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EMフェスタ2003
専門分科会
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「EM資材の基本的活用方法について」
コーディネーター
新谷正樹/EM研究機構
パネリスト
星野豊/EM研究機構 特別研究員
津曲徹/(財)自然農法国際研究開発センター四国地区普及所
比嘉新/(株)イーエム総合ネット |

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新谷:
こんにちは。只今より午後の部・第2部「EM基礎技術分科会」を開始させていただきます。今日コーディネーターを務めさせていただく新谷です。よろしくお願いいたします。まずこの部会では3人のパネリストによる3題の発表がありますので、パネリストを簡単に紹介させていただきます。
第一パネリストが星野さん。タイトルが「EM活性液の考え方と作り方」。星野さんは海外の製薬会社で微生物の研究を何十年もやってこられた微生物屋さんですので、専門家の立場から良い活性液の作り方はどうすればよいのか、どうやって活性液の良い悪いを判断するのかを発表していただきたいと思います。
2番目のパネリストが津曲さん。津曲さんは元々EM研究所でずっとEM製造に携われておられて今では四国で農家の方にEMを普及されているということなので、ボカシについて発表していただきます。皆さんいつも悩まれて思うのですが、良いボカシ、悪いボカシはどう判断するのか? よく匂いで判断すると言いますが、良い匂い悪いに匂いと言っても個人差がありよく判らない。そこで、今日は匂いのサンプルもお持ちいただいているようなので、実際に皆さんが現場で判断する上で参考になると思います。また匂い以外の新しいボカシの品質判定方法も提案されるということですので、素晴らしい発表になると思います。
3番目は比嘉さんの発表になります。比嘉さんはEM総合ネットでEMセラミックスのお仕事をされていいます。EMセラミックスについては、私も含めてうまく理解できていない人が多いような気がします。そこで、今日はEMセラミックスとは何か?色々種類があるけれどもどこが違うのか?どういった使い方があるのか?を発表していただきます。私は事前に発表を拝見させていただきましたが、とても良い内容で皆さんが「来て良かった」と思うような解りやすい発表内容になっていますので、ぜひ期待していただきたいと思います。
そこでパネリストの方にお願いしたいのは、皆さん沖縄以外、全国又は遠く海外からも発表を聴くために来られていますので、遠くからわざわざ来て良かったと思われるように、新しい情報を解りやすい説明で提供していただきたいと思います。
では、最初のパネリスト、星野さんに「EM活性液の考え方と作り方」というテーマで発表していただきます。よろしくお願いします。
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EMフェスタ2003 専門分科会
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「EM活性液の考え方と作り方」 |
星野 豊(ほしの ゆたか) EM研究機構 特別研究員
プロフィール:
1944年東京都大田区に生まれる。
1968年日本大学理工学部工業化学化を卒業
ブリストルマイヤーススクイブ(株)に入社
1996年(株)EM研究機構に入社 現在に至る
NPO地球環境・共生ネットワークの技術委員・アドバイザーを兼務 |
星野:
EM研究機構の星野です。よろしくお願いします。毎年、EM活性液の作り方、どうやったら上手にできるか?どうやったら失敗しないのか?という話が出てくるのですが、私の方に失敗例などがきていますので、その中から上手にできたもの上手くいかなかったものを洗い出して、失敗例についてお話したいと思います。
EMというのは現場実証主義です。ここに来られている皆さんもEMを使われて、生き物が生きられなかった世界を、EMを投入することによって生きられる世界へ変えていますよね。生活の中で微生物の取り扱い方や考え方を理解していただければ、問題の解決の一助となります。その辺の話を含めて発表させていただきたいと思います。
今この21世紀は20世紀に汚してきたものの代償として環境問題が出てきたわけですが、では環境問題というのは何故起こってしまうのでしょう?皆さんすぐに複合汚染だから、因果関係がよく解らないからなかなか原因を特定することができないという話になります。工業化ということで石油化学製品とか農薬、抗生物質、化学肥料、エネルギーの無駄な大量消費ですね。この大量消費と廃棄があって今の環境問題が出てきているわけです。
これの原因をきちっと治すことができないと、ただ単に土木工事や大きな施設を作って、ある物質だけを除いただけでは生態系は回復できないのです。その時にEMという微生物資材を投入して生物を多様化させることができます。
私たち子供の頃はトンボやメダカなど色々な生物が川や海でたくさんいたのにもかかわらず、今は見られなくなってますよね。私たちが使ってきた化学物質、衛生害虫対策として虫が出たらすぐ殺す、農業で病害虫が出てきて困るからといってすぐ殺す、これら化学物質が大量に蓄積されたり、現在でも合成洗剤や化学物質がずっと流されているので、生き物が生きられなくなってしまうのです。私たちも同じ生き物ですから生きていかれなくなるということで、これは皆で考えなければいけない問題なのです。
これは「生態系のピラミッド」といってよく生態学者が使っているもの、これは陸の生物を主体に書かれたものです。皆さん微生物は分解者と言ってますけれども、無機のものを使って有機物を合成する生物もいます。この層が地球の食物連鎖それから物質循環の重要な担い手となっていて、これがEMの仲間で行われているということです。
それから植物が光を使って光合成して、これを順に辿っていくと陸の生物なら人間、海ならシャチ、マグロ、クジラなどが頂点に立つわけです。
生態系で中間が破壊されると、まず上の方からいなくなってくるということです。現在、猛禽類などがなかなか見られなくなったのも、下が農薬とか色々なものを使うことによって生物が単一化させ、その農薬とか化学肥料、合成洗剤などに抵抗性で利用して生きていかれる生物がなんとか頑張って、現在の生態系が成り立っているわけです。
今一番困っていることは、生態系を調べる上で微生物の種類がどれくらいいるのか解らないということで、微生物から上位の話はどこでも聞ける話ですけれども、微生物の話は非常に少ない。ただ、EMは微生物資材ですから、ここを皆さんが理解できるようになれば生態系というものがとても解りやすくなると思います。今日は1000分の1ミリの微生物の世界に入っていただいて、小さな世界から私たちを見てみたら色々な考えが出てくると思います。
微生物というのは殺すものがなく条件か適していれば1ml当たり1億からそれ以上に増殖します。ですから私たちが殺すものを使わないように、できるだけ安全なものを使うようにしていけば、いろいろな種類の生物が増えていきます。特殊環境の微生物を研究している方たちは、1億、2億、3億、4億種類というような話をされています。今、300度くらいまでの高温で生活できる微生物もとれてしまう。低温でもそうです。
私たちには菌はなかなか見えないものなのですが、ここでちょっとバチルスという納豆菌ですが、増殖培地を使って植えると分裂していく。どんどん自分と同じものを作り出していく。2つに分かれていく時間がだいたいこの付近だと25分くらい、早いバチルスだと8分くらいで、どんどんどんどん分裂し子供を作って増えていく。
普通の化学反応とか大きな機械装置を使ってもなかなか持続しないけれども、こういう生物の力を使い多様化させていくことで生態系を修復できる。昔は色々な生物がいて、食物連鎖、捕食関係を使いながら物質循環して回っていた。そこを現在は有害な化学物質を使うことによって食物連鎖をズタズタに引きちぎってしまったために、どんどん悪いものが蓄積され次の世代にマイナスの資産が残ってしまうというのが今の生活の状況です。
これは微生物の動きなのですが、EM‐1の場合レスティングと言って休んでいますから起きるまで時間が掛かったり、先程言った分裂速度が速いものと遅いものによってこのようになったり、早くスット立ち上がったり、分裂に時間が掛かるものはゆっくり立ち上がり増殖する(菌の種類によって曲線が異なる)、そういったカーブをとったものです。
ここではそういう寝ているものが、ここで起きてしまうと一気に増えて、ある程度時間がくると自己融解酵素を使い死滅していくというサイクルをとり、餌がある間は永遠に世代交代を繰り返していくというのが微生物の世界です。
これはEMの主役となっている光合成細菌の菌体成分の中のアミノ酸の部分を出したものです。クロレラとか酵母は消化に良いと言って皆さんも食べてますよね?
