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EMフェスタ2004
専門分科会

コーディネーター
水野 照久(みずの てるひさ) EM研究機構

パネリスト

鈴木 俊輔(すずき しゅんすけ) NPO法人なんぶ農援隊 隊長
遠藤 稔(えんどう みのる) エコクラブしもべ
植村 加奈子(ウエムラ カナコ) 琉球大学農学研究科大学院


2004.11.13


司会:皆さん、ようこそ沖縄の方までお越しいただき、ありがとうございます。本分科会は環境分科会ということですが、環境といいますとかなり範囲が広いですので、本日のテーマにつきましては汚水の処理、水関係について話していきたいと思います。
 この分科会では3つの事例を提案していただきまして、その後ディスカッションという形ができればと思っておりますので、皆さんご協力よろしくお願い致します。



 さて、本分科会のテーマは、「汚水処理でEMの効果を出すためのポイントを考える」です。例えば「浄化槽や池で悪臭が無くなったとか、水がきれいになったとかよく聞くけど。」「頑張って続けているけどなかなか効果が現れないな。」、こう思われている方が結構いらっしゃるかと思います。効果が現れた現場があるということは、何らかのポイントがあるはずです。本日はそのポイントを皆さんと一緒に考えていければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、パネリストの方をご紹介したいと思います。お三方、本日、お越しいただいておりまして、左の方から、山梨県の「エコクラブしもべ」の遠藤稔様です。

司会:続きまして、同じく山梨県の「NPO法人なんぶ農援隊」の鈴木俊輔氏です。

司会:一番右の方が「琉球大学大学院農学研究科」の植村加奈子さんです。

司会:まずはじめに、この分科会にお越しいただいた皆さんが、どういった方々なのかをちょっと把握させていただくと話がしやすいかなと思います。



 皆さん、スクリーン上の1番、2番、3番の中で主にどれに該当しますか。1番が川や池などの自然環境の浄化活動中、2番が浄化槽や下水処理場の汚水処理施設の活動中、3番が水の浄化活動は話には聞いているけど、自分では実際にやったことがない。どれが主に該当しますでしょうか。
 そうですね、大体比率からすると、3:1:1ぐらいでしょうか。
 それではディスカッションに入るための提案の発表を、パネリストの方々から受けていきたいと思います。



 本日は事例発表が3つありまして、1番が汚水処理施設の浄化事例、2番が汚水処理施設の浄化事例、3番が池の浄化事例、この順番でいきたいと思います。ディスカッションは発表の終わった後にさせていただきたいのですが、発表の合間に私の方から質問を軽く入れさせていただき、また、質問を1件だけ、その都度受けたいと思います。

司会:それではエコクラブしもべの遠藤稔さんから「病院排水浄化槽の臭気抑制」というテーマでご提案いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。


EMフェスタ2004 専門分科会
遠藤 稔(えんどう みのる) エコクラブしもべ

プロフィール:
昭和26年8月山梨県身延町生まれ
・身延町議会議員2期8年(内、広域行政組合峡南衛生議会議員1期2年)
・EMエコアドバイザー  
・地球環境共生ネットワーク山梨峡南支部役員
・環境省環境モニター  
・山梨県地球温暖化防止活動推進員



遠藤:どうもみなさん、こんにちは。座ったままで失礼させていただきます。ご紹介がありましたように、東京都の隣り山梨県の、静岡県側に位置しております身延町という日蓮宗の大本山がある町です。大本山、いわゆる総本山で、全国に1,500末寺あります結構大きな宗教の源のところであります。
 私たちが、実は昨年の10月から地域の皆さんと力を合わせて環境浄化活動をしていこうということで、「エコクラブしもべ」というものを立ち上げまして、ゆくゆくはNPO法人の取得を目指しているのですが、そういう中で行政とのコラボレーション、いわゆる協力して働くということをモットーにしております。
 いろんな問題を各自治体、地域で抱えております、生ゴミの処理の問題もあります。
隣りにいらっしゃいますなんぶ農園隊の鈴木隊長から、私も1年半ほどご指導いただきまして、それをまた別な地域に広げていくということで、エリアとしては山梨県の南の峡南という地域なのですが、非常に山深いところであります。そういう中で環境問題を改善していく中で過疎の問題も脱却して活性化をしていこうということもモットーにしております。
 


 今回の事例ですが、これは先ほどお話ししました日蓮宗総本山身延山が経営しています。写真は身延山病院です。老人ホーム、特別養護老人ホーム、ケアハウスも抱えているのですが、そこの浄化槽の悪臭対策です。



 これがケアハウスです。全国から、日蓮宗ということでその信者さんの関係者がかなり入所しております。



 これは病院の裏手、ここに浄化槽があるのですが、これは最近建てられました腎臓(人工)透析病棟です。これが老人ホームの一画です。



 今写真で見られたように、三方が囲まれているのですね。そういう中で今回、160人槽と480人槽があるのですが、160人槽の沈殿分離槽から発散する腐敗臭、それは480人槽もそうですが、結構きつい臭気が漂っているということで、三方を囲まれているということもあり、非常に条件は悪かったのですね。



 これはケアハウスなのですが、ここに今あるのは480人槽のずっと大きな槽です。



 これは160人槽ですが、接触曝気でやっています。平成8年に設置されたものです。



 こちらが480人槽です。ご覧のように駐車場を兼ねておりまして、一日駐車している職員の皆さん、あるいは患者さん、関係者が帰る時に、車の窓を開けて少しおかないと乗れないという状況、臭気が車内に入って相当大変な状況でした。特にこのケアハウスの皆さんからは、まともに臭気がくるということで長い間苦情があったということです。
 実は管理業者も、今いろいろな、もちろんケミカルな化学的なもので臭気抑制をしていたのですが、限界があるということで、町の環境課を通して私たちの方に「何とかしてくれないか」というお話がありました。



 投入対象浄化槽なのですが、160人槽で、計画量が1日当たり20トンです。実際の流入量が11トンと半分近いということで、非常に余裕がある槽ですから、意外と早く結果が出るのかなという考えで取組んでまいりました。処理方式は「沈殿分離接触曝気」というシステムです。大体同じだと思うのですが、流入BODが350ppm、放流BODが20ppmです。



 このように流入したのが原水ポンプ槽、そして沈殿分離第1槽、沈殿分離第2槽、接触曝気第1、第2槽、沈殿槽、消毒槽、そして放流ということで、ここにこの沈殿分離の第1、第2槽にEMを投入していきました。これはEM研究機構の片寄研究員のご指導をいただきながらさせていただきました。



 これが沈殿分離槽のEM活性液投入前です。皆さんご存知のように、病院といいますと、抗ガン剤、あるいは先ほど病棟がありましたけれど、腎臓透析、結構厳しい、バクテリアに負荷を与える物質、薬品を使っております。そういうものがし尿を通してこの中に入るわけですが、特に糖尿病の患者さんも多いということで、独特なし尿が入るから、病院の浄化槽というのは非常にバクテリアに負荷を与えるということで、大変な状況があったと思います。



