EMフェスタ2003
> 専門分科会
EMフェスタ2003 専門分科会
野藤 等(のとう ひとし) 香川県 丸亀市立 城南小学校 校長
プロフィール:
昭和25年10月21日生まれ。
高知大学教育学部中学校課程を卒業後、公立中学校教員(英語・社会)、坂出市内の中学校教諭(15年間)、坂出市内の中学校教頭(9年間)、坂出市内の中学校校長(2年間)、現在に至る。
E3_01.JPG
野藤 皆さん、こんにちは。今、お二人の大変立派な発表を聞きまして私は自信を失いまして、このまま帰ろうかと思いますが、そういうわけにもいきません。本日のテーマが「EMによる環境教育」。「点」から「面」だと思いますが、私の場合は「点」から「線」と少し謙虚に発表させていただきます。
E3_02.JPG
四国は香川県の丸亀市からやってきました。沖縄は今から10年も前に1度観光で参りまして、青い海と青い空、それから、おいしいソーキそば、果物をたくさんいただきまして、そのころを思い出します。今回、第20回という記念すべきEMフェスタに呼んでいただきまして、人生の幸運を感じております。今、私は丸亀市立城南小学校の校長をしております。だから校長の立場で申し上げます。
E3_03.JPG
丸亀市は香川県の西部に位置しておりまして、平野が広がり、瀬戸内海に面して島も多くございます。人口は約8万人で、江戸時代、京極六万石の城下町として発展しました。香川県は今讃岐うどんの大ブームでございまして、毎日のように大勢の県外の方がうどん屋さんに押し掛けておりまして、おいしい、安いうどんを食べに来ております。皆さんも香川県においでいただいたら私が一番おいしいうどん屋さんをご紹介致しますので、ぜひ電話をいただいたらと思います。
E3_04.JPG
さて、最初にEMとの出会いとこれまでの経過について簡単に報告させていただきます。10年も前に「EM」という新語を知ったのは、船井幸雄先生の著書「これから10年、本物の発見」で、比嘉照夫教授の開発されたEMについて詳しく知ることができました。それからいろいろなEMの本を関心を持って読んでいました。そのうち、比嘉先生が高松市に講演においでになりまして、それを私の先輩の島本先生と言う方が聞きまして、その話を聞かせてもらいました。
また、高松の南部農協がEMに取り組んだところでございますが、私も販売していたEM1号を購入しまして、当時勤めていました学校のトイレのにおい消しに使用を始めました。生徒にも「EMとはいったい何か」ということ、「有用微生物群である」ということを書いて掲示して説明しました。当時、高松には高松市役所産業部の次長である久保隆彦先生と言う比嘉先生の弟子に当たられる方がおられまして、農業や畜産の分野でEMの先進的な取り組みをされていました。
更にEM野菜を販売するEMのお店「美土里の里」、これも船井先生が講演やテープでよく紹介されておりました。私も用があって高松に出掛けた時には美土里の里でEMXや1号、野菜などをよく買っておりました。健康のためにEMXもそれからずっと飲んでおりますし、人にもよく紹介しておりました。EMボカシによる生ごみ処理もしましたが、これは少し私のやり方が悪かったものですから途中で中止しました。しかし、今から4、5年前に米のとぎ汁EM発酵液のことを知りまして、これならうまくいきそうだということで今現在も継続して実践しております。
E3_05.JPG
平成13年度に香川県の三木町で「四国EMフェスタ」が開催されました。その時に愛媛県の上浦小学校の実践例に感動致しました。教頭先生の指導のもとに5人の小学生が発表しましたが、島を流れている川のヘドロを完全に消し去ったという事実を知りまして、「よし、私もやってみよう」ということで本格的に学校にEMを導入致しました。
E3_06.JPG
そして、平成14年度に丸亀市立城南小学校のほうに転任となりまして、EMを学校現場で本格的に始めることにしました。まず、私1人でこっそりとトイレに米のとぎ汁EM発酵液をまいて、におい消しの活動を開始しました。当時、城南小学校の校舎は老朽化しておりました。トイレのパイプのつまりもありまして大変臭くて、職員から「何とかならないですか」と言われておりましたので、トイレのにおい消しに効果がありました。
