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専門分科会
1999.11.7
農業畜産分科会 『EMによる健康で安全な食糧生産』
コーディネーター:宮島 寛之  沖縄みどり産業代表取締役
 パネリスト  :大城 道哉  我那覇畜産
 パネリスト  :福村 直樹  野菜類のハウス栽培
 パネリスト  :當山 吉明  総合結婚式場キャッスルハイランダー料理長
The Theater Event --------
Effectiv Microorganisms


 農業/畜産分野の専門分科会は、EMフェスタ'99の2日目に行なわれた。会場となった劇場棟会議室は混み合い、立ち見も多数出るなか、城間松光さんの司会で始まった。
 コーディネーターの宮島寛之さんは、EM食材を使った料理を手掛ける當山吉明さん、EM養豚とEM堆肥の生産に携わる大城道哉さん、EM野菜の生産農家・福村直樹さんに対し、EM利用の実践例や効用について尋ねた。結果 として、EMを中心にした生態系の循環を見ているような内容の濃い議論になった。







EM食材で健全な料理が提供できる

 最初に報告を求められた當山(とうやま)さんはまず、「5年ほど前に、食材ではなく浄化槽の悪臭緩和の目的でEMと初めて関わった」と前置きし、その成果を次のように語った。
「貯水タンクの受水槽40トンと高架水槽20トンにEM・Xセラミックス約40キログラムを吊したところ、製氷器の氷が透明になった。また、厨房独特の油臭さがなくなり、下水に油の固まりがなくなって排水がスムーズになった。水道管や水道の蛇口のサビもなくなったような気がした」
 それがきっかけで「EMは人体に非常に良いものではないか」と思い始めた當山さんは、EM食材を使用した献立を作り、提供するようになったという。當山さんは、その体験を次のように説明した。「米は、色、艶、旨味が良く、炊いた後も一粒一粒の形がしっかりしている。EM野菜はみずみずしく、繊維の密度が良く、普通の野菜より旨味や甘味がある。アクが少なく日持ちもよい。牛肉、豚肉については繊維が細く、肉全体に堅いスジが少ない。独特の肉の生臭さが少ないように思う。豆腐は、普通の豆腐より鮮度が長く、保存が効く。さらに、加工食品や商品にEM・Xなどを使用すると、環境衛生、経済効果につながる」
 そして、當山さんは、「EM食材やEM・Xを使えば、健全な料理を提供でき、お客様のニーズにこたえられると信じている」と報告を結んだ。


悪臭対策が、高品質の商品化へ発展

 続いて、コーディネーターの宮島さんは、當山さんにEM食材(豚肉)を提供している立場の大城さんに対し、養豚におけるEMの活用状況について報告を求めた。
 大城さんはまず、「我那覇(がなは)畜産がEMを養豚に利用して9年になる。県内の畜産関係では古いほうだと思う。EMを使うきっかけになったのは、集落に接近しているので、悪臭などの環境対策だった」と振り返った。
 そして、スライドを用い、養豚施設を紹介しながら、EM活性液を散霧機で1時間に約3回、施設全域に自動散布している様子などを解説した。
 大城さんは、「しかし、今はEMを悪臭対策ばかりに活用しているわけではない。品質の良い『琉美豚(リュウビトン)』をつくるために、水、エサにEMを導入している。EMを使うとどう変わるかは、肉の卸業者が抜き打ち的に行なった調査による分析比較表によく現れている」と、第三者が作成したデータを見せた。
 そのデータは、エネルギー、タンパク質、脂質についての分析結果で、『琉美豚』と、その他の豚との比較が棒グラフになっている。っ『琉美豚』はいずれも、高タンパク、低脂質、低カロリーで、なかでも脂質が抜きん出て少ない。データを見た最初の報告者の當山さんは「炊いた時点で他の豚肉と比べると、目に見えてアクが少ない」と体験を語った。
 また、大城さんは、悪臭対策をきかけに始めた豚糞利用の堆肥づくりについても言及。スライドで映し出されたEM導入後の一次発酵の様子について「菌類がかなり繁殖しているのが分かると思う。EMを撒くと、かなりの早さで発酵が促進される」と強調した。堆肥商品『とんちゃん』の成分分析については、「たいていの堆肥は、窒素2、リン酸2、カリ2が普通だが、うちの商品はリン酸を多く含んでいる」と特長を説明した。


微生物が定着するには時間が掛かる

 次に宮島さんは、EM野菜を生産し、EM堆肥を使っている農家の福村さんに、EM利用の実践状況について報告を求めた。福村さんは、琉球大学農学部出身で、比嘉照夫教授の講義を受けている。
 福村さんはまず、父親が栽培していたサヤインゲンが10年連作で障害が起こり、ひとつも採れない状態のときにEMを導入した成果を次のように披露した。
「EMを使ったその年に、もとの収穫量を取り戻せた。冬場の曇天の光のなかでも成果があったのは光合成細菌が働いたためだ。父親にとっては劇的なEMとの出会いだった。しかし、収穫量が戻っても病気がなくなったわけではない。微生物が定着するには時間が掛かる。これを忘れてはいけない。土壌の有用微生物が有害微生物を上回った時点で初めて植物の病気が減少し、減農薬につながるのだ。当農家では、EM導入から3年後に収穫量が1.5〜2倍に増えた。しかも、サヤインゲンにこれほどの甘味があったとは…と、われながら感心したほど品質が良かった」
 また、評判のミニトマトの栽培についても、写真を会場に提供して紹介。写真を手にした観衆から「ものすごい実のつき具合」という溜め息が漏れるなか、「比嘉先生のおっしゃる限界突破が私の場合はこれだと思う。しかし、ミニトマトもサヤインゲンも、特別なEMの使い方をしているわけではない。EMの基本的な使用方法をそのまま順守して、散布を繰り返しているだけだ」と述べた。
 さらに、無耕期栽培について「基本的に、スタートの時点で、我那覇畜産の製品のような成熟した堆肥をふんだんに使い、EMを投入すれば、私の圃場では無耕期栽培は可能である。ただし、収穫を終えて植えつけるときに、ひと掴み、高品質の堆肥を入れて耕している」と述べた。
 議論のあと、フロアとステージとの間で質疑応答が行なわれた。フロアから「化学肥料とEMを同時に使う場合、EMに対する影響は」「ホウレン草の連作障害が出ているのだが、濃度の濃いEMを散布したらすぐ効果が出るのか」「EMによって鮮度が保たれるというが、出荷にとってのメリットは」など、具体的な質問が目立った。