 活性液を投入しています。非常にいい活性液だという自負をしております。実は私たちは活性液、これは隣りにいらっしゃいます鈴木隊長のご指導をいただく中で、まずいい水をベースにしていくということで、実は下部、合併して今は身延町になったのですが、下部というのはお分かりの方もいらっしゃると思うのですが、武田信玄公の隠し湯と言われている、あるいは金山があった土地で鉱泉がわき出ているのですね。非常に酸化還元電位の低い、いわゆるパワーのある水ということで、その水をベースにしてEMの活性液を作っております。



 これはシンプルなタンクなのですが、もちろんリサイクルのタンクを活用しまして、ここに点滴投入をしているところです。



 これは点滴装置です。金魚の水槽へエアを送り込む装置で、210円の装置でございます。それを簡易的にホースを引きまして、ちょうどここで点滴速度のいろいろな調整ができますから、ここで調整をしながらマンホールの蓋を開けて原水から点滴をしているところです。



 投入方法なのですが、今の写真のように原水ピットへ点滴ですね。これは、大体浄化槽の場合ですと、3,000分の1ですが、やはり病院ということで非常に負荷がかかるものが流れてきていますので2,000分の1で投入しております。ですから、11トン流入しますから、1日約6リットルの活性液を流しております。30日で月に180リットルということになります。
それから、いわゆるバッチ投入ですが、沈殿分離第1、2槽へバッチ投入ということで、これも100分の1。この量は段階的に減少していくのですが、週に300リットルという計算になります。週に2回150リットルずつバッチ投入をしてきました。今年の8月からやっています。



 効果の出現ということでこのようにやってきまして、2カ月目、本当に臭いが抑制がされたということで、関係者の皆さんはびっくりしていました。3カ月目からはバッチ投入は終了して、点滴投入のみでやっております。



 実はこのように放流先に川があります。こちら側が富士川です。これがその主流の波木井川というところですけれど、ここへ流れております。



 少し曇っているときで見づらいのですが、これが富士川です。奥が病院です。ケアハウスが見えますけれど、そこから流れてきています。
 実は私たちは比嘉教授がおっしゃるように、要するに腐敗悪臭、いわゆる汚染源を浄化源にしていくことで、浄化槽あるいは終末処理場を、本当に生きた水が流れるところにして、河川の生態系を元に戻していこうということを基本に考えております。
 最後になりますが、これから目指していく行政とのコラボレーション、これを大事にしていきながら、やはりダイナミックに地域の環境を改善していく。そういう中で活性化ができるのではないかという確信をしております。
生ゴミの処理もしておりますが、毎日毎日が楽しい1日で終わってしまう。本当にこれからも頑張っていきたいと思います。以上です。

司会:遠藤さん、どうもありがとうございました。遠藤さんの発表は、浄化槽という、EM関係では水の浄化で対象となるものなのですが、今のスライドの中で装置等を見ていかが思われたでしょうか。タンクや、例えば点滴投入等も簡単なもので造られています。それと活性液を点滴で入れるのと同時に、バッチで週300リットル入れたりということも併用しています。こういった形で特に難しいことはやっていないのですが、2カ月目ぐらいからその効果が出始めて、3カ月目ぐらいからは点滴だけで効果が持続できているという、結構早い効果がみられた事例であったと思います。
 では、私の方から2つ質問をさせていただきたいと思います。1つ目は、EMをやるのにいくらぐらいかかるのかというお話をよく受けるのですが、高いものなのか、安いものなのか金額がでていないと感覚的に分かりにくいものです。活性液の単価として、遠藤さんのところでは1リットルあたりでいくらぐらいになりますでしょうか。

遠藤:そうですね、これは南部農援隊とカルテルを結んでおりますので、一応、普通活性液1リットルあたり250円ぐらいの形で皆さんにお分けしているのですが、このように大量になりますと当然そういう金額では無理ですから、差し当たり1リットル200円、来年からは年間契約をするということで1リットル150円ということになります。これは作り方にもよると思うのですが、実は私たちはこのベースの水にこだわっておりまして、下部温泉の鉱泉、これもいくつかあるのですが、最高の、レベルの高いものを運んできて作っております。

司会:ありがとうございます。1リットルあたり200円とか150円と、例えは違いますがガソリンの感覚で考えると少し高いのではないかと感じられるかもしれませんが、これはものによって全然違いまして、1リットルあたり10円とか、そういうものもあります。遠藤さんのところでは質を重視したということです。投入量も1日6リットルとか、週300リットルとか比較的手軽に作れる少量なので、1リットルあたりに換算すると大体200円ぐらいというお話でした。
 2つ目の質問ですが、期待した効果が出てきた、その境というのは一体どこだったのだろうか、今から思えばもしかしたらここが効果が出てきた境だったのではないかと思われるところをお聞きしたいのですが。

遠藤:そうですね、やはり片寄研究員のご指導をいただく中で、原水ピットへの点滴、これは基本ですね。そしてバッチ投入へ、100分の1ということで思いっきり投入していくと。早くEMにそこへ住み着いてもらうということを基本にしております。

司会:思いっきりというのは、例えば1トンとか2トンを考えられる方もいらっしゃると思いますが、ここでは300リットルを思いっきり入れられたということですか。

遠藤:そういうことですね。150リットルを2回ということです。実は10月から、今度は480人槽をやっていまして、そこへは点滴投入500リットル。流量調整槽へは、こちらは最初は160人槽は沈殿槽でしたけれども、480人槽も、同じようなバッチ投入の量で済むということで、そこももう1カ月以上たちますけれども、もう結果が出てきましたね。ですからそこでいい活性液をドーンと投入するということだと思いますけれどね。

司会:いい活性液というお言葉が出てきましたが、この辺もキーポイントになるところではないかと思います。今の発表を聞きまして、今すぐ聞きたいという方、1件だけ募りたいと思います。

質問1:: ちょっと教えてもらいたいのですが、ちょうど放流水が川の方に入ってきますね。そうすると川の生態系が若干変わっているのかどうか、その辺を精査しているのかどうか、その辺を教えていただきたいのですが。

遠藤:私たちもその辺は一番気にかけているところでありまして、2カ月、8、9、10、3カ月少したっているのですが、特段今のところ、どういう変化があったというのは感じないのですけれど、別なところの浄化槽、30年前に造られたところをEMで浄化していまして、そこは小魚が放流先に非常に増えてきたという結果が出ておりますから、同じことが起きるのではないかと楽しみにしております。

EMフェスタ2004 専門分科会
鈴木 俊輔(すずき しゅんすけ) NPO法人なんぶ農援隊 隊長

プロフィール:
昭和19年8月東京生まれ。私立明星学苑高校卒業。労働組合専従を経て、昭和47年静岡県富士市にて、料理店・割烹旅館を経営、平成3年引退・廃業し山梨県南部町に転居、EMと出会い平成10年「環境の会なんぶ」・平成13年「NPO法人なんぶ農援隊」設立に参加、現在に至る。


