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EMフェスタ2003
専門分科会
地域に支えられ、地域を活性化する

コーディネーター
永田 麻知子(ながた まちこ) EM研究機構

パネリスト
佐治 リエ子(さじ りえこ)
   社会福祉法人さっぽろひかり福祉会 精神障害者通所授産施設ひかり授産施設
泉谷 一郎(いずたに いちろう)
   社会福祉法人麦の会 身体障害者小規模授産施設 麦の会第二作業所
久保 宗一(くぼ そういち)
   麦の会第二作業所
鮎川 佳寿子(あゆかわ かずこ)
   アースウォッチング堺
三好 達也(みよし たつや)
   社会福祉法人和泉蓮華会・常務理事

2003.11.15

永田:
 本日のコーディネーター役を務めさせていただきますEM研究機構、永田麻知子です。よろしくお願い致します。
 さて、本日の福祉分科会のスケジュールは「地域に支えられ、地域を活性化する」と題しまして、EMボカシ作りを通して地域と深いかかわり合いを持つ三施設による発表を行います。その後30分間のパネルディスカッションでは会場からのご質問やご意見も受けながら進めていきますので、ご質問のある方はそのときに御願いいたします。
 まず初めに北海道からお越しいただいています、「ひかり授産施設」施設長佐治リエ子さん、お願い致します。



EMフェスタ2003 専門分科会
■ EM人脈による施設づくり
佐治 リエ子(さじ りえこ) 社会福祉法人さっぽろひかり福祉会 精神障害者通所授産施設ひかり授産施設

プロフィール:
昭和11年2月7日生まれ、北海道出身。
前歴は、小、中、高の養護学級の教員。現在は、ひかり授産施設の施設長。


佐治:
 皆さんこんにちは。北海道から参りました「さっぽろひかり福祉会」の佐治リエ子と申します。「地域に支えられて」ということで、私どもの活動を振り返りながらお話しさせていただきたいと思います。精神障害者の小規模作業所を平成4年に立ち上げまして、小規模作業所開設から10年間で法人施設を立ち上げることができました。これはEMネットワークとの出会いがこの法人施設立ち上げの原動力になったということと、法人を立ち上げてから大いなる地域のご協力をいただいているという2点についてお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願い致します。


 平成4年に個人住宅の2階を借り、6畳二間で下請けの菓子箱組立から始めました。これが10年後に立派な法人施設になっていくわけです。精神病は、申しますと、20歳前後に発生しやすいそうで、一般的に大学生時代に発病する方が多いようです。私どもの施設を利用されている方々も国立大学あるいは医学部といった優秀な方々もおられます。精神障害は、未だ社会の偏見があり、何とか地域に受け入れられる作業所を作りたいと思いました。


 開設当初、開所式に町内会長さんに参加していただきました。ここからが地域交流の始まりです。この場所で3年間活動を致しました。


 家賃がもったいないと思い自前で建てようと決意し、3年後に共同作業所を新築しました。





 引っ越しが平成7年の11月でしたので、札幌はもう雪でした。平成8年5月になって、東区で地域のボランティア団体にお願い致しまして、周囲の環境整備のため土を入れ、畑作りをし、花壇も作りました。多大なる地域の協力を得ることができました。


 翌年の平成9年に、EMボカシネットワーク北海道支部を立ち上げるということで誘われ、参加致しました。素晴らしい人との出会いの始まりだったのです。
 EMボカシネットワークで出会った方々によってここまで支えられたということを説明したいと思います。
私どもの作業所の近くに設計事務所を持っている会社の社長さんがいらっしゃいました。大変意気投合しまして、その社長さんは設計事務所を開設していると同時にEM普及も頑張っていらっしゃいました。
時々の話の中に「将来、法人施設を立ち上げるのなら手伝うよ」ということで、翌年の平成10年に「ひかり小規模作業所将来構想」という大変立派な計画書を持ってきてくださったのです。それは「EMで法人化する」という素晴らしい計画書だったのです。計画書には、温室があり地域に開かれた作業所、施設としてお年寄りが気楽に出入りして、花の作り方をお互いに研究したり楽しんだりするというものでした。
 


 平成15年の4月1日にめでたく法人施設が立ち上がりました。


 この授産施設はパンとEMボカシを作って販売しています。これがボカシ製造部屋の入り口です。


 ここがボカシ用ミキサー室で14坪と大変広いです。ちょっとぜいたくな広さを取りました。


 次は2坪の発酵室です。私どもはここに発砲スチロールに入れまして、積んだり、バケツに入れたりしています。


 次は乾燥室です。ここには蚕を置くような棚を作りまして、発酵したボカシをそこに並べるという乾燥室です。ここの広さは5.4坪ございます。


 これは中庭で、ちょうど1坪ぐらいです。光を入れるということで作りました。夏は発酵室よりもお金がかからないで自然乾燥できますので、中庭で乾燥しております。


 これはできあがったボカシを袋詰めしています。


 このボカシとバケツを施設の玄関の入り口に、説明書と並べて置いています。法人になりますと、見学者が毎日のようにいるのです。その方々がボカシに興味を持っていただいたり、説明書を持っていったり、中には「じゃあ買っていこうかな」という人もいます。玄関、入り口の所に置くことで販売、宣伝・啓発活動になっております。
 ここまでが、今までEMネットワークの人脈によって建てられた施設、先程までの10年間の歩みです。次に、地域との交流というところに入って参ります。
15年の4月1日に開設致しまして、札幌市の条例では30%の緑化が義務付けられていることを、後で知ったためお金がなく「困った。困った」と町内会長さんに相談致しました。施設の周りにイボタ515本を、みんなで出てきて植えて下さいました。


 これは町内会によって建てていただいたビニールハウスです。


 委縮してしまった5cmぐらいのトマトの苗をビニールハウス内に入れたのです。これが後程すごい宣伝効果のある甘いトマトに育ちました。

 

 これは来年に向けてビニールハウスに土を入れているところです。町内会のいろいろなご尽力で土を無償でいただいてきました。表土5cmぐらいしかない所でトマトを植えたのですけれども、根張りが悪く苦労しました。「もっと土が必要」ということで、また町内会にお願いしたり、市役所にお願いしたりして土をたくさんもらえることになりました。これまた町内会の支援、協力によるものです。


 1本50万とか80万円するのではないかというような素晴らしい樹の提供者が現れました。植えるのには250万円かかると言われましたので、町内会でやってもらうことになり「機械を持っている人は機械を。労力のある人は労力を」ということで、町内会と施設の職員、家族みんなの協力で植樹を致しました。市は「(やさしい街づくり条例の緑化義務)30%を十分クリアしました。すごいですね」とほめられました。


