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EMフェスタ2003
専門分科会
EM効果の多様性に於ける水処理資源の活用

コーディネーター
 片寄 滋(かたよせ しげる) EM研究機構 
パネリスト
 河原 弘道(かわはら ひろみち) (有)レックEM益子(代表取締役)
 菅原 秀樹(すがわら ひでき) 霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)
 梁 近光(リャン ジイン・グァン) 中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)

2003.11.15


《司会進行》
皆さんこんにちは。只今より、水処理専門分科会を始めさせていただきます。最初の発表者は(有)レックEM益子の、河原弘道さんです。発表テーマは、EMを用いた汚水浄化装置、益子クリーンによる浄化槽処理水の水質向上と、その可能性です。で、次に発表していただきます、霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部の菅原秀樹さんです。発表テーマは、浄化槽の水処理、汚泥の資源としての活用です。最後は、梁近光(リャン ジイン・グァン)さんです。テーマは、EM技術による精糖工場における、精糖及びアルコールの廃液の無害化と資源化です。
 前半は各パネリストにより、事例を発表していただきます。後半にパネルディスカッション、及び質疑応答を行いたいと思います。時間は1時間30分です。ではコーディネーターの片寄さん、よろしくお願いします。

片寄:
 はい、どうもよろしくお願いします。
 当然の事ながらこの分科会は、水処理施設にEMを投入してその中で出現する効果というところを発表していくわけです。そうすると汚泥の削減ですとか臭気を抑制していくとか、という話しで進めていくのです。これからお話しになる事例の中にも、そのような内容は当然おこっているのです。水処理にEMを投入して、そこで得られる効果というのは非常に幅広いものなのです。汚泥の削減だけ臭気の抑制だけというのは、それはあくまでも一部の効果でしかないわけです。
 従来は水処理施設内での枠内だけで効果を考えていたのですが、実はもっと広い効果があるのです。別な言葉で言いますと、EMを水処理に投入することによって、水処理施設から排出される物全てが資源化できるというとこなのです。
 全てが資源化できると言うことは、私たちは水処理にEMを使っているのですが、きっと健全な農業を守るための応援団にもなれるのじゃないのだろうかということです。今回は水処理と農業、これを有機的に結びつけていくという視点にスポットを当てて、分科会を進めてまいりたいと思います。




EMフェスタ2003 専門分科会
■ EMを用いた汚水浄化装置マシコクリーンによる浄化槽処理水の品質向上とその可能性
河原 弘道(かわはら ひろみち) (有)レックEM益子(代表取締役)

プロフィール:
(有)レックEM益子(代表取締役)
昭和22年3月栃木県生まれ。専修大学松戸高等学校卒業後、
三井金属(株)を経て、陶芸の道に入る(益子焼河原窯元を設立)。
平成14年(有)レックEM益子を設立し、現在に至る。

河原:
 河原でございます。今日は、浄化槽の処理水の品質改善、それと今後の可能性を発表させていただきます。
 益子から参りました、益子と言いますと益子焼きで特に沖縄と益子は、深いつながりがございます。
 これからご紹介します装置は、環境活動から生まれました装置です。
 私たちの住んでいる地域に、ゴミ焼却場がございます。私たちの自治会はダイオキシンだとか排水の汚染など、非常に不安でたまりませんでした。その中から、被害意識だけを見ていては、ゴミ問題あるいは環境問題は解決しないと、自分達でゴミを出す側で何か活動しなくてはいけないということで、自治会の中に環境部会というものをつくりました。それでEMを活用した生ゴミ堆肥づくりが始まったわけです。今では、自治会の事業の一環として行っております。


 浄化槽をもっと綺麗にしたいという思いから、浄化槽前処理装置を開発、名称は「益子クリーン」と言います。最大の特徴は、浄化槽内に汚泥を発生させないで水を飛躍的に浄化する。現在その浄化槽で、金魚がたくさん泳いでいます。


 私はひょんなことから、浄化槽の中を毎日覗くようになりました。私は、浄化槽のことはサッパリ分からなかったのですが、素朴な疑問が涌いてきました。「なぜ、浄化槽にはカスがこんなに浮くのだろう?」。専門家に聞けば聞くほど、「河原さん、これで良いのですよと、良い水が次の層に行くわけですから、この貯まったカスは汲み取れば良いのです。」というお話しだった。私は、どうしても納得が行きませんでした。
 それで、貯まらないようにするにはどういう方法があるのだろうか?そして今から6年前、EMと出合いました。生ゴミ発酵液を流した訳です。それから米のとぎ汁EM発酵液も流しました。そうしましたら、今までカスが浮いてしょうがなかった浄化槽が、カスが浮かなくなり、水も改善してきたということで、私は喜んで色々なところで話しをしました。
 タウン誌にも載りまして、みなさんEMを流し始めたわけです。そうしましたら、ある奥さんから電話がありまして、「流しているのですが改善しませんよ」と、「いや、そのようなことは有りません。私の所は綺麗になりましたから」と、言いました。そしたら、「じゃあ、どうしたら良いのか?」ということで、私はその浄化槽を見に行きました。そうしましたら型が違うのですね、私が使用している浄化槽の型と、奥さんが使用している浄化槽の型は違うのです。
 それで、なんとかEMを流して解決を図ろうとしたのですが、難しかった。これでは装置を開発しなければ、解決できないなということで、装置を考え出しました。
 その奥さんの浄化槽はですね、単独処理浄化槽でした。極端に浄化が悪く、すごい悪臭でした。それと浄化槽の中に汚物が固まってしまうのです。それで、汲み取るときに水を入れて、崩して汲み取っていて、年に3回、汲み取っているのです。
 その処理しきれない廃水が、浸透マスで竹藪に流れ込んでいるのです、農家で、広い敷地で田舎なものですから。そして竹藪の先に田圃があるのですが、その竹が枯れまして、広い田圃が一望できるようになってしまいまして、私は非常に驚きました。
 そして、これは何とかしてあげなくてはいけないということで、試行錯誤がはじまったわけです。


