EMフェスタ2003 > 専門分科会


EMフェスタ2003 専門分科会
■ EM技術による砂糖工場における製糖およびアルコールの廃液の無害化と資源化
梁 近光(リャン ジイン・グァン) 中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)

プロフィール:
中国広西必佳微生物有限責任公司(代表取締役社長)
1951年11月中国広西靖西県生まれ。中国山東大学日本語科を卒業後、日本関東学院大学生物化学科の研究生となる。国立広西生物化学研究所を経て、1997年に広西必佳微生物有限責任公司を創立、現在に至る。



梁:
 私は中国の一番南の方にある寧市から来ました、梁近光です。
 EMに出合ってから10年近くになるのですが、EM技術で高濃度の有機廃液を処理し、中国の放流基準に合致するよう努力してきました。今回は、放流基準に合わせてではなく、灌漑用水の基準に合わせるように取り組んできました。
それでは、これからこの事例について紹介させていただきます。発表テーマとしましては「EM技術による精糖工場における精糖とアルコールの混合廃液の無害化と資源化」です。


 問題は、製糖工場による有機廃液はほとんど未処理で、川やサトウキビ畑に排出されているのですけれども、その結果としまして河川の汚染がますますひどくなり、サトウキビの収穫量と品質も悪影響が出てきました。


 処理をしている工場は製糖工場なのですが、サトウキビから砂糖を作る工場です。この工場は年間、昨年の値ですが130万トンのサトウキビを使用し、約20万トンの砂糖を精製しています。


 この工場の周りには、サトウキビ畑がたくさん広がっています。


 製糖工場の廃液は、毎日約11,000トン排出されています。去年の数字で最高約15,000トンの廃液を放流しています。その廃液の水質としましては、pHは約6.5です。中国ではBOD基準ではなくCODを測っているのですが、そのCODは約約9,000〜10,000ppmです。


 これは、無害化処理のプロセスなのですが、廃液の構造、構成としましては、ボイラーからの廃洗浄水、フィルターの洗浄水、アルコール廃液なのです。それで、これは第1号の池なのですけれども、装置ではなく池なのですが、容量は約3万トンの容量があります。こちらは第2号の池ですが、こちらは約9万トンの容量を持っています。この小さいのは水路なのですが、ここからダムまでの距離が約10kmあります。そのダムには約30万トンの容量があります。この様に、ここまでであればCODを約2,000ppmに抑えられますし、そのまま畑に潅漑することもあります。そして、ここへ1、2ヶ月貯留し、処理を行ってCODを300ppmまで下げてからサトウキビ畑へ流します。


 最初に出る廃液の様子なのですが、毎日約11,000〜13,000トンの廃液が出ます。


 これは、反応池なのですが、普通は嫌気状態にあり、深さは約9mあります。だから、上の方は好気状態だけど、下の方は嫌気状態となっております。


 これも第2号です。


 これは3ヶ月後になってからの状態です。


 このダムのCODが300ppmになっているので、魚の養殖もできます。


 無害化処理施設になるのですが、これは1号の反応液になります。CODは約6,000〜15,000ppmです。これを136時間かけて約1,500ppmにします。それをまた107時間かけて約400〜900ppmに、これが約40日で約300ppmにします。なぜ約300ppmにするのかと言いますと、これが中国の潅漑用水の基準になります。この数値以下にしなければならないという決まりです。そして、通常の放流基準になりますとCODは100ppmになります。ですから、本当はこの辺りの値で畑に流すのが一番良いと思っております。


 廃液を、潅漑用水としてながした畑です。


 この廃液を潅漑用水として利用することにあたって、土壌やサトウキビに対する影響を私たちはチュウサン大学、中国の大学の先生と共にテーマを作り、研究をおこなってきました。これが、その結果になります。生産時期は通常今年の10月から来年の5月までがサトウキビ工場の生産時期にあたるのですが、春にも潅漑をおこないまして、処理された廃液を3月頃に、サトウキビに水や肥料が一番必要な時期なのですが、そこへ利用したところ良い結果が得られました。


onv/s_D3_16.JPG
D3_16.JPG
onv/s_D3_17.JPG
D3_17.JPG
onv/s_D3_18.JPG
D3_18.JPG

 有機廃液をかけた方は、収穫量も高くなりました。


 結論としましては、今回の結果より精糖工場の廃液処理水を、サトウキビの潅漑用水にすることは安全であると判断できます。今、毎日工場から発生している廃液は全部サトウキビ畑の潅漑用水に利用されています。このプロジェクトは97年から今まで6年間行ってきております。



片寄:
 おこなっていることのスケールが非常に大きい。日本においてもやはり澱粉工場があるわけで、そういう意味では検討のしかたもあると思うのです。ただ、基本的にはこのままでは日本という国の規格に適合するというわけでは無いのですけれども、農業利用を前提にして処理水を得ようということは、それほど浄化のレベルを上げる必要は無いということになるのです。そのようなことを、内容として把握できるかと思います。そして残存する有機質は、安全な液状の有機質として利用ができるという話しになると思います。EMは、いまや世界130〜140カ国近くの国々で使われるようになっているわけですから、スケールの大きな国ですとか発展途上国などにとっては、非常に有益な事例であると思います。
前に戻る 次に進む