EMフェスタ2003 > 専門分科会

EMフェスタ2003
専門分科会
EM効果の多様性に於ける水処理資源の活用

コーディネーター
 片寄 滋(かたよせ しげる) EM研究機構 
パネリスト
 河原 弘道(かわはら ひろみち) (有)レックEM益子(代表取締役)
 菅原 秀樹(すがわら ひでき) 霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)
 梁 近光(リャン ジイン・グァン) 中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)

2003.11.15

 水処理分科会は、日本国内外からやってきたパネリスト3人によって成果が報告された。それぞれのパネリストから、「EMを用いた汚水浄化装置の取り組み」、「浄化槽の水処理・汚泥の資源としての活用」、「中国広西における製糖工場廃水の無害化と資源化」について紹介された。水処理と農業を有機的に結びつけ、EM効果の多様性を提案していく分科会となった。

「浄化槽処理水の品質向上とその可能性」

 初めに河原弘道さんが報告。その中で、汚水浄化装置<マシコクリーン>考案のきっかけは、EM生ゴミ発酵液肥や米のとぎ汁EM発酵液を流すようになってからはカスの発生量が大変少なくなり水質も改善したため、気をよくして浄化槽にとても良いとPRしたところ、あまり改善されないと苦情を受けたことによる。浄化槽の型式で結果が違うことが原因と判り、結果を出すためには装置を考案する必要が生じた。そこで、イメージ図を描き、蓋付きのプラスチック生ゴミ容器を2つ合わせた試作品でテストし、竹藪が枯れるほど最悪の浄化槽に設置した結果、2週間程経過後ひどかったスカムも少しずつ減り、槽内が大幅に改善した。そして、3年間改良を重ねた結果、材質変更や浄化槽前段階への設置に至る。
 EMの活性環境域を促した汚泥分解装置<マシコクリーン>を開発し、分解メカニズム発現に成功した。その結果、従来のものより浄化槽処理能力が飛躍的に向上し、汚泥、スカム発生防止を実現できたことで悪臭ならびに不快感がなくなり、汚泥とスカム発生が無く清掃費がほとんど掛からなくなった。また、排水放流先のない場所での浸透式には抜群の効果があり、飲食店など油成分の多い汚水についても分解が可能である。その結果、中水利用による多用可が実現できると締めくくった。

「浄化槽の水処理・汚泥の資源としての活用」

 次に菅原秀道さんが報告。ゴルフ場が農薬問題で世間より批判を浴びていた平成8年ごろ、解決策を検討するため資料を探しに書店を廻っていた時にたまたま目にして手に取った比嘉先生の「地球を救う大変革」を読んだところ、正に今自分達が取り組まなければならないことのヒントが沢山詰まっていた。その後「関東EM普及協会」に連絡し、当時のグリーンキーパーを連れてEMの講習会を受けた。この様な中、ゴルフ場の芝生の管理に絶対に欠かせない「水」を、薬剤を使わない浄化槽の処理水を用いてコースに散水することができれば、地球環境にやさしい自己完結型のゴルフ場が実現でき、またコストの削減にも繋がると考えた。そこで、平成9年5月より、浄化槽においてEM活性液を投入し凝集剤(脱燐材)を使わないで浄化する実験を始めた。
 平成10年4月より脱燐材を使わずに燐の数値は基準(2mg/l以下)をクリアし始め、その後もほとんどオーバーせずに現在に至っている。(霞ヶ浦が近いため燐の放流水質基準値は水戸市内に比べて2mg/l低い)
 汚泥は自社で引き抜き、刈り取った芝生に掛け発酵促進剤の役割を果たし、芝生の堆肥化に役立っている。できた堆肥は自社の農園へ投入され農産物の生産に役立っている。汚泥について、現在は1回15t年2回引き抜いているが、年々汚泥の量が減ってきている。結果的に直接費だけでもEMを使ったことにより年間で300万円近くの削減効果が出ているとコメントした。

「EM技術による砂糖工場における製糖およびアルコールの廃液の無害化と資源化」

 続いて梁近光さんが報告。広西は中国における砂糖の主な産地である。この地域の砂糖製造工場の大部分は1980年から90年代初めの高度経済成長期に創立されたが、工場の有機廃液(アルコール混合廃液)はほとんど未処理で直接河川や砂糖きび畑の水路に排出されていた。その結果、河川の汚染はますますひどくなった。一方、広西地方は春の干害発生頻度が高い地域であるが、有機廃液が未処理であった時代、砂糖きび作りの農家はひどい干害の時でも畑の水路を洪水災害のように流れる廃液を利用することはなかった。
 この様な中、柳興砂糖工場では有機廃液の無害化処理をラグーン処理(生物化学反応池・生体膜処理区・大型ラグーン等で構成)で行っていた。しかし、既存のラグーンでは臭気の問題があり、また、その廃液を砂糖きび畑に流すと、砂糖きびの苗が枯れるばかりでなく、土壌と地下水が汚染されて現地生態系が悪循環の方向に傾く。そこで、1997年からEMを導入し、臭気抑制と廃液を無害化して資源化し、砂糖きび畑の灌漑用水利用を図った。また、現地生態系を悪循環の方向から良い循環の方向に導いた。
 廃液からの臭気が抑えられ、工場構内全体および近くの町の空気がきれいになり、廃液のCODが9,000〜12,000mg/lから低減され、中国灌漑用水の標準300mg/lを達成できた。また、現在では年間排出廃液230万m3/年を全量灌漑用水として資源化でき、EMで資源化された廃液を砂糖きび畑に灌漑した結果、土壌改良ができるだけでなく、科学肥料の使用量を3分の1に削減でき、砂糖きびの収穫量も増加し、糖分などの品質も改善できたと、梁さんはデータを紹介した。

「EMの限りない可能性」

 今、異常気象による水資源の枯渇や有機質不足による疲弊した農地等、その危機に直面している行政や国の数は決して少なくない。水処理施設へのEM利用効果は多岐に渡り多様性に富むものであると共に、その施設から排出される全てのものを資源化できることにある。また、EMによって臭気抑制された搬出汚泥は良き堆肥となり、その処理水は水循環を担い、時に安全な液状有機質として疲弊した農地を潤していくと締めくくり、分科会を終えた。

         
The Theater Event --------Effective Microorganisms