EMフェスタ99 > 発表大会


事例発表 No.11
1999.11.7
EMによるダイオキシン抑制効果
The Theater Event --------
Effectiv Microorganisms



 
 1972年8月21日生れ。沖縄県那覇市出身。琉球大学大学院農学研究科を修了。現在EM研究機構勤務。近年問題視されている環境ホルモンの中でも特に注目されているダイオキシン類の抑制にEMが効果 があることを分析中。
宮島 正登
(みやじま まさと)
株式会社イーエム研究機構
本社研究部研究員
http://www.emro.co.jp/


 近年、化学物質による環境汚染が深刻化しています。これらの化学物質は、環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化学物質)と称され、農業分野においても環境ホルモンによる汚染は深刻視されており、生産現場において身近に使用されている農薬や農業資材において、環境ホルモンとして知られている物質も数多く報告されています。環境ホルモンの中でも近年注目されている物質にダイオキシン類があげられます。
 ダイオキシン類は主として焼却、有機塩素系化学物質の合成などの過程で非意図的に生成される物質で、極微量 で強い毒性を示すと同時に、難分解性であるという性質を持っています。従って、一度放出されたダイオキシン類を含む環境ホルモンは自然界に長期間存在し、食物連鎖を通 じ最終的には人体内へと蓄積され、さまざまな問題を引き起こすことが報告されています。
 ダイオキシン類対策は、新たな発生の抑制およびすでに放出された物質の分解と2つの方向性から検討していく必要があります。本研究では、EMおよびEMによって生成された抗酸化物質を精製・抽出したEM・Z、セラミックス材料にEM・Zを混入し焼成したEM・Zセラミックスを用い、ダイオキシン類の発生源の1つとして考えられているゴミ焼却施設における発生抑制の効果 、また分解性において、バイオレメディエーション(生物的環境浄化)としてのEMの可能性について検討を行いました。


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〈スライド1〉このスライドはダイオキシン類の化学構造式を示しております。ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、およびコプラナーPCBの総称で、ベンゼン環の水素原子が塩素原子に置換される数および置換位 置によってそれぞれ順に75、135、13種類の異性体が存在し、またそれぞれ毒性も異なります。そのため一般 に測定されたダイオキシン類は、毒性の強さを統一して表記されます。
 焼却による主な発生源はゴミ焼却施設であると考えられています。ダイオキシン類は焼却時における300〜700度程度の不完全燃焼域において生成されることや、塩化フェノールや塩化ベンゼンなどダイオキシン類前駆物質の塩素化、また集じん器内における銅やコバルト等の金属触媒作用によるデノボ合成など、おもに焼却炉内およびガス冷却・集じん過程による発生が考えられております。
また、焼却運転方式には24時間運転し続ける連続方式,および点火ならびに消火を繰り返す間欠運転方式があります。間欠運転方式の炉では,立ち上がりおよび消火時における温度の変動により不完全燃焼が起こりやすく、そのためダイオキシン類の発生が多いと言われています。


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〈スライド2〉本試験は、沖縄県具志川市の焼却炉にて行いました。スライドは具志川工場の施設の概要およびフローを示しています。本施設は23年目の古い焼却施設で、機械式バッチ炉およびマルチサイクロン方式の集じん器を備えており、日量 約40トンの焼却処理を行っております。ゴミ収集車で回収されたゴミは、貯じんピットに蓄えられ、クレーンで焼却炉へと投入され焼却されます。焼却灰は各種ロストルを通 じ灰バンカより排出され、一方煙は煙道を通りガス冷却室にて冷却され、集じん器にてばいじんが除去され、煙突へと流れていきます。焼却施設におけるダイオキシン類の発生は、焼却炉内およびガス冷却・集じん過程と言われています。本実験においては、ガス冷却水にEM活性液を投入すると同時に貯じんピットにEM活性液、EM・ZおよびEM・Zセラミックスパウダーの混合液の散布処理を行いました。

〈スライド3〉これはEM活性液とEM・Z、EM・Zセラミックスパウダーを混合している様子です。

〈スライド4〉これは先ほどの混合液をゴミピットに散布している様子です。

〈スライド5〉これはEM活性液をガス冷却水槽に投入している様子です。

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〈スライド6〉これは具志川市における試験処理区を示しております。EM導入前をコントロール区とし、またEM処理において、EM資材のガス冷却水およびゴミピットの投入箇所およびその投入量、投入組み合わせを変えた処理区を設けました。
 サンプリング調査は、焼却温度が一定である定常運転時に行い、集じん器灰である飛灰と、焼却灰を採取しました。

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〈スライド7〉これはダイオキシン類測定結果を表にしたものです。飛灰においてコントロール区と比較し、ガス冷却水のみの処理である処理1区において約73パーセント、冷却水および貯じんピット処理を行った処理2区においては約81パーセントとダイオキシン類発生が抑制されました。またEM・Z、EM・Zセラミックスを併用処理することにより、さらに抑制率が高まる傾向が見られました。
 焼却灰については処理区間でばらつきが多く、コントロール区に比べ高まる区もありました。セラミックスを施用した処理4区以降では、散布したセラミックス量に比例し減少する傾向が見られました。

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〈スライド8〉これは先ほどの飛灰の結果をグラフにしたものです。左の縦軸に毒性等価濃度(ダイオキシン類濃度)および右に抑制率を,横軸に処理区をとりました。コントロール区に対しEM資材を処理した区において高い抑制率を示したことから、これらの資材がダイオキシン類の発生抑制に有効であったことが示されました。
 現在、ゴミ焼却施設におけるダイオキシン類排出規制があるのは排ガスのみですが、その排出量の多さや環境への影響を考慮すると、飛灰や焼却灰のダイオキシン問題も懸念されますが、本試験から飛灰および焼却灰に対しても大きな抑制効果が見られたことから、EM処理を行うことによりダイオキシン類の環境への排出量も少なくなることが推測されました。