 立派に育ちました。根付いている様子です。


 施設の外観です。


 町内会の集まりでお年寄りが集まってきて楽しんでおります。
前半はEMボカシネットワークに助けられて施設を立ち上げ、後半は町内会に支えられている。支えられるその橋渡しになっているのが併設されている「あさかげ生活支援センター」施設長の高井の熱心な人柄のおかげなのです。
 高井もまたEMボカシネットワークで出会った人です。EMボカシネットワークがあったからこそこの施設ができたともいえます。


 町内会の夏祭りにも参加し、EMボカシの宣伝をいたしました。


 今年のEMボカシネットワーク総会にEMボカシネットワーク名誉会長である節子さんがお見えになっていましたので、「EM生ごみ処理講習会」を開いてもらいました。


 これはその時の講習会の様子です。名誉会長のお話がとても面白いものですから、みんなすっかり引き込まれて「やろう」ということで、町内は大変燃え始めました。町内会長は、生ごみバケツとEMボカシを20袋買っていき、「来年の土作りだ」と喜んでおりました。
 


 これはその時の記念撮影です。町内会の役員さんたちです。


 これは私達の職員です。大変良い職員に支えられています。私がいなくても、職員が施設をきちんと守って支え発展させるという状況になっています。

永田:
 佐治さん、ありがとうございました。佐治さんのお人柄によって、次々と不思議なほどに良い出会いがあったということが伝わってきました。これからも輪が広がっていくことと思います。



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■ 発見・体験・ほっとけん
泉谷 一郎(いずたに いちろう) 社会福祉法人麦の会 身体障害者小規模授産施設 麦の会第二作業所

プロフィール:
社会福祉法人麦の会 身体障害者小規模授産施設 麦の会第二作業所
昭和39年8月24日生まれ、大阪出身。麦の会第二作業所施設長。
久保 宗一(くぼ そういち) 麦の会第二作業所

昭和11年12月18日生まれ、宮崎出身。前歴トラック運転手、麦の会第二作業所通所者。
鮎川 佳寿子(あゆかわ かずこ) アースウォッチング堺

昭和19年3月20日生まれ、大阪出身。
アースウォッチング堺代表。生ゴミリサイクル研究会(E・W・S)代表

  ※発表代理:成本清志(なりもと きよし)
   昭和11年8月31日生まれ、三重県出身
   アースウォッチング堺 副代表、ザ・アース境 代表

 続きまして、大阪からお越しいただいています「麦の会第二作業所」施設長、泉谷 一郎さん、通所者の久保宗一さん、「アースウォッチング堺」副会長成本清志さんです。それではお願い致します。


泉谷:
 大阪の堺から参りました麦の会第二作業所と申します。麦の会第二作業所から私と通所者の久保さんで発表させていただきます。


 麦の会といいますと身体障害者の小規模授産施設、いわゆる作業所でございます。ほかの障害者の作業所と大きく違うのが、中途障害者が働く場ということです。それが堺市に3カ所ございます。1985年に設立されまして18年の無認可作業所時代を経て、2003年4月に法人化することができました。これがうちのパンフレットの表紙でございます。「一人一人が主人公」と書いています。通所者の方が、一人一人生き生きと活動できるということを信念にやっています。


 中途障害者ということでお聞きになられたことがない方も多くおられると思いますので、中途障害者とは何かということをまずお話しさせていただきたいと思います。中途障害者を平たく言いますと、生まれつき障害をもたず人生半ばにして脳血管障害や難病、交通事故などによる後遺症障害、内部障害などの障害を持たれた方たちのことを指します。脳血管障害といいますと、脳梗塞・脳卒中という方達。私達の作業所の場合大半の方が脳卒中の方達です。ですから、年齢層としても50代の方が多いです。
 事故とか病気はだれの身にも起こることです。明日交通事故にあって障害者になるかもしれません。ただ、本当にそういうときまで障害者の問題、福祉の問題について普通、人は関心がないですから慌てることになる。「障害者としてどうやって生きていったらいいのか。わしの人生はもうこれで終わりか」と絶望の淵に追いやられるのです。その人たちをサポートできるように私たちは頑張っています。
 本当に障害者問題は、いつ、だれの身にも起こることですので、皆さんも関心を持っていただきたいと思います。


 麦の会作業所、皆さんでバス旅行に行った時の写真です。身体障害者が作業・レクリエーションを通じて社会復帰、社会参加を目指す場です。現在大阪府堺市に3カ所、60人の身体障害者が通所していらっしゃいます。


 三つある作業所の中の麦の会第二作業所がうちの作業所でございます。1995年、8年前に開所しまして通所者数が現在19名。作業時間が10時から15時。主な作業にこのEMボカシ、お菓子の製造販売。自主製品の平均月収が10万円。10万円といいましても、1人が10万円ではなくてみんなで稼いだお金が月10万円。ということは、1日で割りますと1人当たり1日500円ぐらいにしかならないということです。
 障害を受けられる前は皆さんばりばり働いていた方たちばかりです。月数十万という給料をもらっていた人もいらっしゃるでしょう。ただ、障害になった時に「わしの人生はもうこれで終わりや。わしはもう働くことできへんのや」と思った方が、作業所に来て、自分でできることがある。「こういうことやったらわしが働けるのだ」と自信を持って働いています。私たちはこの500円に甘んじていてはいけないと思いますので、もっと頑張っていきたいと思っております。
 でも、見ていただいたら分かりますように、皆さん本当に作業所に来られた時は不幸のどん底みたいな顔をしているのです。これが通ってらっしゃるうちにどんどん明るくなってくるのです。


 これまでの自主製品というのは、お菓子の製造をしていたわけです。今も続けています。パウンドケーキ、チーズケーキ、マドレーヌ。本当に今まで台所にも立ったことのない人たちばかりだと思います。ましてやお菓子など考えたこともないと思います。でもやはり、自分たちが稼げることは何やということで、皆さん自分で本を買ってお菓子の勉強をしたり、休みの日にはお菓子屋さんに行って研究したり。そういうふうに皆さん自身が営業して販売して、また、自分のつながりのある保健所とか病院などで営業していらっしゃいます。本当に自分たちで稼ぐのだというプライドを持って頑張られています。
 ただ問題点として、甘いものというのは夏場なかなか売り上げが伸びないのです。それとまた、私達の製品は防腐剤等は入ってない生ものなので、保存がきかない夏場にはつらい面があるのです。7月8月はバザーも少ないですし、この時期の売り上げが少ないのを何とかならないかとみんなで考えていたのです。


