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EMフェスタ2003
専門分科会
点から面へと広がる環境学習

コーディネーター
瀬古 和彦(せこ かずひこ)  EM研究機構
パネリスト
曽川 和則(そがわ かずのり) 長崎県平戸市立中津良小学校教諭(研究主任)
村田 則之(むらた のりゆき) 福島県 郡山市立 緑ヶ丘中学校 教諭
野藤 等(のとう ひとし) 香川県 丸亀市立 城南小学校 校長


2003.11.15

 教育分科会は、まずコーディネーターより「EM技術を利用した環境学習プログラムは、その過程や効果を確認しながら進める事ができる完結型の学習プログラムであり現在多くの学校で取り入れられている」と紹介した。そして実際にその手法を取り入れ、学校を起点に地域へ「点から面へと広がる環境学習」というテーマで実際に教育の現場でEMを活用した環境学習に取り組んでおられる三人の先生に多くの写真や映像を交えて発表頂いた。

「輝け!ふるさとの川」

 長崎県平戸市の小学校教諭・曽川和則さんは、地域のボランティアの協力の下、学校教育の活動の中で中津良川の浄化に取り組んでいる。発端は地域の高齢者との「ふれあい集会」の中で子供たちがふるさとの川が汚染され、その姿が変わってしまったことに気付き「中津良川プロジェクト」をスタートさせた。そして、その根本的な解決のための活動手段を子供達と探る中で地元の平戸高校が取り組んでいる「EM」に出会ったのである。
 学校内でも日常の日課の中で「EMタイム」という常時継続活動の時間を生み出し、講師を招いてのEMの学習会や授業参観では「EM活性液」づくりの講習会を開き、地域の住民に情報発信として「EM通信」を発行した。そして、この活動は地域住民をあげての「中津良川クリーン作戦〜ドロ団子1万個大作戦〜」へと拡大発展していった。
 子供たちの願いが地域の願いとなって膨らみ、地道な活動を続けてきたこの成果が「広報ひらど」2月号で平戸各地区の河川における汚染度調査のデータが掲載され、中津良川だけが唯一遊泳可能な川として認定された。さらに、5月にはこれまで見たことも無いほどの蛍が見られるようになり、地元のTVで紹介された。
 これらの成果を踏まえて、行政も動きだし、現在各地の公民館に大型のEM培養機を設置し、地区の住民へEMの提供とその活用についての学習会を行っている。共通テーマを「環境美化から環境浄化へ」に据えて、平戸市南部地区の学校ネットワークが構成されるに至った。まさにEM活動ネットワークと言えるまでに成長していった。
 「清流に秋の青空照らしてる」。「日が暮れて魚を追う声、はしゃぐ声」。
 これからもますます輝け中津良川。子供たちの俳句を紹介して締めくくった。

「EM実践活動報告〜EMを使った環境学習プログラム〜」

 福島県郡山市の中学校教諭・村田則之さんは生徒自身が実質何もできない環境学習に行き詰まりを感じていたときにEMに出会い、実際に現場でその効果を確認して導入を決意した。それらをまとめて県中教研で発表したところ、選択理科においての新しい教材として好評を得、総合学習では生徒たちが「EMを使った環境保全活動」という大テーマで探求し、文化祭や生徒研究発表会で発表したことにより、家庭や地域、他校に広がることになった。そして生徒の実践と努力している姿に関心を持つ地域の方も増え、他校の生徒も興味を持ち学校に見学に訪れ、EMを始める学校も徐々に増えていった。
 ここに至り、地元新聞にも記事として活動が紹介され知名度も高まり、学校内でも生徒会専門委員会でもEMを使った活動に取り組みはじめた。園芸委員会はEM生ゴミ堆肥をつくり学校の花壇の管理に活用することで、資源リサイクルと経費の削減、清掃委員会でも通常の掃除やトイレの臭い消しなどに効果を示し活動も活発になった。
 「最初は本当に効果があるのか半信半疑だったが、いろいろEMを使っていくうちに驚くべき効果があり、とても役に立った。EMはこれからの環境問題を改善するために欠かせないものだと実感した。生徒研究発表会での発表により、EMの重要性をとても多くの人に広めることができ、環境問題の改善に役に立つことができ、良かった。これからの生徒会活動ではEMを地域の人だけではなく、もっともっと多くの人に広めていきたいと思う」という実際に活動した生徒の感想で締めくくった。

「EMによる環境教育〜点から線へ〜」

 香川県丸亀市の小学校校長の野藤等さんは校長の立場から学校でEMを活用した環境学習への取り組みについて、これまでの経緯を交えて実践例を報告した。
 平成13年度に香川県で開催された「四国EMフェスタ」で愛媛県の上浦小学校の実践例に感動し、「よし、私もやってみよう」ということで本格的に学校にEMを導入することになる。最初は一人で米のとぎ汁EM発酵液を作りトイレの臭い消しからスタートし、技能員の協力で飼育小屋の消臭など、実績を積んでいくことで職員に「EMとは何か」と説明し、理解を求めていった。
 PTAの役員にも働きかけ、まず母親10人の方にモニターとして米のとぎ汁EM発酵液を家庭で作ってもらって実験を行い、その結果を持ち寄って、PTA便り「夢気球」の見開き面でEMについて情報提供し、全家庭で実践するように呼びかけることになった。このようにして保護者の理解を得て、学校でも児童による、ボランティアによるEM隊を募集し、毎日児童が家から持ってくる米のとぎ汁をEM活性液で発酵させてトイレやプールや学校の西側のにおいのする川に投入する活動を行っている。
 そして県内の各学校でEMを活用した活動をしている事例を紹介し「最近、香川県下でもEMに関する取り組みが数カ月ごとに新聞で報じられるようになってきました。大変喜んでいるところであります。」と現在の状況を語った。
 三人の先生の報告のあとコーディネーターより「EM導入で最も苦労したこと」についての質問に村田さんは「まず、最初にEMを購入する資金がない」と述べ、「私は理科の教師なので最初は理科の教材費から。現在は生徒会予算とか、特色ある学校作り推進事業費から出させてもらっている」とのこと。野藤さんは「最初はもちろんポケットマネーで資材を購入し、途中からはPTAの会費を利用できるようになった。また、丸亀には「丸亀教育」と言う総合的な学習に予算が付いているので、それを使わせていただいている」と紹介した。「南部の公民館で行っているクリーン作戦の活動資金から援助をいただいている」と曽川さんの小学校の校長の前田さんが説明した。前年度教育分科会で発表した愛媛県上浦町の村上教頭先生は「これまでの活動を認められて本年度は行政、役場の協力で200万円の予算がつきました」という心強い発言が飛び出した。
 
 その後も、会場を巻き込んで各地で環境学習に取り組んでいるボランティアの方や学校関係者の活動報告も交えた発言が続き、盛況のうちに閉会した。

         
The Theater Event --------Effective Microorganisms