次に技能員の方にも話をしまして、ウサギ・鳥小屋にもEMを散布しまして、そのひどいにおい消しを行いました。まず、このように既成事実を作りまして、それから職員のほうに「EMとは何か」と説明をして理解を求めました。
E3_07.JPG
次にPTAの役員の方々に話をしまして、まず母親10人の方にモニターとして米のとぎ汁EM発酵液を家庭で作ってもらって実験をしました。そしてその結果を持ち寄って、PTA便り「夢気球」の見開き面でEMについて情報提供しました。全家庭で実践するように呼びかけることになりました。EMとは何か、学校のトイレとかウサギ・鳥小屋のにおい消しの事実、モニターによる実験の感想、家庭におけるEMの使用例をイラストで紹介しました。そして、高松にあります春日保育園の「あじさい」と言う作業所からPTA会費で購入したEM活性液を全家庭に配布して実戦を開始しました。
E3_08.JPG
このようにして全保護者の理解を得て、学校でも児童による、ボランティアによるEM隊を募集しまして、毎日児童が家から持ってくる米のとぎ汁をEM活性液で発酵させる活動を開始しました。EM隊が毎日お昼休みに職員室で、2リットルのペットボトルに活性液と砂糖と自然塩を入れまして日なたに置くという日常活動を行っております。
E3_09.JPG
発酵した米のとぎ汁をトイレやプールや学校の西側ににおいのする川がございますが、そこに投入しています。
E3_10.JPG
ある時、坂出の瀬居中学校、私の前任校でございましたが、毎日給食の牛乳の残りを洗ったものをEMで発酵させ、それを毎週40リットルずつ学校近く小川に投入して、3カ月でヘドロが少なくなってきたという事実の報告を受けました。そこで本校も約380名おりますけれども、給食の牛乳の残り瓶を洗いましてそれを集めまして、それに活性液を混ぜました。各学級にEM係がおりまして、毎日クラスの牛乳瓶を洗って職員室のほうに持ってくるようになりました。それをお昼休みにEM隊が先程の作業をします。毎日約10本程度の発酵液ができている勘定になります。
E3_11.JPG
私も毎日学校の周りのごみ拾いをしながらポリタンクに入ったEM発酵液を水路にまいております。現在、学校に子供たちが通っている恵まれない児童の支援施設がございますが、毎週月曜日に米のとぎ汁をポリタンク2本分いただきまして、それを発酵させて金曜日の放課後にトイレにまいております。このようにして施設と学校との連携を図りながら、その施設の豊富な米のとぎ汁をEM発酵液に役立てるように行っております。
E3_12.JPG
城南小学校ではこれまで4年生、5年生の総合的な学習の時間、私もEMのゲストティーチャーとしまして数回呼ばれましてEMや発酵液の作り方について授業を致しました。比嘉先生は「瀬戸内海の浄化もEMを使えば5年間でできる」と断言されておりますが、私もその夢を熱く熱く語っております。「今の子供たちに夢がないと言うのですが、私自身はこういう夢を持っている」ということを語りました。
私がタンクを持って運動場を歩いていますと、体育をしている子供たちの中に「あっ、校長先生や」、「EMや」と言われております。実は私は歩くEM広告塔なのです。(笑い)
E3_13.JPG
地域の子供会でも夏休みにEMについての講師として2回呼ばれて、子供会にもEMが広がりました。丸亀市の子供ミニ議会にも2人の代表者が出て、市長さんに「学校ではEMによる環境浄化を行っているのですが、市の当局ではどうなっておりますか」と質問をする児童も育ってきました。夏休みの自由研究にEMを採り上げ、鳥の子用紙にまとめた児童が4人います。その研究は校内のEM掲示板に掲示しております。また、県で開催された環境学習フォーラムにも掲示していただきました。
E3_14.JPG