鈴木:よろしくお願いいたします。まず、始めに、資料のミスプリントを訂正させて頂きたいと思います。(4.1) 特性EMボカシ50kg/14日→5kg/14日。5.「悪臭抑制効果は期待されています」→「・・維持されています」、「酒匂川」→「潤井川」。)
私どものやっておりますのは、「高濃度屠場の廃水処理施設の臭気抑制」です。私どもなんぶ農援隊は山梨県の南部町にありますが、実は富士川に沿って静岡県に接した部分で、生活圏も気候もほとんど静岡県です。私も含めまして農援隊のスタッフは富士市にもともと住んでいて南部町に越してきたという関係もありまして、富士市の方の施設を手がけることになったわけです。
富士市は製紙の町で有名なところで人口26万人あります。そこの町とその隣の富士宮市、芝川町、以前にはさらにもうあといくつかの町が一緒になって屠場を運営しておりましたけれども、現在、2市1町で運営をしているという施設です。



 施設全体の航空写真です。ここが屠場の施設で、牛、豚の貯留場、そして浄化施設があり、ここから排水をされて、左下の潤井川という川に流れています。この敷地全体の面積は約2万3,000平方メートルあります。



 これが入り口の前景の写真になります。



 これが施設の配置図になっております。先ほど言いました処理施設、事務所、貯留場、それから汚水処理施設です。



 これが家畜の待機場になっておりまして、牛、豚を中心として小動物を含めて、年間約3万9,000頭が処理をされています。



 今の待機場のところで、当然家畜は生きておりますので、待っている間にふんをたくさんします。そのふんが非常に水にまみれて積み上げられて、水分を調整するために、おがくずと一緒にしてそのまま積んで、このように液体がダラダラと場内に流れ出しているという状態です。この施設は実は老朽化が進みまして、本来、建て替えようという話が出ていたのですが、例の狂牛病の騒ぎが起こり始めて、一緒に運営している組合が3カ所脱落をしていってしまって、根本的な建て替え計画が断念されてしまったのです。廃止しようかどうしようか、しかし廃止するには今処理しているものをどこかへ持っていかなければいけないという問題がありました。それの引き受け手がなかなか難しい。施設が大変老朽化しているということが臭いが発生しているという一つの大きな原因になっております。




 これが汚泥ケーキを積み上げて、おがくずと一緒に混ぜて堆肥化しているところですが、ダラダラと圧力で液体がしみ流れてきまして、このコンクリートの手前の方に流れ出してきてしまいます。これが場内を流れて非常に悪臭を発生しているのです。この堆肥場が3箇所あります。



 これが汚水処理場の裏から見た全景で、この中で曝気槽やらいろいろあるわけです。こういった施設に、全部あちらこちらから流れてきた汚水が、たまっているところから水中ポンプでくみ上げてまた戻したりとかということをしていて、場内のあちこちで配水管が壊れて汚水が水たまりになっているという、そういう状況です。



 処理する前の汚水が場内中側溝もないところへあふれ出てくる。こういう状態になっているということです。



 こういう形で水中ポンプでくみ上げて送り出しているという状況です。



 これは非常にリアルな赤い色なのですが、これは屠畜したときに出てくる血液です。こういったものも露出した状態になっています。いつも開けっ放しで、雨が降ればこの中に水がドンドン入り込んであふれてくるという、こういう状況で、これが汚水処理場の流入口へと流れていきます。
 


 

 悪臭の発生源の一つが流入水。約205トンというふうに言われていますが、データ的にはこういう数字になっております。かなり老朽化しておりますので、さっき見たように上にビニールをかぶせて施設を覆っているということで、その中では非常に臭いがプンプンとするという状況です。それから今見ていただきました施設内の配管の老朽化による汚水の流出。あと、脱水汚泥ケーキの堆肥場の施設が非常に悪いということと、ただ積んであるということだけで非常にそこからも臭いが出てくるという、概ねこの3つが臭いの発生源ということです。



 流入フローについては、原水の流入口から貯留槽、それから調整槽、曝気槽を通り、沈殿槽を通して放流をしているという状況です。そういう状況の中で、この施設の脇の100mくらいしか離れていないところを高架線で第二東名が通る予定なのですけれども、実はこの施設は長い間、夜中になると住民から苦情が入って、毎晩のように市役所の担当職員が呼び出されて謝りに行くのです。この担当になった方は頭を悩ませて、もうどうにもならないなということで、私たちが別のし尿処理センターの汚泥の処理をしている業者のところのEMでの処理を指導に行ったときに、たまたま隣りにいた環境課の課長さんも私たちの話を聞いて、「そんなに臭いが消えるのだったら何とかしてくれないか」と、そういうことで片寄研究員にもご相談をしながら悪臭対策の処理計画を提案をさせていただいて、取り組みを始めました。



 私たちはこのEM活性液を車で月に2回搬入をしています。



 EMの点滴装置というのも、ドラム缶を使って簡単な方式でやっています。



 これが原水ピットであります。原水から点滴をするという方法で、下にステンレスのカゴがあるのですけれども、ここにEMの特製ボカシを入れてEMの密度を高めるという方法をとっています。ここから投入する液は100倍液を5倍に二次活性させた液を使用しています。



 これが調整槽です。



 ここが曝気槽。真っ赤です。



 2番目の曝気槽です。



 これが放流水槽で、一応金魚が生息しているというところです。



 これが脱水ケーキが出てくる場所です。



 堆肥場へ持ってきて、ここで今EMの原液を10倍にした活性液を間欠散布しています。



 装置は自動化されていまして、ここからくみ上げたものをタイマーでセットをして散布します。



 こういったノズルで、上から噴霧をするという方法をとっています。



 効果なのですがさっき言いました周りのあふれ出ている排水の臭いと、脱水ケーキ堆肥(たいひ)と含めて臭いがするものですから、そこへ約3カ月ぐらい噴霧器でEMを噴霧するという方法でやりました。これは11月末から始めたのですけれども、そういう中で、一応、隣近所からの苦情については1カ月後に無くなりました。これはたぶん周りのしみ出ているところに散布したということで抑えられたということだと思います。それから汚水処理施設そのものの臭いについては、少し暖かくなり始めた春ごろに急速に臭気の抑制効果が出てきたということです。



 これは先ほどの放流水槽なのですけれども、もう一つ決定的によくなったかなあというのは、この放流水槽の水を、原水の流入するピットのところへ1割位を戻すという方法を途中からとったのですが、このことがたぶん決定的になったのかなあと思っています。



 そして、先ほど言いましたようにここに潤井川という川が流れていまして、これが製紙のヘドロで30年ほど前に有名になった田子の浦港に流れ込んでいます。一昨年、この田子の浦港が港湾で日本のワースト2位というダイオキシンの残留濃度が出ています。ここへ流れ込んでくれることは、BODだとかSSとかCODとかそういったものが抗酸化の浄化源になるものに変わっていると思うのですね。処理水が田子の浦港に流れ込むことによって、ダイオキシン等の数値の軽減につながればいい。こういったことを一つの目標として、もう少し効果が出てきたら漁連の人たちと一緒になって、田子の浦港に直接EMを投入するような計画もいずれ立てたいなということを現在考えております。以上です。

