EMフェスタ2004 > 専門分科会

 では、時間が少しあり、いい機会なので、ぜひ質問などのある方はお願いします。

質問者
 ただいま活性液について、乳酸菌と酵母との関係でご説明いただきましたが、光合成菌が活性液の中でどのような働きをしているか、あるいはその培養する中でどういう働きをしているか。例えば、よく我々が聞いているのは、活性液を太陽に当てたら光合成菌が増える。あるいは、光合成菌が増え過ぎるとちょっと臭いが悪くなる。そういうことを聞いているんですが、そういう点について教えていただきたい。

松下
 EM1号というのは乳酸菌と酵母と光合成細菌がバランス良く含まれているということをまず、おさえておくことが重要です。私どもが指導させていただいているように、糖蜜を加えてきちっと密閉するといったようなことを守り、通常どおり使用して頂ければ問題ありません。ですので、気をつける点は基本的には同じです。

新谷
 少し補足させていただきます。EM1号は顕微鏡で検鏡すると乳酸菌はたくさん見えるし、酵母もちょっと空気を入れるて放置しておくとよく見えるようになるのですけれども、以前申し上げましたように、EMはpHが低く光合成細菌にはちょっとつらい状況なので、形態が変わってじっとしています。ですから、EMを活性液にしたときに光合成細菌も動き出すということになるんです。ただし、活性液には糖蜜しか使わないのでどうしても光合成細菌の増殖は、乳酸菌とか酵母の増えるスピードに比べて遅くなります。ですから、2回、3回と何回も活性を繰り返すと、乳酸菌、酵母だけになってしまうので、特に水の浄化などを目的に活性液を作るのであれば、光合成細菌が少なくなってしまう。ですから大規模の水処理用に大量の活性液を製造するのであれば、私個人の意見としては意識的にちょっと光合成細菌を活性液を作る時に加えた方がよいと思っています。
 それと、においが悪くなるというご質問ですけれども、実は光合成細菌を純菌で培養したものは全然臭くないんです。松下さんが発表したように、この光合成細菌は悪臭物質を除去するので、光合成細菌自身が悪臭を発するということはありません。もし活性液が悪臭を発するとしたら、それは市販されている糖蜜の中にはたくさんの微生物をいてその中の悪臭を発生する微生物が増えてしまったか、活性液を製造する過程で混入した雑菌が臭いを出していると考えられます。ですから、活性液のにおいが悪くなったとしたら、それは光合成細菌ではなくて、雑菌が増えすぎて、それらが作る悪臭物質を光合成細菌が処理いきれなくなった状態と考えていいと思います。

質問者
 その活性液を太陽に当てていると、非常に透明感の出た、ワインと間違うような、非常にほれぼれとするような活性液ができるんですが、これはどういうことか。だから、よく2つあるんです。活性液を冷暗所に保存していた方がいいとか、いや、光に当てた方がいいのだとか、そこらあたりの関連と一緒にご指導いただきたい。

新谷
 光合成細菌には暗いところでも明るいところでも生きのですけれども、例えば長い間放置していた光合成細菌を光のところに置くと元気になります。当然、光をエネルギーとして利用できるので、光合成細菌に関しては明るいところで作るのがいいのです。けれども、私たちが培養する場合は光や温度を調整して一定にできますが、外でやると太陽の紫外線や温度でEMの他の微生物に悪影響を与えてしまったりして臭いが悪くなることがあります。ですから、光合成細菌側の視点から見ると、光を当てることはいいのですが、程度に気をつけることです。それと、ワインのようにクリアになるというのは、1つの原因としては、循環培養していないのでやっぱり菌体というのは沈む傾向にあるので、それでクリアになっているのではないかと思います。
 
質問者
 光合成細菌を、夏の太陽のときが大変良くできるもので、夏に作るわけです。20リットルのポリ容器、四角になったプラスチックの入れ物で作るんですが、秋に入れてもいいのかも分かりませんが、実際に使うのは田植えで水田に水を張ったときに入れるんです。だから、その間はずっと置くんですが、周りに赤いのがついてしまうんです。今の話を聞くと、EMのいわゆる混合液の方がいいような話にも聞こえたんですが、作るときには赤い色になってできたかどうかがすぐ分かるので、私は単独で作っているのです。すぐ混ぜた方がいいのか、でも、EMになると1週間ぐらいの活性液のときがいいということなので、そのへんを光合成細菌を3号で作った場合と、それをEMの中に入れるにはどういう入れ方をすればいいのか。あるいは、保存で、半年ぐらいおくときにどうすればいいか、教えていただきたいと思います。

松下
 まず、半年ぐらい置きたいとおっしゃっているのは、これは光合成細菌のことでしょうか。光合成細菌単体を半年おくことは少し難しいと思います。といいますのは、普通、微生物は特別な施設の中で無菌状態で操作してきちっとやらないと培養できないのです。このEM・1というのは、活性液と糖蜜を混ぜて一般の方でもペットボトルを使って培養できるので、非常にまれな商品というか、なかなか世の中を探しても、「微生物を培養して使ってください」という商品は非常に少ないと思います。ですから、培養施設なしで光合成細菌を培養するとすぐに雑菌に汚染されてしまいますので、現在は私どもの方でも「光合成細菌を培養してください」ということを積極的に勧めることは致しておりません。田んぼで使われるということですが、これはEM活性液とその光合成細菌を併用して頂く形が望ましいかと思われます。

