EMフェスタ2003
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EMフェスタ2003 専門分科会
■ 柳川市におけるEMによる環境浄化事業の取り組みについて
田中 幸弘
(たなか ゆきひろ) 柳川市役所 生活環境課
プロフィール:
昭和29年3月宮崎県生まれ。
県立伝習館高校を卒業後、柳川市役所に勤務。
福祉事務所・農政課・学校教育課を経験し、平成15年4月から生活環境課 課長補佐
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田中:
皆さんこんにちは。
柳川市から来ました、田中と申します。実は今、市長が奥のほうに来ておられまして、大変わたくし緊張している次第でございます。それではただいまから柳川市が行政として取り組んでおります、EMによる環境浄化事業について発表したいと思います。
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まず最初に、柳川市の概要についてです。柳川市は福岡県の南部筑後平野に位置し、面積が37.2平方キロメートル。人口42,000人、13,200世帯の田園都市でございます。福岡からは西鉄電車で45分で来られる位置にあります。市内には全長470キロメートルの水路が張り巡らされ、最後には有明海に注いでおります。主な産業は農漁業で、特に漁業は皆さんもご存知のとおり、日本一の海苔を生産しているところです。
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また、観光客は年間110万人、左側の写真は掘割を活かした川下りの風景であります。のんびりと川下りの船が下っていきます。右側の写真は柳川で生まれました国民的詩人、北原白秋先生の顔写真です。
白秋先生は昭和17年11月2日、57歳で亡くなられました。毎年11月2日の命日には白秋先生を偲び、白秋祭の式典を実施しております。柳川はこの北原白秋先生の生まれた町、また水郷柳川として全国に知れ渡っている所でございます。柳川のPRにつきましては明日、河野市長が国際EM事例発表の中でお話をするかと思いますので、そのときに皆様是非お聞きいただければと思います。
それでは、柳川市がEMによる環境浄化へ取り組むきっかけをお話したいと思います。
平成13年8月に市長選挙がありまして、河野市長が初当選。河野市長は民間から市長になられ、42年間ビール会社に勤められていた方であります。
平成13年9月10日に初当庁されまして、企業誘致、広域合併、観光案内板など、6つのプロジェクトを公約されました。当然その中にEMによる水質浄化も含まれております。市役所の課長を集め、6つのプロジェクトを絶対実行してもらいたいと話され、プロジェクトチームが結成されました。このEMによる水質浄化のプロジェクトは、市役所の水路課、水産振興課、それから当時保健環境課(現在生活環境課)であります、この3つの課でこの事業を進めることとなったのであります。もちろん、生活環境課がこのプロジェクトのリーダーとなりました。そして、市長はすぐにEMによる環境浄化事業に9月議会で、494万円の補正予算を議会の承認のもとつけられ、いよいよEMによる環境浄化事業がスタートしたのであります。
しかし、市民もですが、職員も正直言いまして、EMのEも知らない、EMをどこから購入したら良いのか、培養の方法も知らない、そういう状況でありました。そこで、EMに関する資料の収集、近隣の市長村の取り組みの状況の調査、9月12日大牟田市で行われました比嘉先生の講演を聴きに行ったりしました。また、EMに詳しい8名をEM指導員としてご協力頂き、婦人会にもすぐ協力を依頼し、9月14日には婦人会館で各人に米のとぎ汁を持参していただき、培養液の作り方の教室を行い約100名の参加がありました。
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次に、1年目はまず、EMというものがどのようなものかを知ってもらうため、EM活性液を市内の全戸へ、500mlのペットボトル13,000本を平成13年12月までに配布するプランを立てました。
この右上の写真、これが12月の寒い中にプロジェクトチーム職員総出、また婦人会にもお願いして、夜間にペットボトル詰めやラベル貼りを行っているときの写真でございます。
左下の写真、これは柳川市には201の行政区がありますが、各行政区に配布するため、車に積み込んでいるところです。尚、作業には地元の海産物の作業場を提供して頂いております。この配布計画を行政区長へ説明致しましたけれども、一部の区長には各家庭への配布を拒否されたところもあり、何とか説得いたしましてようやく全戸配布にこぎつけたところでございます。
右側の写真が、区長宅に訪問して配布をお願いしているところの写真でございます。しかし、柳川市は当初申し上げたように水郷柳川として有名であり、これまで、微生物をはじめバイオ方式など、様々な浄化方式を企業が提案し、売り込みの為に企業自ら自分たちのお金で浄化実験を行いましたけれども、最終的には、柳川の水路では良い結果が出ませんでした。このことを知る区長の中には、やはり反対者もいらっしゃったわけでございます。
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この写真はEMによる環境浄化を、最初に全戸配布したときの市民啓発のチラシでございます。
