EMフェスタ99
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ポスターセッション No.02
1999.11.6
環境蘇生型浄化センターを目指して
〜茨城県守谷町浄化センターにおけるEM浄化法実験について〜
EM研究機構 奥田文
The Exhibition Event --------
Effectiv Microorganisms
利根川や大野川などが流れ、水と緑の豊かな茨城県守谷町。同町の浄化センターでは昨年からEMの導入が始まったという。センターで行われているEM活用実験について、EM研究機構の奥田文(おくだあや)さんが発表を行った。
この実験は、EM研究機構と自然農法国際研究開発センター、イーエムワールド関東による共同実験で、EMが場内から発生する悪臭や発生汚泥の減少などに役立つかを調べるもの。1998年2月から1999-11 EMフェスタ996月まで行われた。
守谷町の浄化センターに流入する下水道水の量は1日平均で約3万k。処理圏内にビール工場などがあるため、その半分が工場廃水である。処理施設では、これらの下水をまず沈砂室や最初沈殿池に流入して汚物を沈め、ばっ気槽で空気を混入して分解をうながし、さらに最終沈殿池で汚泥だけを取り除き、分離した水は塩素処理をして近くの大野川に放流している。
悪臭が消えた
今回の実験では、最初沈殿池で大まかに集められて重力沈殿槽に溜まった生汚泥にEMを散布し、悪臭がどれだけ取り除かれるかを調べたという。ちなみに、EMの投入量は流入水当たり約2万分の1である50ppm の量を定期的に散布する方法が取られた。
発表を担当したEM研究機構の奥田文さんは自らこの実験を担当した方で、その成果を次のように報告した。
「重力濃縮槽から発生する悪臭の根源は、硫化水素です。腐った卵の臭いがし、下水処理施設で問題になっているガスですが、これがEMを投入した期間は発生率がかなり低下しました」
具体的な数値を挙げると、EM投入前に583 ppm だった硫化水素の値が、その3分の1以下に下がったという。重力沈殿槽だけでなく、その前に下水が集積するポンプ場からEMを投入すると、0ppm 、2ppm というほとんど検出されないレベルまで硫化水素の発生を抑えられた実験結果が出た。
ただし、重力濃縮槽に汚泥が浮上している場合は悪臭がひどくなる。この状態でEM投入前は1388ppm という高い値を示した。投入後は80パーセントを抑制したとはいえ、254ppm。EMによる臭気抑制効果はあるが、運転方法を工夫すればさらに改善が見込めるという。
この重力濃縮槽で汚泥は沈殿し、分離された水分は返流水として浄化施設の入口である沈砂室へ戻されて再び施設内を移動する。つまり、重力濃縮槽で投入されたEMは水分中に拡散し、そのまま施設内を回るシステムになっている。EMを使用し続ければすべての施設にEMが行き渡ることになるのだ。
汚泥の量も激減
浄化センターの主な役割は、言うまでもなく汚れた水を浄化して川などに還元し、その中の汚泥はまとめて廃棄すること。つまり水分と固形物を分離することにある。このシステムを導入した結果、悪臭が消えたのみならず、汚泥の量にも好影響を与えた。
守谷町浄化センターの流入水量は年々ゆるやかに増え続け、それにつれて発生する汚泥(固形物質)の量も徐々に多くなっているのだが、EMを投入した1998年度は、約30パーセントの固形物質の減少が見られたと、奥田さんは言う。
「脱水機の更新により、試算によると12パーセントの汚泥減少がありましたが、EMによる固形物質の減少量は20.7パーセントにも及びます。この分だけを汚泥処理費から差し引くと、約2000万円の経費削減が見込まれます」
数値で比較すると、1997年度の固形物の発生量は月平均で56.4立方メートル。1998年度は浄化センターに流入する下水道の量が1.3倍になったにもかかわらず、固形物発生量は月平均48.9立方メートルと減少している。
今後の方針として、奥田さんは「最初の沈殿槽で個液分離を行ったり、運転管理のやり方でさらに汚泥減少の効果が上げられると思います」と、展望を語った。
放流水質も改善
同浄化センターで処理された水は、近くの大野川に放流される。水質が向上すれば、より環境にやさしい施設になることは言うまでもない。
そこで、最終沈殿池でEM投入中の放流水の水質調査も行った。
「まず、大腸菌群数が大幅に減りました」と奥田さん。EM投入後はゆるやかに大腸菌群数が低下し、CFUが3000を下回る日も多くみられたという。1ミリリットル中に3000個以下。これならば、放流水を塩素消毒しないでもよいレベルに維持することもできる可能性も見えてきたと語る。
また、EMを導入後、放流先である大野川に魚が戻ってきたと、地域の人が噂し始めたそうだ。そこで実際に調査を依頼し、大野川の水生生物の生息状況を調べたという。採取された魚は14種類。フナ、コイ、ボラなどとともに、メダカやオイカワ、ウグイなども確認された。
「オイカワがいる川には鮎も来ると言われるほど、清流を好む魚。前の調査が無いので、EMの影響かどうか具体的な比較はできませんが、地域の皆さんがお話しているとおり、大野川がきれいなったのは間違いないでしょう」と奥田さん。魚のほかに、エビやカゲロウ、トンボの幼虫など17種類の水生生物、水生昆虫も採取された。その中には、オイカワと同じように清流を好むミズカマキリなども含まれていたと発表を締めくくった。
ポスターセッションが終了すると、会場からは「EMによって悪臭の素である硫化水素の発生が抑制されるのはなぜ?」「EMによるランニングコストはどれくらいですか?」「EMによって発生する汚泥が減少するのはどうしてですか?」などの質問が飛んだ。奥田さんは、そのひとつひとつに親切に応じていた。