新谷
 ちょっと補足させていただきます。光合成細菌は世界中で研究されているので、光合成細菌単独の施用も間違いなく効果があると思います。光合成細菌を今はアミノ酸か何かで培養されていますか?。1つだけ、松下さんが言っていたように、アミノ酸で培養するときに、ちゃんと管理できないとやはりアミノ酸がほかの雑菌のえさにもなってしまいます。私が光合成細菌の単独培養を途上国などで指導していないのは、教えても管理でずにみんな腐らせてしまうからです。見た目は赤いけれども、すごくにおいが悪い。そうすると、顕微鏡で見ると、あまり増えてほしくない雑菌が大量に増えています。それで、雑菌が増えにくくて安全で確実な、活性液の方の利用を勧めています。もちろん、日本の農家さんのレベルはどんどん上がってきているので、今後こういったEMと光合成細菌の併用というのは出てくると思います。
 あとは、長期間保存すると、光合成細菌の生きた菌という意味での効果は期待できなくなると思いますけれども、光合成細菌が作り出した成分からの効果というのは期待できると思います。ですから、これはレベルが高いやり方になりますけれども、光合成細菌を応用される場合は悪い菌を一緒に増やさないということがポイントになると思います。

質問者
 仙台から来ましたキダと申します。EMだんごの保管というか。夏場に作ったときはうまくできたんですけれども、9月、10月になるとちょっと気温が下がって、雨が降ったということもあり、青カビが出たんです。

新谷
 活性液のことですか?

質問者
 いいえ、EMだんごの方です。温度管理が難しいということです。どういうふうにしたかというと、新聞紙で保温状態にして保湿を良くして一晩二晩で、夏場はすぐ白い糸状の菌が出てうまくできたんです。対策としては、育苗、苗をビニールで囲ったようなもので温度管理をやっぱり30度から40度を保たないと、夏場はいいにしても冬場や秋口は難しいということです。来春からまた、水の浄化ということで今、取り組んでいるんです。
 それともう1点お伺いしたいのは、だんごの保管の1番いい方法を教えていただきたいのと、だんごを作る際のぼかしなんです。活性液もまだ上手に作れないというか、その辺も課題としてあるので、きょうは勉強になりましたけれども、ぼかしの肥料を作るのに農家の方から指導を受けて抗酸化物質をたくさん入れた方がいいということで、今、ちょっと勉強した酵母の量や、具体的に言うと酒かすなどいろいろなものを入れて、より抗酸化物質を入れた方がいいというアドバイスがあったので、その辺もどの程度の兼ね合いか。ちょっとさっきおっしゃっていましたけれども、新聞に乳酸菌、ヨーグルト、納豆菌、イースト菌などでも安価に作れるというのが出ました。コスト的に安くしようと思うとそういうものを入れた方がいいのか、いろいろ教えていただけると。

松本
 まず、EMだんごの作り方についてお答えします。EMだんごは温度や、土の中にいる微生物、EMの量、それから湿度、水分などによって、大変影響を受けますので、発酵に時間がかかる場合は、温度を上げる、アオカビなどが発生する場合は、EMの量を多めに添加する、また、土の質が悪く、雑菌が多い場合は、1回乾燥させてから作ることがポイントです。それからよくある失敗としては、土に加える水分が多すぎて、腐ってしまうことがありますので、べたべたになりすぎないように水分を調整するのは大きなポイントです。
 次にEMぼかしの失敗しない簡単な作り方についてですが、ポイントは、ぼかしの水分調整と、空気が入りにくい密封容器を使うこと、また元気なEM活性液を使うことです。水分が多すぎると腐敗させる菌が増えやすくなり、少なすぎてもEMが米ヌカの中で増えず、良いEMぼかしはできません。適切な水分は米ヌカに対して20〜40%程度の範囲がよいとされています。水分含量20%というのは、米ヌカを手で強く握ると固まりになり、つつくと崩れるぐらいの水分です。私個人の経験では、EMぼかしを密封度の高い容器で発酵できるのであれば、米ヌカを手で握ると、かなり硬い塊になり崩れないぐらい水分を加えたほうが出来の良いEMぼかしになります。
 EMぼかしを入れる容器は、雑菌からEMを守る、EMに含まれる微生物が増えやすいように、なるべく空気の入りにくいものがよいです。またもう一つのポイントは元気のいいEM活性液を使うことです。EMぼかしの材料となる米ヌカには、雑菌がたくさんいます。そのため、菌が元気で活性化していないEMを使うと、雑菌が、ぼかしの中で増えてしまい、その結果質の悪いぼかしになる場合があります。そのため、EMに加える水分には元気のいいEM活性液とえさになる糖蜜を加えて、米ヌカの中でEMに含まれる微生物が増えやすい環境にしてあげる必要があります。以上の3点に気をつければ、特に納豆やヨーグルトなどを加えなくても質の高いEMぼかしを作ることが出来ます。