 この浄化槽の中、槽の中に何かを入れて解決したいなという、7年間眺めましてそうした発想がありまして、色々と図面を書きまして、比較的早い時期にこの装置の形は出来ました。原点はバケツなのです。バケツを買ってきまして、この様に2つ重ねまして、中に塩ビパイプを入れまして中に曝気をしました。そうしましたところ、これまで酷い状態だった浄化槽が、臭いもだいぶ少なくなり、固まり状のものが無くなって、サラサラの水になったのです。ただ、完全ではありません。でも、もの凄く良くなったのです。そちらのお宅の奥さんも旦那さんも、「河原さん、もうこれで良いですよ」と言うのですね。ですが私はこれでは納得せずに、次から次へと、もう7回改造をしています。
 今現在この装置を量産して事業として行っております。
 このように単にこのバケツの発想が、酷い状況下を改善したということです。この装置にしましたら金魚が飼えるほど改善いたしまして、周りからとても喜ばれております。
 この装置を埋め込みますと、こういう状態になります。前処理装置で前処理をしまして、処理をした廃水が浄化槽に入ります。ですから、この装置で前処理しますから、浄化槽に負担がかからない。負荷がかからないということでスカムと汚泥が発生しない。BOD、SS、窒素、リン、これらも非常に微量で、ほとんど出ない状態です。BODが合併処理浄化槽で5ppm前後です。そして単独処理浄化槽は、この装置を設置する前は100ppmですが設置後は10ppm以下、平均すると6〜7ppmぐらいです。

 今度、宇都宮大学の嘉木教授と共同研究して理論化するという話しになっています。槽の中で曝気をします。ブロワーで空気を送り込むわけです。ここでは好気性の微生物が働き、有機物あるいは汚物を破砕するということです。それで次にまた水が入りまして、その圧力で外に出ます。


 外に出たものは、多少は貯まりますが全部は貯まりません。この1層目、A層・B層とあるのですが、これが一組なのです。ここのA層というのは、ほとんどが細かいです。ここまできますと、味噌汁を澄ますと下に貯まるあのくらいの状態です。ここの外側の色は黄色いのですが、最後へ来るともう透明です。
 それで次に入ります。ここに汚泥が5〜6cmあるだけです。これが2年間続いています。つまりほとんど貯まらないということになります。ですからSSも少ないということです。


 色々な効果がございます。
 汚泥の抜き取りがほとんど要らないということになります。今、3年経っているところも抜いておりません。


 これはですね、その装置の改造をしていく課程時の写真です。


 これほど汚かったのが、益子クリーンを付けたとたんグーンと下がって、こういう状態です。これは、単独処理浄化槽です。単独処理浄化槽でBOD20ppm以下、だいたい平均すると10ppm位です。良いのは4.3ppmがでました。


 これは合併処理浄化槽です。合併処理浄化槽の基準はBOD20ppmなのですが、ほとんどは10ppmくらいです。


 水を採ってみました。左は単独処理浄化槽の放流水です。透明ではなく黄ばんでいるのですが、非常に綺麗です。臭いもなければSSも少ないです。それから真ん中は合併処理浄化槽の放流水です。非常に透明度が高いです。BODを測るときに透視度を測っているのですが、ほとんどが30以上です。それから私たち自治会公民館にも益子クリーンを設置しております。右はその単独処理浄化槽の放流水なのですが、家庭よりも使用頻度が低いということもありますが、非常に綺麗です。


 装置内では金魚が元気に泳いでおります。


 こちらが今後の目標と可能性です。単独処理浄化槽の合併化、風呂、台所そういった水も引けます。それには流量調整層も必要になります。それから中水の有効利用です。大きな仮題なのですが、ディスポーザーによる生ゴミ処理に是非取り組みたいと思います。それと畜産の屎尿処理、現在これも数社と話し合いをしております。それから池のヘドロ分解、そして大きな浄化槽、これは清掃費が莫大にかかりますので、益子クリーンを付けてほしいと、いろいろな公共施設や自治体に進めております。


