EMフェスタ2004 > 発表大会


比嘉照夫教授 講演会
2004.11.14


EMフェスタ2004の記念講演

 「EMフェスタ2004」に情報をお寄せくださった方々、それからこのフェスタに参加いただいた皆さんに御礼申し上げます。
 今年、EMフェスタは例年とちょっと趣向を変えて、未来型、すなわち先を見据えた情報提供をしようと考えました。
 これまではEMに含まれる微生物の詳細は公開していませんでしたが、アメリカで、飲用のEM1号を販売していますので、どうしても遺伝子解析など、きちっとした検査方法を公開する必要があったので、今回はEM基礎分科会で発表してもらいました。
 現在では、世界中でEMが生産されていますので、EMを活用して作られた農産物や生産物がたくさんあります。EMフェスタでは2年に一度の割合で、このコンベンションセンターの展示棟を使って国際ビジネスフェアを開催していこうと思っています。
 今年、2004年は「全国環境改善EM実行委員会」がスタートいたしました。これは私が実行委員長で、大阪市の漁協の北村組合長、自然農法センター理事長の天野さん、EM研究機構の安里社長、それからUネットの浜渕委員長の4で、委員会を作らせていただいて、署名活動を行っております。
 この実行委員会、は地方行政、国、あらゆるところでEMを使うということが、すべての本質的な問題の解決につながるということを実行してもらうことを目的としています。すなわち、「農薬を使ってもいいから、水田にEMを撒いてください、そうすれば農薬の害も減ります。下水処理場で、従来の汚水の処理のやり方をやってもいいですから、一緒にEMを使ってください、そうすれば、そこから流れた水は川をきれいにし、海を豊かにします」という、環境改善策を提案したい、という事なんです。
 EMをやるから他の方法を全部やめろというと、それはなかなか出来ません。ですから今やっている方法の中にEMを入れて、害を消すところからでもいいから始めてほしい。
 実際に地球の環境の状況はそんなに悠長なものではありません。今度の日本の災害もこの警告だと受け止めている方も多いんですが、実際には地震災害にしても、台風災害にしても、EMを使っている所は被害が少なかったという報告はかなりあるんです。
 国の方針で、あらゆる分野にEMを使うということを強烈に推進しないと、私たちの願望と現実のギャップがますます広がるだけだということで、この「全国環境改善EM実行委員会」というのをスタートさせたわけです。
 陸の汚れはすべてが川を通して海に行く、その海の人達がこの海が危ない、汚染されていると言うことは、陸が全部危ないということなんです。そこで、漁業者が中心となり、海をEMで浄化してみたら、きれいで、豊かになったのです。今までたいへんだった問題を解決し始めた漁業関係者が、今度は陸の汚染も改善されれば、また自分たちが頑張れば、日本の漁業は自立できる、と自立の道を模索し始めたのです。大阪市漁協をはじめ、かなりのところでEMを使って、漁業の未来に非常に大きな希望をもつという方々が増えてきたんです。
 我々の日常的なライフスタイルはそっくり海に影響を与えます。このことを深く認識すると、陸上側と海の側と全体が結束できることになります。私は今まで各地で、海をきれいにすべきといろいろ言ってきましたが、海の人たちからすれば、しょせんそれは陸の人の話であって、切実な話ではないんです。しかし海の人、特に漁業をやっている方々からすれば海の汚染は死活問題です。この問題の本質的な解決のため、「全国環境改善EM実行委員会」を中心にEMの普及を国民運動として広げていこうと決心したんです。
 当然ながら委員会に集まった署名を国会に提案しようとなると、専門的な説明も必要です。ですからこれは私が責任を持って委員長を引き受けることになったんです。この運動に至るまでの経過をこれからビデオで是非見ていただきたいので、紹介致します。

◆◆ビデオ上映◆◆
事務局注 : 上映したビデオに関しては、著作権の都合上WEBでの公開はいたしません。
当日は各地で放送されたニュース番組や、自主制作版の映像で、道頓堀に運搬舟で活性液を運んで投入したり、大型の生け簀を使ったEM活性液の培養シーン等が紹介されました。

