQ/N立方メートルですから、EMを使えば、十分に新しい基準もクリアできるのです」と、宮島さんはEMがダイオキシン抑制対策にも大きな存在になることを訴えた。また、EMを使用した実験期間中はゴミ処理場の悪臭も抑えられ、ハエやゴキブリなどの害虫が激減するなど、衛生面 でも改善がみられたことも報告。長期的にみれば、EMの抗酸化作用による施設機器の防サビ効果 など、メンテナンスの面でも効果が期待できるという。
ダイオキシンで汚染された土壌の浄化
ダイオキシンの大きな発生源となっているゴミ焼却施設で、EMがその発生を抑えることができることは明らかになったが、すでにダイオキシンで汚染されている土壌を浄化することは可能だろうか。宮島さんは言う。
「ダイオキシン類は難分解性物質として知られています。なかなか無害の形には分解されないんです。しかしその構造は、木材などに含まれる同じ難分解性物質のリグニンと似ており、このリグニンを分解することができるリグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼなどを用いれば分解されることが知られています。このような微生物の分解力や代謝などを利用したバイオレメディエーション(生物的環境浄化)の研究が、今活発に行われています」
自然の中に含まれるこれらのリグニン分解酵素を、EMによって活性化することができるかという実験も行ったという。土壌にゴミ焼却施設から発生するダイオキシン濃度の高い飛灰を混入して人工的に汚染土壌を作り、土壌中のリグニン分解酵素であるラッカーゼの活性とダイオキシン類の分解能力がもっとも早い蛍光性シュードモナス(細菌類の仲間)が、EMを散布することによってどのように変化するのかを調査したのだ。
その結果、EM0.2パーセント潅水とEMボカシを併用した場合にラッカーゼの活性が通常の10倍ほど高まり、蛍光性シュードモナスの密度はEM2パーセント潅水とEM0.2パーセント潅水の実験で著しく高まることが確認された。
「これらの実験で、EMはダイオキシン類の発生を抑えることはもちろん、一度汚染された土壌などを浄化することにも効果 があると確認されたのです」と、宮島さんは発表を締めくくった。
その後の質疑応答では、「具志川市と和光市では実験で使ったEMの量、種類などが違いますが、これはなぜですか?」と質問が飛んだ。宮島さんは、「ゴミ焼却施設と一口に言っても、焼却機にはさまざまな種類があり、処理システムも場所によって違います。そのタイプに応じて一番効果 的だと思われるEMの活用を考えたのです」と答えた。
また、「EMによってどれだけ浄化されたかという汚染度の比較はしましたか?」という質問もあり、これには「EMがダイオキシン類を分解するリグニン分解酵素や蛍光性シュードモナスなどの細菌類を活性化することができるかという実験でしたので、今回はそこまで計測できませんでしたが、いずれはそういう長期的な実験も行う予定です」と語った。