EMフェスタ2004
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EMフェスタ2004 専門分科会
鈴木 俊輔
(すずき しゅんすけ) NPO法人なんぶ農援隊 隊長
プロフィール:
昭和19年8月東京生まれ。私立明星学苑高校卒業。労働組合専従を経て、昭和47年静岡県富士市にて、料理店・割烹旅館を経営、平成3年引退・廃業し山梨県南部町に転居、EMと出会い平成10年「環境の会なんぶ」・平成13年「NPO法人なんぶ農援隊」設立に参加、現在に至る。
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鈴木:
よろしくお願いいたします。まず、始めに、資料のミスプリントを訂正させて頂きたいと思います。(4.1) 特性EMボカシ50kg/14日→5kg/14日。5.「悪臭抑制効果は期待されています」→「・・維持されています」、「酒匂川」→「潤井川」。)
私どものやっておりますのは、「高濃度屠場の廃水処理施設の臭気抑制」です。私どもなんぶ農援隊は山梨県の南部町にありますが、実は富士川に沿って静岡県に接した部分で、生活圏も気候もほとんど静岡県です。私も含めまして農援隊のスタッフは富士市にもともと住んでいて南部町に越してきたという関係もありまして、富士市の方の施設を手がけることになったわけです。
富士市は製紙の町で有名なところで人口26万人あります。そこの町とその隣の富士宮市、芝川町、以前にはさらにもうあといくつかの町が一緒になって屠場を運営しておりましたけれども、現在、2市1町で運営をしているという施設です。
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施設全体の航空写真です。ここが屠場の施設で、牛、豚の貯留場、そして浄化施設があり、ここから排水をされて、左下の潤井川という川に流れています。この敷地全体の面積は約2万3,000平方メートルあります。
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これが入り口の前景の写真になります。
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これが施設の配置図になっております。先ほど言いました処理施設、事務所、貯留場、それから汚水処理施設です。
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これが家畜の待機場になっておりまして、牛、豚を中心として小動物を含めて、年間約3万9,000頭が処理をされています。
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今の待機場のところで、当然家畜は生きておりますので、待っている間にふんをたくさんします。そのふんが非常に水にまみれて積み上げられて、水分を調整するために、おがくずと一緒にしてそのまま積んで、このように液体がダラダラと場内に流れ出しているという状態です。この施設は実は老朽化が進みまして、本来、建て替えようという話が出ていたのですが、例の狂牛病の騒ぎが起こり始めて、一緒に運営している組合が3カ所脱落をしていってしまって、根本的な建て替え計画が断念されてしまったのです。廃止しようかどうしようか、しかし廃止するには今処理しているものをどこかへ持っていかなければいけないという問題がありました。それの引き受け手がなかなか難しい。施設が大変老朽化しているということが臭いが発生しているという一つの大きな原因になっております。
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これが汚泥ケーキを積み上げて、おがくずと一緒に混ぜて堆肥化しているところですが、ダラダラと圧力で液体がしみ流れてきまして、このコンクリートの手前の方に流れ出してきてしまいます。これが場内を流れて非常に悪臭を発生しているのです。この堆肥場が3箇所あります。
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これが汚水処理場の裏から見た全景で、この中で曝気槽やらいろいろあるわけです。こういった施設に、全部あちらこちらから流れてきた汚水が、たまっているところから水中ポンプでくみ上げてまた戻したりとかということをしていて、場内のあちこちで配水管が壊れて汚水が水たまりになっているという、そういう状況です。
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処理する前の汚水が場内中側溝もないところへあふれ出てくる。こういう状態になっているということです。
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こういう形で水中ポンプでくみ上げて送り出しているという状況です。
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これは非常にリアルな赤い色なのですが、これは屠畜したときに出てくる血液です。こういったものも露出した状態になっています。いつも開けっ放しで、雨が降ればこの中に水がドンドン入り込んであふれてくるという、こういう状況で、これが汚水処理場の流入口へと流れていきます。