片寄:
 この益子クリーンの発想がEMの水処理の原点なのですけれども、実は有機物には、水とそれから沈殿するもの、2通りあるのです。EMの水処理の原点というのは、この沈むものをその場に置いて水だけ処理ということでやっているのです。水だけ通常の浄化をさせてそれをまた前段にフィードバックしてあげるのです。その前段にフィードバックさせた、沈殿物のあるところは、嫌気、微好気ですから、発酵分解がはじまるのです。いわゆる有用発酵分解が始まるのです。そういう意味では益子クリーンさんの考え方、一つのスペースの中に好気と嫌気と微好気、この3つを上手に入れこんでいるということで非常に面白い発想です。最初に、ベースにあるのは有用発酵分解です。そのような環境を作るということが大切なのです。沈殿分離槽を使うのには、スペースがすごく必要になるのです。スペースが無い場合にはなかなか機能が果たせない場合があるのですが、この益子クリーンの場合は省スペースでそういう環境を作っていることで、非常に発想がすばらしいと思います。
 従来の浄化槽ですと、沈殿分離槽がありまして、次に曝気槽がありまして、最後に沈殿分離槽です。それで放流するのですけども、このままですと汚泥が貯まっていくのです。最近の浄化槽は最初に嫌気ろ床と言いまして、嫌気の生物幕を張らせるものを作りだしたのです。それで次の工程に水を送ってやるという考え方なのです。嫌気性接触沈殿法というのは、最初の段階で曝気をかける方法なのです。30分に約3秒、1時間に約15秒、これはまだ研究段階なのです。この30分で3秒、1時間で15秒撹拌してあげると、ここの嫌気性汚泥の沈降が良くなるそうです。沈降性が良くなるのと同時にこの中での汚泥転換率が、嫌気ろ床で汚泥転換率が39%となります。これだけ嫌気ろ床でも汚泥が出てくるということになります。この嫌気性接触沈殿法は汚泥転換率26%しかない。
 こういうことが今既存の浄化槽メーカーで研究されて、まだ表には正式に製品としては出ていないのですが、研究されている方法です。これからは浄化槽に入るその前段で撹拌をしてやる、というのが主流になってくるのかもしれません。
 先ほどの益子クリーンの放流水は、水資源として、水循環の役割を担っていけるだけの水のレベルです。



EMフェスタ2003 専門分科会
■ 浄化槽の水処理・汚泥の資源としての活用
菅原 秀樹(すがわら ひでき) 霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)

プロフィール:
霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)
昭和40年4月東京都生まれ。昭和63年慶應義塾大学法学部
法律学科卒業後、サンディエゴ・ゴルフアカデミーへ留学。
平成元年より現会社に入社し、現在に至る。


菅原:
 茨城県の霞ヶ浦のほとりの霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部から参りました菅原でございます。
 私どものゴルフ場は、霞ヶ浦に本当に近いところにございまして、27ホールの林間コースになっております。


 私どものゴルフ場は、比嘉先生の影響もありまして、地球環境に優しい自己完結型のゴルフ場を目指しております。私自身も、ゴルフをこよなく愛しているゴルファーのひとりでありまして、ゴルフ事業というものを天職と思いやっています。そんな矢先の平成8年当時、北海道の方でゴルフ場の農薬が、下流の魚の養殖場に流れ込んで大量に魚が死んでしまったという事故があり、ゴルフ場の農薬はけしからんということで、全国的にゴルフ場バッシングが起こりました。その時に、ゴルフ場が悪者扱いされている現状に堪りかねて、色々と解決策は無いかと、書店を歩き回っておりましたところ、たまたま比嘉先生の「地球を救う大変革」の本が目に入りました。それを一読したところ、まさに「これは何か解決のヒントがあるな」と直感し、EMをもっと知りたくて、すぐに関東EM普及協会さんに連絡を入れまして、EMの基礎的な講習を受けさせていただいて、まずEMとは何かということを知りました。
 そのあと、私自身もEMについて自分の家でも、生ゴミ等々いろいろな形で実験しながら、自分達の所で何か出来ないかということで、今回活動に入ったわけです。


 今日のテーマであります水処理の中で、我々は浄化槽を抱えておりまして、これは日量50トンの浄化槽で、様々な汚水をこの浄化槽で処理しております。このスライドは浄化槽の上に、自家製のEM培養タンクが写っています。


 木枠の中に1トンの農業用のタンクを入れまして、保温の為に内側にボードを貼っております。我々が使っているEM原液は(有)サン興産業さんの畜産用なのですが、MSK-101、102、103、つまりEM1号、2号、3号です。EM1号を5リットル、EM2号を5リットル、EM3号を10リットル入れまして、あと糖蜜を一斗缶、それと残りは水で合計1トンにしまして、EM活性液を作っております。EM活性液を作って大体一週間くらいでできますので、週に200リットルづつ約月4回、浄化槽の中に入れます。それで、そのあと残った200リットルを種菌にしまして、またEM活性液を作るという、その繰り返しをずっとしております。


