EMフェスタ2003
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EMフェスタ2003
専門分科会
「EM資材の基本的活用方法について」
コーディネーター
新谷正樹/EM研究機構
パネリスト
星野豊/EM研究機構 特別研究員
津曲徹/(財)自然農法国際研究開発センター四国地区普及所
比嘉新/(株)イーエム総合ネット
2003.11.15
EM基礎技術分科会はEM技術を応用する上で、基本となる「EM活性液」、「EMボカシ」についてポイントを再確認し、出来上がった活性液、ボカシを簡易な試験方法や数値によって客観的に判定する方法について星野豊さんと津曲徹さんが発表した。津曲さんはボカシの匂いの代表例を試薬として試験管で持参し、会場の参加者に匂いを実際に嗅いでもらった。次に、注目を集めているが、ユーザーに十分に理解されていないEMセラミックス技術について比嘉新さんがEMセラミックス技術の基礎から応用例までを丁寧に発表した。
今回の分科会では発表者が伝えるべき情報とポイントを絞りこんだので、参加者からもわかりやすかったと好評であり、最後の質疑応答も活発であった。
◆EMは生き物であるということを再確認しましょう
最初の発表者である星野豊さんは「EM活性液の考え方と作り方」というテーマで発表を行った。星野さんは、EMは生きた微生物からなる命ある資材であることを理解することがEM活性液を作る上で重要なポイントになる。つまり、生き物である微生物は基質(餌)、水分、温度等の条件が適当であれば、1ml当たり、100万から1000億個に数を短時間で増やすことができる。この微生物の特徴を生かして、より多くの活性化したEM(有用微生物)をローコストで使えるようにしたのがEM活性液である。簡単に言えば良いEM活性液とはEMを構成する有用な微生物だけが数多く優先しており、腐敗を起こすような悪玉菌がいない活性液であると述べた上で、良質なEM活性液の作り方として、その材料と配合をスライドでEM1原液:2%(1〜3%)、糖蜜4%(3〜6%)、天然塩0.3%(0.3〜0.5)%とし、初期の培養温度は30〜40℃を3〜5日間確保し、それ以後は室温(20〜30℃)で嫌気発酵させればよいと説明した。
良質なEM発酵液を作るポイントとしては@雑菌の混ざっていない糖蜜を使用する。Aまず乳酸菌を増やす。すなわち、材料を混ぜた後すぐに発酵温度(30〜40℃)を確保して乳酸菌が増える条件を整える。B空気の入らない密封状態(嫌気条件)で発酵させる。空気が多いと乳酸菌が増えない。Cきれいな容器、水を使用する等のポイントを強調した。
出来上がったEM活性液の品質評価方法としては@臭気:良質な活性液は香りがよく手に塗った時、後で臭いが残らない。悪い活性液は不快な香りがし、手塗った時、後まで臭いが残る。ApH:良質な活性液のpHは3.5以下になり、悪いEM活性液はpHが4.0以上になると述べた。上記2つの評価方法以外に、完成した活性液を1ヶ月以上保存してみてからもう一度、臭気とpHを測定することにより、製造したEM活性液が本当にいい活性液であったか否かが判定できると新しい情報を提供した。
◆EMボカシの新しい品質判定方法
2番目に津曲徹さんが「EMボカシ考え方・作り方」というテーマで発表を行った。津曲さんは開口一番、会場の参加者にスライドを見せながら「ボカシを水に浸けて保存したらどうなるでしょう?」いう質問を投げかけた。会場の参加者は「?」と考え込む様子。津曲さんは現場でボカシの利用する場所、例えば生ごみ処理の生ごみの中や、畑や水田の土の中は水分が高い。つまり、水に浸けて保存して腐敗するようなボカシは、現場で生ごみや土に混ぜても腐敗する危険性が強いので、これからは、EMボカシは水に浸けても腐敗しないようなボカシを作ることを基本することをまず提案した。
ではどうすれば水に浸けても腐敗しないような良質なEMボカシを作れるかについて製造上のポイントを以下のように述べた。@水分量は40%前後とする。A発酵初期1週間は30〜40℃で保温する(乳酸菌を増やす)。BEMは活性が高く密度の高いものを使用する。つまりEM活性液や米のとぎ汁EM発酵液を水代わりに使用してボカシを作成する。C長期間熟成する。Dアルカリになりやすい材料は添加しない(魚粕、大豆粕、貝化石、炭等)。