最近、校区にあるため池が野鳥の宝庫となっているということで、その水質保護のために土地改良の関係者や地域住民の会合が重ねられております。市・県の環境関係の方もおられます。私も総合学習を取り扱っている関係で、メンバーの一員としてそこで意見を述べさせていただきました。「なぜ行政はEMで水質浄化に取り組まないのですか」と熱く熱く2回ほど語りました。そうすると、その中で理解者が出てきまして、「少し参考書を貸してください」ということで、先日あった会ではひょっとしたら費用の一部を出して、池の住民の方にEM活性液を配布してもよろしいという動きになってきたかと思います。今後、行政、地域住民、学校と三者が連携しながら水質浄化活動のモデルができあがるかも分からないと私は思っております。
E3_15.JPG
校区のある県会議員さんが「学校でEMによる環境活動をやっているんですね。頑張ってください」と言われましたので、私も「ぜひ県議会でも質問をしてください」と答えておきました。最近届いた県の環境教育に関する県教委が出している冊子ですが、それを読みますと、今年はEMを採り入れている小学校、中学校が5、6校あり、大きな動きになってきました。昨年は確か1校だけだったと思っております。
E3_16.JPG
次に、香川県でEMを採用している学校の状況についてお話を致します。これは私の知っている範囲のことで、調査したものではございません。まず、丸亀市内では城南小学校の子供たちが卒業したら通う南中学校があります。ここは昨年度よりEMを理科の授業に採り入れました。以前同僚であった森江絵夏先生が理科の先生ですが、研究授業にEMを扱って中学校にEMショックを起こしました。EMの久保先生がゲストで呼ばれて、私も参観してコメントを少し述べました。現在、南中学校では理科の選択授業でEMを学習しております。恐らく県下では初めての選択授業ではないかと思っております。この女性教師の名前のイニシャルがE・Mで、そのように運命付けられていると私は思っております。
E3_17.JPG
次に丸亀市立垂水小学校ですが、植物を育てるのに米のとぎ汁EM発酵液を使用しています。最近、給食の牛乳の残りを利用して発酵液作りが始まりました。垂水小学校の玉田先生は環境問題に大変関心があり、地球村の高木善之さんの運動に協力しておりますので、今後の環境学習が楽しみです。
E3_18.JPG
丸亀市の東のほうにあります坂出市では、先程も申しましたように、瀬居中学校が総合的な学習の時間にEMを採り入れて成果を上げています。この中学校はもともと島でありましたが、埋め立て地になっております。生徒数は約20名のごく小規模校ですが、毎日2人の生徒が給食の牛乳の残りを発酵させ、毎週40リットルずつ川に投入してヘドロを消しています。更に川に入って泥を取ってきてEM泥団子を作り、投入しております。この学校のカワウチ先生は大変積極的で、質問があれば直接比嘉教授に質問状を差し上げるほどの熱心な先生です。この島では地域でもEMが広がり、多くの家庭で米のとぎ汁EM発酵液を流して瀬戸内海の浄化作戦に協力しています。
E3_19.JPG
次に瀬戸大橋の架かった島の学校を紹介します。岩黒小・中学校は全校生10名程度のごく小規模の僻地校ですが、井上校長先生は大変熱心な方でございます。岩黒小・中学校では学校教育にEMを採り入れ、島ぐるみの実践を展開中です。人口100名弱ですが、家庭からの米のとぎ汁をいただき、学校で活性液で発酵させ、トイレや清掃に使用し、「環境よくし隊」という名前で全校生が港に発酵液を投入して瀬戸内海の浄化活動を展開しています。学校でEMの講師を呼んで地域の方々にEMについての学習会を開催して、学校との連携を図りました。その後EM新聞も発行して啓発活動を行っています。
E3_20.JPG
県の教育委員会の環境教育のグリーン活動の紹介事例に、岩黒小・中学校が「EMよくし隊」という海の浄化活動が写真で紹介されました。EM実践校としては県下で初めての紹介だったと思っています。ほかにも、岩黒の地域では畑にもEMボカシを使用して野菜作りに励む方々が増えてきました。まさにEMの島として県下では全家庭に普及している成功例です。今後他の地域のモデルとなる実践でございます。
E3_21.JPG