 そこでEMボカシの導入が始まりました。保健所に、この7月8月の売り上げがどうにかならないかと相談しに行きましたら、環境衛生課の職員さんに「1回EMボカシというのをやってみたらどうですか」と言われまして、いったいそれは何だろうということで、隣にいる久保さんと施設の職員が勉強しに行きました。これだったらいけるのではないかということで始まりました。その後アースウォッチング堺さんと出会うことになります。
私達は作業所だけでやっていたのですけれども、市民ボランティアサークルと一緒に活動するというのはどういうことなのか、お互い分からないながら関係が始まりました。この写真は今年6月にアースウォッチング堺(アースさん)さんのお披露目会が私達の作業所であり、その時の写真です。



 ここでアースウォッチング堺さんを紹介します。1999年に発足しました。代表が鮎川佳寿子さんです。ボランティアグループに所属していた鮎川さんが堺市の衛生監視員からEMボカシについてお聞きになったのがきっかけです。それまでは市の生ごみ処理問題について疑問を感じていた鮎川さんですけれども、先程の保健衛生監視員の方からEM生ごみ処理を聞いたことで、「これだったら、私たち一人一人の思いでできる」ということで始められました。主婦7人から始めたグループで、現在は参加者の農地と会員数30名で広がっています。


 アースさんの始まりは、初めは大阪府立大学での実験農場の開墾から始まりました。その時の写真です。家庭の主婦が手探りで始められたそうです。一番下の写真がキャベツです。初めてできたキャベツに皆さん感動されたそうです。
 ただ、この大学という研究機関と一緒に活動していたのですけれども、行政の構造改革のあおりで、大学側から「同じ研究活動を行うのだからアースからも出資を」という申し入れがきたそうです。市民サークルが そのような資金を捻出できるわけもなく、残念ながら畑を移転をすることになりました。



 これからどうしていこうということで、やはり地域に、一人一人に啓蒙していかなくてはと、生ごみリサイクル研究会として活動を始められました。学習会や講演会を企画してどんどん仲間を増やしていきます。それと同時に、新たに農地がどこかないか探すためメンバーが東奔西走をされていたそうです。一番下が、そのときの写真です。


 その結果2000年に辻之サンセットファーム、辻之と言う所で夕日のきれいな農場です。2001年にコミュニティー農園石原、2002年に大庭寺農場と、三つの農場をお借りになられました。この三つは堺市にあります。その地域、地域でご近所の方が耕せるように、働けるようにとされています。ここでうちのボカシが使われているわけです。
本当にEMボカシというのはいい商品であるということをなかなか言ってもよく理解していただけない。やはり作業所で作るのは作っても、どうやって販売していくのかというのは大きな問題なのですが、私達は幸運なことにアースさんがこの三つの農場を持っていただいているおかげで定期的に月100袋を買っていただいています。非常にありがたい話です。ここで私たちが継続してEMボカシ製造を始めることができたということです。



 2003年4月から新たな展開を見せるのですけれども、「アースウォッチング堺」と並んで「ザ・アース堺」が発足しました。高齢者中心のグループで、生きがい作りとして、EM活性液の製造・販売を目的として活動を始めたのです。麦の会第二作業所の中にEM百倍利器を設置し、作業所の隣に「ザ・アース堺」と、「アースウォッチング堺」の両方の事務所を構えていただきました。ここでも本当に密着した関係で麦の会とアースさんとが一緒に活動できることになりました。この百倍利器も高齢者の福祉を目的とするということで、市の助成金で買われたそうです。


 これが2003年4月からそれぞれ始まって、左の写真が麦の会第二作業所の玄関の写真です。見ていただいた通り非常に古い、明治時代からの建物です。左の写真の左側にEMボカシの看板が下がっています。真ん中に第二作業所という看板があって、その下にケーキの看板があります。本当に今まで作業所とメンバー、通所者、職員だけで固まっていたのが、アースさんが入ってきていただいたおかげで、うちの通所者の方々が「どないでっか」、「元気ですか」、「やってまっか」という声の掛け合いが生まれ、そこから開かれた外へ出ていく環境になってきたと思います。



 本当に作業所だけでお菓子を作っていればこの様な広がりはなかったと思います。岸和田市の消費生活研究会さんが、バスをチャーターし30人〜40人ぐらいで来られました。私達通所者の方はボカシだけ作っていたのですけれども、「EMボカシはどうやって作るのですか」と皆さんがメモを片手に聞かれて、「こんなことをしてはるのですか。すごいですね」と言われました。皆さんちょっと舞い上がってしまい、俺らはすごいことをやっているのだなと思ったようです。
 その下の写真が、岸和田市の消費生活研究会さんが農地で見学、アースさんが解説している写真です。この前もEMボカシネットワーク名誉会長比嘉節子さんが来ていただきまして、「比嘉さんが来た。すごい活動だって。何かおいらはすごいらしいぞ」と、皆さん自信を持ってきました。本当に自信を持つというのが大切なことで、いったん自信を失っておられる人たちばかりですから、自分たちがやっていることというのは社会に意味があるのだ、ということが非常に皆さんの勇気になって、生きる力になるのです。
 


 ボカシだけ買いに来られた人が「お菓子も作っているのですか。中途障害って何ですか」ということから、またつながっていくわけです。それでまたアースさんが作業所に出入りしてくれるのです。作業所というのは、障害者の人が通っているというと近所の人から少し敬遠されるのです。それがアースさんのメンバーの方が、失礼ですけど自分たちと同じように一般のおばちゃんとかおっちゃんとかだったら、「私たちと同じような人が出入りしている」ということで、非常に親近感を持っていただけるということです。
 おかげさまで作業所は、アースさんのおかげでいろいろな方たちが来て、ボカシ見学に来たついでにケーキもどんどん買ってくれます。おかげでボカシの販売収入も安定し、軌道に乗っている状態です。下の写真がバザーなどでも作業所とアースウォッチング堺が共に地域の皆さんに販売をアピールしています。ボカシを売りながら横でケーキを売って、ケーキを売りながら横でボカシを売ってというかんじでやっております。


 これからの夢として、自分たちが作ったEMボカシでアースさんが野菜を作る。この野菜でケーキができないだろうかと今考えています。ニンジンケーキを考えているのですけれども、「これもうちの農場で取れたニンジンやで」と持ってきてくれたのですけれども、これが恒久的にずっと続けられたらいいなと思っているのです。今後は、やはり自分たちの手で野菜を育てたいというのが皆さんの夢です。身体に障害を持ってらっしゃいますので、畝の中に入っていくとか、植物の世話をするのがどのようにできるのか、これからアースさんと一緒に取り組めたらと思っております。それでは実際の作業風景を久保さんに解説していただきたいと思います。


久保:
 久保と申します。よろしくお願いします。EMボカシの作り方の流れをご説明したいのですけれども、脳梗塞で障害が残っているので、話が分かりにくい点もあると思いますけれども、よろしくお願いします。
 この方は両手使えるので、EM希釈液を作っていただいているところです。