司会:鈴木さん、ありがとうございました。今の発表は、かなり老朽していろいろなところで汚水がたまっているような、もしかしたらご自分の近くでも見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、そういったところに同じようにEMを点滴で入れたり、散布したり、そういうやり方で臭いの軽減について効果が出たという発表でした。苦情がこなくなったとありましたが、以前の苦情はどのような内容だったのでしょうか。

鈴木:ご承知のように夜になると空気が上から下に流れるものですから。空気は昼間は割と上に真っすぐ上がりますね。これが夜になると空気が下に下がってくると同時に漂うわけですね。それが風向きによって、毎晩違う方向へ流れる。臭いが流れていった方の家の中には、せっかくその家庭でお風呂に入って一杯飲む人もいるでしょうし、ご飯を食べているときに嫌な臭いがしてくるということで、市役所の警備の方へ電話を入れるという状況だったわけです。こういうことが毎晩で、受ける職員は、苦情を言う家は違っても毎晩謝りに行かなければならないということがもう何年も続いて、その担当課長になるとノイローゼになってしまうというぐらいひどい状況だったということです。

司会:それが今では…。

鈴木:今では1件もありません。と言っていました。

司会:このことは、簡単に聞こえますけど、EMではなく別の方法でやったときに同じような結果が出るのか、といったときに、私が考えてもやはりEMの方が安くつくのではと思います。簡単で、そんなに難しくない方法ではないかなと感じられるのですが、皆さんはいかがでしょうか。
 それでは同じ質問を2つ、先にさせていただきます。EM活性液の単価ですね、1リットルあたりいくらぐらいになっていますか。

鈴木:うちの方はですね、臭気抑制のために使っている、堆肥場とか施設の周囲にまいている方は100倍液を使ってもらっています。こちらの方は一応指導料を含めてということで1リットルあたり250円頂いています。それから、二次培養して500倍にした方は点滴に使っているのですけれども、この方につきましては1リットル100円でやっています。
 あと、生ゴミを飼料化して、ボカシにして鶏を飼っているわけですけれども、それに少し工夫を加えて生ゴミボカシを女性用のナイロンのタイツに入れて、そして原水ピットに約5キロを2週間ぐらい埋めておく。それを大体半年ぐらい繰り返しやったのですけれども、それも非常に効果がありました。そちらの方も指導料含めて設置とかいろいろなことがありますので、1キロ1,000円頂いて納めています。大体、費用的に、最初は平成14年の12月から始めたのですけれども、1年半ぐらいは年間250万円ぐらいかかっていました。現在は、さっきの1割、放流水を戻すという方法を取るようになって、約半額ぐらいの金額に減ってきています。そういうことになっても、臭気については、臭いの出ない状態が維持されています。

司会:250万円というお金は、行政の方から出ているということでしょうか。

鈴木:はい、そうです。

司会:その250万円で苦情が今のところ出ていない、という効果が得られたということですね。はい、ありがとうございます。それから2つ目の、期待した効果が出たのは、どこが境だったのか発表の中でもあったと思うのですが、もう一度お聞きしたいと思います。

鈴木:1つは、周囲に漏れる臭いの大きな原因は、汚泥堆肥(たいひ)と家畜のふん。それから、施設の老朽化したところから漏れている腐敗臭です。これについては、噴霧器で、そこへ噴霧をすることによって1カ月ぐらいで、ほぼ改善された。それともう一つ、やはり垂れ流れているところをきちんと排水を作らせたり、堆肥(たいひ)場から噴霧をする。こういったことが効果を表したのが、大体1カ月目ぐらいかなというふうに思います。
 それから、汚泥処理施設の方の臭いが消えたというのは、当初、寒いうちから処理施設の中に点滴を始めて、そして、さきほども言いましたように特製ボカシから出てくる菌で密度を高めておいて、暖かくなってき始めたときに、一気に菌が動き出すのではないかということを想定していましたところ、やはり3月ぐらいの暖かくなり始めたころに、急速に施設内の臭いも消えてきたわけです。
 あと、行政の方でも臭いが消えると、今度は、費用の250万が非常に頭の痛い。毎晩苦情されているときには、そちらで頭が痛かったのだけれども、今度は、臭いの苦情がこなくなると250万円かかっているのが頭の痛い話になってきまして、「何とかならないか」ということで、片寄研究員とも相談しながら、放流水を1割こちらへ戻すということを始めて、EMの投入量を徐々に半分まで減らしていき、現在は半分ぐらいの金額で済むようになったということです。

司会:はい、ありがとうございます。質問があれば1件だけ募りたいと思います。どなたかいらっしゃいますか

質問者2:少し教えてもらいたいのですけれども、特製ボカシは、どういうものか聞きたくなるわけですね。これが第1点です。それから脱水ケーキの含水率、その場所によって違うのですけれども、大体何パーセントぐらいかなと。この2点です。

鈴木:しっかりした活性液を作って、しっかりしたボカシを作って、お米のとぎ汁の発酵液とか、おからをボカシ化したものとか、それから通常の生ごみボカシよりもEMの密度が恐らく30〜40倍高いと思うのです。そういうボカシを作って、ここに使っているということです。それから脱水ケーキの水分については、特別、聞いておりません。

司会:今、指導された片寄さんの方から85%というお話しを受けました。いわゆる下水処理場の脱水機の標準的な数字ですね。水分が割と抜けている状態かと思います。ベトベトではないけれども、水分が切れきってはいないという状態です。

EMフェスタ2004 専門分科会
EMによる千原池および防火用水池の浄化について
植村 加奈子(ウエムラ カナコ) 琉球大学農学研究科大学院

プロフィール:
1980年   三重県四日市生まれ
2002年3月 名古屋大学理学部卒業
2003年4月 琉球大学大学院農学研究科入学
現在    琉球大学大学院農学研究科在学中


植村:よろしくお願いします。私の方からは、EMによる池の浄化について発表したいと思います。



 千原池(せんばるいけ)という川が、沖縄県琉球大学(国立大学法人琉球大学)の中心にありまして、この池は、上流から川が流れ込み、オーバーフローした水が下流の河川に入っていく構造の、一種の小型のダムになっています。大学では、この水をろ過してトイレなどの水に利用しています。しかし、上流は下水道が整備されていない地区なので、生活廃水や汚水などが毎日流入してくる状況になっています。そのため池は、富栄養化が進んで、植物プランクトンが大量に繁殖して緑色になっています。また、その有機物が腐敗して、池の底にはヘドロがたまり、悪臭がひどい状態になっていました。そこで、これを改善するために、3年前からEM活性液による浄化活動を始めました。投入量は、週に2トンから6トン程度。現在までにトータルで390トン投入しています。



 EM活性液の培養ですが、この上流の地区にあるお宅の敷地をお借りして、このように2トンタンクで培養して、家のすぐ横にある排水溝に流していました。この地区は、住宅やアパートなどがたくさんあるのですが、そこの各家の浄化槽に、このように無料で私たちがお配りして、活性液を入れてもらいました。その結果、「排水溝からの悪臭が消えて、うれしい。」という声をいただいています。