 これらの結果より、EMによるダイオキシン抑制のメカニズムについて、EMやEM・Zに含まれている抗酸化物質やミネラル等により燃焼が促進され、ダイオキシン類が生成される原因となる不完全燃焼を防止すること、またこれらに含まれている各種ミネラルが、ダイオキシン類構成物質である塩素と反応し、生成反応を抑制すること、およびEM・Zセラミックスによる塩素吸着反応などにより抑制効果されたと推測しております。

 次にEMによるダイオキシン類のバイオレメディエーション(生物的環境浄化)としてのEMの可能性について検討を行いました。

 バイオレメディエーションとは、微生物を用いた環境浄化法のことで、近年環境浄化技術として注目されております。
ダイオキシン類は難分解性物質として知られており、いったん環境中へ放出されるとその分解には多くの時間を必要とします。
 ダイオキシン類の分解については、汚染物質を回収し溶融固化処理などの物理的手法、化学的分解処理、超臨界水を用いた処理法など多くの手法が研究されており、微生物を用いた処理法もその中の一つであります。
 ダイオキシン類の化学構造が木材などに多く含まれているリグニンの構造と似ていることから、リグニンを分解する酵素を用いた研究が多数報告されております。
 その一つとして、木材腐朽菌による分解の研究があります。木材腐朽菌とはカビやキノコの仲間である真菌類に属し、土壌中においてリグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼなどの酵素により難分解性であるリグニンを分解することが知られています。

 実験室内において、ビニールポットに赤土と、細断し滅菌した稲わらを混入し、EM区にはEMボカシとEM活性液を、コントロール区は水道水を潅水し、28度で保温し、コントロール区とEM区の2処理区の土壌中におけるリグニン分解酵素を測定しました。リグニン分解酵素としてリグニンペルオキシダーゼ、およびラッカーゼを経時的に測定しました。


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〈スライド9〉これはリグニンペルオキシダーゼの経時的変化を示しています。EM区においてコントロール区と比較すると高い活性を示し、特に3日目において高いピークを示しました。

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〈スライド10〉これはラッカーゼ活性の経時的変化を示しています。リグニンペルオキシダーゼと同様EM区において高い活性が見られました。
 このようにEMを施用することによりリグニン分解酵素活性が高くなる傾向が見られたことから、リグニン分解酵素の活性を測定し、EMによる土壌中ダイオキシン類分解の可能性について検討を行いました。

 ポットに赤土と飛灰を混和し、ダイオキシン類汚染土壌を作成し実験を行いました。
 処理区は水道水灌水のコントロール区、EM活性液灌水区、EM活性液灌水およびEMボカシ混入区、EMボカシの代わりにボカシの材料を用いた有機物混入区、EM・Zセラミックスパウダーを混合したセラミックス区を設定しました。


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〈スライド11〉これはEM処理2ヶ月後の土壌中ラッカーゼ活性を示しています。EM0.2パーセント灌水およびEMボカシ区で最も高い活性を示し、EM2パーセント灌水区、EM0.2パーセント灌水区の順に高い活性を示しました。

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〈スライド12〉これは各処理区における蛍光性シュードモナス属菌の菌数を示しています。蛍光性シュードモナス属菌は細菌の仲間で、木材腐朽菌と同様ダイオキシン類を分解できることが知られています。この細菌はEMには入っておりませんが、自然界に分布しております。
 結果はEM0.2パーセント灌水およびEMボカシ区においてはコンタミネーションにより測定できませんでしたが、EM灌水区のみで存在が確認されました。

 EMを用いたゴミ焼却施設におけるダイオキシン類発生抑制について各種EM資材の効果は高く、またこれまでの運転方式を変えることなく安価に導入でき、従来の発生抑制技術にはない新しいタイプのダイオキシン類発生抑制技術として活用できることが明らかとなりました。
 またEMの使用は、ゴミピットを始めとする悪臭の緩和を始め、ハエやゴキブリなどの衛生対策、また飛灰・焼却灰の再利用や、防サビ効果などの副次効果、環境浄化対策として最終処分場へのEMの導入は、EMによる有機物の分解促進による最終処分場の延命化や環境浄化対策として期待されます。
 また、EMのバイオレメディエーション能力については、EMの土壌潅水やEMボカシの利用により、土壌中におけるダイオキシン類の分解に関与すると言われているリグニン分解酵素の活性が高まり、またEMを施用することにより土壌微生物数の増加や多様化が見られ、蛍光性シュードモナス等が確認されたことから、EMによってバイオレメディエーションに適した土壌環境が作られる可能性が示唆されました。

 また、ゴミ焼却によるダイオキシン類発生において、家庭からでる生ゴミも大きく関与していると言われております。
 家庭ゴミにおいて生ゴミの占める割合は高く、また、ゴミ収集過程において悪臭の発生や環境衛生悪化の原因となるだけではなく、ダイオキシン類の発生にも大きく関与しています。生ゴミは多量の水分を含んでおり、焼却炉内では不完全燃焼の原因となります。不完全燃焼はダイオキシン類を構成する前駆物質を発生させると同時に、それらに含まれている食塩が塩化水素を生成する原因となり、発生した塩化水素はダイオキシン類の発生へとつながることは多くの研究結果から明らかとなっています。
 EMによる生ゴミ処理は焼却場における衛生問題を始め、ゴミの減量化、ダイオキシン類発生要因の排除につながり、またEM処理後の生ゴミ堆肥は良質な有機質肥料となり、農地への還元は安全で永続的な農産物の生産につながるとともに、土壌浄化作用が期待されます。

以上で発表を終わります。
御清聴ありがとうございました。