現在、柳川の下水道の普及率は、まだ一部共用を開始したばかりでわずか2.52%。それから浄化槽が41.13%で、まだ半分にも至らない状況でございます。柳川市はこれまで平成10年の10月に、柳川市掘割を守り育てる条例、通称「水憲法」と言いますけれども、これを制定し掘割は住民と行政が一体となり、維持管理が行われてきました。一人一人が汚れたものを水路に流さない事を基本とし、清流を取り戻したいという願いのもとに、市を挙げてEM事業に取り組む記念すべき最初のチラシでございます。
それから、左下の写真がそのような中で、平成13年12月7日比嘉先生をお招きして、柳川市民会館で「地球が有用微生物群でよみがえる」をテーマに講演会を実施し、市民の方々にEMについて知っていただくことにしました。その時たくさんの市民の参加があったところでございます。
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この写真は、指導員によるEM教室を行っているところであります。専門の指導員は8名の方で、米のとぎ汁EM発酵液や、EMボカシの作り方、利用方法などわかりやすく教えてもらえます。グループで申し込めば公民館でも学校でも個人の家でも、いつでも出向いて指導を行うようにしております。尚、EM1号と糖蜜は市で提供しております。また平成14年度から、この教室のメニューにEM生ゴミ堆肥と家庭菜園教室を追加しました。
平成13年11月上旬に、米のとぎ汁EM発酵液、EMボカシ教室の申し込みチラシを出しまして、参加人数10名以上で申し込みを受け付けました。13年度の平成14年の3月までに教室開催38回、延べ人数1164名の参加があったところでございます。
1年目はこのように、まず市民の皆様にEMとは、どのようなものかを知ってもらわなければならないという、市民啓発を中心とした1年目でありました。
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続きまして、現在柳川市のEM取り組みの状況についてお話したいと思います。
6つのEM環境改善事業としまして、1つ目が生活環境衛生対策事業、2つ目が河川浄化モデル事業、3つ目が家庭排水浄化事業、4つ目がゴミ減量対策事業、5つ目がEM愛好会推進事業、6つ目がEM普及対策事業であります。
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まず、最初の生活環境衛生対策事業ですけれども、これはEM活性液を無料で市民へ、平成14年の4月から配布しております。
この左上の写真は、EM活性液の無料配布用のタンクでございます。市内には、校区の公民館が7つあります。そこに1トンと300リットルのタンクを設置しまして、市民がいつでも自由に無料で使える仕組でございます。ただし、月に10リットルまでとしております。また、夏場はこの1トンタンクで自然培養も行っております。それが左下の写真でございます。市民の皆様からは、EMを使ったら臭気が消えた、台所が清潔になった、野菜が良く育ったなど、多くの反響を頂いております。なお、平成14年度全体で77トンの利用がありました。平成15年度は9月末までで、55トンの利用がありました。
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次に、河川浄化モデル事業として、水路の水質浄化、汚泥減少を目的にモデル水路を選定し、平成14年の5月から水路にEM活性液を投入しております。この写真は、毎週一定量の活性液を、直接タンクから水路に流している様子です。EM投入当初は、柳川の入り口になります宮地地嶽神社の前に、1トンタンクを設置しまして、点滴方式、病院でいう医療用の点滴を想像していただけると解りやすいと思います。そのような方法により、EM活性液を投入しておりましたけれども、タンクの蓋がなくなるなど悪戯がありまして、現在は週一回500リットルを、4ヶ所に分け直接投入しております。もう一ヶ所は、農村地帯にモデル水路を設けておりまして、ここにも平成14年6月から、EM活性液を週200リットル直接投入しております。
また、今年度から新たに13ヶ所追加し、現在市内15ヶ所の水路にEM活性液を投入する、「ジャブジャブ作戦」を展開しているところあります。追加したところについては、1トンタンクより水中ポンプで100リットルずつ水路に直接投入しております。これは市内全体へEMをいきわたらせる目的であります。
水質調査の結果については、まだ数値の上ではすぐに効果が現れているとは言えませんが、川底のヘドロを特殊な顕微鏡で見ますと、多くの微生物が定着して活動しています。EMの効果は時間がかかるかと思いますけれども、着実に改善されていくものと現在考えております。
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それから現在有明海で質、量とも日本一の海苔養殖が行われていますけれども、様々な原因で色落ちの被害も出ており、今年もあまり良くない状況だと聞いております。そのような中で、有明海を生活の場とする漁民の中には、婦人部が中心となりましてEM泥団子を、自分たちの漁場に投入しております。右側2枚の写真です。今年は地元の二つの漁協で20,000個と43,000個、63,000個の泥団子が作られました。材料は土、川や海の潟(泥)、EM活性液、ボカシを混ぜ合わせて作りまして乾燥させます。左側の写真がEM泥団子の作り方のチラシです。
