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EMフェスタ2003
専門分科会
EMならではの農業方法について

コーディネーター
今井 悟(いまい さとる) (財)自然農法国際研究開発センター

パネリスト

谷木 伸行(たにき のぶゆき) アジア太平洋自然農法ネットワーク(アプナン)
早川 仁史(はやかわ ひとし) 農業  北海道石狩郡新篠津村
岩瀬 尉司(いわせ じょうじ) (株)イーエム総合ネット
宮里 幸啓(みやざと ゆきひろ) (有)熱帯資源植物研究所


2003.11.15


今井
 只今よりEM農法分科会を始めさせていただきたいと思います。本日進行役を務めさせていただく自然農法国際研究開発センターの今井と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。 (拍手)
 この度の有用微生物応用研究会は第20回という記念すべき節目の年でございまして、こうした時に進行役を務めさせていただくことは大変光栄でございます。不慣れなところもあろうかと思いますが、皆様のご協力の下、進めさせていただきたいと存じます。
 私が最初にこの大会で発表するために沖縄に参りましたのは16年前でございました。1987年の第4回の大会でございました。その当時はこのような立派な施設ではなく、琉球大学の大学会館の中で開催されました。それもちょうど全体でこれくらいの人数、約150名位でございまして、その中で始められました。その当時に比べますと現在の大会というものは、EMフェスタという総合的イベントとなり、規模的にも内容的にも格段の発展の姿が伺われます。
 またEMの広がりというものは日本のみならず世界に広がりまして、比嘉教授の願いであります「地球を救う大変革」という理想が一歩ずつ実現しつつあるように感じられます。
 それではこれから本日ご発表いただきますパネラーのご紹介をさせていただきます。まず最初に、タイに事務所がありますアジア・太平洋自然農法ネットワークに勤務しています自然農法国際研究開発センター職員の谷木伸行さんです。(拍手)
 続きまして北の大地・北海道新篠津村で農業を営まれております早川仁史さんです。(拍手)
 次にご紹介いたしますのはイーエム総合ネット・EMスーパーセラ簡易農業推進チーフの岩瀬尉司さんです。(拍手)
 最後に熱帯資源植物研究所で農産園芸事業部や総合企画部リーダーとして活躍しておられます宮里幸啓さんでございます。(拍手)
 本日のテーマは「EMならではの農業方法について」でございまして、EM資材を効果的に使用することによって作物の本来の能力をどのように引き出すことができるのか、EM資材を使用することによって様々な効果を上げている国内外の実践者をパネリストとしてお迎えしまして、各種のEM資材の投入方法や時期、資源を循環させる方法などEMのメリットを引き出した農業のあり方をご報告いただきます。
 それではこれからの進め方ではございますが、本日は限られた時間の中に4名という非常に多い人数の発表を予定しております。従いまして、できるだけ効率よく進めて参りたいと考えております。まず最初に、それぞれ15分程発表をいただきまして、そして全員の発表が終わりましたら、皆様の発表を基に、EMの農業活用につきまして更にポイントを絞って議論をしていきたいと思います。そしてその後、会場の皆様にもご参加いただきまして、質疑応答をしていきたいと思います。
 それではまず谷木さんから報告していただきますが、アジア・太平洋自然農法ネットワークは通称APNANと言っておりますが、アジアを中心といたしまして、オセアニア地域にもEMの製造・自然農法・EMの活用技術の普及を行っております。昨年までは国際会議を開催し、ニュージーランドで最後の国際会議が行われました。
 またタイ・サラブリの救世自然農法センターでは、定期的な国際研修が開催されまして、1994年からこの8月までに41回、26カ国976名の参加がございました。そこで学んだ農民や政府関係者などが自国に戻りまして、その人たちが中心となり、各国でEMを用いた活動の輪が広がっております。
 今回は、APNANが支援する多数の国々の中から、特に顕著な成果を上げておりますミャンマーにおける取り組みについて報告いただきます。ミャンマーでは、1992年より政府との合意書に基づきまして、国家的プロジェクトとして自然農法やEM技術の普及を推進しており、全国に広がっております。
 それでは谷木さん、お願いいたします。