光合成細菌の特徴はビタミンB12、コバラミンという成分を非常に大量に作っています。これを基質にし、増殖できるという生物もいるので、こういうのが出てくると一緒に仲間になって増え生物を多様化させていくのです。
微生物がどんなカタチで活躍しているのか役目というものをお話したわけですが、それでは皆さんがここでどうやったら活性液を上手に作ってその力を最大限に発揮できるかということですね。
私たちが使っている糖蜜とか糠とか米のとぎ汁など皆さん家からどんどん流していこうという成分の中全てに常在菌や色々な雑菌がいます。例えば、プロバイオティクスという言葉があって、腸内細菌で昔の種類は100種100兆個と言われていたのですが、分析技術が発達してきまして500種以上の名前が付くようになってきています。
動物でも人間でも体の表面や口の中にも400種以上の菌がいて、それが酵素を出して消化や色々な役目をしているわけです。ですから様々なものにそういう微生物が付いているということを頭に入れて活性液を作って下さい。特にEMを流しているようなところは腐敗型の巣窟になっていますから、そこをいじった手でかき回して活性液を作ってしまうと、例えばバチルスの中で悪臭を発生させる悪い菌なら10分前後で分裂してしまいますから、善玉菌であるEM菌と腐敗型の雑菌が同時にスタートし喧嘩してしまって悪い匂いが出てきてしまうということになります。
保管方法ですが、このような天然物に含まれる微生物というのは温度と水分があると増殖してしまうのです。だから糠にしても籾殻にしても悪い所に置いておくと、腐敗型の菌が増殖した材料を使ってしまうとなかなか良いものができなくなってしまう。こういうことを理解しないで作ってしまうと、今朝、比嘉教授からEMが20年経ったといっても未だに腐った活性液ができてしまうとか、腐ったボカシができてしまうというのは、微生物の中に良いものと悪いものがいてそれらが常在しているためにそういった事故が起きるわけです。
沖縄は暖かくていいのですが、これから冬になると本土の方は温度が下がってきます。乳酸菌というのは糖から有機酸を作って腐敗型の菌が動けないようにするわけです。この働きが発酵です。お味噌とか糠味噌とか、韓国の方だったらキムチなどもそうです。キムチにしてもあれは別に著名な学者が永遠と研究して作ったものじゃなくて、昔からお母さんから娘へと順々に引き継がれてなんとか上手く作る方法を見つけていった。これはEMの世界と同じ考えですね。何しろ乳酸菌の働き、酵母の働きを上手に使っていけば食べられるものになるわけです。
ところが夏場、沖縄は特に温度が高いから大変だと思いますが、ほっとけば腐ってどうしようもない状態になってしまう。私がよくお母さん方のところで生ゴミの話をすると、まず眉間にしわが寄って嫌な顔をするのは、皆あの腐った臭いを嗅いだ経験があるからです。食べたものの残渣とか皮をむいたものが生ゴミですよね。でも放っておくと腐ってしまう。腐敗させる菌の分裂速度が異常に速いから、一晩経つとあの悪臭になる。そこを十分考えて、EMを入れたら必ず温度をかけて乳酸菌を活発に動かして下さい。
私の実験ではpHが4を切ってくると腐敗型の菌が動かなくなって食べられるものに変わります。ですから低い温度でずっと置いておくと、10度で分裂速度が速い腐敗型の菌がいるとそれが働いてしまい、腐らせようとする菌と有用微生物との喧嘩が起きてしまうわけです。そのため色々な事故が起きます。そこを注意して下さい。
これは一般的な例として、これくらいで作ると非常にバランスのとれた良いものができますよというものです。ここで注意してほしいのは、最初温度をかけて、先程言った乳酸菌によって糖から乳酸を作るものをまず動かせて、3日くらい続けるのですが、この温度をずっとかけておくとこの温度に適したものがメインになってしまいバランスが悪くなってしまいますので、あとはpH4切ったくらいになったらじっくり熟成させて下さい。発酵工業では酵素を使って熟成させ、大きな分子を小さな分子に変えていくということですね。
そこで皆さん、出来た活性液をどうやって良いのか悪いのか判断するの? pHって言ったってpHメーターって高いんだよ、3万もするもの私たちは買えないわよ!pH試験紙もそんなもの使ってられないわよ!と言われるでしょうが、やはり目安になるのは臭気です。後で津曲さんがボカシの匂いの話をしていただけると思うのですが、まず発酵食品を食べて吐き気がする人いないですよね。EMも乳酸菌が働いて発酵すると香ばしい匂いがしてきます。手に塗った時も後で匂いが殆どないと思います。そういうものができている人はその作り方、資材の保管方法が上手にできている方です。
私の方に検査として送ってきたものでも、だいたいpH4以下、3.5になっているようなものであればEM-1と同じように半年とか1年置いても密閉状態にしておけばずっと保存できます。pH4以上ものは保管が効きません。常在菌の中の悪い菌が動いてしまうために手に塗ると悪臭がなかなか取れない、こういうものが出来てしまう人は、今日お話ししたことを十分に注意して作られると良いものができると思います。
私の方で検査にしたもので、半年後に捨てる時だいたい3.5以下のものだったら半年経ってもこういう悪臭が出ることはありません。
これはEMの希釈液です。これが原液で、10倍、100倍、1000倍、1万倍と希釈してあります。皆さんO-157の時、細菌学会でまな板とか塗れ布巾とかお酢で拭くと良いですよというのがありましたね?これは有機酸に殺菌力があるからそういうものを使って、殺菌剤とかの殺すもの・毒性のあるものを使わないで、食べるものを使って殺菌した方が安全ですということです。有機酸だけの話であればだいたい10倍から20倍、3.5付近だったらかなり抗菌作用があります。ですが100倍から1000倍になってくると抗菌性はありません。
ただEMの場合は抗酸化物質とか色々な成分が入っているので、お酢とは違った働きで、大腸菌が減る作用もあります。EMを希釈する時はこの辺りになってくると色がなくなってきますから、色が濃くて嫌だという人は100倍とか1000倍にしておけば白いカーテンや壁なんかでも全然問題ありません。
希釈が100以上になるとpHが上がってきますので、保存中に雑菌も動ける範囲になり匂いも出てきますので、薄めたものは早く使って下さいと言っています。特に夏場はすぐ使った方がいいですよ。
日本は勿論ですがアジアの人たちはお米のとぎ汁を毎日流しています。昔は色々な生物が多様化していたから、こういうものを流しても食物連鎖で他の生物の餌になっていたわけです。今みたいに悪い環境に耐えられる生物しかいなくなって、硫化水素やアンモニア、炭化水素を出したりする具合の悪い菌がはびこり、それらの餌になってしまうからどこもかしこも臭くなってしまうのです。
だから今は米のとぎ汁をそのまま流すと汚染源になってしまいますが、EMで発酵させ低分子化してやると色々な生物の基質になり浄化源となります。
米のとぎ汁が入ったボトルを見ていただくと、1日目はこういう状態で下に米の粒などが溜ってますけれど、3ヶ月経つともうほとんど分解されてなくなってしまうわけです。これは可溶化と言い、低分子化し可溶化すると色々な生物の餌になります。
これは皆さん懐かしい実験かも知れませんが、ヨウ素デンプン反応で、米のとぎ汁というのはヨウ素を入れると紫色になる。スパイラルの中にヨウ素の分子が入って色が付く。それが小さな分子になってしまうともう色が付かない。子供さんと一緒に勉強する時に、こんなものを使ってやっていただけると、ああなるほどデンプンが溶けないものが水に溶けるようになったんだなというのが解りますよね。
これは米のとぎ汁EM発酵液の表面にできる白い膜。このメインのところは殆ど液面酵母で、この菌は細胞の中に脂質を5割とか6割持っていますから、よく表面に出てきたりします。次に撹拌すると乳酸菌と酵母が主体に見られるようになります。利用中のEM‐1の表面に出てきたものもだいたいこういう酵母の仲間が多くなっています。