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次に家庭排水浄化事業ということで、これも平成14年5月から、浄化槽処理水の水質改善に取り組んでおります。公共施設の、単独合併浄化槽の11ヶ所にEM活性液やEM2号を、週一回定期的に投入し、水質の検査を行っております。また平成15年度は、家庭の浄化槽にも着目し、10ヶ所を調査研究しているところであります。これは、市内の浄化槽維持管理業者の協力を得て、実施しております。この写真は、水質検査をするため、浄化槽の水をとっているところでございます。浄化槽につきましては、一部にEM投入後、明らかに良好な数値、特に透明度の向上が測定されておりまして、現在注目しているところでございます。今後も、引き続き調査研究を努めていきたいと考えております。将来的には水不足が懸念され、EMによって再生利用が出来ないか、このようなことも研究をしていく事を考えております。
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この写真は、ゴミ減量対策事業として行っておりますEM処理容器、EMバケツの写真でございます。これはEMを活用したゴミの減量化、堆肥としての資源化を推進するため、平成14年度からEM生ゴミ処理機、EMバケツの設置に対し補助事業を行っております。補助額は容器1個につき1000円、一世帯2個までを対象としまして、婦人会の協力を得て普及に努め、昨年で年間386世帯、620個で62万円の補助を行いました。
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この写真は、EM愛好会の研修会を行っているところです。これはEM愛好会推進事業としまして、市内でEM愛好会を結成していただき、EM全般についての推進を行っており現在67団体、構成人員883人でございます。EM指導員の協力で、EMに関する情報提供を行っているところであります。
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これが最後の事業ですけれども、EMの取り組むきっかけの中でもお話しましたように、EM普及対策事業としてEM教室を引き続き開催しております。その時の写真でございます。このEM教室は、最初10名以上の申し込みで始めましたけれども、市民の要望もあり現在は、5名以上申し込みがあれば、教室を開催する事が出来るように致しました。各行政区の公民館や家庭で指導員が2人、50名以上になれば3名を派遣し、EM活性液で米のとぎ汁発酵液作りや、生ゴミ堆肥化をしたり、農業分野で利用できるEMボカシ作りを指導するものであります。市内8名の指導員が、手分けして指導にあたっているところでございます。また、一人や二人で参加できる教室はないか、と言う要望もありまして、市主催で教室も開催し、一人でも気軽に参加できるようにしております。昨年の7月に7回これを開催致しまして、86名の参加があったところでございます。このEM教室は、平成13年度に延べ38回、1164人、平成14年度は延べ79回、2293人の参加がありました。
以上が、現在柳川市が行っている、EMによる環境浄化事業の取り組みの状況でございます。
なお、柳川市がこのEMによる環境対策事業に要する予算につきましては、平成13年度が494万円(半年間)、平成14年度が1,091万円、平成15年度が1,057万円でございます。
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最後になりますけれども、柳川市にはすばらしい自然環境が残っております。掘割や自然豊かな有明海など、他では類を見ないものもあります。これらすばらしい柳川市の、住み良い環境を守るために、自分たちの環境は自分たちの手で守り育てる。ひとりひとりが汚いものを水路に流さない。人も地球の動物と同じであることを再認識し、自然を大切にする。家庭環境を改善することが、地域の環境を守り、ひいては柳川の堀割や、更に有明海の再生へ進んでいくことを願いまして、発表を終わらせていただきます。
西渕:ありがとうございました。福岡県の柳川市の取り組みについて発表していただきました。EM活性液を13,000戸すべてに配布したという、全国でも非常に珍しい取り組みですけれども、実際に配布されたEM活性液は、どのように活用されているケースが多いのでしょうか?
田中:
数字的にはすぐに分かりませんけれども、先ほどもいいましたように、EM教室で米のとぎ汁EM発酵液の作り方の教室、そのようなものを行いまして、推進に努めております。特に米のとぎ汁が栄養負荷ということで、これをそのまま流さないということが一番だと考えておりました。また、市民の方々は農業分野での利用や、台所でも利用しているということで、今後とも続けていきたいと考えております。
西渕:ありがとうございます。昨年度、77トンもの活性液を配ったということで、それが更に各家庭で増やされている。EMが家の中で活用されることで、合成洗剤などの使用も減っていくということです。ですから、配られている量の何十倍という効果が市民の手によって発揮されているというような、モデル的取り組みでありました。ありがとうございます。
西渕:
続きまして、ボランティアという立場から発表していただきます。NPO地球環境共生ネットワーク岩手で活動されております、佐藤栄希子さん、岩村のり子さんに活動についてご紹介していただきたいと思います。地球環境共生ネットワークというのは、通称「U-ネット」と親しまれておりますけれども、2年前から岩手に出来ました事務所、その活動についてご紹介頂きたいと思います。それではよろしくお願い致します。
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