EMフェスタ99 > 発表大会
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EものMっと広げよう!
第二高松園の取組み |
| The Theater Event -------- |
Effectiv Microorganisms
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1943年岩手県陸前高田市生まれ。大阪府立社会事業短期大学卒業。1992年に現職に就任し、1995年に施設の生ゴミ処理対策検討中にEMに出会い、施設で取り組むようになる。地域の人達と共にEMボカシを作り、普及活動を続けている。
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菊池 達
(きくち さとる) |
宮城県
知的障害者福祉施設第二高松園施設長 |
ただ今ご紹介に預かりました菊池でございます。このEMフェスタ'99は本当に素晴しく、昨日から感動してお話をうかがっております。今日は私が発表ということで、お恥ずかしいのですが、今まで園で行っていることをそのままお話ししたいと思います。第二高松園は、宮城県沿岸の一番北端の唐桑町にあり、リアス式海岸の陸中海岸国立公園に位置する風光明媚な場所ですが、仙台からは3時間かかる都心からは離れた地域です。
私たちとEMとの出会いは、偶然から生まれたものでした。町の焼却炉がなくなり広域の焼却炉ができたために、非常に遠い所にゴミを運ぶことになりましたので、生ゴミは自分たちで処理しようということになったのです。従来の腐敗させる方法での堆肥づくりを始めたのですが、予想以上に生ゴミの量は多く、悪臭とハエに悩まされました。何とか手の打ちようがないものかと考えていたところ、1994年にEMを知りました。
「EMって何だろう?」と、まず情報を集めましたが、薬局や薬剤師さんに問い合わせても分かりません。たまたま宮城県内でもEMを勧めている方がいらっしゃると聞き、話を聞くことができました。そのうち、比嘉照夫先生の講演会が山形県天童市であるとお誘いを受け、参加しました。私どもの所からは4時間半くらいかかる場所なのですが、とにかく行って話を聞いてみないと分からないと思ったのです。
そのときには、EMボカシの使用方法の説明と、農業で非常に成果を挙げている方の発表、先生の講演がありました。正直な気持ちを言うと、「本当だろうか、そんないいことあるんだろうか」と思いましたが、一方で「何かあるな」と感じ、とにかくやってみないと分からないからやってみようということになりました。
ところが、手元には何の資料も無く、先生の本を買おうと思っても街の本屋さんには売っていません。そこで出版社のサンマーク出版に直接電話をして本を取り寄せ、ようやくスタートすることができました。
本に書いてあるとおりEMボカシを作り、秋田県から取り寄せた専用バケツを使って生ゴミを処理すると、とにかく臭いが消えました。「あっ、これで成功だ。EMって簡単だな」と思ったのですが、時期が冬場でしたので、当初はこれが本当に発酵しているのかどうかも分からない状態でした。次第に慣れてきて、4月になり暖かくなると発酵も順調になります。生ゴミ処理の悪臭は取り除かれたので、一応成功と言えるでしょう。しかし、実際には作るたびに違うものができ、どれが本物のEMボカシなのか確信が持てませんでした。
▲厨房の生ゴミをEM処理
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1995年10月に、沖縄県で知的障害者施設の全国大会があり、私たちも参加しました。大会2日目の夜、せっかくの沖縄に来たのだから、EMについて比嘉教授にご指導いただこうと思いつき、不躾なのですが、夜、お電話いたしました。先生は翌日には海外出張されるとのことでお会いすることはできませんでしたが、ご親切にも沖縄のEM研究機構と具志川市立図書館をご紹介くださいました。
沖縄に来て3日目、EM研究機構を訪ねていろいろ教えていただき、その後もファクシミリで指導を受け続けました。具志川市立図書館にも連絡なしにそのまま訪ねて実際のEM活用法を見学し、欲張って具志川の市役所まで足を運びました。
沖縄に来て、実際に見聞きして学ぶことはたくさんありました。私たちのEMボカシづくりは、ポイントが違っていたのです。冬場の発酵には湯たんぽを入れたりと工夫しておりましたが、最近では特別な方法を取らなくてもできるようになりました。
そのうち、地元の婦人会の方々が、私たちの園を訪ねて来ました。地域の「お茶のみ生活学校(通
称・お茶のみ大学)」の方々です。宮城県のある大会でEMの話が出たので、唐桑町でも生ゴミ対策に関心を持ってほしいと町役場を訪ねたところ、環境保健課長より「第二高松園ではもうEMを使っている」と話があったようです。
▲ 地元婦人会 通称"お茶のみ大学"の皆さん
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婦人会の皆さんに今までのいきさつを話し、目的が一緒なら共にEMボカシづくりをやりましょうということになりました。地域の婦人会は一つではありませんので、それぞれの婦人会が地元の会員を連れて来て、一緒にEMボカシを作ります。そして、できたものは地元に持ち帰り、無くなったらまた園で一緒に作るという作業をここ数年間続けております。婦人会の皆さんも、EMで処理した生ゴミを実際に家庭菜園や畑で使い、その結果をお互いに情報交換しています。12月までトマトが実をつけたり、園に植えたひまわりがとんでもなく大きくなっているなど、これまでいろいろなEM効果が現れました。園に通う人たちの父兄会も「そんなに生ゴミ処理が簡単にできるのなら」と、実践に加わりました。そういう形でEMの輪が町中に広がっていったのです。