EMフェスタ2003 専門分科会
■ 「ミャンマーにおけるEM技術を利用した大規模水稲栽培」
谷木 伸行(たにき のぶゆき) アジア太平洋自然農法ネットワーク(アプナン)

プロフィール:
1973年2月6日 香川県さぬき市生まれ
香川大学農学部農業生産学科卒業
1997年〜98年 香川県立農業大学校嘱託職員(果樹コース助手)
1998年〜    (財)自然農法国際研究開発センター
1999年〜    APNAN事務所出向 現在に至る


谷木
 ありがとうございます。
 みなさんはじめまして。東南アジア地域を中心に、現在EM技術と自然農法の普及を進めております、アジア・太平洋自然農法ネットワークの谷木と申します。本日は、私共が進めてまいりましたミャンマーでの普及状況に関しまして、EM技術を利用した大規模水稲栽培について発表させていただきます。



 1989年にタイで第1回救世自然農法国際会議が開催されました。この会議においてEM技術の開発者の比嘉照夫琉球大学農学部教授からEM技術が世界に向けて紹介されました。この会議には、各国から科学者や農学者他、政府関係者が参加しておりました。ミャンマーからはイエジン農学大学の先生方が参加されており、後にこの先生方によってEM技術と自然農法がミャンマーに導入されることになりました。



 イエジン農学大学での水稲の試験栽培で、EMの有効性が認められ、1992年12月、ミャンマー政府との間で普及に関する合意書を結び、本格的な普及が始まりました。現在は、第3次の合意書が今年1月に調印され、更なる普及が進められております。
 現在ミャンマーにおける普及を担当しているのは農業潅漑省のミャンマー農業サービスという部署です。この部署は、主に水稲やマメ科作物等の基幹作物に関する技術普及や資材供給を行っている部署です。EM技術の普及を主に担っているのはこの部署の普及部です。
 この他、中央農業調査研究所では、本格的な普及開始後もEMを利用した水稲栽培に関する調査研究が継続的に行われております。また中央農業研究訓練センターではEM技術に関する研修会が定期的に開催され、人材育成も進められております。同センターでは、2000年度の雨期水稲栽培から自然農法とEM技術によるモデル圃場技術が進められております。



 これは、本格的な導入が開始された1993年から2002年度までのEM原液の供給量とその使用面積の推移を表したものです。折れ線グラフは、供給量を示し、棒グラフは、使用面積の推移を示しています。EMは現在基幹作物である水稲栽培に大規模に利用されています。普及開始当初は、EMの散布が中心でしたが、現在は、国の農業政策が有機物の有効利用を目標としていることもあり、EMを使った堆肥やボカシの利用が増えてきています。
 1970年から1998年にかけて使用量・使用面積等減っておりますが、これはアジア経済危機の影響を受け、EMの輸送に必要な燃料費等の高騰があげられます。政治的な問題もあったのですが、その後、順調に回復してきまして、現在2002年度で見ますと、約130トン余りのEMが約136万エーカーですから約54万ヘクタールの水稲栽培に利用されています。これはミャンマーの水稲耕作面積の約1割にあたります。ただ2001年にEMの使用量・使用面積等が急激に伸びているのは、農業灌漑省の計画ではなかった計画が一つありまして、その追加的な使用量も加えられているので、ちょっと増えています。しかし、基本的にはグラフのようにEM原液の供給量と使用面積は順調に増えてきております。



 これはミャンマー農業サービスの普及所で作られている堆肥です。普及所の管轄範囲の農家に対して、EMを使った堆肥の作り方を教えています。堆肥に使う材料は生ゴミ・植物残渣や家畜糞等、農家で入手できる有機物を使っています。