坂出の王越小学校では、自然が豊かでトンボが多く生息しています。以前からトンボ保護の環境教育が盛んで、これまで全国的にもトンボの保護活動の研究が有名で、全国環境教育研究会でも実践発表をしております。トンボの生息する池を「トンボランド」と名付け、昨年度から児童による水質浄化にEMを使用しております。三好先生が理科の専門で、この環境保護活動を指導しております。ゲストティーチャーに柏先生をお呼びしましてEM学習をしながら、トンボランドの水質や生態を調査して全国環境教育研究会でEM浄化について紙上発表することになっております。
E3_22.JPG
善通寺市では東中学校がEMによる河川浄化活動に取り組んでいます。昨年、学校の横の川に大勢の生徒が取り組んでいる様子が新聞で報じられました。まだまだ「EM」という言葉が地元の新聞に載ることが少ないのですが、そのPR効果は大きいものがあります。最近、香川県下でもEMに関する取り組みが数カ月ごとに新聞で報じられるようになってきました。大変喜んでいるところであります。ごく最近、綾歌郡の陶小学校や善通寺の竜川小学校でも「EMを試行したいのでぜひ教えてください」という問い合わせがあって、情報提供しております。その展開が楽しみです。
E3_23.JPG
なお、追加として少しお話をさせていただきます。完全学校週5日制が始まり教員も土日にボランティア活動ができるようになり、私もEMの普及のために仲間とボランティアグループを作りました。名付けて「讃岐龍馬会塩飽社中」。坂本龍馬の無私無欲の精神にあこがれ、世のため人のためになる活動を行っております。仲間は約50名おります。毎月香川県内外の歴史探訪を行いながら、そのついでに持参した米のとぎ汁EM発酵液を現地の川、海、排水路に投入して現地の人々と交流しながらEMのPRに努めております。これまで20回ぐらい実施しております。
E3_24.JPG
龍馬は日本の洗濯を志しましたが、私も日本の浄化活動を志しております。龍馬の生まれた故郷である高知の太平洋、大河の一滴でございますが、それから、暗殺された京都の墓のある所の泉水にEM発酵液を投入しまして、日本じゅうがEMで浄化されることを願っております。その活動の様子は毎回のように会報に載せております。われわれはこの浄化活動を「EMチョボラ活動」と呼んでおります。ちょっとしたボランティアでありまして、大ボラではございません。
E3_25.JPG
われわれの「会員心得6カ条」の「第2条」を見ていただきます。「龍馬の航海した瀬戸内海の浄化のために、毎日米のとぎ汁によるEM発酵液を作って風呂、トイレなどで流しましょう。地域ぐるみで実行すれば5年でヘドロが消えることは夢ではありません。有用微生物群が悪い微生物を抑えて環境を浄化する。まさに龍馬的な共生の考え方です」。
E3_26.JPG
先程紹介したEM実践校の多くはこの龍馬会の会員のいる学校です。これはこれを核として今後県下全域に広げていきたいと画策しております。そして、「EMによる環境教育県」と呼ばれるように努力したいと思っております。いや、行政を動かして「EM環境立県」と呼べることが大きな夢であります。豊島・直島問題で全国に悪名を売っておりますので、その逆を行きたいと考えております。これは知事さんがすべきことでございますが、私も何かできることがあればと思っております。
差し当たって、来年香川県で全国豊かな海作り大会が開催されまして、天皇陛下がおいでになります。それに向けて瀬戸内海沿岸の人々がEMに目覚めるように龍馬会でも最善を尽くしたいと考えております。
なお、今日、11月15日は龍馬が生まれた日でありまして、京都で暗殺された日、大変そういうくしき日でございます。私はそういう日にここに来て発表させていただいたということも何かの不思議な縁を感じております。もう私は龍馬の後を追って死んでも構わないと思っております。(笑い)
以上で私の発表は終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
瀬古
楽しい野藤校長先生の発表でした(笑い)。ありがとうございます。
前に戻る
次に進む