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EMフェスタ2004 専門分科会
EM資材を用いたピーマンの病害虫対策 EMによる生ゴミ,木屑,紙ゴミの有効利用
若杉 康弘(ワカスギ ヤスヒロ) 琉球大学大学院農学研究科

プロフィール:
昭和57年(1982)北海道函館市生まれ
2004年3月 琉球大学農学部卒業
2004年4月 琉球大学大学院農学研究科入学
現在    琉球大学大学院農学研究科在学中○


若杉:EM資材を用いたピーマンの病害虫対策とEMによる生ゴミ、木屑、紙ごみの有効利用について、発表させていただきます。



 EMを使用することによって、土壌中のpHやECが改善されます。植物根圏での土壌の団粒化により、不耕起栽培も可能になります。また、ミミズや有用な生物が増加し、生態系が豊かになります。このようにEM栽培によって土壌中の問題はほぼ解決しました。しかし、地上部で病害虫の対策が残っています。



 今回の実験の目的は、連作中のハウスピーマンに発生した病害虫に対して、EM資材の有効性を検討しました。病害虫は、アブラムシ、ハダニの2種類が発生しました。アブラムシには、EMプリン石鹸とEMシャボン玉石鹸を使用しました。ハダニには、EM活性液と海洋深層水を併用した希釈液を葉面散布しました。



 ピーマンに発生したアブラムシにEMプリン石鹸を葉面散布し、その効果と生育に及ぼす影響を調査しました。



 琉大付属農場のビニールハウスで栽培していたピーマン、「品種エース」に発生したアブラムシに対して、EMプリン石鹸を1日2回2日間にわたって葉面散布しました。使用濃度は、EMプリン石鹸100倍、200倍、対象区として、水道水を使用しました。その時使用したEMプリン石鹸とは、石鹸を作るときに、EM1号やEM活性液を添加して、液状にした石鹸です。



 これは水道水を散布した写真です。ここにアブラムシが出ているのがわかりますが、散布前、散布後に水道水を散布したところでは、全く変化がなく、どちらもアブラムシが見られます。



 これは、EMプリン石鹸200倍液を散布したものです。散布前にここにいるアブラムシが散布後2日目には減少しているのがわかります。



 これは、EMプリン石鹸100倍を散布したものです。散布前にはこのようにいたアブラムシが散布後、2日目には全くいなくなりました。



 これは、EMプリン石鹸の散布後のアブラムシの個体数の変化をグラフにしたものです。1番上のグラフは水道水で、0日目、1日目、2日目と、アブラムシの数が変化することはなく、ピンクの棒グラフ、プリン石鹸200倍の区では、1日目、2日目と減少しましたが、0までにはいきませんでした。プリン石鹸100倍の区では、1日目2日目といくごとに、どんどん減少し2日目には完全にいなくなりました。



 EMプリン石鹸によるピーマンの生育への影響を調査しました。ピーマン、「品種エース」を用いて、EMプリン石鹸を1日2回、2日間連続して葉面散布または灌水を行いました。この灌水を行った理由は、散布したEMプリン石鹸が土壌に落ちた時に、植物に対する影響を調べるためです。



 EMプリン石鹸によるピーマンの生育への影響です。EMプリン石鹸の使用濃度は、200倍、100倍、50倍、30倍、対象区として水道水を用いました。生育への影響ということで、光阻害指標Fv/Fmという指標を用いました。これは光合成の影響を表すものです。


 光合成への影響を調べたグラフです。この時点でプリン石鹸を散布したのですが、この前後であまり大きな差は見られませんでした。もし、障害があると、この赤い線の後ろで大きく下がったりするのですが、これは変化がないので、光合成への影響はないということがわかります。



 これは乾物重をとったものです。EMプリン石鹸を葉面散布したものです。これは水道水なので、コントロール区となります。比べていただくと、プリン石鹸100倍、50倍までは乾物重が変わりませんが、30倍でガクンと乾物が下がってしまいます。30倍になると、濃度障害がでていると思います。
 こちらは、EMプリン石鹸を灌水した場合ですが、EMプリン石鹸が地上に落ちた時にも200倍、100倍、50倍までは水道水とあまり変わりませんでした。しかし、これぐらいに減っていますので、やはりEMプリン石鹸を使用する場合には、30倍希釈は濃すぎると思います。だいたい100倍ぐらいまでが目安だと思います。