 それでは補足説明を致します。
 大阪の道頓堀川ですが、現在は透視度が1メートル以上です。これはすばらしい数字ですね。以前は数万、数十万という大腸菌がありましたが、今は数千レベルに改善されています。
 それからビデオの堀川のずっと上の方に彦山という霊山があります。そこの水はとってもきれいです。最近EM団子を堀川に入れたところ、彦山のようなきれいな水だ、と皆が言い始めたんです。ホタルが蘇るのも時間の問題だという状況です。
 EMは地域まるごと、だれでもできるという大きな特徴があります。大阪の場合には、がんばれば来年度は鮎を放流して道頓堀で釣りができるんじゃないかと話しています。今では大きな鯉やボラなどが、橋の上から見えるんです。本気でEMを使って浄化に取り組めば半年でこのような状態にできるということです。
 それからEM団子は黒くなったり、黄色くなったり、緑や青などいろんなカビが出てくる場合がありますが、EMの活性液を入れて作ってあれば水質浄化能力はありますので、悪臭さえ無ければ色が変わっても全く心配はありません。
 もう一つは、先程上映したビデオの中に、道頓堀に投げたら浮いているEM団子がありましたね。浮いているというのは、ボカシや有機物が多く、乾いて軽くなってしまったからなんです。もちろん水を吸えば沈みますが、浮いてしまう場合は、ちょっと土の量を多くしていくといいです。要するにEM団子の資材の分量をどれだけ、と決めなくてもいいんです。有機物がなければ、EMの活性液で土を練ってそのまま乾かして投入しても効果があります。どういう方法でもいいですから、柔軟に対応していただきたいと思います。

◆現在までのEM普及活動

 このEM運動が広がり始めたのは「地球を救う大変革」という、今から13年前に私が書いた本が原点になっているんです。
 EMの普及活動の大半が、今までの化学などの既成概念との衝突です。そのため世の中の流れはなかなか変えられません。もう一つは既得権益です。例えば農業で、化学肥料農薬をやめると、化学肥料や農薬の会社が困るという事になってしまう。
 微生物にはEMのように、様々な分野で応用出来、はかりしれない可能性があるといっても、今までの微生物学ではとても信じられない話ですから、そんなことはありえないと言って、EMを否定してしまう。そうするとその論議がまた果てしなく続くというわけです。ですからEMを論議する場合は、EMをまず使って事実を確かめてから論議をしてください。そうでないと話が通じません。