 これは私たちが別に計量しまして、向かって右側に混ぜているところです。EMのにおいが脳に良いというお話を聞いておりますので、混ぜながらそのにおいを嗅ぐということを意識的に行っています。


 これはEMボカシを混ぜて、発泡スチロールに詰めているところです。


 下は密閉して発酵するように倉庫に入れるところです。


 これは倉庫から出してきて、生のボカシを乾燥するところです。


 これは乾燥したものを袋詰めするところです。これは二人一組で袋詰めしています。


 これは袋詰めしてシールと製造年月日を張って、きちんと倉庫に入れるところです。

泉谷:
  ということで、皆さんの表情を見ていただいたら分かりますけれども、明るく元気にされています。先程の袋詰めされているのに、「手作りのスコップを使っています」と書いていましたけれども、あれも通所者の方が自分で休みの日にスコップを作ってきて、「これやったらいけるやろ」と言って作ってこられたのです。本当に皆さん自身が作業に対して、このEMに対して私たちの作業をどうやっていったらいいようになるだろうということを熱心に考えてらっしゃいます。
 ですから、これから本当にアースさんと一緒に地域に声を広げていけたらと思っております。以上です。
 
永田:
 泉谷さん、久保さんありがとうございました。地域ボランティアと福祉施設がこのように密接な関係をもちながら活動を進めていくというのは本当に数少ないと思います。良いモデルとして今後も情報を発信し続けて下さい。



EMフェスタ2003 専門分科会
■ 福祉施設から地域へ EM発信!
三好 達也(みよし たつや) 社会福祉法人和泉蓮華会・常務理事

プロフィール:
社会福祉法人和泉蓮華会・常務理事
昭和38年8月28日生まれ、愛媛県伊予郡砥部町出身。NPO法人アクティブボランティア21・常務理事、学校法人松山学園・常務理事、愛媛EM普及協会・副会長。

続きまして、愛媛県からお越しいただいています社会福祉法人和泉蓮華会常務理事、三好達也さんお願い致します。


三好:
 皆さんこんにちは。愛媛県の社会福祉法人和泉蓮華会の三好と申します。
私どもの法人は愛媛県内で希望ヶ丘という知的障害者更生施設といきいきプチファームという知的障害者授産施設を運営させていただいております。この2施設では全面的にEMをあらゆる場面で活用し、日常作業等を行っていますので、その様子を報告させていただきたいと思います。


 社会福祉法人和泉蓮華会は、母体にアトムグループという企業グループがありまして、先程もこの会の開会前に介護のビデオを流していただいておりましたが、医療法人順風会と社会福祉法人白寿会は高齢者の施設を運営しており、医療・福祉の施設サービスと在宅サービスを中心に事業を行っています。
そのほか学校法人として幼稚園、社会貢献事業に取り組むNPO、一般のサービス事業部といった分野に分かれておりまして、和泉蓮華会はこの位置付けになります。ちなみにアトムグループ全体で約1,500名の従業員がいます。


 これから発表させていただきます和泉蓮華会は、3施設を運営しています。松山市内で昭和54年開設の和泉保育園、松山市の南隣、砥部町にある希望ヶ丘では、知的障害者更生施設とデイサービスを実施しています。そして、八幡浜市の施設を受託運営しているいきいきプチファームは、平成14年4月開設の知的障害者通所授産と身体障害者デイサービスを実施しております。今日はこのうち障害者2施設の発表をします。


 まず希望ヶ丘では、このような内容でEMを全面的に活用しております。アトムグループ全体でも、EMを導入したきっかけは希望ヶ丘でした。希望ヶ丘でEM活用を始めて5年余りになります。


 これは希望ヶ丘の建物です。平成15年8月開設で、まだ5年余りの比較的新しい施設です。


 希望ヶ丘農園では、農作業を中心とした更生訓練、自立訓練を行っています。この農園で栽培された野菜は、アトムグループ各施設の給食の食材に使用することもあるので、できるだけ健康的な野菜を作りたいというのが当初からの目標でした。そして、できるだけ無農薬栽培を目指す中で、どうすればいい作物ができるかということをいろいろ勉強していくうちにEMと出会いました。


 これは農園で作物を栽培している直近の写真です。手前がキャベツで奥が白菜、このような季節野菜を中心に栽培しております。


 EMは土作りの段階から活用しています。施設から出る給食の残飯、食材の切り残し等を機械で発酵させたものを入れるのですが、この写真は完成した発酵後の肥料です。


 このような様子で、作付け前の土作りの段階でEM生ごみ発酵肥料をどんどん投入しまして、それから2週間ぐらい寝かし、畝を作るというやり方を行っています。


 育成段階では葉面散布として、EM活性液を希釈して散布します。約500倍から1000倍で、2週間に1回程度の頻度でこのように噴霧をしています。


 これはEMで栽培したジャンボ大根ですが、大きいもので重さが約20キログラムにもなります。よく「これは特殊な種とか品種ですか」と尋ねられますが、普通の青首大根の種でこれだけ大きく育てることができます。もちろん畝をかなり高くしたり、管理を小まめにするといった工夫はしています。しかし、結果としてこれほどりっぱなものができるというのはEMの効果によるものだと実感しています。


 これはジャンボカボチャです。愛媛県では20年ほど前から、地元では「どてカボチャ」といいますが、『どてカボチャカーニバル』というイベントが行われておりまして、それにぜひ優勝できるようなカボチャを作ってみようということで挑戦を続けており、この5年間のうち2回優勝をすることができました。これは、昨年180キロのジャンボカボチャを作って優勝し、みんなで写した写真です。


 タマネギも右側は市販の、恐らく皆さんが普段買われているぐらいの大きさだと思うのですが、左側のタマネギは直径が16センチメートルで約2倍、重量は1個が1キログラムほどで重さが約4倍あります。先程の大根にしてもタマネギにしても、大きいだけではなくて味がいい。そのままでもばりばり食べられるというぐらい甘くておいしい作物ができます。


 スイカも、これは30キロ以上あったと思うのですが、このくらいりっぱなスイカができます。


 収穫できた作物は先程も説明いたしましたとおり、施設の給食にも活用はしますが、基本的には地域に開放していまして、この写真は地域の保育園の園児が芋掘りの収穫体験に来てくれた時のものです。大変大きなサツマイモが取れたという、うれしい表情が表れています。


 これも保育園の親子体験ということで、子供と親が大根の収穫時期に収穫を希望ヶ丘農園に来てくれました。


 地域一般の方も収穫体験に来ます。地域にもEMをどんどん普及しようということでEM講習会を随時行っています。その流れで野菜の収穫時期にはEMの効果を皆さんに実感してもらおうと、講習会の一環として収穫、家庭に持って帰って料理して食べていただいています。