 写真の処理水が、最終沈殿槽で採った水なのですが、水道水と比べて、ほとんど変わりはない状態です。


 私どもの地域は霞ヶ浦が非常に近い所にありまして、水質基準が大変厳しくなっております。まずBODなのですが、これは10mg/l以下に規定されております。それから窒素が15mg/l以下、リンが2mg/l以下になります。ちなみにこのリンの値は、水戸の市内になると4mg/lなのです。ですから半分の基準で放流しなくてはいけないということになっております。私どもは浄化槽のEM処理を始めたのが、平成9年の5月からです。最初は、既存のEMを使わないで浄化処理をする場合は、リンをとるために脱リン剤を入れて、それから大腸菌を殺すために最終的には塩素滅菌をして放流するというのが一般的なのです。我々としては、これを芝生への散水に使いたいということを目的にしていたものですから、脱リン剤も塩素滅菌もせずに処理水を使おうということで、実験を始めました。
 平成9年の5月から始めたのですが、EMをEM1号5リットル、EM2号5リットル、EM3号10リットルというブレンドに行き着くまでには、紆余曲折がありました。最初はEM1号だけで作った時は、リンの値以外は全て、基準値をクリアしました。ところがどうしても、リンの基準値だけはクリアができませんでした。年に1回必ず行政が検査に来るのですが、たまたま検査に来たときにリンの値が落ちていない状態で検査を受けてしまい、行政指導を受けまして「とにかくリンの値を下げなさい」と、その時に私も「いや、実は地球環境のためにEMを使って、処理水を放流しているので、そのような取り組みをしております」と、申しあげたところ、行政の方では「残念ながらEMではリンは落ちません」と、いわれまして。とにかくEMでもなんでも良いから、リンの値を下げなさいと、そのように言われまして、3ヶ月だけ猶予を与えると言われて取り組んだのですが、やはり残念ながら平成10年の1月の時点でも、リンの値以外は下がったのですが、リンの値だけは2mg/lをクリア出来ずにいました。行政処分で営業停止になっては困るものですから、とりあえず脱リン剤を併用しまして実験を続けました。4月になりまして3ヶ月間、脱リン剤を入れながら処理を続けた結果、見事にリンの値は2 mg/lをクリアしました。その時点でもう一度行政を呼びまして結果を報告して、合格ということになりましたので、1年に1度の検査なものですから、また脱リン剤を抜きまして処理を続けました。ところがその後理由は解らないのですが、今日に至るまでリンの値がオーバーすることはありませんでした。
 これは最近の、平成14年の1月から今年の9月までの値なのですけれども、この中には一切薬剤というものは入っておりません。すべてEM活性液だけの処理になっています。一番注目されるリンなのですけれども、3ヶ月間だけ2.1 mg/lとかそれくらいのレベルに行ったのですけれども、また下がって、BODも10 mg/lの水準で動いています。


 汚泥の活用事例の方を紹介したいのですが、先程、河原さんの方で出たのは汚泥を発生させないというのが目的なのですけれども、我々は別に汚泥が出ても構いませんので、逆にそれを使って何をするかということを考えました。
 今までは業者を使って、産業廃棄物としてこれを引き抜いて捨てていたのですが、EMを使って1年2年と経ってくるうちに汚泥がまず臭わなくなりました。浄化槽の上に立っても、全く臭いがしません。汚泥を引き抜きまして、「じゃあ、これを資源化しよう」と、いうことで、我々ゴルフ場ですから、当然芝の刈りカスが出ます。これは最近ダイオキシンの問題がありまして、燃やせません。ですから、野積みにしまして、堆肥化するという選択肢しか今は無いのですが、その堆肥化するに当たってそれに汚泥を使ったらどうなのか?ということで、実験をしたところ大変素晴らしい結果が出ました。
 これは芝カスを土手にしましてその中に引き抜いた汚泥を流し込んでいます。この時は大体一回あたり20トンくらいの汚泥の引き抜きなのですけれども、最近は汚泥ももう出なくなってきました。どんどん減っています。


 先程の土手の中に入れた汚泥をかき混ぜますと、このような形で芝カスに汚泥が絡んで非常に良質な堆肥になります。奥に見えているのが牛舎なのですけどもそっちの方が臭いのです。我々の方は逆にいい匂いですね、発酵している匂いですから香ばしい匂いがします。こういう形で切り返しながら、1、2ヶ月間と置いておきますと非常に良い堆肥になります。汚泥の効果は何かというと、発酵促進剤になっています。非常に発酵が早まる効果があります。


 これは自社農園でして、遊休地でゴルフ場にならないところを農園にしております。これは梨なのですけれども、それこそ農家の人がうらやましがるほどの、大量の堆肥を入れてですね、梨を栽培しております。大変甘い、糖度の高い梨になっております。


 これは確か2年目くらいの物なのですけれども、非常に今EMの汚泥を使った、芝草堆肥の入っているものですから、非常に土が軟らかくて良い状態です。


 これはトマトなのですけれども、温室でトマトもやっておりまして、先程の汚泥を入ています。レストランで生ゴミが出ます。そして生ゴミを当然EMボカシで処理しまして、それを寝かせて堆肥にしまして、それも入れています。全てゴルフ場で出るゴミは、生ゴミ、芝草、汚泥、すべて資源化をしています。あとは缶とか、そういったものはリサイクルに回すという形で、現在ゴミゼロに向かって進んでいるという状況になっております。