◆EMの誕生と性質

 去年韓国で講演会をやりましたら、地球生物学者といいますか、韓国でバイオ技術研究者を代表する偉い先生が私に質問したんです。どういう質問をしたかと言いますと、「比嘉先生が言う通りEMを使って、調べてみた。まさかと思ったが、でもEMの中には何十種類という微生物がちゃんといて、言われたような効果が確認された。そこで聞きたいのは、普通は違う種類の微生物を共存させるというのはとても大変。こんな何十種も一緒に行動させるというのはすごく天才的発想で、どこにこういう秘密があるのか、教えてほしい。という質問でした。
 私は笑いながら、「これは偶然にも安全性を確かめた後、試験に使った残液を混ぜペットボトルで密封したらそうなっただけなんです」と答えました。
 この根本は、けんかせず共生する微生物が集まっていたということです。例えて言えば「EMクラブ」という微生物の会員資格があって、このEMクラブの会員とは、まず自然や環境、また人間に対してプラスはあってもマイナスはないという微生物の仲間。これがEMクラブの入会資格になります。
 この微生物の仲間は抗酸化物質を作ります。大豆を腐らさずに味噌や醤油を作ったり、お米を腐らさずにお酒を造ったりという、物を腐らせない力。食品加工とか、サイレージを作ったり、微生物を使い、良いものを作っていくときに活動する力、このもとは抗酸化物質なんです。
 赤ワインを飲むと、その中の抗酸化物質であるポリフェノールのおかげで病気にならないという話があります。朝鮮人参のサポニンにもやはり抗酸化力があるんです。植物にある多糖類とか、ペプチド、(たんぱく質の分子の非常に小さい種類)などに非常に強い抗酸化力があります。EMクラブの微生物は、そのような抗酸加物質を作り出して、自然や環境、または人間に対してプラスとなる不思議な働きをしてくれるのです。
 それに対してEMクラブに入れないメンバーがいます。これは強烈な酸化、腐敗を促進するグループです。私たちの住んでいる居るの地球は酸素が多いので、物を腐らせたり錆びさせたりする微生物が多く、これが大半を占めているんです。だから私たちがゴミを捨てたり、トイレの水をちゃんと処理しないで流すと、あっという間に環境が汚れて、酸化物がいっぱい増えて何をやっても錆だらけ、機械もすぐ故障するという状況になってしまいます。当然人間も酸化して病気になるんですから、不健康になる。しかしこのEMは、今日ずっと発表いただいたり、会場に展示されているパネルなどからもわかるように有害な微生物に対し、すごい対応力があるんです。
 ご承知のようにEMは人間が世話をしないと増えることは出来ません。要するに自然界に放置すると主役になれない微生物たちなんです。納豆菌とか、麹菌、乳酸菌、酵母はほっておいて自然に広がるかと言ったら、広がりません。ですからお酒を造ったり食品加工するときには雑菌が入らないように大事に大事に作っているんです。ですからEMも人間が管理して流しているうちはいいんですが、管理をしなくなったら、また元に戻ってしまいます。ですから世界中でEMを使って、EMだらけになるんじゃないか、という心配は全くありません。EMは今の自然環境では酸素が多すぎて絶対に主役になることができないという宿命的な性質をもっています。
 例えば米を洗ってすぐの米のとぎ汁は悪い微生物はあまり入っていません。この段階で、雑菌が少ない時点でEMを入れて、糖分を1〜2パーセント加えて、しっかり密封して発酵させると、PHは3.5以下になり、悪い菌が入ってこないようになるのです。その結果、抗酸化物質がいっぱいできますから、これで洗濯をすれば洗剤を使うよりもよく落ちるし、表面にできている液面酵母でパンを焼くと、すばらしくおいしいパンができたり、等々の万能的な摩訶不思議なことが可能となります。これはEMを培養する資材自体に悪い微生物が増えていないときにEMが増えて、発酵が完了するからできるんです。

◆だれにでもEMは生活の中に取り入れることが出来る

 環境問題の解決を考えると、私たちのライフスタイル、生活様式のあり方を根本から問い直す必要があります。それは生活や生産活動を行うと必ず有害なものが増えるというのが今のライフスタイルだからです。
 ゴミを捨てれば必ず環境を汚染します。トイレでもそうなんです。排泄してすぐのトイレというのは悪い菌はいますが、EMを多目に入れると、臭いも消えてこのトイレの水が川をきれいにする力になるんです。
 畜産の場合もそうです。家畜にEMを飲ませたり、ボカシをエサに入れたり、畜舎を洗うときにはEMを流す、このように環境中にEMが増える事が大切です。微生物は多勢に無勢の世界ですから、いい微生物が増えるとその働きがどんどん増えてそこの下流がきれいになる。それを使った畑はきれいになる。作物もよくできる。このように変わっていくんです。
 今まで私たちは生活や生産をすると必ず環境を汚すという結果になっていたのですが、EMを生活や生産の中に入れて、そしていろんな場所で使っていくということは、環境を汚す生活から環境を積極的にきれいにしていく生活に変えられるという事なのです。しかもそれは幼稚園生でもだれでもできることなのです。
 EMを増やすためには密封する技術が必要なんです。これは従来の常識からすればとても大変な技術なんですが、今はペットボトルがありますから、だれでもできる。幼稚園生でも高齢者でも障害を持った人でもだれもがペッボトルでEMを増やして使えるということなんです。
 また、EMは特定の商品ではないか、という意見があります。しかしEMはいくつかのメーカーで作っていますし、特定の商品としてのカテゴリーから外れています。
 第一番目に、普通の商品は増やし方を教えません。缶詰1個買ったら10個に増えますか? コーラ1本買ったら10本に増やして飲めますか? これはできないし、方法があっても教えませんね。商品だからです。
 さっきのビデオ上映の道頓堀を見てください。150トン、実際あれは180トンのタンクです。あの奥に映っていたのは500トン近いプールです。本気でやればあの500トンのプールでEMを増やせるんです。材料を入れて、エアーマットをしっかり敷いて液面が空気に触れないようにする。圧力はかけられませんからできたら1週間以内には全部使ってしまわないといけません。大量にできるからと、ゆっくり構えていたら雑菌に負けてしまう場合もあるんですが、このようなやり方をすると、どんな大きなところでも枠を作ってビニールを敷いてプールを作ってそこで培養することだって可能なんです。EMは特定の商品ではありません。だれにでも増やすことができて、使うことが出来るのです。
 それからもう一つ、EMは宗教団体がからんでいる、といろいろ言う人がいますが、多くの宗教団体がEMを使っています。環境や社会をよくしたい、そう思っているNPOや、NGO、世界中の宗教団体が使っていて、これをやったから特定の宗教団体が勢力を伸ばすということはありません。