これは私がずっと微生物を扱ってきて解った、生菌数を測定(菌の分離)する時の条件ですね。だいたいEM-1だと10の6乗とか7乗前後。これは低濃度の有機培地を使って測った状態です。活性液だとそれは寝ている菌を起こすので条件によっては10乗、11乗、12乗くらいまでは測れる。これは培地の中に入っている基質とか温度や保存期間によって少しずつ生菌数が変わります。
活性化するというのはこういうことです。寝ている菌を起こして粋のいいピチピチギャルにして腐敗型の菌のところへぶち込んでいけば菌と菌の戦いになった時に有利だよということ。作ったらどんどん活用していきましょう。
最後に、バイオマスっていう言葉よくお聞きになると思うのですが、有機廃棄物をそのまま流したり、焼却や埋め立てすると汚染源になってしまうので、EMで発酵させ有機資源にしたり、流すと浄化源になります。糖蜜も値段が掛かるので、大豆や落花生の煮汁、シロップなどを糖蜜の代わりになるだろうということで今こういう実験をやっていて、お味噌を作っている会社の大豆煮汁なんかを使ったり、色々なシロップを送ってもらって、それをEMで発酵させるとEM活性液として利用できます。
これはそういう時の成分で炭水化物。この辺にこれだけの糖質があるからEMの基質として利用ができるということです。
これはその分離する時の培地組成の表です。
これは実験室で無菌的操作をしてEM‐1の中にいる菌を測っています。培地にはカゼインというものいが入っていまして、そのカゼインの質化ゾーンができます。これが乳酸菌(Lactobacillus
sp.)の仲間の特徴です。
これはリポ・プリンター法で同定した菌ですけれども、乳酸菌の仲間です。
これは光合成細菌と乳酸菌がコンタミしたコロニー形態とケン濁して顕微鏡観察した写真で、この小さくて激しく運動(見えませんが)しているのが光合成細菌、この長いのが乳酸菌です。
今日お話しした中で注意していただきたいのは、私たちの生活は全て微生物で成り立っているということ。その中に良い菌と悪い菌があるので、それを上手に使っていけばいい活性液ができますので、お試しいただけたらと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
(拍手)
新谷:
星野さんどうもありがとうございました。この活性液の作り方というのはシンプルなようで重要なことなのですが、皆さん聴いている方が解りやすいように、そしてメモできるように、良い活性液を作るための3つのポイントをあげてもらえますか? 3つだけ。これだけは重要ということを。
星野:
一つは材料の保管方法ですね。水分をできるだけ与えないような保管方法をしておくと悪い菌が動きませんから。新鮮で良い材料を使ってやればEMの働きもよくなります。それから温度です。よくこちらにpHが下がらないという電話がかかってきます。そういう時は、もし家庭でやられる方はペットボトルに米のとぎ汁を入れて、EM入れてからそれをお風呂で抱いて入ってもいいですし(笑)まず乳酸菌を動かすということですね。その辺が大事なことだろうと思います。
新谷:
おっしゃられたのはまず材料ですね。悪い菌が入っていないものを使うということ、温度を確保するということ。3番目は乳酸菌を最初に動かすということですね。それでよく質問されるのが、活性液を2回3回作ってもpHは3.5以下になるのですけれど、ずっと活性液を作り続けて問題ないでしょうか? それともやはりバランスが崩れるのでしょうか?
星野:
活性液の評価方法として、自分が作った1トンとか500リットルの活性液を1リットルとか2リットルをその度ペットボトルにとっておいて、それを1ヶ月後に開けてみて悪い匂いのしない活性液が何回でもできる方たちは非常に先ほど言った注意が守られている方です。そうすると私が作っているものは必ず良いものができるという自信になります。ただ基質に含まれる常在菌や雑菌などによって光合成細菌、乳酸菌とか酵母の組み合わせが崩れてくる傾向がありますので、しっかりできる人なら2回3回くらいはやってもいいです。1回目でなかなか上手くいかないというような人は、もう一度今日の話を勉強して下さい。きちっと1回目ができる人は2回目もやって、それを置いておいてもEM-1と同じような匂いがして保存できるようならば、また次というカタチでやっていただけるといいかと思います。
新谷:
最後にもう一つ質問なのですが、比嘉先生はよく光合成細菌を中心にEMのお話をされていますが、活性液を作る時に何らかの方法で光合成細菌を増やす方法はありますか?
星野:
そうですね、光合成細菌というのは大変古くから存在している菌と言われています。私たちは今酸素がある状態で生活しているのですけれども、どちらかというと酸素を嫌うような生物も多い。それに紫外線は全てを劣化させてしまうわけですけれども、光合成細菌はその紫外線にも強い。光合成細菌というのは原始には高温、高圧で強酸(硫酸痕:硝酸に富んだ海洋)とかとても人間なんか住めないような状態で生活していた菌ですから。今私たちが汚している環境というのは、まさに菌にとってはものすごい毒物をじゃんじゃん流されているところで生きなければならない状態になっています。増やし方はちょっと述べられませんが、光合成細菌をそういう生き物が生きられないような環境の場所でできるだけ強化させてやると、有害物質を早く無害化できて色々な生物が出てくるようになると思います。そんな使い方をされるといいかと思います。
新谷:
どうもありがとうございました。会場の中には質問されたい方もおられると思うのですけれども、3人の方が終わられてからまとめてご質問を受け付けたいと思います。星野さん、どうもありがとうございました。
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EMフェスタ2003 専門分科会
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■ EMボカシの考え方・作り方 |
津曲 徹(つまがり とおる) (財)自然農法国際研究開発センター 四国地区普及所
プロフィール:
昭和40年3月22日生まれ 岐阜県山県郡出身
岐阜大学工学部卒業後、土木会社を経て平成4年EM研究所入所
平成13年 現在に至る |
新谷:
2番目の発表は津曲さんです。津曲さんにボカシの考え方・作り方というテーマで発表していただきます。ボカシというのはポピュラーなのですけれど、まだまだ分からない部分があるので、分かりやすく説明をお願い致します。では津曲さん、お願いします。
津曲:
皆さんこんにちは。ご紹介いただきました財団法人自然農法国際研究開発センターからまいりました津曲と申します。現在は四国地区の方でEMによる環境浄化の活動支援と、それから農家さんへの自然農法の普及をさせていただいております。今日はよろしくお願い申し上げます。
本日は、EMボカシについて皆さんと一緒にその考え方、作り方というのをもう一度整理してみたいと思います。
また、今日は海外から沢山の方がいらしておりますけれどもけれども、現在日本ではボカシというのは「ケンキボカシ」密閉の状態で長く寝かせた状態のものを皆さん使っております。ですから海外の方で、野積みをして上からEM活性液をかけて、それをボカシと呼んでいる方は、今日のこの発表内容とはちょっと変わってくるのかも知れませんので、その辺りはご了承いただきたいと思います。
突然ですが皆さんに質問します。皆さんがお作りになっているボカシを、このように容器に入れて、水に漬けたらどうなるでしょうか?やったことある方、どうぞ手を挙げてください。いらっしゃらないですかね。どうなると思いますか?どなたか勇気がある方いないですかね?
ほとんどの方が、こういうことをすると腐敗するので水には漬けない、それから2〜3日で悪臭を発し始めて、腐敗し始めるのじゃないか言われるのではないかと思います。
それから農家さんであれば2型ボカシ、これは米ぬかだけではなくて魚粕とか油粕とかですね、そういうチッソ分が多い物を発酵させたものを日本では2型ボカシと呼んでいますが、そのような物の抽出液を取ろうと思って水に漬けておいて撒くのを忘れていたら、臭くて撒けなかったので捨ててしまったという経験があるのじゃないかなと思うのです。いかがです?無いですか?