 汚水が集まってくる大きな排水溝の出口には白い、汚水特有の水カビが生えていまして、悪臭がとてもひどい状態です。



 その先なのですが、琉大構内に入ってくると、下が土の普通の小川になります。
これは活性液を流したときの様子です。このように川全体が茶色くなりますが、PHは7.2程度で、魚も死ぬことはないので特に問題はないです。



 こちらは、その小川の途中にある、深さが1メートルほどの小さな池です。
ここにEM投入前は、植物プランクトンが繁殖していて緑色に濁っていて、表面には白い微生物膜が張っていました。投入後には、その膜も消えて透視度が上がって、悪臭がかなり消えました。



 これは、千原池の上流の部分に位置します。EM投入前、3年前はこのように小川から二手に分かれて流入していたのですが、ここの部分に大量にヘドロが堆積していました。EM投入を始めてから、台風による土砂崩れが起こりまして、ひとつの水路が消えてしまいました。EMが流れる方は、ヘドロがすごく減りました。砂の上を歩いて沈まない、(ヘドロがあるとボコボコ沈むのですけれども、)それがなくなるぐらいきれいになりましたが、もう一方は、淀んでしまっているので、大変浄化が遅れていました。そこで2年たった後で、ここに直接EM活性液を投入。また、EMに漬けて3日間寝かせた米ぬかも投入することにしました。



 その部分の拡大です。このように直接投入する前というのは、浮草が大変繁茂していて、水面には微生物膜が張っていたのですが、3カ月後には、富栄養化がなくなったということで、浮草が無くなって透視度も上がりました。底に堆積しているヘドロも、かなり分解が進みました。



 これは、池の最終地点の、2003の8月と10月の様子です。コンクリートの階段が、池の中へと続いている場所なのですが、夏でもこのように透視度で30センチくらい。秋になると50センチくらい見えるようになります。



 大学のトイレは千原池の水をろ過して、中水利用しています。清掃員の方にお話しを伺いました。その結果は、男子トイレの尿石とか、汚れの落ちが良くなって、洗剤の使用量が少量で済むようになったそうです。以前は悪臭がひどくて、1日中、換気扇を回していないと入れなかったが、現在ではそういう必要もなく、臭いが消えたということです。頻繁にトイレの水弁の部分で目詰まりを起こしていたのですが、それが現在は無くなったという変化を感じているそうです。



 こちら、オーバーフローした直後の下流河川の様子です。EM投入前は、このようにたくさんの藻が張っていて、それが下に流れていき、藻が浮いている状態。あと、コンクリートのところに付着藻類が繁殖していたのですが、投入後はそのような藻類の繁殖がなくなり、大変きれいになりました。この部分には、カワニナという貝がたくさん繁殖するようになりました。このカワニナがいるということは、つまり、ホタルも住めるようなきれいな川であるといえます。



 さらに、400メートルほどいった下流は、川底が土とか砂に変わり、普通の小川になります。ここには、カニとか、カメ、エビなど、たくさんの生物が生息しています。透視度は、1メートル以上あって、大腸菌もほとんど検出されなくなっています。



 こちらは、その大学を出た下流河川の様子を紹介します。この地点では、以前は、このライン(現在の水面より50cm以上)までヘドロがあったと考えられています。現在の川底は、50センチも下がっていて、その分のヘドロが、消失or(分解)したといえます。



 もう少し下流にいったところで、手前側が千原池からの下流河川で、別の川との合流地点です。この川というのは、やはり生活廃水が入り込んでいて悪臭がひどい川なのですが、このような水質の悪い水が入ってきても、この下流の部分ではちゃんと緑藻が繁茂して、緑藻が繁茂することで川の浄化が促進されているという、いい状態を保っているということが分かります。



 そういう下流河川沿いに住んでいらっしゃる住民の方に川の様子の変化についてお話しを伺ったところ、「ヘドロが減少して、透視度が良くなった」「悪臭の発生が消えて、蚊も発生しなくなった」「魚やカメが増えた」「サギなどの野鳥の飛来が頻繁になった」また、「ホタルも見られるようになった」などの意見がありました。



 このようにEMの投入によって、千原池だけではなくて、上流の地区や下流の河川においても、悪臭が消えたり、ヘドロが無くなったり、水質が向上するなどの良い結果が得られました。



 ここで、水質の浄化の評価について考えてみたいと思いますが、その評価基準というのは、BODやTOCといった科学的な測定の数値が使われています。でも、これらは、サンプルを採る時間帯や場所などで異なりますし、また、池の底に堆積しているヘドロが残っていたら、そこからの有機物が供給される限り、こういう数値というのは下がりません。しかし、EMの効果がないのではなくて、その間にもヘドロはちゃんと減少したり、魚や鳥やたくさんの生き物が増えるといった生態系の回復が実際に起こっていて、池や川でこのような変化に気付いている人たちがちゃんといるわけです。この様なことなので、現場の本当の姿を知るためには、このような数値だけに頼らずに、数値で表せないものを重視した総合的な評価をすることが大切だといえます。



 次に、汚染の流入がない閉鎖環境では、EMで浄化するとどうなるかというのを紹介します。琉球大学の農学部にあるこの防火用水池に、昨年の9月から12月まで、約3カ月半、EM活性液を池の水量の1000分の1、60リットルを、毎週、点滴投入しました。また、この池は、全面がコンクリートで囲まれていますので、浄化を促進する生物が定着できる、すみかを作るという工夫も施しました。



 これは、EM投入前の様子です。20年以上、1度も掃除されたことがなく、一面緑色で、透視度は5センチ以下で大変汚い状態でした。



 しかし、EM投入後4カ月目に、急激に透視度が上がりまして、底がはっきりと見えるようになりました。糖蜜の色で茶色く見えるのですが、ビーカーにくんでみると、このようにきれいになっていることが分かります。この時点でEMの投入を中止しまして、その後、池がどう変化するか観察しました。



 これは投入をやめて2カ月後の、2004年3月の様子です。底に沈殿している藻類が、このようにくっつき合って、シート状になっているのですが、部分的にめくれあがっている様子です。その結果セメントの底が所々見えるような感じになりました。これが拡大したその藻の様子ですが、綿のような感じで、手で触ると簡単に崩れてパラパラと細かくなります。



 5月になると、その沈殿した藻の浮き上がりが活発になって、細かく藻が浮き上がってきて、水が濁り始めました。カエルの卵が見られるなど、池の中の生き物も増えました。この枠の中には、緑色の浮草が大変繁殖している様子が分かります。この点を覚えておいてください。



 6月下旬には、大規模な藻の浮き上がりが見られました。これは、厚さ10センチ以上の大きな固まりで浮き上がってきました。そのため、(全体図はこんな感じで、)水をくんでみると白濁して見えます。



 これは7月上旬の様子です。浮き上がった藻が、分解したり、また沈殿したりすると、このように少し透視度がまた上がってきます。水中には、細かく分かれた藻類がたくさん浮遊している状態です。池の沈殿物を拾ってみると、藻のほかは、枯れ葉とか砂利でした。また、このころになると、浮草の色が黄色くなってきていることが分かります。これは養分となる水中の窒素が減少してきたということを示しています。