ボカシの品質判定方法としては最初に述べた水に浸けて腐敗するか否かを観察する方法以外にpHと臭いを判定基準とする。pHは水100mlにボカシ20gを混ぜ、その上澄みのpHを測定し、米ぬかだけのボカシであればpH4.5以下、その他の材料が混ざっているボカシでは5.0以下であれば合格である。臭気はボカシの臭いは色々な臭気が混ざり合っており、臭いの判定に関しては個人差が大きいので、酸とアルコールが結合したエステル臭が参考になる。
例えばボカシのpHがよく低下している場合は酢酸エチル(セメンダインの匂い)や乳酸エチル(青りんごの匂い)が主流になり、pHの下がりが悪いボカシでは酪酸エチル(フルーツガムの匂い)が主流になると報告し、会場では実際にそれぞれの試薬のサンプルを会場の参加者にその匂いを体験してもらった。会場からは今まで自分たちが、今までいいボカシ悪いボカシの匂いと思い込んでいた匂いとの間に大きな差があったことに驚きの声が上がった。
◆
やっと理解できたEMセラミックス
最後に比嘉新さんが「土と生命の融合体 EMセラミックス」のテーマで発表を行った。比嘉さんは、まず「EMセラミックス」の説明を始める前に通常の「セラミックス」について、定義は「人為的に火を通して作られた非金属無機質固体材料の総称」であると説明した。通常のセラミックスは粘土を焼成したものであるが、EMセラミックスは「EMとEMXを粘土に練り込み800〜1300℃の高温で焼成してセラミックス化したもの」である。より具体的に言うとEMセラミックスは生命としての「EM」と、水としての「EMX」、土としての「粘土」を混ぜて焼成したものであり、土(粘土)が生命(EM)と水(EMX)を結びつけたものがEMセラミックスであるとスライドを使いながら丁寧に説明した。このEMセラミックスが通常のセラミックスと異なる点はEMの発酵分解作用とEMXの抗酸化作用の機能を保持している機能性セラミックスである点である。
例えば生ごみ処理時にEMボカシの代わりEMセラミックスパウダーを使用しても生ごみが発酵したり(発酵作用)、EMセラミックスを入れて炊き上げたご飯は黄ばむ速度がEMセラミックスを入れずに炊いたご飯より遅くなったり(抗酸化作用)、EMセラミックス粉末を寒天培地上に置くと微生物が現れる事例をスライドで示しながら示した。
その一方で、現代科学では800〜1300℃の高温で焼成した場合、微生物は死滅すると考えるのが常識であり、スライドで示したEMセラミックスの持つ機能は未解明現象であると述べた。この未解明現象を紐解くヒントとして、今まで微生物が生存不可能とされた深海の熱水噴出孔から多数の微生物が採取されたことや、強酸性、強アルカリ、高塩分、高圧などの極限条件下でも生存する微生物がいることが近年次々と報告されていることを上げた。地球誕生からの歴史から見ても水と粘土と微生物は40億年以上前から共生を続けてきたことをあげ、EMセラミックスが起こす現象が、この歴史を考慮すると十分起こりえることを示唆した。また日本の瀬戸地方では瀬戸物を焼く時に酵母を混ぜると良質の瀬戸物ができるという伝承を受け継いで実践している職人さんもいるとのことであった。
EM以外にEMセラミックス技術をユーザーが現場で使う理由または使う利点については、微生物資材には環境条件の変化により、微生物が移動又は生残と増殖が左右される欠点があると述べた上で、生きた微生物には増殖が難しい厳しい農地(寒地等)や、水処理等でEMの機能を固定して維持したい場合に応用できる点であるとし、その活用事例をスライドで説明した。その他にもEMセラミックスをアスファルトに混合することにより融雪が促進されたり、建築に使うことによりシックハウス被害を防げる事例などを発表した。
最後にEMセラミックス技術は微生物資材としてのEMの欠点を補い、EMの共生関係の安定化を図れるという特長があり、EM技術の3本柱であるEM、EMX,EMセラミックスを複合的に応用して利用することにより、抗酸化レベルの高い場を形成することができると結んだ。
The Theater Event --------
Effective Microorganisms