それでは1型ボカシは、皆さん生ゴミ処理にお使いになります。生ゴミ処理に使いますよね? 先程のように水に漬けて1型ボカシが腐ったらどうなるのでしょうか?
生ゴミというのは80%くらいが水分と言われています。その中に入れて、ボカシが腐るようだったら当然生ゴミボカシは腐敗しますよね?それから夏場にウジがわくのは当然ということになります。
皆さん、こういう間違いをしていませんでしょうか?それから2型ボカシ、肥料用に使うボカシですけれど、これが水に漬けて腐敗したらですね、皆さん農業のことを考えてみてください、ボカシをまいて畝立てをします。畝を作りますね。そうすると土の中に入ります。まず、最初に農家の方がやられることは何でしょう?水を撒きますよね。ということは水分に合っている状態です。そうするとどうなるでしょう?そうすると土の中でボカシが腐っているという可能性が非常に大きいということになります。皆さんEMボカシは土を発酵させるためにお使いになっていますよね?という風に、「ちょっとこれは違いませんか」ということになりますよね?ボカシの考え方が。
これから皆さんにご提案させていただきたいのは、ボカシの品質についてなのですけれど、まずEMボカシは水に漬けても腐敗しないということを、基本に考えていただけたらどうかなと思います。今までpHとか匂いとかが、ボカシの品質を決めるための一つの尺度のように、皆さん考えていらっしゃったと思うのですが、pHとか匂いというものは非常に問題があります。また後で説明させていただきますが、そう言う意味で、まず「水に漬けても腐敗しないということをボカシの目標にしませんか?」ということを、今日は提案させていただきたいと思います。
先程言いました、ボカシのpHのことについてなのですが。日本では山田式のpHメーターというのがございます。これはよく農家の方が、土壌のpHを測定する道具です。土に液を入れて「赤くなったらpHがいくつ」というものです。これはボカシのpH測定には不適です。この測定方法で「ウチのボカシはpHが4.5以下ですよ」と言われる方が多くいますが、これはちょっと実際のpHとは異なります。ボカシのpH測定という場合は、必ず水に希釈したその上澄みを測った値をpHというように考えていただきたいと思います。それを統一していただけたらありがたいなと思います。
それから、ここが一番問題なのですが、pH4.5以下だったら良いと皆さん覚えてらっしゃると思うのですが、材料によってpHの下がり方は違います。
それで、沍^の米ぬかボカシ、米ぬかのみを使った生ゴミ処理用に使うボカシというのは、これは非常にpHが下がり易いです。このボカシはpHが4.5以下であれば、非常に良い発酵をしてますよ、ということになります。ところが、型ボカシは、先程も言いましたように肥料的に、魚粕とか油粕とか、それからEMのすみかということで炭のような、セラミックもそうですね、そういう物を添加したものは、pHがあまり下がりません。ですから2型の合格ラインというのはpHが5.0くらいよりも下がっていれば良いということです。入っている材料によってpHの下がり具合が全然違うということを認識していただきたいと思います。
それから、匂いについてなのですが。匂いとうと、非常にわかりづらいので、今日は先程もご紹介したように、匂いのサンプルを持ってまいりました。今から3本の試験管を、回していただきますので、是非それぞれの試験管の匂いをよく嗅いでいただいて匂いを覚えて帰っていただきたいと思います。
まずボカシの匂い基準なのですが、ボカシの中は基本的に有機酸とアルコールが結合したエステルというものが大量に発生しています。それがボカシの匂いの基になっています。このエステルの匂いを皆さん覚えていただくと「自分が作ってらっしゃるボカシが、どういう発酵をしたのか」ということがご理解いただけると思います。
発酵してできる酸には大きく分けて3つの種類があります。酢酸・乳酸・酪酸ですが、それぞれの酸にアルコールが結合したエステルを今回持ってきました。そのエステル臭の中で、まず一つ目が、酢酸エチルがあります。この匂いは皆さんがよくご存じなのがセメダインですね。セメダインの匂いがした場合は、酢酸発酵していると考えて下さい。その酢酸エチルがたくさんできている状態というのは、非常にpHが下がっていますので、ボカシは安定しているし、生ゴミの処理には非常に適しおります。しかし、本当の発酵ではないのです。
一つ飛ばして、酪酸エチルというものがございます。これはよく比嘉先生の本の中にも「酪酸発酵はいけない発酵ですよ」と出ていると思いますが、この酪酸エチルというのは、フルーツガムのようないい匂いがします。
実はこの匂いを嗅いで「いい匂いだ」と言われる方が多いんですね、その方が匂いが良いからこのボカシは良いと判断されるとちょっと困ります。ですので、今日は良く匂いを嗅いでいただいて、憶えていただきたいのです。ちなみにこのような匂いがしている場合はpHが余り下がっていません。そのようにご記憶下さい。
それから最後に乳酸エチルがあります。EMがきちんと動いて発酵すると乳酸が主体に生成されます。ボカシはこの匂いになっているはずです。この匂いは、私の表現では、青リンゴのような匂いと言っております。酪酸エチルと比べると、刺激が少ないのが特徴です。良いボカシの匂いはあまり強くない刺激がないのが良いと言えると思います。
今日はサンプルがございますので、じっくりと匂いを憶えていただけたらと思います。
それで実際に、乳酸エチルがどんどんできているようなボカシを作るにはどうしたらいいのかということになるのです。先程言いましたように、これは嫌気ボカシの場合ですので、ご了承いただきたいのですけれども、まず水分量について。
私どもの財団で過去に水分量とpHの関係を調査しました。各水分含量によってどういうpHの下がり具合をするのかという実験です。
20%、25%、30%、40%水分が増えるにしたがって、pHがよく下がるようになっております。40%前後の水分量にすると、pHの下がりがスムーズであることが解ります。
水分量を、もう一度見直していただきたいということです。
実際作成する場合、添加する水分量としては、米ぬかの中にはだいたい10%〜15%くらいの水分が入っておりますので、それを差し引いた量、約30%の水分を添加して頂きたい。米糠30kgでしたら10Kgくらいの水を添加する量だと言うことです。
2番目は、初期の温度を確保する。これがなかなかできていないのですが、ボカシでも活性液でもそうです。発酵というのは初期で決まってしまいます。先程、星野さんが言われていましたように、材料の中にいる常在菌に勝たせるのか、EM菌に勝たせるのか、これでいい発酵するのかしないか決まってしまいます。初期にきちっと温度をかけて、いい菌だけをどんどん増やす、それが必要になってきます。
具体的には、乳酸菌のような酸を生成する菌を一気に繁殖させるために、やはり30とか35度くらいの温度が必要になります。