◆EMは破壊された生態系を復元させる。

 国際EM事例発表大会で発表された木村将人さんから、青森県一汚い川を、学校の子供たちがきれいにした、そして鮭が上がってきたという報告がありました。その活動に関して私は驚くことを聞きました。川をきれいにした中学生が青森県の環境部から怒られたというんです。
 自然生態系を乱しているということをお前たちは知っているのか、ということだったそうです。そこで中学生達は副知事に手紙を書いたそうです。「自分たちは長いことEMをやっているけれど、生態系は良くなったけど、悪くはなっていないと。悪くなっていたら鮭が上がってくるはずがない。もし悪くなるというのなら、県は説明してほしい。」という内容だったそうです。EMをやめると言った中学生はだれもいなかったそうです。要するに中学生たちはEMの効果がわかっているんです。しかし県の人たちはEMを使ったことがないですから、通じなかった。おそらく、頭の中では、特定な微生物が増えたら困るんじゃないかということでこういう話になってしまったんだと思います。
 商品の許認可の基本は安全性だけで、生態系に関する条項はありません。だからEMだけなぜ生態系を乱すといって非難を受けるか、私には理解ができません。もちろんいろんな研究所がEMの安全性を確認して公表されているんです。ですから全く問題はありません。EMを使った結果、水もきれいになり、魚も増えよくなったのですが、破壊された生態系が復元しても、元が変わったと言う意味で、生態系を乱すと言う人もいるのです。常識的に見てそれは生態系を豊かにするということで、乱すとは言いません。
 合成洗剤が川を汚し、水の生態系をクシャクシャにして海を貧弱なものにしているのはご存知ですね。それならこれを即刻やめさせなさいということになりますが、県は何もしません。生態系に悪影響を与えているんだから、EMに文句を言うなら合成洗剤を即刻やめさせろ、とこういう話になります。もっと大変なのは農薬、化学肥料です。これも生態系を汚染し破壊し健康にも影響を与え大変です。もし生態系を言うなら化学肥料や農薬を止めてからEMに文句を言うべきです。
 他にも大変なものがあります。下水処理場の塩素消毒です。プールやいろんなところで塩素消毒をします。これは水の構造をはじめあらゆる生態系の根底のところから壊してしまう。だから下水処理場やプールなどいろんなところで塩素消毒するのをなぜ止めさせないのか? こういう話になるんです。生態系というなら、今のような反論に対し是非答えて欲しいです。
 EMは今でも効く、効かない、という論議をしているんですが、そうではないんです。効果も安全性も確認されているのに、これをやらせないという理由はないのです。