 7月下旬には、その浮草の量がだいぶ減ってきました。拡大してみると、このように分解しかけています。以前の葉っぱの大きさよりも、ずいぶん小さくなっていることが分かります。



 8月の様子ですが、藻が、沈んだり浮いたりということが繰り返し起こりました。浮草というのは、もうこの頃になるとだいぶ減少してきています。



 10月になると、水温が低下するということもあって、魚の姿がはっきり見えるぐらい透視度が上がりました。浮草も、完全に無くなりました。



 このような様子変化を、透視度とCOD、(有機物の量を表すような測定数値なのですが、)この観点から見てみますと、EMの投入前というのは、CODは100以上の高い値で、透視度も5センチ以下の低い状態でした。ここにEMを投入すると、CODは更に上昇して、透視度は3カ月間そんなにも変わらなかったのですが、4カ月後、急にCODが、ガンと下がって、それと連動して透視度が50センチ以上に上がりました。この状態というのは、水中にいた植物プランクトンなどの有機物が分解されたということですが、まだ、池の底には沈殿している藻類が残っていましたので、これが春になって水温の上昇とともに浮き沈みを繰り返したため、夏にCODが上下しました。透視度も20〜30センチに下がっていました。しかし注目すべき点は、真夏でも以前のように水が真緑の色になることがなかったということです。



 まとめますと、このように閉鎖環境でのEMによる浄化というのは、新たな汚染が入ってこないという条件であって、EMによって1回、浄化というのを経験した場合、その場所には、浄化を促進する生物、(バクテリアや小動物など)が増えているので、これによってEMを入れなくても、ある程度の期間、自浄作用が安定的に続くということが分かりました。どれくらい続くかというのは、今後も観察していく予定です。以上です。ご清聴ありがとうございました。

司会:はい、どうも植村さん、ありがとうございました。とても写真が多くて、変化が見られて、皆さんいかがだったでしょうか。4カ月目、沖縄でいう1月ですと、本土の方でいえば秋ぐらいですかね。そのほかの期間は、もうずっと夏という状態なのですが、水温が下がってきて、腐敗菌の活動が落ち着いて、その他の分解する方の菌が相対的に動いてきたということもあるかと私は思うのですが、ただ、いきなり透視度が上がりましたよね。ああいう形でEMというのは、入れれば比例的に効果が出るというものではないということもわかりました。しかも、1年後になって水がどうだったかというと、最初10月から始まって緑色の状態が、次の年の8月になると、決して水道水のような色ではないのですが、魚が見えるような、見ていて生物が住めるような感じになっているということでした。この辺りが、いわゆる池を浄化するという薬剤などを使った方法とは違ったアプローチである、ということが見られたのではないかなと思います。それでは、同じ質問をさせていただきます。活性液1リットル当たりいくらぐらいかかっていますか?

植村:お二人に比べて大変安くて、資材としては、EMセラミックスのパウダーとか、にがりとか、米ぬかをちょっと入れて、ほとんどの値段は、EM原液、1号原液と、糖蜜なのですが、コストは、1リットル当たり23円程度です。また、プラスアルファで、光合成細菌のEM3号も投入すると浄化が促進されるということで、これは、研究室で単独培養して、活性液と一緒に流しています。

司会:はい、ありがとうございます。それでは、2つの事例があったのですが、植村さんが期待していた効果、千原池や、防火用水池の水がきれいになったその効果が出てきたその境というのは、今から考えると何だと思われますか。

植村:千原池の方ですと、毎日、新たに汚水が流入してくるという悪条件なのですが、プロジェクトを始めた最初の3カ月間は、週5トン流していたので、2カ月ぐらいで、上流の小川の表面の膜が消えたり、臭いが消えたりという部分は早目に現れてきました。貯水量が、池全体で6万3000トンということで、週2トンから6トン入れても、1万や1万5000分の1等に希釈されてしまうので、下流の方ではヘドロがまだ全然分解しきっていないので、そういう意味では、もう少し入れようかなと思います。防火用水池の方だと1000分の1量を、毎週、毎週コンスタントに入れていてもそんなに変わらなくて、一ヶ月経つと「下にごみがたまっていたんだ」ということが分かるぐらいは見えてきました。

司会:はい、どうもありがとうございました。それでは、植村さんの発表を聞きまして、簡潔にちょっと1点聞きたいという方がいらっしゃいますででしょうか。

質問者3:光合成細菌の投入もされておられますね。どれぐらいの量を入れたのか。それともう1点、にがりも活用されていますね、それがどういう効果を期待しているのかということと、量はどのくらい投入したのか。お願いいたします。

植村:はい。光合成細菌の方なのですが、最初はEMの2トンタンクでの培養のときに一緒に入れて、0.3%ぐらい混入して一緒に培養していましたが。2004年は少しやり方を変えて単独に培養しそれを一緒に流していました。にがりなのですけれども、もう少しミネラルを入れることによって、微生物がよりいい状態で増えるということで、今は実験段階で5000分の1程度にがりを溶かして入れて培養しています。



司会:はい、ありがとうございました。はい、それでは、以上の3つの事例を受けまして、ディスカッションに入っていきたいと思います。



 本日のテーマですね、「汚水処理でEMの効果を出すためのポイントとは?」。そのポイントとは何だろうと、誰もが知りたいところだと思うのですが。残念ながら時間の関係で、活発な議論が途中で終わるかもしれないのですが、皆さん、経験された中で、ここが境だったのではないか、ここがポイントだったのではないかというのを感じられているところがあると思います。それを、この会場に居合わせた皆さんで、情報の共有をさせていただければ、より有益な情報をお持ち帰りになれるのではないかと思います。なるべくたくさんの方のご意見をお聞きしたいので、簡潔に1点、このテーマに関してご意見とかお考えとかを、伺いたいと思います。始めに、コーディネーターから経験で言わせて頂きますと、技術的なものとは別の視点となりますが、EMの効果を出すためのポイントとは、現場を成功に導く秘訣とは、楽しんで事にあたるということではないか、とも感じております。

遠藤:道頓堀川の浄化で非常に効果を上げているとEMだんごというのがあります。身延町というのは、精進料理、ということで、湯葉の生産が盛んなのです。大きな湯葉工場がありまして、そこの湯葉のグチャグチャの残さですね、おからではないのですけれど、その処理に非常に困っておりました。要するに腐敗が早いのですね。それを逆手にとりまして、それをベースにしてダンゴを作り、いわゆる食堂等のグリストラップに投入したところ、あそこのすごい状態の油が分解していくのです。
先ほどの鈴木さんのおっしゃったように、特製ボカシと同じような効果が出ると思うのです。要するにEM活性液のまさに応援団としての役割になります。だからそういうものを総合的に使っていくということが大事だと思います。

司会:鈴木さんの発表の中で特製ボカシというのがありますよね。お聞きしたらいわゆる生ゴミが原料だということだと思うのですが、そのボカシというのはどうしてそういうパワーを持っているかというふうに考えられますか。