そういう意味でこの時期、この冬の時期からボカシを作ると気温が低いですよね。余り好ましくないと思いますので、できれば夏の時期に、あたたかい時期にどんと作っていただきたいと思います。
いつでも加温ができる方は、発酵の初期の1週間くらい、温度を頂ければ結構ではないかと思います。
良いボカシを作るポイントの3番目として、やはり活性が高い状態で液を使うということです。
左はEM1号と糖蜜をまぜて、すぐにボカシを作った状態 青カビが発生しています。右は事前に活性液を作ってそれでボカシを作った状態、カビが発生せずきれいに発酵しています。EMと糖蜜を混ぜても、EM1号の中というのは、眠っている菌が多いです。だからEM菌を入れたと言っても、やっぱりボカシの中の悪い菌に勝てないのです。ですから、なるべくEMの密度を上げた状態で、米ぬか等の材料と合わせる工夫をすると、より材料の中の雑菌を押さえ込んで良いボカシができるということです。
そういうことで、水代わりに活性液を使ってもらうとか、米のとぎ汁発酵液ですね、これを水代わりに使っていただいて、糖蜜を少し足していただいて、ボカシを作っていただければ非常にいい状態になるということが分かっていただけると思います。
今言いましたように、活性が高く密度が濃い状態で作るためには、EM活性液と米のとぎ汁発酵液を事前に作ってあるというのであれば、水代わりに使っていただいて、糖蜜とEMを更に添加していただくといいものができる。活性液やとぎ汁発酵液が無い場合、EM1号と糖蜜の希釈液を、ボカシを作る2〜3日前に作成しておいて、菌を活性化させた状態で、米ぬかに合わせてあげる。そういう工夫をしていただくと、活性が高い状態でボカシが発酵できるという事になります。
また、EMボカシの特長としては「長期間熟成することで非常に良いものができる」と、と言うことがあります。ボカシを熟成するのに空気が入いるようないい加減な状態で、保管すると、熟成になりませんので、できればこのような、タッパーのような密閉容器であるとか、こういうドラム缶ですね、プラスチックのドラム缶に直接仕込んでいただき、長い期間熟成をかけるということをしていただけたら、良いものができると思います。
後もう一つ。水に漬けて腐敗しにくいボカシを作るためには、材料もちょっと選ばなければいけないということです。材料に注意していただきたいということです。
アルカリ側に変化する物は、あまり添加しないほうが良いですよ、ということですが、特に2型ボカシですね、魚粕とか大豆粕とかチッソ含量の高い物というのは、水に漬けて分解がかかるとアンモニアの形態になって、水の中に溶けだしてきます。
アンモニアって何ですかね?pHが高いですよね。EMボカシはpHが下がった方が良いので、上がるようなものをあまり入れると、発酵が難しくなるということです。
貝化石とか炭とかは、中にアルカリ分が入っています。石灰はカルシウムですよね?カルシウムはpHを上げるために使います。そういうものをボカシの材料に使用するとpHを上げます。
pHが上がるようなものを使用すると発酵が難しくなるということをご理解いただきたいです。入れてはいけないということではありません。難しくなりますよということです。
まとめてみますと、ボカシというのはpHを下げて、微生物を、雑菌を制御・抑制しておりますので、それと逆方向に引っ張っていくようなもの、チッソが多いようなものとか、炭とかというのは発酵を難しくします。
こういう物を入れるのであれば、発酵に十分気を付けて頂いて糖分を少し多めに入れるなどの工夫をしていただかないと、水に漬けてもなかなか腐敗しないボカシができにくいと、ご理解いただきたい。
それから、ボカシの評価の仕方なのですが、pHの測定については、かならずボカシの浸出液のpHを測定して頂くこと 水とボカシ 5:1と呼んでいますけれど、水100ccにボカシ20gを混ぜて、その上澄みのpHを測定して頂きます。
匂いについては、作った状態のボカシの匂いを嗅いで乳酸エステルの匂いがしている。さらに水に入れて1週間放置した後の匂いも変化せず良い匂いがしている。
そういうボカシを良いと考えて頂きたい。
水の中に入れて、長く置いた物で変化していないことが第一目標と考えて頂ければボカシの品質については十分ではないかと思います。
今日ご提案させていただいたのは。まず、ボカシというのは、水に漬けても腐敗しないというのが、良いボカシじゃないかなということです。そのボカシを作るためには40%くらいの水分で仕込む事、それから活性液のようにEMに活性のついたもので仕込んでいただく。それから温度がある時に作っていただく。なるべくチッソ分のようにアルカリ側に引っ張るようなものを入れないで作る。ということによって良い物ができるということが考えられます。
以上、ボカシの考え方・作り方についてご説明させていただきました。ありがとうございました。
新谷:
津曲さん、どうもありがとうございました。非常に面白い内容でした。私も学生達にボカシを教えていたんですが、匂いというのは個人的に差があり評価が難しいですし、かと言ってpHだけに頼って良いものかということで不安な面があったので、水に漬けて評価するという方法はわかりやすくていいですね。皆さんも自分で作られたボカシの品質を今度この方法でチェックしてみられることをお勧めします。津曲さん、一つ質問です。一週間ぼかしを水に漬けて放置する時、これは蓋をしておくのですか?それとも開けておくのですか?
津曲:
やはり蓋を開けておくと、違う菌が入り込む可能性が非常に高いので、密閉した状態で1週間置いてください。
新谷:
容器は水で満たしてしまっても良いのですか?それとも空気を残しておいた方が良いのですか?
津曲:
残しておいて結構です。残しておいた表面の状態も参考になります。ちなみに一つお伝えしておきますと、水に漬けて1日2日置いた状態で、すぐ上に白い物が張ってしまうようなボカシというのは、早く匂いが悪くなります。水に漬けてよく振って、そのままの状態で米ぬかだけがスッと沈むような、上澄みが透明で、向こう側が透けて見えるような状態のものは、非常にいい匂いがしているという傾向があります。
新谷:
ちなみに、水に漬けるとおっしゃっていましたが、これは水道水でもいいのでしょうか?
津曲:
本当でしたら、普通の井戸水のようなもので、雑菌がいないものがいいと思うのですが、手に入らない環境が多いと思いますので水道水で結構だと思います。
新谷:
それで室温に置いておけば良いのですね?
津曲:
はい。
新谷:
それから、この匂いというのは言葉で表現するのが難しいので、今回のように、試験管にいれた乳酸エチルとか匂いのサンプルを皆さんに実際に嗅いでもらい、良いぼかしの匂いや酪酸の匂いを教えるというのは、普及指導の手段として素晴らしいと思うのですが、こういった匂いの薬品サンプルは、一般の方でも簡単に買えるのですか?
津曲:
私も実験室の方へ頼みましたので、簡単に入手できるかどうかは分かりません。今度確認してみます
新谷:
これらの試薬は安全なものですか?