◆EMは公の理にかなっている

 私がいつも言っているのは、自治体とか、公的機関が物事をやるときの基本は、公の理にかなっているか否かということです。要するに、社会一般を運営していくためには、一つの原則があります。公の理(ことわり)です。もう一つは公の利益です。皆がやって、だれも損をする人がいなくてうまくいく。公の利益と理(ことわり)、原則にかなっているか、ということなんです。公の理というのは行政と住民が協力して、最大多数の最大幸福を実現する、この原則的なものなんです。もう一つは、公的な利益がある。これは端的に言うと社会的なマイナスの負担を減らす方法、これは公の利益にかなっているんです。EMを使うと、米のとぎ汁がたちどころに宝物に変わってお家もピカピカ、病人も出ない。庭の花もきれい。生ゴミもリサイクルできる。
 例えば病院に行くとすごくお金がかかりますよね。EMは予防医学的にも健康増進にも使えるし、家中で徹底してEMを使えば寿命が50年の家は100年だってもつんです。社会会計学的計算からすると、これは個人の利益にも、公の利益にもなっています。社会的マイナス負担が一番大きいのは病気なんです。EMを使って積極的に健康になるというライフスタイルに変えれば、これは健康に生きること自体が大きな社会貢献なんです。
 その次は環境対策費。社会的マイナス負担として大きな問題になっています。しかしEMを使っての川の浄化、大阪の道頓堀川とか、他にも全国にいっぱいありますが、皆が自分たちの地域を良くしていきたい、清流を取り戻し環境を良くしたいという人たち、皆が協力してやるということ自体がすごいことなんです。EMをみんなでやると環境意識も出てくるし、ゴミもリサイクルして捨てないようにしようと、自分たちの努力の範囲内でやっていける。ですからこれは公の利益にかなっているんです。そして公の原則である理にかなっています。社会がスムーズにいく、公の原則に合致しているんです。

◆EMで食糧生産、健康、環境問題を解決することが基本

 EMを普及して21年目になりますが、社会との間のいろんな矛盾点、これはどうしても相容れない背景があるんです。EMが現れたら肥料農薬会社や下水処理で儲かっていた会社が不振となるほかに医療関係でも様々な影響が出てきます。
 しかしこのあたりで私たちの価値観、パラダイムを転換しないと、この問題は解決しないんです。とりあえず今あるあらゆるところにEMを使ってもらえれば、分かると思います。このままでは、環境を汚染し、病気をつくりながら金を儲けているという形になってしまいます。今までの技術の延長が、結果として悪い環境をまねく形になっているからです。
 ですから、化学肥料農薬使ってもいいですよ、でもEMもやってみてください、そしてその間にゆっくり切り替えてください。こういうところからスタートしなければいけない。それと同時にこういう技術が世界中に広がりはじめますと、私たちの価値観を変えなければいけないんです。自分が出世したいため、いろんな物欲のための競争もあります。しかし自分の食べる物も十分あって、生活もきちっとできて、ちゃんとした環境に住めるようになったら、やっぱりいやなことはやりたくないですよ。自分の人生を納得したいです。私たちは食料生産や健康、環境などの問題を解決すると、次は私たち自分の人生を納得するためにどうあらねばならないかというところに、芸術や哲学、宗教を含めてパラダイムシフトをしなければなりません。
 例えばEMで農業をすると、生ゴミも家畜の糞尿も私たちの排泄物も全部立派な農業生産資材に変わる。同時に環境もきれいになる。できた農作物は健康にもいい、それを食べて病気にならない。日常的な水処理や建物にも全てEMが応用出来る。
 日本の医療費はアメリカの軍事費を上回るくらい、35兆円を超えています。それがEMを活用して環境が変わり、皆が健康になれば事故などのやむを得ない治療だけですと5兆円くらいに止まってしまいます。30兆円くらい浮くんです。皆が健康に生きるということは、それくらい大変なことなんです。
 お家もそうです。EMのコンクリートを使ったり、木材にEMをしみ込ませたりして家を造ると、だいたい2倍くらい、上手に使えば5倍は長持ちします。公共の施設が5倍も長持ちしてごらんなさい。これは国家の力としてものすごいことですよね。そのために税金を高く取ったりする必要はないんです。
 私たちが豊かさ感がないと感じるのはそのためです。日本の場合は特にそうですね。税金で一番多く使われているのがまず医療費、個人では住宅ローンや教育費も大きな負担です。教育も子供たちが自らの問題にチャレンジできるようになれば、暗記させるために塾に通わせる必要もない。教育のプログラムを変えれば、事は簡単なんです。
 教育というのは、個人の能力、その人の人生を最大に納得させるということを追求するための基礎的な技術、知識を伝授し、あとは自己責任でやっていくんです。EMを通してやると皆さんお分かりだと思いますが、子供たちは生き生きして、クリエイティブで、ある意味でプロフェッショナルです。専門家よりもすごいことをやるんです。そしてこれが社会の役に立ち、また自分の役にも立っていますので自分の存在を確かめることができます。

