EMフェスタ2003
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EMフェスタ2003 専門分科会
■ 浄化槽の水処理・汚泥の資源としての活用
菅原 秀樹
(すがわら ひでき) 霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)
プロフィール:
霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部((株)ゴルフホリック)(代表取締役社長)
昭和40年4月東京都生まれ。昭和63年慶應義塾大学法学部
法律学科卒業後、サンディエゴ・ゴルフアカデミーへ留学。
平成元年より現会社に入社し、現在に至る。
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菅原:
茨城県の霞ヶ浦のほとりの霞ヶ浦出島ゴルフ倶楽部から参りました菅原でございます。
私どものゴルフ場は、霞ヶ浦に本当に近いところにございまして、27ホールの林間コースになっております。
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私どものゴルフ場は、比嘉先生の影響もありまして、地球環境に優しい自己完結型のゴルフ場を目指しております。私自身も、ゴルフをこよなく愛しているゴルファーのひとりでありまして、ゴルフ事業というものを天職と思いやっています。そんな矢先の平成8年当時、北海道の方でゴルフ場の農薬が、下流の魚の養殖場に流れ込んで大量に魚が死んでしまったという事故があり、ゴルフ場の農薬はけしからんということで、全国的にゴルフ場バッシングが起こりました。その時に、ゴルフ場が悪者扱いされている現状に堪りかねて、色々と解決策は無いかと、書店を歩き回っておりましたところ、たまたま比嘉先生の「地球を救う大変革」の本が目に入りました。それを一読したところ、まさに「これは何か解決のヒントがあるな」と直感し、EMをもっと知りたくて、すぐに関東EM普及協会さんに連絡を入れまして、EMの基礎的な講習を受けさせていただいて、まずEMとは何かということを知りました。
そのあと、私自身もEMについて自分の家でも、生ゴミ等々いろいろな形で実験しながら、自分達の所で何か出来ないかということで、今回活動に入ったわけです。
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今日のテーマであります水処理の中で、我々は浄化槽を抱えておりまして、これは日量50トンの浄化槽で、様々な汚水をこの浄化槽で処理しております。このスライドは浄化槽の上に、自家製のEM培養タンクが写っています。
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木枠の中に1トンの農業用のタンクを入れまして、保温の為に内側にボードを貼っております。我々が使っているEM原液は(有)サン興産業さんの畜産用なのですが、MSK-101、102、103、つまりEM1号、2号、3号です。EM1号を5リットル、EM2号を5リットル、EM3号を10リットル入れまして、あと糖蜜を一斗缶、それと残りは水で合計1トンにしまして、EM活性液を作っております。EM活性液を作って大体一週間くらいでできますので、週に200リットルづつ約月4回、浄化槽の中に入れます。それで、そのあと残った200リットルを種菌にしまして、またEM活性液を作るという、その繰り返しをずっとしております。
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写真の処理水が、最終沈殿槽で採った水なのですが、水道水と比べて、ほとんど変わりはない状態です。
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私どもの地域は霞ヶ浦が非常に近い所にありまして、水質基準が大変厳しくなっております。まずBODなのですが、これは10mg/l以下に規定されております。それから窒素が15mg/l以下、リンが2mg/l以下になります。ちなみにこのリンの値は、水戸の市内になると4mg/lなのです。ですから半分の基準で放流しなくてはいけないということになっております。私どもは浄化槽のEM処理を始めたのが、平成9年の5月からです。最初は、既存のEMを使わないで浄化処理をする場合は、リンをとるために脱リン剤を入れて、それから大腸菌を殺すために最終的には塩素滅菌をして放流するというのが一般的なのです。我々としては、これを芝生への散水に使いたいということを目的にしていたものですから、脱リン剤も塩素滅菌もせずに処理水を使おうということで、実験を始めました。
平成9年の5月から始めたのですが、EMをEM1号5リットル、EM2号5リットル、EM3号10リットルというブレンドに行き着くまでには、紆余曲折がありました。最初はEM1号だけで作った時は、リンの値以外は全て、基準値をクリアしました。ところがどうしても、リンの基準値だけはクリアができませんでした。年に1回必ず行政が検査に来るのですが、たまたま検査に来たときにリンの値が落ちていない状態で検査を受けてしまい、行政指導を受けまして「とにかくリンの値を下げなさい」と、その時に私も「いや、実は地球環境のためにEMを使って、処理水を放流しているので、そのような取り組みをしております」と、申しあげたところ、行政の方では「残念ながらEMではリンは落ちません」と、いわれまして。とにかくEMでもなんでも良いから、リンの値を下げなさいと、そのように言われまして、3ヶ月だけ猶予を与えると言われて取り組んだのですが、やはり残念ながら平成10年の1月の時点でも、リンの値以外は下がったのですが、リンの値だけは2mg/lをクリア出来ずにいました。行政処分で営業停止になっては困るものですから、とりあえず脱リン剤を併用しまして実験を続けました。4月になりまして3ヶ月間、脱リン剤を入れながら処理を続けた結果、見事にリンの値は2 mg/lをクリアしました。その時点でもう一度行政を呼びまして結果を報告して、合格ということになりましたので、1年に1度の検査なものですから、また脱リン剤を抜きまして処理を続けました。ところがその後理由は解らないのですが、今日に至るまでリンの値がオーバーすることはありませんでした。
これは最近の、平成14年の1月から今年の9月までの値なのですけれども、この中には一切薬剤というものは入っておりません。すべてEM活性液だけの処理になっています。一番注目されるリンなのですけれども、3ヶ月間だけ2.1 mg/lとかそれくらいのレベルに行ったのですけれども、また下がって、BODも10 mg/lの水準で動いています。