津曲:
体にはよくありません。でも、ずうっと吸い続けなければ大丈夫です。
新谷:
どうも津曲さん、ありがとうございました。
(拍手)
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EMフェスタ2003 専門分科会
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比嘉 新(ひが しん) (株)イーエム総合ネット
プロフィール:
(株)イーエム総合ネット
代表取締役専務 企画開発部長 |
新谷:
続きまして微生物の世界から、セラミックスという新しいテーマになります。私も含めてEMセラミックス、EM-Xセラミックスをよく理解できていない人も多いと思います。さらにEMセラミックスには色々な種類があるので混乱してしまいます。そこで今日はEMセラミックスとは何か、そして、このEMセラミックスをどういう風に考えたらいいのかということを比嘉さんに発表して頂きます。普通は発表時間20分ですが、内容が非常にいいので今日は時間を延長して30分間ゆっくり、皆さんに分かるように発表して頂きたいと思います。比嘉さんよろしくお願いします。
比嘉:
EM総合ネットの比嘉と申します。よろしくお願いします。
今日はここにありますように、土の生命の融合体EMセラミックスの活用法について、基本情報と活用事例を皆さんにご説明したいと思います。
まず一般的に、セラミックスというのはどういうものかという定義をご説明しますが、セラミックスとは人為的に火を通して作られた非金属、無機質個体材料の総称で、一般的には窯業製品、広域にはセメント、ガラス、レンガを含めます。つまり火を通した無機質の物体の総称を言い、語源はギリシャ語の「ケラミコス」であるそうです。
特徴は優れた耐熱性、耐候性を有することで、ここに書いてあるのですが錆びない、燃えない、硬い、又自由な成形が可能というのも長所です。
逆に金属材料と比較して脆い、落とすとすぐ割れてしまうというのがセラミックスの短所です。
また、特徴的な性質として、金属やプラスチックに比べて生体親和性に優れています。インプラント等、義歯に使われている材料もセラミックスになります。
大きな分類としまして、伝統的なセラミックスとファインセラミックス・ニューセラミックスに分類され、天然のケイ酸塩鉱物、いわゆる粘土を材料とする陶磁器、セメント、ガラスなどが伝統的セラミックスとして分類されます。
ファインセラミックス・ニューセラミックスという言葉は良くお聞きになると思いますが、粘土以外の金属酸化物を主源料としたもので、身近なものとしては光ファイバーや、IC、などがファインセラミックスの分類に入ります。
では、いったいEMセラミックスとは何か?ということなのですが、製法としましてEM有用微生物群とEM-Xを粘土にねり混んで、800℃〜1300℃の高温で焼成してセラミックス化したものがEMセラミックスです。
機能としては、EMとEM-Xに由来する発酵分解作用、EMの持っている生ゴミを発酵させたりする作用ですね。あとは抗酸化作用、腐敗や酸化を防止する抗酸化作用を発揮するというのがEMセラミックスの機能です。
また、原材料は、EMとEM-Xと粘土、つまり単純に言いますと生命と水と土を混ぜてセラミックス化したものがEMセラミックスということになります。
さらに原材料について詳しく説明致しますと、まず命であるEMは、皆さんご存知かと思いますが、人間にとって有用で且つ安全な微生物群で光合成細菌、乳酸菌、酵母菌などを中心として有機物を優良発酵分解させる能力を持っています。また、有用な微生物が生成する抗酸化物質が腐敗、劣化を防ぐ抗酸化作用を持っており、つまり生命であるEMは発酵分解作用と抗酸化作用をメインな機能として持っているということになります。
次に水であるEM-X、EMが生成する抗酸化物質を抽出したものですが、あらゆる病気の原因となる活性酸素を消去する能力、いわゆる抗酸化作用を持っており、有機物・無機物を問わずその作用が働くのが特徴です。つまりEM-Xはその機能を総称すると、優れた抗酸化作用を持っているということになります。
最後の土、粘土ですね。粘土というのは風化した岩石から生じるケイ酸塩が結晶化してできる鉱物で、火山活動と風化による自然循環により地球をぐるぐると回っている物質です。化石などの太古の記憶がきざまれているのも粘土で、古くは陶磁器、現在では磁気テープや磁石の原材料としても用いられています。
このような粘土の性質を見ると、情報の保持機能があるのではないかと考えられます。
これはセラミックスの製造概念図です。まず命であるEM、発酵分解作用と抗酸化作用を持っています。
水であるEM-X、これは優れた抗酸化作用を持っています。
土ですね粘土、これは情報の保持機能を持っているのではないかと思われます。
この3つを混合しまして、800℃〜1300℃で焼成してできあがるのが、EMセラミックスです。EMとEM-Xと粘土がこのような形で結びついているのではないかと考えられ、つまり命と水と土が中で結びついているものではないかと思われます。
またその機能としては発酵分解作用と抗酸化作用が認められています。
機能についてご説明もうしあげますと、まずEMセラミックスの発酵分解作用ですが、どのようなところで確認できるかというと生ゴミ処理、通常生ゴミをバケツに入れ、EMボカシをまぶして嫌気状態で2〜3週間おくとEMによる発酵堆肥ができます。EMセラミックスの場合、生ゴミにセラミックスのみ入れ嫌気状態にしておくとEMボカシを使った発酵堆肥と殆ど同じような物ができます。
つまり、微生物を使わずとも、発酵分解作用を発揮するというのがEMセラミックスです。
つづいて抗酸化作用。これはゴハンの放置を比較したものです。ゴハンを炊くとき、リング状のEMセラミックスを入れてたいたものと、何も入れないで炊いた物を1ヶ月間放置したのですけど。何も入れていないものは、明らかにカビが発生し酸化・腐敗が始まっています。それに対してセラミックスを入れて炊いたゴハンは、若干カビも見えますけれども殆ど腐敗していない状態を保っています。つまりセラミックスは酸化や腐敗を防ぐ抗酸化作用を持っているのではないかと考えられます。
また、これは普通の皿とEMセラミックスで作った皿に、リンゴをのせたときの比較です。普通の皿はリンゴが茶色になり酸化していることが確認できますが、EMセラミックスで作った皿にのせたリンゴは殆ど変色しておらず、このことからも酸化を防ぐ抗酸化作用を有していることが確認できます。
これは機能を総称してまとめたものですが、まずEMセラミックスは、高温で焼成されたのにもかかわらず、EMとEM-Xの持つ有機物の発酵分解作用と抗酸化作用を有しています。またセラミックスは優れた耐熱・耐候性を有していることから、あらゆる条件下でもその機能を発揮するというのがEMセラミックスの特徴です。
つまり、EMとEM-Xの機能とセラミックスの独自の特徴が融合してEMセラミックスというのが成り立っているのですが、主に微生物資材の欠点を補完する役割を持っております。先程来話がありましたが基本的に微生物は自分の生活環境に合わないところへは定着せず直ぐにいなくなってしまいます。有用微生物であるEMについても同様で、これらをEMセラミックスでサポートすることにより、安定した有用微生物群の共生する世界をつくり上げることが可能になるのです。
ここまで、EMセラミックスは生物であるEMと水であるEM-Xを粘土と混ぜて800℃〜1300℃で焼いるにもかかわらず、発酵分解作用と抗酸化作用をもっていることを説明致しましたが、一般的つまり常識的には中の微生物をはじめとした有機物は殆ど飛んでいると考えられ、現代科学では説明不能な未解明現象といえます。
そこでこの未解明現象について私なりに考えで説明したいと思います。
まず、EMセラミックスの定量分析の結果で、EMセラミックスを構成する成分を酸化物の含有割合で表現しているものです。表の中の水色の部分のシリカとアルミナの2つは一般的な陶器材料であることを示す酸化物です。また、黄色の部分のイグロスが0.00%になっているのですが、これは有機物が含まれていないということを示しています。
つまり、この分析からもEMセラミックスには微生物をはじめとした有機物が含まれていないことが確認できます。
一方、これはEMセラミックスだけを、培地に入れて培養したらどうなるかを試したものですが、この写真はEMセラミックスをダイヤモンドカッターで切断し培地に入れて37℃で一晩置いたものですが、全ての培地で菌の発生が認められました。尚、比較した中国製陶器の材料をいれた培地では、菌は確認されませんでした。
この2つの事実をとっても説明がつかない現象が起きているということがわかります。
ではこのなかなか説明できない現象というものを、どう理解するかというと、まず極限微生物の存在が考えられます。
これは地球内部から熱水が吹き出す熱水噴出孔付近で生息する微生物が発見されたとういうもので、水深が1347m、水温が約300℃に達するところで潜水船により生物の細胞を確認したという事実です。
また、極限微生物には色々ありまして、例えば酸性を好む高酸性菌とか、アルカリ性を好む高アルカリ性菌、高い塩分濃度を好む高塩菌、逆に栄養が豊富だと生育しない低栄養菌、地底に棲む圧力に耐えられる菌などが存在しています。
ただこれらの極限微生物がやっかいなのは、特殊環境の微生物というのは、特殊条件じゃないと生育しないのです。例えば、地底に住む菌というのは、我々が住んでいるような常圧の状態では生育できず、培養するにも圧力をかけて培養しないといけない。
つまり、人類が生息する環境では確認不能な微生物が、多数存在するということであり、微生物世界は、99%が未解明だという科学的な一般常識になっているのです。ですから現状、EMセラミックス自体に微生物の痕跡は確認されておりませんが、そのような状況下でも微生物が存在する可能性があるのではないかと考えられます。