鈴木:生ゴミのボカシをうちで作るときには、おからをかなり発酵させておいたものを、遠藤さんのところも湯葉の残さということですけれども、微生物が増えるのに効果的な役割を果してくれるかなという気がします。うちはぬかボカシもかなり密度を高く、おからボカシも密度を高く、活性液もかなりしっかりした活性液を作ってということで、先ほど言いましたようにやはりEMの密度が普通の生ゴミボカシを作る数十倍の密度があるのではないかなというふうに思います。

司会:どのあたりで数十倍すごいというように思われるのでしょうか。

鈴木:そうですね、例えば、うちは生ゴミを餌にして鶏を飼っていますけれども、平飼いで床にふんをしてもらって、鶏ふんを完熟させて堆肥(たいひ)に使うのですけれども、時期によっては多少臭いが出てきてしまったりするときに、その生ゴミの餌に使っているボカシを床にまくのです。そして少しかき混ぜてやると、1時間ぐらいで臭いがパッと消えてしまう状態になります。次の日は甘酸っぱいいい臭いが床からしてきます。

司会:会場の皆さん、今の話を聞いてどう思われますか。いろいろ活動されている方もいらっしゃると思うのですけれども、ご自分の経験から今の話を受けてどう思われますでしょうか。どうぞ、真ん中の方。

質問者4:さっきの浄化槽の悪臭の話を教えてください。

鈴木:臭いを消すだけでしたら、さっき言うように、噴霧するだけで相当消えます。ただ、浄化施設そのものから臭いが消えていくには、やはり一定の期間はかかる。それが、やはり密度とか、あと温度、季節、時期によっても現れてくる時間が違うのではないかなと思います。
 私たちがやった施設では、施設の水の維持管理業者が入っていますので、BODだとかSSだとかそういったものが急激に増えてしまうと、行政が引いてしまう可能性があるものですから、寒いうちから入れようということで、スタートしまして暖かくなって量を徐々に増やしていきました。検査結果を見ながら、維持管理業者、行政と相談をしながら、こういう結果が出たから次はこのくらいに増やしてみようということで徐々に進めました。行政とやる場合にはどうしてもそういうことをやらないと。
 僕の個人的な考え方では、BODとかSSの量で川が汚ないのか、その水が悪いのかということは関係ないと思うのです、実際には。現実にBODがたくさん出ていても、それが流れていって下流で悪い現象が起こるかというと、実は化学的な処理をしているときのBODとかSSというのは、出ていけば確かに汚染源になるのだけれども、EMで処理をして出てくるBODとかSSは、逆に数値が上がっても流れ出ていった先で浄化源になっていく。
 これはたぶん、酸化されたBOD、SS、抗酸化状態のBOD、SSの、その違いであって、行政が基準としているBODとかSSの基準ではやはりEMの世界は測れないのかなというふうに思っています。

質問者5:遠藤さんにお伺いします。先ほど川にEMを投入されるとおっしゃいましたが、保健所でBODとCODの検査等その辺りはどうなっていますか。

遠藤:そうですね。行政と一体になってやっているので、保健所等とも合議をしながらやっていくのですが、当然数値的にはクリアをしていきまして、透視度も毎月検査しています。透視度が30センチだったものが、2カ月ぐらいで50センチまでになったという状況で、浄化槽管理、これは県の課長さん自ら出向いて年1回の検査をやったのですが、非常にきれいになっていますという報告がありました。

司会:いわゆる数字ということですね。この点はひとつの課題なのか、それとも見方の違いなのか、EMのような抗酸化という新しい視点を持った技術で浄化する場合の壁と言いますか、やはり法律をもう一度見直す必要があるのではないかというところです。
 ただ、やはり行政の方は法律に従って事務的にやってしまいますので、そうすると数字が規制値よりも上がったらもう駄目ということになるのですが、これを乗り越えるためには逆に、一緒に現場を見ることです。数字は確かにそうなのだけれども、実際にその水を見てどう思われるのかです。
 それを体感して頂いて、確かにこれは数字も高いし規制値をオーバーしているから駄目だというのであれば、もうそこでおしまいかもしれませんが、そうでなくて、確かに放流先の河川で魚が増えているとか、実際にそこに住んでいらっしゃる方のご意見で、とてもいいと、やらないよりやった方がやはりよかったというような意見があれば、行政としても一緒に住民の方と取り組んでいくというかたちになって、その数字についてどういう見方をしていこうかという道も開けてくるのではないでしょうか。

鈴木:今、少し言いましたけれども、やはり行政の人というのは数値の問題というのを非常に重視するし、彼ら自身がいいと感じても検査が通らなければ、彼らは職務を全うしているということにならないというところもあります。私たちが今回のEM活動を行った中では、要するに、一管理業者の検査結果を見ながら徐々に進めていったということは、許容範囲の中で数値が少々増えても、その限界の中でEMをどんどん増やしていくという方法をとらないと、増えたからといってやめられたらまったく意味がなくなってしまうのです。そこら辺りはやはり維持管理業者も、現場の責任者も、行政の担当者も味方に付けながら、少々時間がかかってもクリアをしていくという方法をとらないと、行政相手の場合にはなかなかうまくいかないと思います。
 もう1つ、私たちの町で、下水をずっとサンプルしている所で、やはりEM散布をしていない川では大腸菌がものすごくたくさん増えている。でも、我々が携わった、下水が流れ込んでいる部分では、大腸菌がほとんど見られなくなるぐらいまで減少してきているというのは、たぶん琉球大学の池の方とまったく同じ状況が起こっていて、むしろBODとかそういったことよりも、大腸菌が出ないことの方が重視されるのではないかなと思います。

司会:本日の事例で、例えば植村さんの発表だと4カ月目で突然劇的に効果が出たとか、遠藤さんの方も2カ月目から、しかも思い切って大量に入れてから効果が現われたとか、そういうかたちで、入れた量に比例して効果が出てくるのではなくて、あるポイント、私たちの言葉では例えば臨界点と言っているのですけれども、その臨界点に達するか、臨界点に必要な量はどれぐらいなのか、というのがポイントです。それまで地道にベースとしてある一定量を入れて、それから、その引き金となるような工夫です。たくさん入れるとか、ループを作るとか、ボカシで酵素を溶出したりとか、抗酸化物質を考えたEMの作り方をするとか、そういった工夫をすることによって、初めて期待していた効果が出てきているので、始めから、入れて3日目に効果が10パーセント出たから、6日目に20パーセント出るかというと、そうではないというのが、今の事例でお分かりになったと思います。
 ですので、行政の方も、EMを使った場合はこういう過程を踏むのだという情報があれば、最初からうまくいかなくても、それは計算どおりだということになるのではないでしょうか。ただ、そういう情報が共有されているのが少ないため、なかなか行政の方でもEMに積極的に取り組めないと言う方がいらっしゃるのかなと思います。
時間が圧しておりますが、議論の一助として、お手元にあるレジュメのEM研究機構が作成した推考について少し説明させて頂きます。