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汚泥の活用事例の方を紹介したいのですが、先程、河原さんの方で出たのは汚泥を発生させないというのが目的なのですけれども、我々は別に汚泥が出ても構いませんので、逆にそれを使って何をするかということを考えました。
今までは業者を使って、産業廃棄物としてこれを引き抜いて捨てていたのですが、EMを使って1年2年と経ってくるうちに汚泥がまず臭わなくなりました。浄化槽の上に立っても、全く臭いがしません。汚泥を引き抜きまして、「じゃあ、これを資源化しよう」と、いうことで、我々ゴルフ場ですから、当然芝の刈りカスが出ます。これは最近ダイオキシンの問題がありまして、燃やせません。ですから、野積みにしまして、堆肥化するという選択肢しか今は無いのですが、その堆肥化するに当たってそれに汚泥を使ったらどうなのか?ということで、実験をしたところ大変素晴らしい結果が出ました。
これは芝カスを土手にしましてその中に引き抜いた汚泥を流し込んでいます。この時は大体一回あたり20トンくらいの汚泥の引き抜きなのですけれども、最近は汚泥ももう出なくなってきました。どんどん減っています。
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先程の土手の中に入れた汚泥をかき混ぜますと、このような形で芝カスに汚泥が絡んで非常に良質な堆肥になります。奥に見えているのが牛舎なのですけどもそっちの方が臭いのです。我々の方は逆にいい匂いですね、発酵している匂いですから香ばしい匂いがします。こういう形で切り返しながら、1、2ヶ月間と置いておきますと非常に良い堆肥になります。汚泥の効果は何かというと、発酵促進剤になっています。非常に発酵が早まる効果があります。
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これは自社農園でして、遊休地でゴルフ場にならないところを農園にしております。これは梨なのですけれども、それこそ農家の人がうらやましがるほどの、大量の堆肥を入れてですね、梨を栽培しております。大変甘い、糖度の高い梨になっております。
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これは確か2年目くらいの物なのですけれども、非常に今EMの汚泥を使った、芝草堆肥の入っているものですから、非常に土が軟らかくて良い状態です。
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これはトマトなのですけれども、温室でトマトもやっておりまして、先程の汚泥を入ています。レストランで生ゴミが出ます。そして生ゴミを当然EMボカシで処理しまして、それを寝かせて堆肥にしまして、それも入れています。全てゴルフ場で出るゴミは、生ゴミ、芝草、汚泥、すべて資源化をしています。あとは缶とか、そういったものはリサイクルに回すという形で、現在ゴミゼロに向かって進んでいるという状況になっております。
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スライドでお見せ出来ないのですけれども、この中に事業者の方がいらっしゃれば、おそらくEMを使ってどういう経済的効果があるのだということが、大変興味深いと思いますので、少し時間がありますのでその辺の話しをさせていただきたいと思います。
まず、従来の事業用のこういう浄化槽の場合はですね、大変管理費がかかるのです。私どもの場合は、年間でこれまで浄化槽の管理費で380万円くらいかかっておりました。その他に、資材として脱リン剤というのが、入れると年間大体70万円くらいかかります。先程お見せしたように汚泥の引き抜き、これが産業廃棄物ですから、これを大体年間2回くらいやらなければならなかったのです。1回あたり25万円くらいかかりますので、だいたい年間50万円くらい掛かっていたのです。大変なコスト、維持費がかかるものなのですけれども、それが今回EMを使うことによって、まず資材面で言いますと、EMの1号、2号、3号を年間買い求めまして、大体28万円くらいです。ですから、資材関係だけでも40万円くらいの差が出てきております。脱リン剤を使わず、EMだけで処理をしますと、まず資材面でのメリットが出てきます。それから汚泥の引き抜き、これが業者を使わずに出来ますし、これまた資源化できるということでこれはもう当然ゼロです。ですから50万円くらいの効果が出ている。あと一番大きいのは浄化槽の管理費なのですけれども、これは業者が最初にEMの管理をするという時に管理業者がやってくれないと、これはできないプロジェクトなのです。浄化槽の管理業者を巻きこんで、このEMの処理を始めたわけなのですけれども、彼等もそういう意味ではリスクを背負いながら始めたのですが、結果が結局平成10年以降も安定しておりまして、今日まで安定した状態で来ております。行政指導を受けたわけでもありませんし、業者としてもリスクが無くなったということで、彼等も安心したのか、管理費を下げてきました。先程380万円かかったというのが200万円に、年間200万円になりましたので、年間で180万円の削減になったということになりまして、今の計算でざっと300万円近くの削減効果が生まれているのです。
環境に対して取り組みをすると、コストアップになるという意識があるのじゃないかと思うのですけれども、我々に関して言えば、環境会計からしても、これは間違いなくコストダウンにつながっております。最近はですね浄化槽管理業者も色々とEMで処理が出来ると言うことを、結構方々で、そのような話しが出てきているようです。このEMの技術で本当に浄化が出来るのだよということを、科学的にきちっと証明できれば飛躍的に浄化の世界には広がっていく事だなと、私自身は実感しております。
将来的には、コース改造があった折りにはコースの中の貯水槽に引き込んで、それを散水したいという風に考えております。ちなみにゴルフ場関係者のかたがいらっしゃいましたらば、芝生に対する効果も大変良いということを、実は2年ほど前くらいにゴルフ場分科会がこの会場であったのですけれども、その時に私が座長を務めさせていただいて発表いたしましたけれども、相変わらずその件については芝の生長にも良いと、病気になりづらいという結果になっておりますので、ますますこれが上がっていくと良いと思います。
片寄:
EMを水処理に使うことによって、そこから波及する又は出現する出来事が農業利用までできる。資源循環の自己完結型とでも言いますか、いろいろな水処理施設が、こういう風にありたいというような活用になっているのではないかと思います。
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