 スライドでお見せ出来ないのですけれども、この中に事業者の方がいらっしゃれば、おそらくEMを使ってどういう経済的効果があるのだということが、大変興味深いと思いますので、少し時間がありますのでその辺の話しをさせていただきたいと思います。
 まず、従来の事業用のこういう浄化槽の場合はですね、大変管理費がかかるのです。私どもの場合は、年間でこれまで浄化槽の管理費で380万円くらいかかっておりました。その他に、資材として脱リン剤というのが、入れると年間大体70万円くらいかかります。先程お見せしたように汚泥の引き抜き、これが産業廃棄物ですから、これを大体年間2回くらいやらなければならなかったのです。1回あたり25万円くらいかかりますので、だいたい年間50万円くらい掛かっていたのです。大変なコスト、維持費がかかるものなのですけれども、それが今回EMを使うことによって、まず資材面で言いますと、EMの1号、2号、3号を年間買い求めまして、大体28万円くらいです。ですから、資材関係だけでも40万円くらいの差が出てきております。脱リン剤を使わず、EMだけで処理をしますと、まず資材面でのメリットが出てきます。それから汚泥の引き抜き、これが業者を使わずに出来ますし、これまた資源化できるということでこれはもう当然ゼロです。ですから50万円くらいの効果が出ている。あと一番大きいのは浄化槽の管理費なのですけれども、これは業者が最初にEMの管理をするという時に管理業者がやってくれないと、これはできないプロジェクトなのです。浄化槽の管理業者を巻きこんで、このEMの処理を始めたわけなのですけれども、彼等もそういう意味ではリスクを背負いながら始めたのですが、結果が結局平成10年以降も安定しておりまして、今日まで安定した状態で来ております。行政指導を受けたわけでもありませんし、業者としてもリスクが無くなったということで、彼等も安心したのか、管理費を下げてきました。先程380万円かかったというのが200万円に、年間200万円になりましたので、年間で180万円の削減になったということになりまして、今の計算でざっと300万円近くの削減効果が生まれているのです。
 環境に対して取り組みをすると、コストアップになるという意識があるのじゃないかと思うのですけれども、我々に関して言えば、環境会計からしても、これは間違いなくコストダウンにつながっております。最近はですね浄化槽管理業者も色々とEMで処理が出来ると言うことを、結構方々で、そのような話しが出てきているようです。このEMの技術で本当に浄化が出来るのだよということを、科学的にきちっと証明できれば飛躍的に浄化の世界には広がっていく事だなと、私自身は実感しております。
 将来的には、コース改造があった折りにはコースの中の貯水槽に引き込んで、それを散水したいという風に考えております。ちなみにゴルフ場関係者のかたがいらっしゃいましたらば、芝生に対する効果も大変良いということを、実は2年ほど前くらいにゴルフ場分科会がこの会場であったのですけれども、その時に私が座長を務めさせていただいて発表いたしましたけれども、相変わらずその件については芝の生長にも良いと、病気になりづらいという結果になっておりますので、ますますこれが上がっていくと良いと思います。


片寄:
 EMを水処理に使うことによって、そこから波及する又は出現する出来事が農業利用までできる。資源循環の自己完結型とでも言いますか、いろいろな水処理施設が、こういう風にありたいというような活用になっているのではないかと思います。



EMフェスタ2003 専門分科会
■ EM技術による砂糖工場における製糖およびアルコールの廃液の無害化と資源化
梁 近光(リャン ジイン・グァン) 中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)

プロフィール:
中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)
1951年11月中国広西靖西県生まれ。中国山東大学日本語科を卒業後、日本関東学院大学生物化学科の研究生となる。国立広西生物化学研究所を経て、1997年に広西必佳微生物有限責任公司を創立、現在に至る。



梁:
 私は中国の一番南の方にある寧市から来ました、梁近光です。
 EMに出合ってから10年近くになるのですが、EM技術で高濃度の有機廃液を処理し、中国の放流基準に合致するよう努力してきました。今回は、放流基準に合わせてではなく、灌漑用水の基準に合わせるように取り組んできました。
それでは、これからこの事例について紹介させていただきます。発表テーマとしましては「EM技術による精糖工場における精糖とアルコールの混合廃液の無害化と資源化」です。


 問題は、製糖工場による有機廃液はほとんど未処理で、川やサトウキビ畑に排出されているのですけれども、その結果としまして河川の汚染がますますひどくなり、サトウキビの収穫量と品質も悪影響が出てきました。


 処理をしている工場は製糖工場なのですが、サトウキビから砂糖を作る工場です。この工場は年間、昨年の値ですが130万トンのサトウキビを使用し、約20万トンの砂糖を精製しています。