◆学校教育に必要な5つの条件

 私は、何年か前から学校のプールにEMを入れて掃除をしてほしいという提案をしました。北イタリアでは自然のプールにEMを入れたら大腸菌がいなくなったんで、塩素消毒代わりにEMを使っています。もちろんEMを入れて泳ぐことも出来ますし、全然問題はありません。
 学校教育の基本は、すべて自己責任原則をしっかりインプットしておくということなんです。この一番の基本は、自分の食べるものは自分で作れるということです。作物を作るとか、家畜を飼育するということは、自然やいろんな見えない相手のことも考えてやる仕事ですので、ものすごくクリエイティブになるんです。
 二番目は病気にならない自己管理能力です。これには栄養学から人間の付き合いからいろいろあります。
 三番目は環境管理能力です。自分が住んでいる環境が常にクリーンな状態で、しかも生活をしながら必然的に環境を浄化していくという環境管理能力。
 四番目は、人間関係をよくしていくこと。すなわち人間関係能力です。これは譲ることも力量であるということから始めねばなりません。戦ったのでは絶対に無理なんです。心身に余裕ができれば当然そういうことは可能になっていきます。
 最後には願わくば、学ぶことが好きであれば更にプロフェッショナルになるということです。この5つの条件を学校の子供たちに、EMを通して学んでもらえば日本は豊かさ感の多い良い国になり、世界の人々のことに目を向けることが出来ると思っています。
 今の学校教育方法では、10ある実力が2も出ていない。そう考えると日本はとてももったいない国だと思うんです。

◆人間は生まれた時に、死ぬという病気にかかっている

 また、高齢化社会になってくると、当然病気になるのは当たり前と皆思っています。しかし遺伝子の原則から言うと、この遺伝子の錆さえ落とせば死ぬまで元気なんですよ。今度のEM医学会議でもコメントしたんです。人間は生まれたときに死ぬという病気にかかっているんだから、交通事故で死ぬのか、ひどい難病で死ぬのか、寝たきりで死ぬのか、昨日まで元気だったのに朝が来たら死んでたという死に方をするのかという、死ぬという病気に向かってのプロセスであって、それがさっき言ったように社会、あるいは自分の人生を考えていった時にどうあるべきか、というここがEM医学の課題なんです。EM的生活をして環境をきれいにし、建物も長く使えて、自然を大事にし、そして日に日に健康になっていくというこのライフスタイルを追求していかないといけない。ここでパラダイムを変えなきゃいけない。
 私は今の医学部のあり方にはすごく危機感を持っています。これはなぜかというと、各県に全部医学部があって、優秀な人が全部医学部に行ってしまうので、他の学部は人材不足なんです。病気になった人を治すためにこんなにすごい人材を無駄遣いしている。おまけにたくさんお金を使っているわけです。これは国家にとって大損失です。私はなにも医者が嫌いだとか抗議しているわけじゃないんです。本当に人材が全て医学部に行ってしまうことは、国にとっても無駄なことになってしまうということです。
 土木建築会議ではコンクリートについて発表がありましたが、きちっとEMを使えば300年以上劣化しません。家が300年ももったら、都市計画からなにから全部違ってくるんです。相当思い切って計画してもちゃんと帳尻が合うんです。道路でもみんなそうです。

