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専門分科会
1999.11.6
教育分科会
『EM環境教育が育む人づくり・まちづくり』
 コーディネーター:岡  正典  EM研究機構東京事務所研究員
 パネリスト   :市橋 雅子  栃木県足利市立毛野小学校大久保分校教頭
 パネリスト   :種山みどり  長野県北安曇郡池田町立会染小学校教諭
 パネリスト   :西尾  実  岐阜県土岐郡笠原町立笠原中学校教諭
The Theater Event --------
Effectiv Microorganisms



 教育分野の専門分科会は、劇場棟会議で初日に行われた。パネリストたちの実践に根差した報告は説得力があり、充実した内容だった。
 コーディネーターの岡正典さんはまず、「教育行政が、知識偏中の傾向から体験重視の学習へと大きく流れ変えている。2002年には、総合学習の時間という単元が全国的にスタートする。EMはおそらく、この教育改革に大きな役割を果 たせるのではないか。当分科会では、その面で具体的に参考になる話が聞けると思う。また、地域に開かれた教育の場としての学校、EMの活用法の一種のショーウインドーのような場としての学校…といった面 からも、パネリストたちの報告には興味がある」と述べ、報告を求めた。





 
ケナフ栽培とEM活用を教育活動に

 最初に報告したのは、栃木県足利市立毛野小学校大久保分校教頭の市橋雅子さん。
 市橋さんは、スライドを使用して、地域素材を十分に生かした体験活動を同校で展開している様子を紹介。そのなかで、EMの活用例として、生ゴミの堆肥化、EM希釈液による発芽率の向上化、飼育活動や清掃活動における悪臭対策、プールの水質浄化、EM肥料を利用したケナフ栽培…などを挙げて、具体的に解説した。
 特に、プールの水質浄化については、シーズンオフの間にEM活性液と米のとぎ汁EM発酵液を注入したところ、同時に100匹入れたメダカが2000匹に増え、しかも「1匹、1匹がものすごく大きく、金魚のようだった」と報告。スクリーンには、プールに入れるEMの様子や、ホテイアオイの温室づくりに打ち込む子供たちの様子が映し出された。さらに市橋さんは、火災避難訓練で放水に使ったとき「例年なら喜ぶ子供たちが、EM君が逃げちゃうよ…と騒ぎ出した」というエピソードを披露。「消防署員らは理由が分からなかったが、子供たちは、放水のときめきよりEM君のほうが心配だったのだ」。
 同校は、『農園活動を通して子供の生きる力を育てよう』を研究テーマにしており、「EMもケナフも作物も皆生き物で、共生している、助け合って生きているお友達なんだ」という感覚で教育現場に臨んでいるという。子供たちは、土やプールにEMを撒くとき、「EM君、土のなかでも頑張ってね」「プールのなかでも頑張るんだよ」と“声掛け”をしているそうだ。
 市橋さんは、報告の締めくくりのなかで、「EMやケナフに子供たちが出会えたことは、大きな幸せだと思う」と述べた。


地域の人とともに取り組む教育環境

 続いて、長野県北安曇郡池田町立会染小学校教諭の種山みどりさんが報告した。
 種山さんはまず、自分の活動について「EMについて教わったことを子供たちが地域全体に広めていく、子供が発信源になっていくような活動をしてきたように思う」と振り返り、EMボカシづくりをきっかけに、EMに対する関心が、クラスから学校全体へ、そして家庭や地域へ広がっていった経緯をスライドを交えて紹介。そして、子供(小5・那須和人君)の朗読が入ったテープを会場に流した。
『僕は今もEMで不思議に思っていることがあります。それは普通では目に見えない微生物ですが、そんな小さな微生物たちが、短時間で、汚れを食べたり、臭いを食べたりするのが、今でも不思議です。だから、これからもEM活動をやりながら、もっともっとEMのことを勉強したいです。それから長くやってこれたのにも理由があります。まずEMをやって、最後までやりぬ く…というのを覚えました。発表会でも最後までできて嬉しかったです。その嬉しさが次の活動のやる気を出してくれて長くできました。もう一つは友達とやる楽しさです。EMを友達とやっていると、一人でやるより楽しいし、一生懸命共同でやってこれました。僕が長くやってこれたのは、周りの人に支えられたお陰でした』
 種山さんは、EMを“補助”に、友達と協力してやり遂げた達成感はもちろん、失敗したときに励まし合いながら凝らす工夫や、地域の人々からの励ましなどから得る子供たちの体験は「すべての学習につながっていく」と述べた。また、(教師側は)「EMを単なる技術として使うのではなく“EMを通 して子供たちを育てる”という心掛けを持つべきだと思う」「自分との関わりで環境全体を見ていく…というか、自分との関わりで環境を乱して、自分のできることで何とかしようという子供たちの心を養いながら、そこへEMを効果 的に使っていくことは、とても大切ではないか」とも語った。


子供たちに夢をもたせるEM

 三番目に、岐阜県土岐郡笠原町立笠原中学校教諭の西尾実さんが報告した。
 西尾さんはまず、「私が青年海外協力隊でアフリカから帰ってきたとき、一番強く感じたのは、日本の子供たちは非常に追いまくられているなあ、ゆとりが無いなあ…ということだった。ボランティアサークルをつくるきっかけになったのは、生徒会活動をしていた生徒が『生徒会活動はいろいろやってきたけど、なんか自分たちでやったという気がしなかった』と言ったときだ。追いまくられた暮らしをしているので、自分たちでやれたという達成感が少ないのだ。その生徒は福祉関係に関心があり、私は環境問題に関心があったのでその場で意気投合し、『それじゃあ、みんなを集めて何かやるか』というノリでボランティアサークルをつくった」と、同校でステップという自主的なサークルを結成した経緯を紹介した。
 そして、スライドを使い、ステップの生ゴミのEMボカシ化などEM活動をはじめ、学校の周りのゴミ拾いや、笠原川の掃除などの取り組みを具体的に解説した。この活動は、1999年4月から“総合的な学習”として授業にも組み込まれたという。
 また、西尾さんは、「私自身がEMに取り組んでいるのは、EMが楽しくて面白いから。先生が本当に面 白いと思えば、生徒も面白いと感じるものだと思う」と述べ、“遊び心”を強調。報告の最後では「今後も笠原中では、ボランティアを中心に、先生たちも一緒になって汗をかいて取り組めることを一つずつやっていきたい」と抱負を述べた。