 この工場の周りには、サトウキビ畑がたくさん広がっています。


 製糖工場の廃液は、毎日約11,000トン排出されています。去年の数字で最高約15,000トンの廃液を放流しています。その廃液の水質としましては、pHは約6.5です。中国ではBOD基準ではなくCODを測っているのですが、そのCODは約約9,000〜10,000ppmです。


 これは、無害化処理のプロセスなのですが、廃液の構造、構成としましては、ボイラーからの廃洗浄水、フィルターの洗浄水、アルコール廃液なのです。それで、これは第1号の池なのですけれども、装置ではなく池なのですが、容量は約3万トンの容量があります。こちらは第2号の池ですが、こちらは約9万トンの容量を持っています。この小さいのは水路なのですが、ここからダムまでの距離が約10kmあります。そのダムには約30万トンの容量があります。この様に、ここまでであればCODを約2,000ppmに抑えられますし、そのまま畑に潅漑することもあります。そして、ここへ1、2ヶ月貯留し、処理を行ってCODを300ppmまで下げてからサトウキビ畑へ流します。


 最初に出る廃液の様子なのですが、毎日約11,000〜13,000トンの廃液が出ます。


 これは、反応池なのですが、普通は嫌気状態にあり、深さは約9mあります。だから、上の方は好気状態だけど、下の方は嫌気状態となっております。


 これも第2号です。


 これは3ヶ月後になってからの状態です。


 このダムのCODが300ppmになっているので、魚の養殖もできます。


 無害化処理施設になるのですが、これは1号の反応液になります。CODは約6,000〜15,000ppmです。これを136時間かけて約1,500ppmにします。それをまた107時間かけて約400〜900ppmに、これが約40日で約300ppmにします。なぜ約300ppmにするのかと言いますと、これが中国の潅漑用水の基準になります。この数値以下にしなければならないという決まりです。そして、通常の放流基準になりますとCODは100ppmになります。ですから、本当はこの辺りの値で畑に流すのが一番良いと思っております。


 廃液を、潅漑用水としてながした畑です。


 この廃液を潅漑用水として利用することにあたって、土壌やサトウキビに対する影響を私たちはチュウサン大学、中国の大学の先生と共にテーマを作り、研究をおこなってきました。これが、その結果になります。生産時期は通常今年の10月から来年の5月までがサトウキビ工場の生産時期にあたるのですが、春にも潅漑をおこないまして、処理された廃液を3月頃に、サトウキビに水や肥料が一番必要な時期なのですが、そこへ利用したところ良い結果が得られました。


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 有機廃液をかけた方は、収穫量も高くなりました。


 結論としましては、今回の結果より精糖工場の廃液処理水を、サトウキビの潅漑用水にすることは安全であると判断できます。今、毎日工場から発生している廃液は全部サトウキビ畑の潅漑用水に利用されています。このプロジェクトは97年から今まで6年間行ってきております。



片寄:
 おこなっていることのスケールが非常に大きい。日本においてもやはり澱粉工場があるわけで、そういう意味では検討のしかたもあると思うのです。ただ、基本的にはこのままでは日本という国の規格に適合するというわけでは無いのですけれども、農業利用を前提にして処理水を得ようということは、それほど浄化のレベルを上げる必要は無いということになるのです。そのようなことを、内容として把握できるかと思います。そして残存する有機質は、安全な液状の有機質として利用ができるという話しになると思います。EMは、いまや世界130〜140カ国近くの国々で使われるようになっているわけですから、スケールの大きな国ですとか発展途上国などにとっては、非常に有益な事例であると思います。



片寄:
 それでは3件の事例が全て終わりましたので、これから質疑応答を始めます。

質問(1):

 河原さんにお聞きしますけれども、この浄化槽の値段は大体幾らぐらいするのでしょうか?

河原:
 この現在一番新しい大きなタイプですね?これは30万円です。設置費用は別途になります。

質問(1):
設置費用は条件によってまた変わってくるのですね?


河原:
 そうなります。

質問(2):
私も浄化槽からでる放流水は勿体ないなと思いまして、できれば畑の中に撒きたいなと思っているのですが、その水というのは直接畑に入れるときに葉面散布なんかはできないかとは思うのですが、これはできますでしょうか?

菅原:
 処理水は基本的に霞ヶ浦に流れていくのですが、我々の場合はゴルフ場の中の池を通って場外へ流しています。今のところ、水を直接引き抜いて散布するということは施設上できない状態にありますので、汚泥だけの利用になっております。ただ、これとは別なのですが排水でなく、EM活性液の薄めた液をスプリンクラーを使用して、コースの全面に撒いております。その効果というのは根の発育が良いとか病気になりづらいなどといったところに結びついております。まだ、排水の利用という点についてはまだ出来ない状態にあるので、データを持ち合わせておりません。