自分たちが作ったEMボカシがどれだけの出来具合なのか、岐阜県のEMボカシネットワークにサンプルを送って指導を受けておりましたが、1996年には「これなら外に出しても大丈夫」というお墨付きもいただきました。園ではEMボカシを無償で配布していたのですが、訪ねて来る方々が「無償でもらうのは申し訳ないからお金を取ってください」とのことで、ひと袋100円でお分けするようにしました。これは園で一生懸命EMボカシづくりに取り組む障害者の方々にとっても、自らの労働、努力が対価という分かりやすい形で評価されるので、非常に励みになっているようです。EMボカシづくりが生み出した、予想外の効果とも言えるでしょう。
園では、EMの効果をEMボカシづくり以外にも活用できないかと考え、加湿器の中に入れて部屋に散布することを思いつきました。私たちの園には重度の障害を持つ方が多く、身体からどうしても臭いを発散します。また、排泄失敗も多いものですから、部屋の中にどうしても臭いがこもってしまいます。生ゴミの悪臭を消すのだから、部屋の匂いにも効果
があるかもしれないと、EMを加湿器に入れ、1週間続けたところ部屋の匂いが消えました。
▲EMボカシをみんなで作る
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▲園の花壇へEM処理した生ゴミを利用
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▲大きく成長した園のひまわり
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また、米のとぎ汁EM発酵液でもって厨房内のお掃除に使ってみました。洗剤でなければ落ちない汚れも、何度も使っていくうちに、ブラシでこするだけで落ちるようになりました。厨房の職員は、米のとぎ汁EM発酵液を入浴剤代わりに使ってみました。そうすると、当地方は寒いところなのですが、ひと冬電気毛布を使っていたのが、体が温まり使わなくてもよくなりました。そこで施設のお風呂にも入れるようになりました。24時間循環風呂なのですが、これが水を交換しなくても済むようになりました。もちろん、水質も調べてもらったのですが、レジオレラ菌などはまったくなく無く、大腸菌も少ない方だという結果
が出たのです。障害者の方の中には、ごくたまにお風呂場で失敗をされてしまう方もいますので、そういうときにはもちろん水の交換を行いますが、それ以外はまったく交換なしで大丈夫です。水の節約にもなり、とても助かっています。そして、米のとぎ汁EM発酵液は風呂場やトイレの掃除にも活用しています。汚れがとてもよく落ちるのです。
▲ 米のとぎ汁EM発酵液も作成
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▲ 排水溝のぬめりも消えた
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施設の先生の中には、当初EMには半信半疑の先生もおりましたが、いろいろな面で効果
が出始めると、何も言わなくなりました。こっそり自分でも使って納得したようなのです(笑)。
そして浄化槽にもEMを使用するようになりました。園の浄化槽は、いわゆる中水利用が可能なリサイクル浄化槽なのですが、中水がきれいにならなくて、実際には上水道だけを利用していました。浄化槽管理会社は自分たちのやり方があるので、EMの使用はなかなか理解を示してもらえませんでした。最終的には業者を換えて実行しました。浄化槽にはEM活性液を投与する方法を用いました。EMは最初、高価な薬剤投与というイメージがありましたが、培養タンクの話をうかがって、自分たちなりにお手製の培養タンクを作り、より多くのEM活性液を作れるようになりました。そこで培養されたEM活性液を浄化槽に使うことで、中水の再利用も可能になりました。
▲ EM活性液でリサイクル水のレベルが向上
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▲自家製EM培養タンク
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こういうさまざまな効果を生み出したEMとの出会いは、私たちの園にとって、本当に助けとなっております。振り返りますと、独自に情報を入手し、模索を重ね、地域の婦人会とともに進めてきたEMでしたが、隣町の気仙沼市にある三陸EM研究会の理想産業さんと知り合うことによりさらに身近な情報を得ることができるようになりました。1997年には比嘉照夫教授を気仙沼市にお迎えしての講演会を拝聴し、1999-11 EMフェスタ99にはEMボカシネットワークの比嘉節子名誉会長が当施設で直接の指導をしてくださるなど、これまでにいろいろな方々のご協力をいただきました。
EMと触れ合うことにより、私たちがどんなに地球環境を汚染しているかを知ることもできました。いわば、地球に対して私たち人類は、大きな借りをつくってしまったのだということを感ぜずにはおられません。その借りは、やはり私たちが少しでも返していくべきものであり、その作業に、当施設の重度の障害を持つ方々が、微力ながら役立っていることを考えますと、うれしく思います。地球に借りを返すということを、ひとりひとりが身近で具体的に、参加できるのもEMの世界であり、その一角に参加できることを感謝いたします。井の中の蛙の発表ではございましたが、私たちの実践を知っていただけたかと思います。本当に、今日はどうもありがとうございました。