 これは、EMシャボン玉石鹸を100倍に希釈し、散布したものです。ここでアブラムシが赤褐色になり、このように、死滅しているのが見られます。



 これは、アブラムシと共生する蟻が死んでいる様子です。



 これはアブラムシにハネがついて、どんどん拡大するハネアブラムシです。シャボン玉石鹸を散布することによって、ハネアブラムシが死滅し、アブラムシの拡大を防ぐことができます。



 次は、ハダニ対策です。ハダニの防除。ピーマンに発生したハダニに対して、EM活性液と海洋深層水を葉面散布し、その効果と生育に及ぼす影響について、調査しました。ピーマンにハダニが出ますと、新芽が全く伸びなくなります。そのために、海洋深層水のミネラルとEMを併用することによって新芽をもう1度出させようという試みました。



 ピーマン「品種エース」これも先ほどと一緒ですがビニールハウスで発生したハダニに対して、EM活性液と海洋深層水の混合液を1回葉面散布を行いました。EM活性液と海洋深層水の濃度は40倍、20倍で実験しました。対象区として水道水を用いました。



 このように、ハダニにかかりますと、新芽が全く動きません。これは水道水を散布した場合です。散布前、散布2週間後にあまり大きな変化は見られませんでした。



 EM活性液と海洋深層水の40倍で散布したものです。散布前、散布後でやはりあまり大きな変化はありませんでした。



 EM活性液海洋深層水20倍で散布した区です。散布前では、このようにちりちりになっていたものが、散布2週間後には、新芽の展開が見られました。これは、後ほど、このまま正常に成長して、ピーマンが収穫できるほどまでに回復しました。



 EM活性液と海洋深層水によるピーマンの生育への影響を調べるために、EM活性液と海洋深層水を1回葉面散布、また灌水を行い実施しました。この灌水は、海洋深層水が葉面散布からこぼれ落ちた時に、植物にどういう影響を与えるかということで、調査しました。



 使用濃度はEM活性液と海洋深層水40倍、20倍、10倍。対象区として、水道水を用いました。ここでの調査項目をFv/Fmと乾物重です。



 海洋深層水を散布したタイミングを示しています。その前後で大きなグラフの乱れがありませんので、海洋深層水を散布することによっての光合成への影響はないと見られます。



 これは乾物重のデータです。この上のグラフが海洋深層水とEM活性液を葉面散布したものです。水道水と比べますと、40倍、20倍と濃度が上がるごとに少しずつ増加しているのがわかります。これは成長促進効果があると思われます。しかし、10倍になりますと少し減少するので、海洋深層水の10倍は少し濃い濃度だと思います。下のグラフは、EM活性液と海洋深層水を灌水に使用したものです。水道水40倍、20倍とあまり大きな差はありませんが、10倍でやはり、減少の傾向が見られますので、海洋深層水の灌水は20倍まで、葉面散布も20倍までが適当だと思います。



 アブラムシとハダニの防除法では、EMプリン石鹸を100倍で1日2回2日葉面散布、EMシャボン玉石鹸を100倍で1回葉面散布すると、アブラムシを防除することができます。ハダニに対しては、EM活性液と海洋深層水20倍で、1回葉面散布。そうすると、防除効果があることが確認されました。また、このEM活性液と海洋深層水の混合液は、「マリンアクア」という商品が出ておりますので、そちらも使って下さい。このマリンアクアの使用は、生育促進効果もあることが認められました。



 次、話が変わります。生ゴミ、木屑、紙ゴミ、現在深刻な問題になっている廃棄物です。生ゴミはレストランからもらってきたもの、木屑は琉大内で環境を綺麗にするために切った木などを使いました。紙ゴミは、琉大から出た紙をシュレッダーにかけました。それをEMでどうにかして有効利用できないかということで畑にこのように、溝を掘りました。