 これは大変ユニークな写真ですが、希望ヶ丘と同じ和泉蓮華会の和泉保育園で子供たちがカボチャ風呂に入りたいということで、上部をカットし中をくりぬいて、お湯をためてお風呂に入りました。下が不安定なので最初怖がっていた子供達も、慣れてくると面白い、めずらしいということで、多くの子供が順番に入って楽しみました。


 希望ヶ丘の施設内では、日常作業の一つとしてEMボカシ作りを行っております。皆さん楽しみながら作業を行っており、リハビリ効果も期待できます。


 百倍利器も導入してEMの活性液の製造も行っています。これは愛媛の地方銀行の福祉助成の適用を受けて導入しました。


 これは生ごみ処理機です。蘇生利器ですが、こちらも日本自転車振興会という中央団体の助成を受けて導入しました。希望ヶ丘や隣接病院の給食残飯等を肥料化しています。


 アトムグループには緑化部門の会社がありまして、街路樹等の剪定などを行っています。そこで出た剪定残渣を引き取り、粉砕機を使って粉砕します。
これも堆肥化して畑に投入するのが狙いです。


 これが粉砕した剪定屑をEM生ごみ発酵肥料と混ぜ、ビニールシートを掛けて2カ月ほど発酵させたものです。これを畑に投入します。


 投入の仕方は最初のほうの写真にありました、土作りの段階で入れるという方法に加えて、作物が成長する段階の畝間にどんどん入れます。そうすることによって、次の作物に対して土作りが容易にできる。間を空けずにすぐ次の作物の植付けに取り掛かることができます。


 施設内でのEM活用ですが、厨房からは毎日大量のお米のとぎ汁が出ますので、米のとぎ汁EM発酵液を作っています。量が多いためこのような大きなポリバケツで作ります。


 厨房内は大変衛生に注意を要する場所です。特に清掃面ではこのような方法で米のとぎ汁EM発酵液をどんどん流して、もちろん排水の浄化にもなりますし、施設内、厨房内の衛生効果もあります。


 お風呂です。浴槽にも米のとぎ汁EM発酵液を入れています。こういった作業は利用者本人が自主的に取り組んでくれています。


 トイレの掃除も同じです。日課の中に清掃がありますが、利用者が率先して清掃にも使用してくれます。

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 EM土団子を作っています。2週間で大体500個ぐらい作ります。


 このように白い菌糸が張れば完成です。


 完成した土団子は、松山のNPOが中心になって現在取り組んでいる松山城の堀水の浄化に参加し投入しています。この写真は利用者の方も参加して団子を投げている様子です。堀水の浄化活動は毎週行われていますが、希望ヶ丘は2週間に1回参加しています。


 希望ヶ丘では、自主的に地域の方を対象に講習をしています。年間30回ぐらい、婦人会とか町内会、ボランティアグループ、最近は小・中・高の学校からもよく訪問してくれますので、そのときに講習を行なうようにしています。


 培養したEM活性液は地域の方に無料配布をしています。できるだけ多くの方にEMを使っていただきたいということで、これも社会貢献の一つだろうと考えています。施設の玄関には「ご自由にお取りください」とコーナーを設けています。


 最後に農園で写した利用者の写真を紹介します。希望ヶ丘農園は、松山平野を見渡せる大変見晴らしのいい場所にあります。そのような場所で開放感にあふれて作業ができるということで、精神的にも良い効果があると思います。本当に皆さん毎日楽しみながら作業を行っています。


 次は「いきいきプチファーム」の取り組みをご紹介します。先程もご説明しましたように、八幡浜市が設置をして、民間委託という形で社会福祉法人和泉蓮華会が運営をさせていただいております。


 敷地の手前に50坪ぐらいのミニ農園がありまして、その奥に2階建ての施設があります。平成14年4月開園ですので、まだ1年半余りです。


 先ほどの反対側から写した写真で、手前が農園、その奥に作業棟があります。名前の通りプチファームです。


 いきいきプチファームは授産施設ということで、いわゆる生産作業にかなり重点を置いて日課を組んでいます。メイン作業は精米です。玄米で仕入れた米を、機械で精米して配達をしています。一般家庭にも販売していますが、アトムグループの全施設の給食米はすべてプチファームから購入していただいていますし、職員の協力もいただいています。大体月に30キロ袋で120袋から130袋販売しています。


 これは、健康茶の製造の様子です。オリジナル茶で「茶々姫」という商品で、中国の漢方医の処方によります7種類の生薬を使った調合で独自の健康茶を作っています。これも一般販売とアトムグループの施設に購入いただいています。


 EMブレスレットの組み立て。これも材料を仕入れ、利用者の皆さんが組み立て作業を行っています。この製品も一般販売をしたり、EM販売店に卸したりしており、作業の一環として重要な位置付けになっています。


 EMの作業ではまずボカシ作り。作業で精米を行っていますので、たくさんの米ぬかが出ます。米ぬかという原料が無料でたくさんあるため、大量のボカシ作りができます。製造したボカシは、一般販売と生ごみ処理に活用しております。


 農園の作業風景です。希望ヶ丘は、中重度の利用者が多いため「草引いてください」とお願いしたら作物まで引いてしまうことも多々ありますが、プチファームの場合は軽度の利用者が多いので、皆さん頑張ってきちんと管理をしていただいています。


 プチファームもEM活性液を製造しておりまして、開設時に導入した百倍利器と、最近もう1台培養装置を増設し、現在は2台で培養を行っています。培養作業も基本的には利用者中心で、できる範囲で管理をお願いしています。


 生ごみ処理機(蘇生利器)です。ただ、プチファームの場合は通所施設ですから給食は昼食だけですので、生ごみの量も少ないということで、八幡浜市内の老人施設2カ所からの残飯も引き取って肥料化をしています。大体1日60キロから80キロぐらいの残飯を処理しております。


 このような容器に入れて2ヶ月間二次発酵をさせます。


 これが完成した、EM生ごみ発酵肥料です。


 これは園内の農園に完成した発酵肥料を投入している様子です。土作りも皆さん一緒にやっています。


 これはプチファーム農園で栽培された作物ですが、プチファームでは開園当初から一切農薬や化学肥料は使っていません。完全無農薬で栽培しておりますので、本当に健康的な野菜が収穫できます。


 これは白菜です。プチファームの収穫物はどうしているかといいますと、あまりたくさんの量は栽培できないので、基本的には施設の昼食の食材で十分賄えます。ただ、通りすがりの人から「あら、立派な大根、白菜ができとるね」という声がかかったときは、「よかったら持って帰られますか」ということで、地域の方にお渡しするケースも結構あります。