片寄:
 土、根っこに入れる場合と、葉面散布の場合は多少条件が変わってくるかもしれないです。先程の菅原さんのところの浄化のレベル、それから河原さんのところの浄化のレベルがありました、BODが約5ppm以下の5、4、3ppm位の状態になっていれば、葉面散布も問題は無いかと思われます。ただ、BODが20ppmとか30ppmなどになってきますと、葉っぱに直接かかることによってですね、その有機物が他のものと化合していく可能性がありますので、浄化のレベルに関係してくると思います。土の方が中にいる微生物の数も、より多いので直接色々な弊害が出てこない。いわゆるバッファ作用を土は持っていますので、土の方はより安全性が高いと言えます。
 この辺は、最後にまとめのところでお話ししようと思っている内容とも兼ね合いがあったのですが、葉面散布までは触れる予定ではなかったのですが、水の持つ性質にからめてお話しをしようと思っていました。

質問(3):
 韓国から来ました金と申します。河原さんにお聞きしたいのですが。何度も何度も試行錯誤をして開発されたとのことですが、その開発談のようなことや、BODなどいい数字が出なかったときの対策談なんかをお聞かせ頂けたらと思います。もう一つですね窒素のレベルについてですね、良く下がったのかお伺いしたいのですが?

河原:
 現在の装置が7回目ということで、それぞれに改善を行ってきたわけですが、ご質問はあくまでも最終的な処理水の状態のことですよね?だいたい匂いから始まりまして、水の色、汚泥の具合、SSも含めましてそのようなことで判断出来ます。また開発しているうちにあれも試してみたい、これも試してみたいと、色々でてくるわけです。私は、どちらかといえば完璧主義ですので徹底的に行いたいのです。ですから、結果的にBODや窒素、リンも下げることができたということです。じつは、最初から計算尽くでおこなった訳じゃ無いのです。
質問(3):
私が理解出来ていないのは水の流れなのですけれど、水を真ん中のところで曝気ゾーンへ入れて、次の嫌気ゾーンに行きますよね、これは下からいくのですか?それとも上からいくのでしょうか?

河原:
 下です。
質問(3):
もうひとつ、この工程の時の作業時間によって、結果が変わってくるのでしょうか?また曝気する部分は底の方でしょうか?

河原:
 底の部分で曝気しています。A層は強めにしまして、B層は弱めにしていますどちらも連続です。これはいい質問なのですが、一番下に穴が空いていまして、こちらの部分に汚泥が溜まるという話しをしましたよね。ここに溜まっている汚泥が、こちら側から水が入ってきますと圧力でもって押し出されますから、ここで渦を巻くようになります。渦を巻いて水が止まりますと沈静化します。そしてまた水が入ってきますとこちらから出ていきます。その時にこの汚泥が、行ったり来たりしている状態になります。溜まった状態が、さらにここで曝気しますので流れとしては上に流れるようになります。ですからここの汚泥が中に引き込まれる、つまり中に汚泥が溜まらないというのはコレなのだと考えています。ここで汚泥が行ったり来たりしている。そして降りた汚泥が巻かれてそれが微生物で分解されてまた出てきて、沈静化されたものが落ちる。このような繰り返しが、常にEMに浄化されているのではないかと、私は思います。

片寄:
 先程リンの質問もあったのですが、EMを長く使用していきますと浄化槽の中のポリリン酸蓄積菌というものが、リンを自分の細胞の中に取り込んで行くのですが、取り込んでその嫌気の世界になりますと本来ポリリン酸蓄積菌、自分が環境で生きようとするには自分が細胞の中に取り込んだリンを放出して、自分が生きていく為の栄養分を変わりに入れていくのです。ですから、長く置いておくとかならずリンは水中に溶出していくのです。結果として処理水に出てくる。ところがEMを長く使って行きますとこのポリリン酸蓄積菌が、嫌気状態になりまして、リンを放出しにくい状態になってくる。ちなみにこの様な調査はしたことがあまりないので、ほとんど資料が無いのですが、私が以前調べたことがあるのですが、通常の下水の活性汚泥、あれを1時間定置しておきますと、1時間で10%のリンを放出するのです。ところがEMをぐるぐるぐるぐる回していった、汚泥に匂いもない浄化槽の汚泥というのは、実は48時間放置しておいて7.3%しか放出をしないのですよ。何故48時間という話しになるかというと、たまたま私は48時間しか追跡してなかったのです。その実験の後で通常の汚泥が放出する量というのは1時間で10%であると知ったのです。
 そういったことで、EMを使っていきますとリンもなかなか放出しにくい。それともう一つ光合成細菌の密度も高くなってくるでしょうから、光合成細菌自体は嫌気環境というのは自分の生息環境ですから、光合成細菌もポリリン酸蓄積菌としてリンを取り込んで、嫌気環境というのは決して悪いところじゃ無いのです。リンを取り込んで、離さない、だから交互作用菌の密度が高くなれば嫌気環境でもリンを放出しないと言えると思うのです。

質問(4):
 沖縄のトモリと申します。河原さんにお伺いしたいのですが、浄化槽の前処理といいますと、もちろん汚水もそうですけれども、家庭の生活排水も入ってくると思うのですが、そうなると相当な量の水が入ると思うのです。その1日での処理能力というのは、どれくらいになるのでしょうか?それともう1点、そちらでテストされていますEM活性液と米のとぎ汁EM発酵液の利用料は、1日どれくらいになるのでしょうか?その辺をお伺いしたいと思います。