◆EMでパラダイムを変える

 ですからそういう意味で、このパラダイムを変えていく。従来は、物が足りないから競争してけんかして、原理も何もわからなまま、大きな戦争が起こったりした。これはだれも知らなかったんですから、必然だったかもしれません。ですがEMを使っていけばそれがだんだんわかってくる。どういう主義主張であれ、EMをまず使ってみる、それから進めていけば、それぞれきちっと役割が与えられて、先ほど言ったように、いろんな努力がその人なりに返ってくるんです。それをやらずに税金を上げたり、脱税をした人を捕まえて、警察や弁護士をたくさん使う。税金を使わずに済む方法を考えればいいんです。
 今財政で逼迫しているのは医療費、それから環境対策費です。こんど越前町になりました福井県の宮崎村は、94億あまりの借金があったのですが7、8年でゼロになったんです。なぜかというと国から医療費などのためにお金をもらいますが、皆が健康だから黒字になり、お金がたくさん余って、それで借金を全部返して日本一の村になったんです。でもそれを全国でやろうとすると、お医者さんは「俺たち飯食えないじゃないか」、とこういうふうになる。だから私は今でも、医学部に子供を行かすなよ、最後は大変な目に会うから、と言っているんです。それよりも社会に役に立つように使命感を活かせるところに送りなさいと。
 私もあと数年でリタイヤします。現役でやってきた40年の間にああしておけば、こうしておけばよかった、と思うことがたくさんあります。このような想いの人々の再チャレンジの場として、NPO地球環境共生ネットワーク、(Uネット)を立ち上げたんです。
 現役を終えて、まだ思い残すことがある、社会のためにもう少し役に立った方が自分は安心してあの世へ行ける。そういうことを考えた時に、日本の高齢者のレベルは大変高いんです。大学を出て働き、定年なった人たくさんいる。すなわち高学歴高齢化社会です。高学歴高齢者というのは、知識もあるし、欲もない。勇気もありますが、大半は体が言うことをきかないというハンディキャップを持っています。ましてや病気になって寝てしまったら、介護が必要になり例も多く、蓄積してきた個人や国家の富を使い果たしてしまう。というパターンになっています。EMを通し、この弱点はかなりカバーできますので、高齢者の活動を通し、パラダイムが大きく転換する時期に入ったという認識を持つ必要があります。

◆各発表者のコメント

 9月にヨーロッパEM会議がありました。あちらの普及はすごいですよね。ドイツ流の理詰めをしながら専門家を入れ、ボランティアを組み、そして私の本を全部訳して、広報活動もしていく。昔は日本もドイツを手本にして勉強してたんです。私たちが大学院のころもドイツ語は試験の必修科目だったんです。今はアメリカ世代ですが、このEMの普及を見ていると、そういうドイツのすばらしさを再認識しています。
 アフリカのケニアの報告もそうです。EMというのは難しいものに挑戦するほど、我々に勇気と力を与えてくれる。増やし方も教えているんですから、あとはそれをシステムとしてやっていく。その仕組みが機能すると、必ず私たちに知恵と喜びを与えてくれます。ですからアフリカでは、一番大変だと言われたケニアのキベラスラムの環境改善にチャレンジしたのです。ちょうど2年目に入りました。結果は報告の通りで目を見張るものがあります。
 それからコスタリカは小さいと言えどもEM大国なんです。畜産もほとんどEMです。昨日沖縄県知事の挨拶の中で、特に沖縄で米州開発銀行の会議があり、EMも取り上げられるということをお話していました。国際EM事例発表をされたロドリゲスさんは、米州銀行の有機農業関係のコンサルタントもやっています。ですから彼がここへ来て発表したということは、そういう意味では非常に因縁のあるというか、すばらしいことだと私は思っています。
 国内でも瀬戸内海、有明海、大阪湾、陸奥湾、というふうに、EMを活用した浄化活動の大きな輪が広がっています。
 それから同じく事例発表の池本よしこさんがお話したように、EMを今の企業の中でどう生かしていくか、EMを使って発展することが、企業もよくなるが、社会もよくなっていく、そういう一つのコツを私たちに教えてくれました。
 EMは今年で21歳ですから、EMが効く効かないから、上手に使った使わないを通り越して、これを社会化する時代に入っています。すなわちEMを社会の共有財産として展開していく、こういうことが私たちに課された課題だと考えています。20年を過ぎた新しい21歳のEMを、もう一度この活動の原点的なところへリセットして、新しいパラダイムを作り上げていければと思います。
 EMは同じ使い方をしていても、1年経ってみたときにはレベルの高い違う情報が入ってきます。これがプロというものです。ですからひとつ問題を解決すれば、更にレベルの高いEMのプロになる。このようなプロを任じて、EMフェスタの情報を大いに生かしていただきたいと思います。それからそれぞれの地域にお帰りになりましたら、今日の話をしっかりと心得ておれば、対抗的な相手にも納得してもらえると思いますので、是非またその成果を来年度報告いただければと思います。
 いろいろ雑多なお話になりましたが、全国環境改善EM実行委員会の署名につきましては、是非積極的にご協力いただけますよう、お願いを申し上げて私の総括講演といたします。どうもありがとうございました。

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