新谷
 やはり活性液に比べてEMだんごになると、土を使うのでファクターが多くなります。ですから、これも乳酸菌数を高く維持するということがポイントになります。お餅の例で分かるように、冬でも青カビというのは生えますから、カビは低い温度でも増えやすい。ですから、乳酸菌が増えやすい暖かい温度を確保することです。あと、今、言われていた、最近、乳酸菌、ヨーグルトを使って増やすというのがあり、それもよいのですが、ヨーグルトはどうしても乳性の乳酸菌が多いので、なかなか糖蜜では増えにくいことは確かです。
 あと、バチルスの添加はいいと思います。バチルスというのは有機物を食べる能力が強いので、よく働くと思います。自分で作られる時はできるだけいろいろなえさを入れた方がいろいろな菌の種類が増えます。ですから、それはいいことです。乳酸菌を常に増やすことを考えながらほかの菌も増やすということを考えれば失敗することはないと思います。

質問者
 宮城県の気仙沼から来ましたアシカガと申します。松本さんと松下さんに1点ずつお伺いしたいと思います。松本さんに、EMの活性液のphが例えば、2.8とかに下がっていく場合、これは良質なのか。それとも、どの辺でそれは仕切るのか。黙っていると、結構phが下がる場合があるんです。その辺を1つ教えてもらいたい。それから、松下さんには、うちの方はもうかなり寒くなります。そうすると、米のとぎ汁発酵液をお日さまに当てるんです。廊下に置いておくと結構日中は暖かいものですから、そうすると光合成細菌が出ると思うんですけれども、その辺は構わないのかどうかを教えていただきたいと思います。以上です。

松本
 pHが低い方がより良質のEM活性液かどうかということでしょうか。

質問者
 どの辺まで下がっても活性液として良質なのか、それを教えていただきたい。

松本
 EMのpHは、高ければ問題になりますが、低すぎる分には問題なく使うことが出来ます。
EM活性液を作るときに、エサとして加える糖分が多いと、EMによって作られる有機酸や有用物質が増えるので、pHの低いEM活性液ができます。私の経験ではpH 2.5くらいまでpHが下がった経験がありますが、pH1ですとかそれ以下のものは見たことはありません。というのもpHを下げる有機酸は乳酸菌によって作られるのですが、あまりにpHが低くなると、乳酸菌にとっても良い環境ではなくなってきますので、ある程度までしかpHは下がらないからです。

質問者
 分かりました。

松下
 発酵過程で光に当てて、光合成細菌が増えても大丈夫なのかというご質問ですが、もちろん構いません。特に寒いところでしたら、日に当てることによって温度を上げて、乳酸菌も一緒に増やすということが重要なポイントだと思います。

新谷
 では、時間がありますので、最後の質問でお願いします。

質問者
 瀬戸内海で浄化活動をしております。量的にたくさんいるものですから、50トンぐらいタンクを用意して、1万倍から2万倍にしているわけです。そうすると、当然、光合成細菌が弱いのではないかと思い単独で光合成細菌を作って補充をしているということもやっているわけですが、結論的にはその3号も一緒に作る方が無難だと教えていただきました。しかし、大量に作る、2万倍にもするということになると、光合成細菌が少なくなるのではないかという、その辺が心配です。
 そして、最終的にはこれはお願いですけれども、全国の皆さんが活性液を作っていらっしゃって、何にしても活性液が1番もとになりますから、いい活性液かどうかを、それぞれ闇の中を手探りで分からないままやっているんです。いいものかどうかをEM研究機構の方に送ったら調べてくれて、どの程度いいものができているか、どんなふうにしたらもっと良くなるかというのを教えていただけるような方法も考えていただけるかどうか、これもあわせてお願いします。

新谷
  どうもありがとうございます。光合成細菌を積極的に入れていくということはすばらしいことだと思います。
 品質検査についてですが、EM研究機構も新しい本社に変わって実験室も広くなり、設備も充実してきました。
 近い将来には皆様が製造した活性液やボカシ中の微生物を分析するサービスを提供できるようにしたいと考えています。
 皆様、本日は本分科会に参加していただきどうもありがとうございました


 コーディネーター
 新谷 正樹(しんたに まさき) EM研究機構
 プロフィール:
  1965年 兵庫県尼崎市生まれ
  1988年 筑波大学農林学類卒業
  1988〜1990年 青年海外協力隊員としてホンジュラスにて植林を指導
  1994年 琉球大学大学院農学研究課卒業
  1994〜1997年 アジア・太平洋自然農法ネットワーク技術指導員
  1997〜2000年 コスタリカ・アース大学客員教授
  2001〜2002年 米国ミズーリ大学農学部 客員研究員
  2002年〜 EM研究機構海外部米州事業部担当 現在に至る

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