 資料は汚水処理施設を例にとって、EM投入量と効果が出てくるのに必要な時間、これの関係を、過去の事例からピックアップして推考した資料です。



 具体的でないと分かりづらいと思いまして、接触曝気法という浄化槽ではポピュラーな方法をピックアップしました。接触曝気法というのは、いわゆる接触曝気槽という曝気している所の前段に沈殿槽、もしくは嫌気ろ床槽という、曝気していない、汚物をいったん沈殿させたり空気を使わない微生物で分解させるといった槽がついているものです。
 臭気の抑制効果の出現はどうかというのを見ますと、流入汚水の2,000分の1から4,000分の1の活性液を投入すると、流量調整槽というものが付いたタイプでは、だいたい3〜6カ月で臭いの抑制効果が見られ、嫌気ろ床槽というものが付いているタイプでは、その倍の6カ月〜1年かかっていると、そういったデータが得られました。
 汚泥の減量効果について見ていると、投入する方法も少し工夫しまして、上流の方から入れたり、貯留槽の方に追加で入れたりとか、そういった工夫をして1年以降に3割から4割の減少が見られたという事例もありました。
 その他に、EMによる効果を促進する手法としては、はく離汚泥というのが接触曝気槽の後の沈殿槽にたまるのですが、それと処理水を前に戻す、つまり、EMと、EMと一緒に働く菌と、抗酸化物質、生理活性物質、水、その他を含んだものを前に戻して、そこの環境の抗酸化のレベルを上げる工夫をするということです。
 あと、点滴投入だけではなくてバッチ投入もする。EMを点滴でベース的に入れながら、バッチ投入で時々密度を高めて効果の起爆を狙う。同じEM投入でもこういった組合せが効果を促進しているという結果が得られました。



 チェックポイントですが、これはどうやったら基本的な方法よりも効果的になるのか。例えば、EMの投入量が流入量に対して多ければ当然効果的だし、少なければ逆に効果は遅延している。それは実際の事例として出ている。投入方法についても、ただ点滴とかバッチとか1つのやり方に絞るのではなくて、組み合せてやるとより効果的だという結果が得られているということです。
 あと、滞留時間についても、数値について議論はいろいろあると思うのですが、16時間から24時間という数値を基本としますと、当然それより短くなれば効果が遅延するし、長くなれば早くなるという傾向が見られております。
 それから、その他、施設の処理能力に余裕があるとか、酸素を抑制したり、つまり普通に曝気する基準どおりの溶存酸素、DOを守る運転ではなくて、必要最小限の酸素を送ってあげる、そういう運転をしてあげるとか、汚泥の戻す量を増やすとか、つまり、EMの密度を高める工夫をすることがより効果的であると、そういった傾向が見られました。



 EMの効果を出現させるにはということですが、汚水処理施設で見ますと、基本としては、EMの密度を上げて、代謝物、例えば微生物がそこの有機物を分解して作り出したいろいろな物質酵素とか、その他排せつ物があると思うのですが、その中で抗酸化物質と呼ばれているものや、生理活性物質とみられるものについて、それを蓄積する環境を構築する、それができないといけないのではないか、というように推考されます。
 また、効果の方向性の面では、いっぺんに放流先で環境改善がされたというようになるわけではなくて、やはり順番があるということです。図の下の方から、EMの密度を高めて、代謝物を蓄積させて、それから、嫌気環境、酸素のない環境で、腐敗ではなくて有用発酵を進めたり、そこで分解してガス化しやすくなったものを好気環境化でガス化することによって汚泥が減ったり、臭いも腐敗が抑制されているので落ちる。
 それに伴って、もう少し頑張ると、処理水の抗酸化物質とか生理活性物質の量が増える。つまり、放流水に流れるこれらの物質、生物にとって決してマイナスにはならない、環境を蘇生する方の性質を持つものが増えることによって初めて放流先の環境改善につながる。効果の出現にはそういった方向性が考えられます。



 重要なポイントとして挙げらるのは、投入量と滞留時間です。この2つの組み合わせがどうか。投入量と滞留時間がその場に合致すれば効果は早く出る傾向があるし、少なければ遅れる傾向が見られました。
 それでは、十分な投入量を得るのが難しいとか、滞留時間を長くできない所ではどうするのか。例えば活性汚泥方式とか、まさに一番難しいところなのですが、滞留時間が短くて規模がものすごく大きいところでもEMの効果を出すにはどうすれば良いのか。これに対しては、維持管理方法を工夫することで補える。先ほどの酸素量をぎりぎりまで落とすとか、そういった工夫を、単独ではなくて実際に運転している維持管理会社の人に理解していただいて、行政の人も一緒に現場に入って頂いて、同じ認識の下で、同じ目的の下にいろいろ工夫を重ねていく、これがEMの効果を出現させるための1つのポイントだと思います。



 技術的な内容で分かりづらい点もあったかと思いますので、別の見方として5つのキーワードでくくってみます。EM効果を早期に出現させるキーワードというのは、1番、@良い活性液を作る、A必要相当量の活性液を安価に作成して投入する、B投入個所を検討する、Cループを作り接触滞留時間の延長に努める、D維持管理業者などの協力を得て、その現場に合った創意工夫をする、こういったことが挙げられます。



 意見 皆さんまず一番お金のことが心配と思います。EMはお金がかかりそうです。最初はかかりますが、3年で取り返せます。EMは、環境に良いし、まず自分が健康になります。私は病弱ですが健康になりました。また、失敗こそ成功のもとという言葉はEMのためにあるのではないかと思います。行政をまず動かすこと、大変ですけれども、お互いがんばっていきたいと思います。

司会:それではまとめに入らせていただきたいと思います。



 本日のディスカッションの結果から、汚水処理でEMの効果を出すためのポイントを3つにまとめてみましょう。
 1つ目は「EMの密度を高める」。鈴木さんが言われていたことではないかと私は思いました。
 あと、言い方がいろいろあると思うのですが、起爆を起こすとか、臨界点に到達させるとか。つまり、「効果が出るまで続ける」ということです。比例的に効果が出るわけではないので、やはり臨界点がくるところまで、我慢するのではなくて工夫するということがあるのではないかと思います。
 3つ目は行政との協力です。協力というか協働といいますか。行政と住民を分けるのではなくて、一緒にやっていく。つまり、行政の方にどんどん現場に出てきてもらって、会議だけで終わらせない、一緒にということです。行政の方も実際に自分が住んでいるところはやはり大事ですから、一緒にやろうという気になって前向きになって、補助金とか委託料が出たり、そういったかたちで続ける環境ができるのではないか。つまり、「行政との協働」です。
 この3つではないかと思います。



 では、最後にEMの本質は生理活性物質や抗酸化物質の産生能力にあって、これが環境再生につながります。汚水処理施設へEMを投入するということは、環境浄化活動といえます。環境の世紀といわれます中、汚水処理を行政だけの仕事のエリアととらえず、NPOとか住民ボランティアの方が参加する時代になったと言えるのではないでしょうか。これが、EM研究機構の推考の結果です。
 以上で、本日の環境分科会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


 
コーディネーター
  水野 照久(みずの てるひさ) EM研究機構
 プロフィール:

  昭和46年4月 三重県桑名市生まれ
  平成6年   日本水工設計(株)(上下水道設計コンサルタント)に入社し、下水処理場のプラント機械部門の計画:設計に従事
  平成13年  EM研究機構に入社し現在に至る
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