 厨房から出るお米のとぎ汁を使って米のとぎ汁EM発酵液を作っています。こちらのほうも利用者の方で基本的には作ってもらっています。


 施設内の掃除に米のとぎ汁EM発酵液を使用しています。


 授産施設ですので、できるだけ商品を販売していこうと、EMボカシ、EM生ごみ堆肥を袋詰めしまして、地域一般の方に販売をしております。特にEM生ごみ堆肥は大変好評で、生産のほうが追い付かないということもよくあります。活性液は無料配布しています。


 プチファームでも頑張ってEM土団子を作っています。こちらは山から取ってきた赤土を材料にしています。


 このようにして約1週間発酵させます。


 八幡浜市に、中心部を流れる新川があります。この川には製紙工場の排水が流れている関係でかなり異臭が出るということで、市民からの苦情が行政のほうに入りました。そして八幡浜市からプチファームに「EMで実験してみませんか」という話がありました。さっそく活動を始めましたが、当初はEM活性液を1週間に500〜600リットル入れていました。


 EM土団子は、作ったものすべて新川の浄化のために活用しています。


 そして、今年の4月からは企業の理解を得て、新川に工業排水を流している製紙工場内から、EM活性液を投入することになりました。


EMを広く一般に普及をしたいということで地域の方を対象にしたEM講習を実施しています。


 利用者の方が本当に楽しみながら作業をしている様子が、この写真を見ても解かっていただけると思います。

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 最後になります。私達は、福祉施設は地域によって支えられていると考えています。しかし、いつまでも援助ばかりしてもらうのではなくて、特に障害者施設では作業を通じて自立を目指しながら、できる限り社会にも還元をしていくべきだと考えています。「希望ヶ丘」と「いきいきプチファーム」では、EMを全面的に活用することにより、資源循環型社会の構築を目指し、障害者施設こそがリーダーシップを取って地域や行政、企業とも協働して、まちづくりや地域おこしを目指していきたい。そのように考えております。

永田:
 三好さんありがとうございました。EM野菜栽培について教えられたような気がしました。地域を活性化する施設ということで、地域が今一番必要としている情報が福祉施設から発信できているという本当に素晴らしい事例、ありがとうございました。



それでは、三つの施設の発表が終わりましたので、これからパネルディスカッションに移りたいと思います。パネルディスカッションでは、皆さん20分という短い時間で伝えきれなかったことをぜひ多くの方に伝えていただきたいと思います。発表者同士、また会場からも質問を受け付けていきたいと思います。
(パネルディスカッション)
永田:
 まず初めに佐治さんたちは町内会の方々が大変熱心に協力してくれたということでした。会場の皆さんも何故このように協力的なのだろうかと疑問に感じたと思います。その点について、佐治さんよろしくお願い致します。

佐治:
 町内会に伺いましたら、「ここの施設はとっても感じがいい。みんな一生懸命だから」と言ってくださるのです。本当に私ども小規模作業所職員2人で一生懸命この法人作りをやっていました。町内会で受け入れると決まってからは会長さんがたまに来所されて「何かないかい、手伝うことは?」「よし俺がやってやる」というような感じでした。
施設開設後、今度は逆に町内会から「盆踊りするので、やぐらを立てるため、6時に来てくれないか」とか「やぐらを壊すから、朝6時に来てくれる?」という御願いがあり、そのような御願いに応えていく中で信頼関係が生まれてきました。
 あさかげ生活支援センター施設長の高井が職員を引っ張っていく力があり、町内会とのやり取りもものすごく上手く、誠実であって熱心である。それが町内会に受け入れられまして、恩返しとして多くの協力を得る事ができた理由だと思います。

永田:
 ありがとうございました。今紹介があった高井さんは、ひかり授産施設の中に併設されている、「あさかげ生活支援センター」の施設長でもあります。では、ひかり授産施設とあさかげ生活支援センター、町内会との関係についてご説明御願いいたします。

高井:
 今ご紹介を受けました高井と申します。いろいろとほめていただいて光栄です。まず地域との関係でうまくいっていると思うことの根本として、私達の佐治からの説明ありましたEMボカシネットワークの設立の時に設計事務所社長、松下さんがEMの活動に熱心であり、法人化の話を聞いた時に、その場所について建築屋さんでありながら「福祉施設は町のど真ん中になければいけない」と提案してくれました。今地下鉄から3分の所、本当に町内会といっても1,300人ぐらいいる。連合町内会となると、その辺の町村と同じぐらいの規模の札幌の東区のど真ん中にあるのです。
 まずその場所が地域の中心にあったということで、本当に場所の力といいますか、地域活動の中で仕事をやらせていただくうえでアドバンテージだと思っております。
 町内会との関係、私は4月に佐治さんに呼んでいただいて働いているのです。真新しい施設を見た時に気持ちとしては、床がぴかぴかだったのですけれども、そこにどれだけたくさんの足跡といいますか、それを付けてみたいという一つの希望がありました。人がたくさん出入りして、とにかく福祉とか障害とかいう問題はまず頭で考えるとすぐ変な方向に行ってしまうので、実際に関わるということからでないと何も始まらないということがあります。まず出入りをしていただく施設であってほしいということで、どれだけたくさんの方が出入りしていただくかということをスタッフ一同考えております。
 実際今町内会も、たばこを単に吸いに来る方ですとか、うちの生活支援センターで新聞を読んで休んでいく方ですとか、もちろんそういう行事のことですとか「地域交流室」がありますのでそこで会議をするとか、5、60人の方が毎月来ている。そんなことで違和感なく、よく町内会の方に「精神疾患の方は、別に何でもないよね」と言われるのです。本当に普通というか、接していただければ全く問題ないことが分かるので、本当にそれは喜ばしく思っています。
 あと町内会の対応という意味で、ちょっとこれは少しずれてしまうのかもしれないですけれども、EMフェスタは、これで2回目の参加になるのですけれども、EM研究機構の若い方ってすごく対応がいいのです。親切だしサービスはいいし、こちらも気持ちがいいのです。やはり、こういうふうに対応すれば何か誠意を感じて、ではこちらも何か協力することがあればやっていこうという、何か昨日から佐治と一緒に動いておりまして特にそんな、これは対人関係で特別なことというよりも日常的なかかわりが大事だということは改めて今日感じているところであります。これからも努力して、町内といい関係を作っていきたいと思っています。

永田:
 高井さん、ありがとうございました。やはり福祉施設の中に生活支援センターという、日常的に皆さんが出入りできる空間があるというのは本当に大切なことだというのが今の高井さんのお話からわかりました。福祉施設とボランティアのかかわり方にはいろいろあると思うのですが、麦の会第二作業所とアースウォッチング堺とのかかわりというのもまた特別なことだと思います。その点について成本さん御願いいたします。

