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国際EM事例発表 No.09
2003.11.16
■ 社会に貢献する製品づくり

(もりた みつのり)

プロフィール
昭和6年(1931)7月15日、北九州市若松区に生まれる。
昭和29年(1954)3月、学習院大学卒業と共に(株)森田商店(現シャボン玉石けん(株))に入社。
昭和39年(1964)3月、代表取締役に就任。
その他、(株)シャボン玉本舗、シャボン玉販売(株)、(有)シャボン玉企画の代表取締役を兼任。
◆受賞歴
平成12年2月 平成11年度、兵庫県環境にやさしい事業者賞受賞。
平成12年4月 九州山口地域経済貢献者顕彰財団より1999年経営者賞受賞。
平成14年4月 福岡ひびき信用金庫より、福岡ひびき経営者賞受賞。
平成15年3月 やまぎん地域企業助成基金より助成・表彰を受ける。
平成15年11月 第1回「北九州市環境賞 奨励賞」受賞。




 みなさんこんにちは。シャボン玉石けんの森田でございます。
 私はこの無添加の石けんを作り始めてちょうど30年目になります。それまでは合成洗剤の製造販売をやっていました。
 昭和30年から40年代にかけて、日本は高度成長で、とにかく化学製品は飛ぶように売れたんですね。昭和30年代の中ごろは、もうすでに農家は農薬を使うのが当たり前になっていて、食べ物屋さんは、防腐剤や色素などの添加物を入れるのが当たり前になっていた。2、3日で腐るまんじゅうが10日でも2週間でも腐らなくなったのがちょうどこの頃なんです。
 私はそれまで石けんだけやっていたんですが、ソープレスソープという、石けんでない石けんという合成洗剤が登場し始めた。これからは化学物質万能の世の中になるんじゃないかと思いまして、早く切り替えた方が勝ちだと思って切り替えたんです。時流に乗りまして、業績は急上昇し、会社の経営は順風満帆、なにも言うことはなかったんです。
 ただちょうどその頃から私自身に人に言えない悩みがあった。お腹から脇の下にかけて、赤いブツブツした湿疹ができるようになったんです。痒くてたまらないので皮膚科に行っても、先生も原因が分からない。原因不明のその湿疹で、毎年苦しめられ、夜中は痒くてかくのでますます悪くなるという連続だったんです。10年から11年ほどの間、その湿疹で悩まされていました。
ある時、当時の国鉄資材部から、なんにも混ぜ物のない、粉石けん作ってくれないか、という話がありまして、それを作って納めたんです。純石けん分95パーセント以上、水分7パーセント以下、添加物は一切ダメだという非常に厳しい規格だったんですが、なんでこんなに難しいものを作らせるのかと思いながら、洗浄試験のために家に持って帰ったんです。持ち帰って洗濯機で使ってみた。どこが違うかというと、洗いあがりが明らかに違うんです。合成洗剤なら洗った後ごわごわするので柔軟剤がいるんです。しかしその石けんで洗ったら、ふんわりしているんです。
 その時はそれくらいしか分からなかったんですが、気が付いたのは5、6日目でした。私を11年間悩まし続けた湿疹が、風呂に入ったとき見たらきれいになくなっていた。え?と思ったんです。病院にも行ってないし、薬も塗ってないのになんで治ったんだろうと。理由が分からなかったんです。そして持ち帰った石けんがなくなって、もとの洗剤を使って洗った下着をつけたら、ちょうど6月の中旬くらいだったんですが、また湿疹が出たんです。それで原因が分かった。自社の洗剤が原因だったのかと思い、これは人に言えた話じゃないですよね。とにかくこれは恐い、私には使えないということで、その日から使うのをやめたんです。そして粉が良いということは固形も良いということだから、無添加の固形のものも作ろうということで作った。それも家に持って帰って今日まで我が家は化学洗剤一切使ってないんです。その日から。
 しかし、会社では合成洗剤を製造予定何本、販売予定何本、とやっているわけです。おかしな話ですが、そう矛盾は感じなかった。私は、自分は皮膚が弱いんだから、この国鉄用の石けんじゃないとダメだと思っていたんです。会社は合成洗剤で利益を上げているから、これを売るのは当然だと割り切っていた。
 そして1年ちょっと経ったころ、女房が勝手口のそばにある排水口を指さして、パパ来てごらん、というので、なんだと思って行ってみたら、イトミミズが排水口の中にうじゃうじゃいた。昔はいたんですが、いつの間にかいなくなっていた。それがまた目の前にたくさんいる。なんで今までいなかったのか、なんで戻ってきたのか、そういう疑問があった。
 そこでちょっと実験してみたんです。合成洗剤の洗濯機で衣類を洗うときの濃度の半分、ごく薄い溶液を作って流してみた。翌日見たらみんな死んでる。死んでるというか、その廃液で殺されてるわけです。え?と思いました。今度はみじんこで実験してみた。みじんこは8時間で全滅でした。
 それを見た時に、私の考えはガラッと変わったんです。こんな小さな生き物を殺すものを売って、みな各家庭から生活排水として川や溝に流している。そのうちに生き物がいなくなる。早い話が、みじんこがいなくなればえさがないからメダカもいなくなる。これは大変なものだ。合成洗剤は皮膚障害だけではなく、環境破壊だ、と思ったら、やはり後ろめたさと言いますか、悪いことをして金儲けてるみたいな気になる。
 このままじゃいけないと思っても、一般の問屋さんとか、量販店、スーパーなんか、全然だめ。となると切り替えてもわが社は倒産するだけですから、ちょっと悩んだんですが、男気というか、悪いと分かっていつまでも売るわけにはいかん、ということでこれはいちかばちか、へたしたら倒産するかもしれないが、やっぱり良いことをして死んだ方が、死に顔もやさしいんじゃないかと思って、決心したんです。
 そして社員に宣告して合成洗剤を止めました。しかし、当時うちの1ヶ月の売り上げは8千万あったんです。石けんに切り替えたら78万にガタっと下がった。それをみて社員は、この会社は、社長がちょっと頭がおかしいからいつまでもいるところじゃないと思ったんでしょうね。次から次に白い封筒を持ってきて、まあしょうがないですね。売れて儲かっていた商品をやめて、どこの問屋もスーパーも扱わないものに私の独断で切り替えたんですから。とにかく早めに辞めないと、倒産してからじゃ退職金ももらえないということで、次から次へと辞めていった。結局全部辞めました。
 売り上げは、78万から100万になり、200万、300万になりと、じわじわ上がっていきましたが、赤字は赤字です。しかし特に私を支えてくれたのは、消費者からの手紙です。皮膚科でもらった薬を、赤ん坊のおしりに塗ってもよくならなかったのに、おたくの石けんでオムツを洗ったら、2日でおしりがつるつるになりました。ありがとうございました、とか、皮膚科に10年近く通って治らなかったアトピーが、今ほとんどよくなって、その子供がすやすや寝ています。勉強にも身が入るようになって、ありがとうございました。森田さん、あなたは神様です。など、そういう手紙がどんどんきて、それらが私の心のささえになった。とにかく良いものは絶対売れる。会社さえつぶさなければ大丈夫だというふうにがんばった。
 桃栗三年柿八年、ゆずのおおばか十八年というそうですが、うちが泥沼から這い上がったのも18年目。ゆずのおおばかと一緒です。まあ阪神でも優勝するまで18年かかってますから、8という字はいいんでしょうね。
 ということで、それ以降は一応順調に来てますが、やはり良いものを広めるというのは、商品がいくらよくても人が知らなかったら買ってくれません。じゃあ、じゃんじゃん宣伝すればいいじゃないかといいますが、17年赤字が続きますと宣伝費なんかない。私自身が給料もらってなかったんですから。とにかく歯を食いしばって、一人でも二人でもということで、口コミで広めていくしか方法がなかったんです。だから会社さえつぶさなければということだけで来て、今考えるとよく潰れなかったな、と思うんです。銀行さんも17年も赤字が続くと、ごまかそうにもごまかしようがないですよ。分かるんです。そうするとお金を貸してくれない。それから仕事するとき、社員というより同志を作らないと上がらない。
 今年の8月に比嘉先生に初めてお会いして、EM入りの石けん作って、いろんなところにばら撒いてもらって反響を聞いたんです。
 EMフェスタの展示場でも、昨日千個用意して売ったのですが、あっというまに700個売れたと。今日の分を残さなければいけないというんで、4時過ぎから残りの分を売るそうですが…。
 私と比嘉先生の出会いといいますか、共鳴したことがエコピュアに写真入りで詳しく書いてあります。後で、もしよかったら買って読んでみてください。