次は水と粘土と微生物の共生関係から考察したいと思います。
今回EMセラミックスが、粘土と微生物と水が結びついたものと説明しておりますが、これらの共通点について考えてみます。
まずおのおのがかなり微細である。次に構造がシンプルで非常に単純な形をしている。さらには地球の大気圏、水圏あらゆる場所に存在するなどが挙げられます。
一方、地球には2つの大きな循環があります。1つは水の循環で雨が降って流れて蒸発して雲になって、また雨になる。水は地球で非常に大きな循環を繰り返しています。この中でも粘土、微生物、水が共生しながらぐるぐる回っています。
2つ目の循環は、大地の循環。マグマが噴出して液地になって風化して、浸食されて堆積されてまた出てくる。これも古代以来ずーっと回っているのですけれど、この中でも粘土と微生物と水が共にぐるぐる回っているような状況です。
これがいつ頃から続いているのかというと、地球誕生が45億年前ですね。その時分には既に水と粘土は存在したと考えられます。生命がだいたい40億年前に誕生しているので、粘土と微生物と水は、もう40億年前から共生してぐるぐる地球を回っているわけです。ですから我々が想像を絶するような共生の歴足を歩み続けているともいえる訳です。
つまり、この粘土と水と微生物の共生環境というのが、EMセラミックスの粘土と水と微生物の関係に非常に良く似ており、太古からの歴史を持つこの共生環境が、EMセラミックスの未解明現象を引き起こしているのではないかと考えられます。
2点ほど現実離れした話しをしましたので、現実的な製造のお話をしたいと思います。
これは製造フローです。実際写真を見ていただいた方が早いと思いますが、原材料を入れながら粉砕し、最後に袋詰めしていくというもの。これは写真で簡単に説明します。
まず原材料の調達です。これは瀬戸物で有名な愛知県瀬戸市の鉱山で数千万年前に形成されたといわれる地層から粘土鉱物を採掘しています。
続いて製造に入ります。まずは粘土や水を入れて機械で細かく粉砕していきます。
粉砕後、この篩を振動させて、大きなかけらや不純物を取り除いて次に流します。
その次にここでEMを混合します。
その後にかなりドロドロの状態になったもの圧縮することによって水を抜いていきます。
水が抜かれたケーキ状のものがこれですね。
先程のケーキ状のものを、成型器に入れてブロック状にして仕上げます。
その後に、カマで焼成します。
その後、焼成したものを、粉砕機にかけて粉々にします。
最後に袋詰めして製品になります。
つづいて製品の用途について説明致します。
EMセラミックスはその用途で大きく分けて3つくらいに分類されるのではないかと考えています。
まずはEMが持つ有機物の発酵分解作用をメインとした発酵促進用の資材。粉体状のものと固形状のものがあるのですが、メインの機能は発酵分解作用です。用途としては農業で土壌改良や病害虫対策、発酵堆肥の製造に用いられています。畜産では悪臭対策、衛生対策、糞尿の堆肥化。環境においては、水質浄化と生ゴミ堆肥化。いずれもEMの持つ発酵分解作用を利用した用途となっております。
つづいてこれ(左)は建築工業用のセラミックスで、抗酸化作用メインの機能としております。用途としましては、シックハウス対策として酸化を誘発する有害化学物質の除去、コンクリートの耐久性の向上などに用いられます。
さらにこれ(右)は固形状の水処理用のセラミックスで抗酸化作用をメインとしています。飲料水を始めとした水処理全般に酸化腐敗を防止するために使用されています。
ここでEMセラミックの活用のポイントについて説明します。
ポイントはEM技術の3本柱を活用し、抗酸化レベルの多い場の形成を促すことにあります。EM技術は生きている微生物のEM、抗酸化物質であるEM-X、さらにはEMセラミックスで成り立っています。EMやEM-Xにより微生物環境を有用化し抗酸化の場を構築する、EMセラミックスによりこれらをサポートし、有用微生物の共生環境の安定化を図る。つまりEM技術の3本柱を活用し、抗酸化レベルの高い場を形成するということが活用のポイントではないかと考えております。
つづいて活用事例について説明致します。
まず農業。これはリンゴなのですがEMセラミックスをEM活性液の中に入れて、土壌に散布し、土壌改良に用いています。これは先程説明しました発酵促進用のセラミックスを使っております。
次は水産ですね。水槽の水の腐敗を防ぐ目的で水処理用のセラミックスを用いています。これはアワビ養殖と牡蠣養殖で用いている事例です。牡蠣につきましては出荷する前にEMセラミックスで処理した水につけておきますと、非常に身がしまるとお聞きしております。
続きまして水質浄化です。これは三重県の英虞湾で2年前から浄化作業を行っているものです。現場でEM活性液を培養し、ホースを使ってイカダの下にEMセラミックスとともに投入しています。
どのようにEMセラミックスを用いているかといいますと、海底に活性液を投入する機器があるのですが、この上に流し台のようなものがありまして、そこでセラミックスを投入しEM活性液と混合させています。だいたいEM活性液を週10t投入しているのですけれど、投入している活性液の1/1000、おおよそ10キロを一緒に入れております。
これが海中での散布状況です。モアモアとしているものがEM活性液とEMセラミックスです。
尚、EMによる水質浄化ではたまったヘドロを発酵分解し、有機物を可溶化させ、色々な生物に食べさせて、ヘドロを減らしていくという手法をとることから、発酵促進用のEMセラミックスを用いています。
これが2年ほど経った英虞湾の状況です。このグリーン、黒くなっているところが海草です。実験当初は非常に臭いもしまして、数年前に枯れて分解されていない海藻が残っている状況でしたが、2年経つとこのように非常に大きな藻場が形成されています。
これが実際今年5月に海に潜って確認してもらったものです。
先程出ていたのが「アマモ」という海草なのですが、併せてこの「ホンダワラ」という海草も、たくさん生えているのが確認されております。
次は建設建築分野での活用事例です。
これは岩手県の一関市の知的障害者の福祉工場ですが、ここでもEMセラミックスをふんだんに使っております。
ここでは建築工業用のセラミックスを、主に劣化防止を目的として、コンクリートの方に入れております。これは実際生コンに入る前のものを計測している様子で、ミキサー車の上から直接セラミックスを入れている状況です。
その他、土壌全体も改良していこうということで、この土壌改良の方には発酵促進用のEMセラミックスを使っております。さらに室内にもシックハウス対策として建築工業用のEMセラミックスを接着剤に混ぜて使っています。
変わり種としては、これはアスファルト舗装なのですが、発酵促進用のEMセラミックスをアスファルトに融雪、雪を溶かす目的で入れている事例です。
右手が通常に施工したところ。左手がEMセラミックスを使用したところです。降雪直後にはモノサシで見ますと、約10cmのところまで、雪が積もっているというこが確認できます。
翌日の朝測ってみると、通常のところは4cmしか減っていないのに対し、セラミックスを使用したところはだいたい6cmも減っています。
これが降雪4日後です。セラミックスを投入したところはかなり雪が溶けているのですけれども、投入していないところはかなり残っているという変わった活用事例です。
これは今回のブースで出展しているのですが、株式会社三昭堂さんの「EMスーパー採用の家」です。工業EMセラミックスを壁紙、クロス、糊、接着剤に入れてふんだんに使っており、中に入ると非常に心地良く癒されるということです。実際その部屋のモデルを出店されておりますので、皆さん是非体感してみてください。
最後になりますが、まとめてEMセラミックスとは何ものかと言いますと、まず生命であるEMと水であるEM-X、そして粘土の融合体であり、EMとEM-Xに由来する発酵分解作用と抗酸化作用を持っているということ。微生物資材の欠点を補い、有用微生物群の共生環境の安定化を図るというのがEMセラミックスの大きな役割となっております。
活用のポイントとしましては、EM技術の3本柱であるEMとEM-XとEMセラミックスを複合的に活用して、抗酸化レベルの高い場を形成するのがポイントです。
以上、私の発表を終わらせていただきます。
(拍手)
新谷:
どうも比嘉さん、ありがとうございました。非常に多機能なEMセラミックスについて、セラミックスとは何かという基本から説明していただいて、だんだん理解できるようになりました。また、EMセラミックスは水の代わりにEM-X、命としてEM、そして粘土を混ぜたものだということですが、昨日、比嘉さんとお話しした時に、面白いなぁと思ったのは、自分はセラミックスに微生物を入れるなんていうのは、今まで誰もやったことがないと思ってたのですけれども、実は陶芸の世界ではあった話だと聞いたのですけれども、その辺りをちょっと教えて下さい。
比嘉:
先程、冒頭お話ししましたけれど、セラミックスの弱点は、非常に脆いということですね。ということで脆さを防ぐ、ある程度柔らかさを持たせるために何をしたかというと、乳酸菌や有機物を入れるという方法が古くからの伝統的な手法としてあったようです。
新谷:
実は織人の世界では、瀬戸物とか割れないように乳酸菌とか酵母を入れるということを、実際にやっていたということなのですね。これは凄く面白いなと思いました。それと、私たちはEM使っていて、EMじゃんじゃん撒いていたら、EMセラミックスは使わなくてもよいのじゃないかという感じもするのですが、発表を聞いていて面白かったのは、微生物資材の欠点を補う、例えば微生物が雪の中ではなかなか増えないので、そういう所とか極端に暑いところで使うということですね? 比嘉さん、EMとEMセラミックスをあえていっしょに使う利点がありましたら説明していただけますでしょうか?