成本:
 成本です。本当は先程紹介しました鮎川がこの場へきてお話しするべきだったのですが、ちょっと体調を崩しまして発表の場に出られないということで、たまたまピンチヒッターで私が出席いたしました。アースウォッチング堺の歴史は時々聞いているのですけれども、私がかかわったのはほんの1年ぐらいですから、本質的なことはよく分からないです。ただ、彼女の行動はよく見ているので、皆さん方に参考になると思いますのでお話ししたいと思います。
 彼女は、いわゆる子育ての頃から消費生活センターなどを中心にいろいろな生活上のことの勉強をやっておりました。役所にも行っていろいろな要望をするのですが、彼女の考え方が一歩先へ行っている。行政はとてもそんなことは考えられないという時期に提案をしますから全然相手にしてくれなかった。最初窓口で対応していた人たちがだんだん偉くなっていくわけです。それなりの地位に就いていく。そうすると、ちょうど彼女が主張していた環境の問題だとかごみの問題だとかいうのは、今やっとみんながやはりやらなければいけない。役所もやらなければいけないということになってきて、彼女からの提案もかなり受け入れられるようになった。役所ではできないことはわれわれが先にやるから、いつでも教えてあげるのでという心構えでやってきたというところが素晴らしいことなのです。
 従って、今は具体的に役所と提携してはやってないのですが、もう間近だとは思っています。先程麦の会のほうでザ・アース堺のお披露目会の時に、堺市のごみの減量化の担当の方が来て、いろいろ勉強してくれたと思います。例えばボカシの作り方、あるいは、ごみ減量ですからボカシから生ごみを堆肥にして畑へ入れるようなことを、実際現場に行って見てもらうという働き掛けをしたのが彼女なのです。畑までは行けなかったけれども作業所まで来てくれたということで、非常に密着してきたということです。
 今ちょっと体調を崩していますが、ボカシなどでも5年以上やっています。彼女が欲を出しまして、ごみ減量という観点から各市内に露店みたいなかたち、人的協力で、「あなたはここの責任者としてボカシを使うのを広めてください」という所を点々と設置して、大体300人ぐらいがそれをやっています。ちょっと今フォローが足りないのでまだまだかと思っています。その300人の人たちがもっともっと理解していただいたら麦の会で作るボカシもまた、どんどん広がっていくかなと思っています。彼女の熱心な活動成果をぜひ皆さん方に知っていただきたいと思ってお話ししました。

永田:
 ありがとうございました。ボカシを頑張って作っている福祉施設、そして、それを販売して生ごみリサイクル活動にまで大きく発展させているボランティアグループ、こういった二つの関係についてEMボカシネットワーク大阪支部の岸さんが会場に来ていますので、発表を聞いた感想を述べていただきたいと思います。お願いします。

岸:
 EMボカシネットワーク大阪の岸です。私が麦の会さんにEMボカシのことで行ったのが3年前なのです。最初は鮎川さんから、突然電話が掛かってきました。「実はEMの勉強をしたいと思っているのだけど、来ていただけますか。私達がサポートしている作業所さんがあって、そこもボカシネットワークに入りたいのです」という話で伺いました。
 その当時ボカシを見せてもらったら、赤かびや青かびが花咲いているのです。「このボカシ、もうちょっときっちり密閉してもらえませんか」と言ったら、「いやいや、気になるからしょっちゅう開けるのです」という段階でした。
 その間も鮎川さんは一生懸命婦人会だとか自治会だとか走り回って生ごみ処理するメンバーを増やした。私が出会ってちょっとしたころに「岸さん、200人超えたよ」という話だったのです。すごいなと思っていたのです。
 それである所から以前に聞いたことは「岸さん、堺市で1キロ100円のボカシ売っているみたいです。どんなボカシでしょう。それ見たいね」と言っていた施設が麦の会第二作業所さんのボカシで、実は濡れたまま1キロ100円で販売していたのです。
 去年の8月、突然、前所長の木村さんから電話が掛かってきたのです。「岸さん、ボカシネットワーク、ぜひ入れてください」とすごい勢いなのです。いったい何があったのだろうと聞いていたら、「実は作業所の集まりで沖縄に行ってきたのです。ある人がどうしても会わせたいという人がいるので会わせてもらった方がウコンの栽培をして、EMのすごさを聞きました。」去年の8月もう1回講習に行って、ボカシネットワーク入りしてもらった。その間も鮎川さんは、先程あった府の申請で百倍利器を助成金で据え付けるということを考えた。それをたまたま、麦の会さんの敷地内に納屋みたいな所があって、そこをきれいに掃除して事務所にして百倍利器を置いて、地域の人がどんどん足を運んでくれるようになったらという彼女の思いがあり、成本さん達と協力したことによりその願いがかなったのです。
 ラッキーなことに今年6月にEMボカシネットワーク名誉会長である節子さんが来てくださいました。節子さんが「すごいことやってるね」と言ってくれたことで、みんなで「こんにちは」とかあいさつがお互いに交流できるようになった。
また堺とか大阪でもっと大きな生ごみの運動が広がると思います。12月に比嘉先生の講演会を東大阪でしますので、関心のある方は大阪までお越しください。ありがとうございました。

永田:
 ありがとうございました。いろいろな地域とのかかわり、ボランティアグループとかかわっているのですけれども、三好さんたちもNPOボランティアと大きくかかわっていると思うのです。発表にもあったように、今後行政とも連携を取りたいという大きな目標を持って今活動が進んでいると思うのです。実際にそのように働き掛けていこうとしているのかについて少しお話を伺いたいと思います。



三好:
 私自身、実は今日発表しました和泉蓮華会とNPO法人も担当しています。特に松山では、松山城のお堀の浄化という活動をNPOが中心になって行っています。その目的というのは、松山市のシンボルである松山城のお堀をきれいにすれば市民の関心も高くなるし、行政も認めてくれるだろうという期待をもって行っていることです。そこに「希望ヶ丘」の利用者も参加しているということで、これはやはりEMの普及と共に、行政に対してもアピールしたいという気持ちが一つあると思います。
 八幡浜の「いきいきプチファーム」は、八幡浜市が設置した施設ですが、縁あって和泉蓮華会が受託して運営管理をさせていただいています。運営受託にあたり、私達は、EMを最初から全面的に取り入れた作業内容にしたい、そのためには作業棟も必要だし、百倍利器も蘇生利器も必要だという事業計画を八幡浜市に提出しました。そして、八幡浜市はそれを全面的に認めてくれました。行政があまりEMについて詳しくなかったということもありましたが、結果としてでも、行政が作った施設にEMが中心になった作業が含まれているという点は画期的なことですし、今後ますます行政の理解が得られるものと思っています。
 写真の中でもありました八幡浜市内の川の浄化も八幡浜市の環境課からの依頼により開始をした訳ですし、消臭効果もかなり出ています。あとは汚泥といいますか、ヘドロをどう減らしていくかが今後の目標です。効果が出れば八幡浜市も評価をして認めてくれるのではないかと思っています。どのようにしたら評価してもらえるか、認めてもらえるかというのをこれからも、障害者施設として考えていきたいと思います。