 生ゴミを溝にこのようにばら撒きます。この上に、EM活性液を原液で散布しました。この活性液の量ですがだいたい生ゴミが湿るぐらい散布しました。



 その生ゴミの上に、シュレッダーにかけた紙のゴミをこのように載せていきます。



 そして、生ゴミ、紙、その上にさらに枝、木の剪定屑などを載せました。



 これが、約1ヵ月後ぐらいの土壌の表面の様子です。軽く土をほぐすと、ミミズがこんなにたくさんいます。団粒化も促進されていて、ふかふかした土壌が見られました。



 その生ゴミ、紙、木屑の上に、ナスを定植しました。この新聞紙は、雑草防除のために敷きました。



 このナスに、追肥として、EM処理をした生ゴミを施肥しました。



 このように、株と株の間にEM処理した生ゴミをどんどん敷いていきました。



 これは、生ゴミを拡大した様子です。このように菌糸がありました。この生ゴミの処理の仕方が、バケツに生ゴミを入れまして、それに活性液を浸るぐらい入れます。それで2週間ほど置きます。上には必ずビニール袋などで空気があたらないようにして下さい。そうすると、臭いもない、生ゴミのスラリー状のものができますので、これをバケツなどで取って、株と株の間に置いていきました。



 これは生育旺盛なナスで、生ゴミの追肥を何回か行なったのですがこのように成長しました。



 このようにナスが実り、収穫が普通にできるようになりました。



 これは、栽培終了時の様子ですが栽培開始から6ヶ月経っています。中に埋めた有機物がどうなっているかなというので掘ってみました。



 生ゴミ、紙は分解されて、全く見ることができませんでしたが枝など木製の有機物は少し残っていました。



 これは30センチぐらい掘ったところの写真ですが固いジャーガル土壌でもミミズがこのように中に入って、穴をたくさん開けているのがわかります。



 ここも微生物が開けた穴の写真です。ミミズが開けたような穴からこのような大きな穴までたくさんの穴が開いています。有機物を土の中に入れることによって、たくさんの微生物が増えるということがわかりました。



 EMによる生ゴミ、木屑、紙ゴミの有効利用の可能性を模索したところ、元肥として生ゴミ、木屑、紙ゴミを土に埋め、EM処理することにより、土壌の改善が見られました。また生ゴミをEM活性液漬けにし、追肥として使用することができました。EM処理した生ゴミを株間に施肥することにより、栽培中の雑草も防除できました。これらのことより、EMで生ゴミ、木屑、紙ごみなどの廃棄物を処理すると、有効利用が可能なのではないかということがわかりました。ありがとうございました。

司会者:はい。ありがとうございます。ちょっと生ゴミの使い方の確認なんですが元肥で穴を掘った後に入れていた生ゴミは、一般的なボカシで処理したり、活性液で処理するのではなく、もらってきた残飯をそのまま使うということですか?

若杉:はい。生ゴミをもらってきたその日に使いました。

司会者:腐る前のものをそのまま土に入れて、活性液をかけたと?

若杉:はい。

司会者:ミミズが出ておりました。中で腐っているとミミズは絶対出ませんので、結果として、これは腐らずに土に還ったということだと思います。
 それから、追肥で使った生ゴミの処理方法をお願いします。

若杉:底が浅い大きなバケツに生ゴミを入れまして、活性液を浸るぐらい入れて、その上に、ただビニール袋を置いただけです。

司会者:使い方としては、柄杓のようなもので、活性液ごと畝の上に置いていったというふうに考えていいんですか?

若杉:そうですね。バケツに入れてどんどん株間に、施肥していきました。

司会者:というような処理法です。皆様の家庭の生ゴミの処理方法として一般的にボカシの処理が多いですが例えば最初から水分が多いものは水を切るのはなかなか大変です。水分が多いのであれば、もう活性液にひたひたに、あるいは米のとぎ汁発酵液で浸してしまった方が、腐ることもなく処理しやすい。また家庭の生ゴミバケツであれば、土に還す時、下から液が抜けるようになっていますので、余分な水分を抜いて、分離してから還すということで、土の表面においてあのようなミミズが増えるというような追肥の仕方もできる。新しい生ゴミ処理法ということでひとつ参考にしていただければと思います。
 さらに、別な方法で、紙を利用した佐野さんに発表をお願いします。宜しくお願いします。