比嘉:
基本的に微生物はエサがないと生きていけません。住みかがないとないと生きていけません。住みかがないと生きていけないというのは、その微生物よりちょっと大きめで微生物を食べるような生き物が、周りにどんどんどんどんいますので食べられてしまいます。生活環境と食ですね、これが揃っていないとなかなか生きていけない。これは一般的に言われていることです。だから微生物を投与しながら、エサをずうっと投与していかないと馴染んでいきません。しかしEMセラミックスを入れることによって、生活環境を安定させて、さらにメンテナンス的にEMを付け加えることによって、抗酸化の高い場が早めに形成されていくというのがセラミックスを利用する利点ではないかと思われます。
新谷:
なかなかEMが増えないところでも、セラミックスを利用することによって、早く抗酸化とか発酵を促進できる可能性があるということですね? 最後にちょっときつい質問かもしれませんけど、EMは効くまでどんどん撒きなさい、と言われますが、セラミックスも効くまで撒けという形になってしまうのでしょうか?
比嘉:
先程アルカリ性の話もあったのですが、特に粉末状にしているものは実際アルカリ分が溶出します。ですが水処理に使うときは、固形状の物を使っていただきたい。土壌改良には10アールあたり5キロくらい、かなりの面積に5キロ程度しか使わないのと、微生物が定着していけば年々使っていく量も減っていくのではないかという考えです。
新谷:
どうもありがとうございます。EMに携わる者としては、EMをじゃんじゃん撒いても効果が出ないという農家・農場とかもあるので、もしこのセラミックスを使うことによって、効果が得られるとか、寒いところとか、砂漠とか、水分が無いような所もありますから、そういう所でEMセラミックスを利用することによって、EMの効果を引き出せるのであれば、可能性が見えて面白いと思います。今日は非常に難しいことを解りやすく説明していただいて、どうもありがとうございました。
(拍手)
新谷:
長い間どうもありがとうございました。予定は4:30pmまで、あと10分しかありません。もし、質問したいという方がおられれば、一つか二つ受けたいと思います。あっ、どうぞ。
質問者:
───比嘉さんの講演に対する質問です。EMの中にセラミックスを入れて効果が出るというのは、その場合はEMが生きていてそういう効果を出しているのか、それとも死んでいるのでしょうか?菌が生きているとか、死んでいるのかという定義はかなり難しいと思うのですが?
比嘉:
事実だけをお話しします。電子顕微鏡で見ますと、痕跡というものは残っていません。先程データを示したけれども有機物というものが含まれていないと考えて、現代科学のレベルからはまず残っていないと言えるのですが、実際は不思議な現象を起こしているのも、事実であると考えられます。
新谷:
ということは今の実験手法では、ネガティブな結果が出るけれども、現象としては起きているので、生命の定義は難しいですけれども、何らかが働いているという風に理解されているということですね。
質問者:
───もう一つ、今のものに関連して、効果というのはどれくらい長持ちするのでしょうか?例えばシックハウスのお話しをされたのですが、その場合、例えば現実問題として、工事で施工して行く場合に、どういうことになっているのでしょうか?という質問が必ず返ってくる、いつまで効果があるのか?というのが出てくると思うのですが、その場合にはどういう風に答えたらいいのでしょうか?
比嘉:
基本的にセラミックス自体が、その場にあれば、その効果は半永久的に続くと理解していただきたいと思います。
新谷:
どうもありがとうございました。
新谷:
では女性の方、どうぞ。
質問者:
───ハワイからまいりましたけれど、星野さんにお尋ねします。微生物は水にかかると悪いと、お話しを聞かせていただいたのですが、生ゴミの水の切り方、カゴに入れて切る場合と、私は新聞紙において切っているのですが、そういう方法でよろしいのか、それからそれをどれくらい置いておいた方が良いのか?と、活性液でボカシの代わりができるのか?その2点についてお伺いします。
星野:
先程お話ししたように、生ゴミというのは水を8割くらいもっています。生ゴミ(魚でも野菜でも)には乳酸菌や酵母、その他多くの微生物の仲間が付いています。それらの微生物は水分が多いと分裂速度がすごく速くなります。その時に腐敗型の微生物が多く入ったと考えると、例えば、魚のアラとかっていうのはすぐに傷みますよね、それからオカラとか非常に良質なタンパク源、そういうものは置いておくとすぐ腐ってしまいます。先程言ったバチルスの仲間で生育速度が速く悪臭を出す菌、腐敗させる菌はバチルスだけではありませんが、その辺が動いてしまうということなので、なるべく水分は少なくして嫌気的にするとよいですね。バチルスという菌は好気性が強い菌ですから嫌気的にすることですね。
私が実験をやった、ペットボトルで見ると、100万、10の6乗くらいしか増えないのですね。他の乳酸菌は10の12乗くらい数えられるのですが、そういう性質がありますのでできるだけ水は切られた方が良いかと思います。一番大切なことは、生ゴミが出たらすぐEMで処理し、乳酸菌の働きを利用して腐敗菌を生育させないことです。また、堆肥として利用する場合は一ヶ月ほど熟成したものを用い、さらに土の中で1ヶ月発酵させた後に植物を植えるようにすると無難です。
それからもう一つは、米のとぎ汁ですね。米のとぎ汁にもたくさんの微生物が、酵母や乳酸菌、酪酸菌も、色々な菌がいるのですけれども、EMは微生物資材です。というのは原生動物とか後生動物とかは食べるという表現ですが、微生物は、彼等が持っている酵素を使って、タンパク質やデンプンのように高分子物質を順々に切っていって可溶化し、他の生物のエサになるような形にします。動植物に付いている乳酸菌や酵母がいたり、色々な微生物が多様化してくると酵素の種類が増えて、色々な効果が出てきます。
米のとぎ汁EM発酵液なんかを使って、腐らない方向に持っていくような方法をとれば、ボカシのように使うことができます。私は米のとぎ汁EM発酵液で生ゴミ処理を行い、1ヶ月ほどした生ゴミを土に混ぜて発酵させたものを肥料にしています。
新谷:
ありがとうございました。
[コーディネーター]
新谷 正樹(しんたに まさき) EM研究機構海外部米州事業部担当
プロフィール:
1965年 兵庫県尼崎市生まれ
1988年 筑波大学農林学類卒業
1988-1990年 青年海外協力隊員としてホンジュラスにて植林を指導
1994年 琉球大学大学院農学研究科卒業
1994年−1997年 アジア・太平洋自然農法ネットワーク技術指導員
1997年−2000年 コスタリカ・アース大学客員教授
2001年−2002年 米国ミズーリ大学農学部 客員研究員
2002年− EM研究機構海外部米州事業部担当 現在に至る
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