永田:
 ありがとうございました。三好さん、あのようなジャンボカボチャとか大根を作っていて、そこの農園を見に来た人たちの反応だとか、またそれを受けて利用者たちの反応についても少しお話をお願い致します。

三好:
 希望ヶ丘がどうして地域に農園を開放しているかということになりますが、実際希望ヶ丘ではEMを取り入れる前から地域開放を行っていました。目的としては、障害者でも頑張ればこんなにいい野菜ができるのだというのを、やはり地域の人に知ってもらいたかったというのがあります。どうしても障害者施設というのは社会からちょっと閉鎖的になりがちだったものですから、そうではなくて、社会参加もどんどんしていきたいと思っていましたので、その一環で農園の地域開放をしたのです。
 それに今回EMを取り入れて、EMを使用するとあんなに立派な作物ができるということを多くの人に知ってもらおうということで、EMの普及にもつながるということです。予想どおり、地域から参加され来園された方は、EMの効果に大変驚きます。
地域の方が見学や体験に来られたときには、できる限り施設の利用者に一緒に関わってもらうようにしています。「僕たちが一所懸命作りました」と、ほんの一言だけですが、地域の方々にすごく感動を与えることができる。そして「よく頑張って作ったね」と声でも掛けてもらえれば、それがまた利用者にとって次の作業への励みになるということで、すごい相乗効果になっています。EMの見えない部分の効果かもしれません。
 ですから、収穫体験や地域の方の来園を積極的に促すことは、障害者に対する理解の促進とEMの効果の理解と普及という二つの目的があってやっているのです。それはもう充分発揮されていると思っています。

永田:
 素晴らしい農園をご紹介していただいきありがとうございます。今回通所者ということで久保さんが参加していますので、実際にEMを作業の中で取り入れてみて、皆さんの変化した点だとか、EMを使う前と使ったあとで雰囲気がどのように変化したかについてお話ししていただけませんか。

久保:
 私たちは先程申し上げたように脳梗塞で倒れた方たちの集まりでして片手しか動かない人もいるのです。それで、よく考えたら、右と左ですから2人が1人分なのです。その方たちと一緒にお互い励まし合って、作業所をもり立てていっているわけです。やはり働くばかりではなくて、次の若い人たちもEMの活動に付いてくるようにしたいと思っております。
 それとやはりリハビリの関係があるわけです。どうしたらリハビリが上手くできるか、何とかその病気を治したい。もうこれは治ることはないのです。今のところは現状維持を目標にしているのです。

永田:
 久保さんありがとうございました。同じように沖縄でも農業とボカシ作りを通してリハビリを行っている農芸リハビリセンター「のぞみの里」の永坂さんも今回来ていますので、ボカシ作り、EMを活用することによって地域とどのように今かかわっているかについて、少しお話ししていただきたいと思います。

永坂:
 社団法人沖縄県脳卒中等リハビリテーション推進協議会のものです。
私たちは沖縄の脳卒中の患者会で去年農芸リハビリセンター「のぞみの里」という作業所、農芸を通してリハビリを兼ねた就労所を作りました。
 農園はEM研究機構さんの協力を得て、荒れ地を立派な農場にしまして、今野菜作りを一生懸命やっています。畑の肥料は地域の生ごみを回収して、それを堆肥にして野菜を作っていますけれども、今日発表された方みたいに地域に根ざした協力が得られる作業所作りまでは到っていません。始めたばかりで今一生懸命、南風原町のエコセンターという環境問題に取り組んでいる方々にアタックしまして、一緒にEMの普及を広めたい、生ごみも回収を広げたいということです。
 近くに四つの児童館があり、先週もその児童館に来る若いお母さんたちに、生ごみを資源化しようと講習会を行い、広めているところです。
 私たちは、乾燥させないEMボカシを生ごみ用に300円で販売しています。まだ始めたばかりで今日の発表はすごく勉強になったと思いました。野菜作りでも、自分たちで食べたり、来る人たちに100円で売るぐらいで本当に収入になるようなことをしてないので、問題をたくさん抱えています。
 昨日も「麦の会第二作業所」の施設長泉谷さんたち、先輩の作業所から運営について学んだところなのです。これからもっとボカシネットワークと作業所の皆さんとの連携を深めながら、一生懸命勉強していい作業所にしていきたいと思っています。
 まだ本当に農作業に関心を持ってやってくれているのが5、6人です。普通は作業所の通所者を14名ぐらいにしているのですけれども、農作業に関してまだまだ、「脳卒中になってまでこの作業はできない」とかいうような、魅力を彼らに与えるところまではいってないので、これからそのようにたくさんの人がかかわってくれるか、それを今模索しているところです。ぜひこれからいろいろなご指導よろしくお願いします。
 実は木村さんを私たちが作業所を作るときに呼んだのです。来てもらって、それがきっかけでいろいろ広がってきたのです。やはり一人で悩んだら駄目ですね。昨日も言われました。うんとネットワークを広げていって、一人で悩まないで行動してやっていきなさいと言われたのです。本当だなと思いました。実は落ち込んでいたのです。今後どのように作業所を、みんなに魅力あるものに作っていくかということで今本当は落ち込んでいるところです。今回こういう勉強会に参加できて、また何か夢が、頑張ろうかなと少しだけ力を得たような気がします。ありがとうございました。

永田:
 永坂さんありがとうございました。このように毎年素晴らしい発表を福祉分科会で行うことによって、発表する側から最新情報を発信し、聞きに来た方たちがそれを受けて、やる気だとか新しい展開へつながっていけるといった交流の場となればうれしい事だと感じました。今回「地域に支えられ、地域を活性化する」にふさわしい三つの施設に発表していただき、本当にありがとうございました。では、以上をもちまして福祉分科会を終わらせていただきます。皆様長い間どうもありがとうございました。


 [コーディネーター

  永田 麻知子(ながた まちこ) EM研究機構

 プロフィール:

  昭和52年7月30日生まれ。沖縄県出身。琉球大学大学院農学研究科を終了。
  現在(株)EM研究機構 東京事務所にて、EMボカシネットワーク、環境学習ネット ワーク(EL-net)の事務局を担当。
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