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悪臭の発生源の一つが流入水。約205トンというふうに言われていますが、データ的にはこういう数字になっております。かなり老朽化しておりますので、さっき見たように上にビニールをかぶせて施設を覆っているということで、その中では非常に臭いがプンプンとするという状況です。それから今見ていただきました施設内の配管の老朽化による汚水の流出。あと、脱水汚泥ケーキの堆肥場の施設が非常に悪いということと、ただ積んであるということだけで非常にそこからも臭いが出てくるという、概ねこの3つが臭いの発生源ということです。
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流入フローについては、原水の流入口から貯留槽、それから調整槽、曝気槽を通り、沈殿槽を通して放流をしているという状況です。そういう状況の中で、この施設の脇の100mくらいしか離れていないところを高架線で第二東名が通る予定なのですけれども、実はこの施設は長い間、夜中になると住民から苦情が入って、毎晩のように市役所の担当職員が呼び出されて謝りに行くのです。この担当になった方は頭を悩ませて、もうどうにもならないなということで、私たちが別のし尿処理センターの汚泥の処理をしている業者のところのEMでの処理を指導に行ったときに、たまたま隣りにいた環境課の課長さんも私たちの話を聞いて、「そんなに臭いが消えるのだったら何とかしてくれないか」と、そういうことで片寄研究員にもご相談をしながら悪臭対策の処理計画を提案をさせていただいて、取り組みを始めました。
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私たちはこのEM活性液を車で月に2回搬入をしています。
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EMの点滴装置というのも、ドラム缶を使って簡単な方式でやっています。
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これが原水ピットであります。原水から点滴をするという方法で、下にステンレスのカゴがあるのですけれども、ここにEMの特製ボカシを入れてEMの密度を高めるという方法をとっています。ここから投入する液は100倍液を5倍に二次活性させた液を使用しています。
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これが調整槽です。
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ここが曝気槽。真っ赤です。
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2番目の曝気槽です。
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これが放流水槽で、一応金魚が生息しているというところです。
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これが脱水ケーキが出てくる場所です。
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堆肥場へ持ってきて、ここで今EMの原液を10倍にした活性液を間欠散布しています。
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装置は自動化されていまして、ここからくみ上げたものをタイマーでセットをして散布します。
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こういったノズルで、上から噴霧をするという方法をとっています。
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効果なのですがさっき言いました周りのあふれ出ている排水の臭いと、脱水ケーキ堆肥(たいひ)と含めて臭いがするものですから、そこへ約3カ月ぐらい噴霧器でEMを噴霧するという方法でやりました。これは11月末から始めたのですけれども、そういう中で、一応、隣近所からの苦情については1カ月後に無くなりました。これはたぶん周りのしみ出ているところに散布したということで抑えられたということだと思います。それから汚水処理施設そのものの臭いについては、少し暖かくなり始めた春ごろに急速に臭気の抑制効果が出てきたということです。
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これは先ほどの放流水槽なのですけれども、もう一つ決定的によくなったかなあというのは、この放流水槽の水を、原水の流入するピットのところへ1割位を戻すという方法を途中からとったのですが、このことがたぶん決定的になったのかなあと思っています。
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そして、先ほど言いましたようにここに潤井川という川が流れていまして、これが製紙のヘドロで30年ほど前に有名になった田子の浦港に流れ込んでいます。一昨年、この田子の浦港が港湾で日本のワースト2位というダイオキシンの残留濃度が出ています。ここへ流れ込んでくれることは、BODだとかSSとかCODとかそういったものが抗酸化の浄化源になるものに変わっていると思うのですね。処理水が田子の浦港に流れ込むことによって、ダイオキシン等の数値の軽減につながればいい。こういったことを一つの目標として、もう少し効果が出てきたら漁連の人たちと一緒になって、田子の浦港に直接EMを投入するような計画もいずれ立てたいなということを現在考えております。以上です。
司会:
鈴木さん、ありがとうございました。今の発表は、かなり老朽していろいろなところで汚水がたまっているような、もしかしたらご自分の近くでも見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、そういったところに同じようにEMを点滴で入れたり、散布したり、そういうやり方で臭いの軽減について効果が出たという発表でした。苦情がこなくなったとありましたが、以前の苦情はどのような内容だったのでしょうか。
鈴木:
ご承知のように夜になると空気が上から下に流れるものですから。空気は昼間は割と上に真っすぐ上がりますね。これが夜になると空気が下に下がってくると同時に漂うわけですね。それが風向きによって、毎晩違う方向へ流れる。臭いが流れていった方の家の中には、せっかくその家庭でお風呂に入って一杯飲む人もいるでしょうし、ご飯を食べているときに嫌な臭いがしてくるということで、市役所の警備の方へ電話を入れるという状況だったわけです。こういうことが毎晩で、受ける職員は、苦情を言う家は違っても毎晩謝りに行かなければならないということがもう何年も続いて、その担当課長になるとノイローゼになってしまうというぐらいひどい状況だったということです。
司会:
それが今では…。
鈴木:
今では1件もありません。と言っていました。
司会:
このことは、簡単に聞こえますけど、EMではなく別の方法でやったときに同じような結果が出るのか、といったときに、私が考えてもやはりEMの方が安くつくのではと思います。簡単で、そんなに難しくない方法ではないかなと感じられるのですが、皆さんはいかがでしょうか。
それでは同じ質問を2つ、先にさせていただきます。EM活性液の単価ですね、1リットルあたりいくらぐらいになっていますか。
鈴木:
うちの方はですね、臭気抑制のために使っている、堆肥場とか施設の周囲にまいている方は100倍液を使ってもらっています。こちらの方は一応指導料を含めてということで1リットルあたり250円頂いています。それから、二次培養して500倍にした方は点滴に使っているのですけれども、この方につきましては1リットル100円でやっています。
あと、生ゴミを飼料化して、ボカシにして鶏を飼っているわけですけれども、それに少し工夫を加えて生ゴミボカシを女性用のナイロンのタイツに入れて、そして原水ピットに約5キロを2週間ぐらい埋めておく。それを大体半年ぐらい繰り返しやったのですけれども、それも非常に効果がありました。そちらの方も指導料含めて設置とかいろいろなことがありますので、1キロ1,000円頂いて納めています。大体、費用的に、最初は平成14年の12月から始めたのですけれども、1年半ぐらいは年間250万円ぐらいかかっていました。現在は、さっきの1割、放流水を戻すという方法を取るようになって、約半額ぐらいの金額に減ってきています。そういうことになっても、臭気については、臭いの出ない状態が維持されています。
司会:
250万円というお金は、行政の方から出ているということでしょうか。
鈴木:
はい、そうです。
司会:
その250万円で苦情が今のところ出ていない、という効果が得られたということですね。はい、ありがとうございます。それから2つ目の、期待した効果が出たのは、どこが境だったのか発表の中でもあったと思うのですが、もう一度お聞きしたいと思います。
鈴木:
1つは、周囲に漏れる臭いの大きな原因は、汚泥堆肥(たいひ)と家畜のふん。それから、施設の老朽化したところから漏れている腐敗臭です。これについては、噴霧器で、そこへ噴霧をすることによって1カ月ぐらいで、ほぼ改善された。それともう一つ、やはり垂れ流れているところをきちんと排水を作らせたり、堆肥(たいひ)場から噴霧をする。こういったことが効果を表したのが、大体1カ月目ぐらいかなというふうに思います。
それから、汚泥処理施設の方の臭いが消えたというのは、当初、寒いうちから処理施設の中に点滴を始めて、そして、さきほども言いましたように特製ボカシから出てくる菌で密度を高めておいて、暖かくなってき始めたときに、一気に菌が動き出すのではないかということを想定していましたところ、やはり3月ぐらいの暖かくなり始めたころに、急速に施設内の臭いも消えてきたわけです。
あと、行政の方でも臭いが消えると、今度は、費用の250万が非常に頭の痛い。毎晩苦情されているときには、そちらで頭が痛かったのだけれども、今度は、臭いの苦情がこなくなると250万円かかっているのが頭の痛い話になってきまして、「何とかならないか」ということで、片寄研究員とも相談しながら、放流水を1割こちらへ戻すということを始めて、EMの投入量を徐々に半分まで減らしていき、現在は半分ぐらいの金額で済むようになったということです。
司会:
はい、ありがとうございます。質問があれば1件だけ募りたいと思います。どなたかいらっしゃいますか
質問者2:
少し教えてもらいたいのですけれども、特製ボカシは、どういうものか聞きたくなるわけですね。これが第1点です。それから脱水ケーキの含水率、その場所によって違うのですけれども、大体何パーセントぐらいかなと。この2点です。
鈴木:
しっかりした活性液を作って、しっかりしたボカシを作って、お米のとぎ汁の発酵液とか、おからをボカシ化したものとか、それから通常の生ごみボカシよりもEMの密度が恐らく30〜40倍高いと思うのです。そういうボカシを作って、ここに使っているということです。それから脱水ケーキの水分については、特別、聞いておりません。
司会:
今、指導された片寄さんの方から85%というお話しを受けました。いわゆる下水処理場の脱水機の標準的な数字ですね。水分が割と抜けている状態かと思います。ベトベトではないけれども、水分が切れきってはいないという状態です。