 私どもの石けんは1週間かけて作っています。一般の石けんは、中和法といいまして、原料から製品になるまで4時間から5時間しか、かからないんです。これは楽ですし、安くできる。ただそういう石けんで体を洗うとつっぱります。うちの石けんは昔ながらのケン化法という製法でつくってます。



 大きな釜の中で50トン、この釜が50トンの釜です。これで原料の油脂をぐつぐつ煮て、それにカセイソーダを反応させて、そして出来上がったものをまた温めたまんまで何べんも熟成するんです。お酒を造るときも熟成しますが、あれと同じやり方で作ります。だから4、5時間で作るものと、ケン化法で1週間で作ったものと、中身が同じはずはない。使ってみなければ分からない。
 これがケン化釜の中の石けんです。無添加の石けんが大好きで自分とこの製品大好きですから、会社にいるとき釜をずっとみていくんです。ああ、よくできてると。そしてひしゃくでちょっと取ってなめてみるんです。いい味がします。



 昔は石けんといったらねずみが必ずかじっていたんですが、今の市販されてる石けんはねずみはかじりません。なぜかといいますと、色素や香料、酸化防止剤、いろんなものが石けんの中に入ってますから、ねずみは手を出さない。



 シャンプー、台所用、ハミガキ、洗濯用、いろいろな商品がありますが、来年からこれにEM石けんが加わります。昨日から、いつから売るのかと何べんも催促されましたが、来年、2月の中旬ころには作りたいなと思ってますので、そのときは是非お使いになってみてください。
 簡単ですが、これで失礼させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

The Theater Event --------
Effective Microorganisms