河原:
 水の量なのですが、合併処理浄化槽の場合は多いですね。先程のデータにありましたように合併処理浄化槽でも単独処理浄化槽でもほとんど変わらないということになっています。合併処理浄化槽の場合はEMの量が、大体コップ2杯(400〜500c)くらいを入れてもらっています。単独処理浄化槽の場合は200ccから、浄化槽の大きさによっても変わってきますが300ccぐらいです。大体、コップ1〜2杯いれてくださいと、これくらいが基本です。


片寄:
 最初の河原さんの事例の時に、実は浄化機能不全で藪を枯らす放流水だったと、これを憶えておいてくださいというお話しをしました。
 藪を枯らす放流水というのは、先程河原さんのお話にもあったのですが、あれは実は分離曝気という方法の単独処理浄化槽なのです。単独処理浄化槽の分離曝気というのは、放流→沈殿放流で行くのです。沈殿分離槽でのBODの除去率が30%を見ているのです。ですから汚水が入ってきて、ここで30%除去されて、次の曝気槽に入っていくという方法になるのです。分離曝気の単独処理浄化槽はBODで260ppm、これで入ってくるようになっているのです。そこから30%をカットされますから、曝気槽に入っていくときは180ppmになるのです。この場合の曝気槽というのは、BODの除去率が50%は見ることができるのです。そうすると放流時で90ppm。これが普通の機能を持った浄化槽なのです。ところが、藪を枯らすということになりますと、このBOD260ppmで入ってきまして、多少は沈殿分離と、多少は曝気されたかもしれない。せいぜい推測すると流入から放流までの間で、総BOD除去が20〜30%くらいしかカット出来ていないのであろう。通常ですと入り口から最後のところまでの間で、BODの除去率が65%になるのです。入りが260ppmに対して60%カットの機能があればこれは90になるのです。ですが、藪を枯らすということになりますと、流入から放流まででせいぜい20〜30%しかカット出来ていないであろう。そのような事になりますと、想定なのですが180〜200ppmというBODで出ていった結果、藪を枯らす結果になったと思われます。これで藪を枯らす放流水の水質が推測できたわけです。これは当然EMを使用する前なのでEM無しなのです。藪を枯らすBODが180〜200ppmなのです。
 それで実は、3番目の事例、梁さんがご紹介になった事例なのですが。農業に使う潅漑用水。CODで規定され、300ppmとなっていました。COD 300ppmというのはBOD換算しますと200ppmくらいなのです。梁さんは、EM処理を施してありますので、EM有りなのですよ。私たちはいつもBODの値で見ていくのですが、BOD値が低いから水が綺麗なのだと、BOD値が高いからこの水は汚れているという、そういう判断しか出来ないのです。EM無しで藪を枯らす放流水がBOD値200ppm、EM有りで作物を増収する放流水がBOD 200ppmです。藪を枯らす水の方は、実は腐敗を促進する有機質なのです。こちらの梁さんの事例は、腐敗を抑制して安全な有機質なのです。質が違うということなのです。この違いをご理解して欲しいと思うわけです。
 あと、日本においても、下水道に隣接している農業用地で、その農業用地に水がない、非常に不足しています。それから有機質が不足して、土がカチカチになってしまって作物がなかなか獲れない、というような農地が結構あるのです。そのようなところの行政はですね、何を考えるのかというと、現在の下水道放流水を更に浄化のレベルを上げて、お金を賭けてより高度な処理をかけて浄化のレベルを上げないと水が使えないと考えるのです。ですが、農業利用を前提で考えたら、そこまで浄化のレベルを上げる必要は無いということです。ですから先程の作物を増収させる能力、EMの作りだした生理活性物質、抗酸化物質、色々な微生物が作りだした代謝産物が入っているわけです。ですから作物を増収させることができる。
 今、地球温暖化による異常気象、それによって水資源が不足して、有機質が不足してなかなか作物が獲れないという、そういう農地がたくさんあります。そういう現状、危機に直面している行政、国がたくさんあります。EMを水処理に投入することによって、臭気の無い汚泥というのは非常に良い肥料になるわけです。それから浄化された水は水循環を担っていくわけで、そして残存する有機物は、液状となって農地を潤してゆく。私たち水処理をする人間は、いつも水処理の枠内だけでその効果の出現を考えていくのですが、そういう意味ではこのEMの及ぼす効果、これを広い視野で考えて、決して水処理の枠内だけでなく、その水処理にEMを投入する意味の理解を、是非深めて頂けたらと思います。

今日は本当にどうもありがとうございました。

(拍手)


 [コーディネーター

  片寄 滋(かたよせ しげる) EM研究機構 

 プロフィール:
  昭和26年秋田県北秋田郡比内町生まれ、青森市出身
  昭和48年大東文化大学経済学部経済学科卒業
  昭和52年麻布公衆衛生短期大学環境衛生学科卒業
  (株)ヤマハ、(株)ヤマハリゾートを経て平成12年(株)EM研究機構に入社し、現在に至る
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