 これは、中央農業研究訓練センターで試作しましたトウモロコシ残渣を用いた堆肥です。通常の約半分の期間で体積が半減し、堆肥化期間が短縮できました。



 これは、ミャンマー農業サービスの普及所の展示圃場の前にある堆肥ピットです。展示圃場では、EMを使用した水稲とEM未使用の水稲との比較栽培を近隣の農家が見学できるようになっています。普及所では、この比較栽培に使用しているEMを使った堆肥やボカシの作り方も併せて指導しています。
 写真は、穴を掘った場所に有機物を投入し、堆肥を作っています。



 農家さんは、圃場近くでこのように堆肥を作っており、現在ではこの方法が一般的になっています。



 これは、中央農業研究訓練センターで、2000年から始めましたモデル圃場作りの時に用いました作業暦です。これを決める時には、現地の担当者とEMの効果や、ミャンマーの栽培方法に合ったEMの使い方・使用量等話し合いを行いまして、現地担当者の理解を得てから、このような作業暦を作りました。もちろん将来的には、農家さんへの普及も考慮して、農家レベルで手に入る有機物を利用することを念頭に作成しております。
 この作業暦の中で特に考慮したのは、有機物の有効利用とEMをいかに土壌中に定着させるかということ、もちろん化学肥料を使わずに、収量を如何に確保するかということでした。EMを定着させるために定期的なEMの散布を行い、また、作物残渣等の有効利用のためにEMを使って有機物を堆肥化しました。そして収量を確保するために、国内で通常使用する有機物量の3倍程度の有機物量を投入しました。その他、EMをできる限り多く使用するよう考慮して、作業暦を作りました。



 このセンターでは写真のようにモデル圃場作りに際し、収穫後、稲藁・米糠・籾殻の食物残渣や家畜糞等を利用して堆肥を作っています。



 この後ビニールシートを掛けて堆積し堆肥を作っています。雨水による養分の流出を少なくするためにビニールシートを使っています。通常の農家では先程お見せしました写真のように材料にも稲藁を使うのですが、堆積したものをカバーするのにも稲藁が使われております。



 これは代掻き後水田に水を張りEMを散布しているところです。日本のように動力噴霧器が一般的でないので、水田の中で最終希釈倍率が1000倍程度になる量を手桶によってEM活性液を散布しています。



 分けつ期のモデル圃場の状態です。



 これは動力噴霧器を使ったEMの散布風景です。先程はミャンマーではこのような機械は一般的でないと説明しましたが、中央農業研究訓練センターというのは日本のJICAの支援で作られた経緯があり、多くの水稲栽培用の機械が寄贈されていますので、このセンターでは農作業にこのような機械を使うこともあるということです。通常農家では手桶散布が普通です。もちろん栽培期間中の散布も手桶散布が主流です。



 これは登熟期のモデル圃場です。



 これは収穫期のモデル圃場です。



 作成した作業暦に基づいて栽培した結果は開始2年目の平均収量で、化学肥料を併用するミャンマー全体での平均収量程度を確保することができました。下段はタイのサラブリ救世自然農法センターとタイの平均収量を示しています。品種が違い、また栽培条件も異なるので一概には比較できませんが、一応参考程度にご紹介いたします。この結果を基にミャンマー農業サービスでは、全国の80カ所で、この作成した作業暦を用いた地域適応性試験を行っております。そして中央農業調査研究所でこの試験栽培の調査報告書をまとめ、ミャンマー農業サービスの次年度の活動に生かされています。これは地域の実情に応じた作業暦の改善が行われるということです。



 これは完成した堆肥の横で収量調査を行っているところです。ミャンマーでは1年を通して水を確保できる所では、年2回の水稲栽培が行われています。このセンターでも通常年2回の水稲栽培が行われています。収穫が終わればすぐに、次の水稲栽培の準備が行われます。これは収穫直前の時期なのですけれども、すぐ隣で次作の水稲栽培用に堆肥が作られています。



 これはEMの出荷風景です。現在EMと糖蜜は、ミャンマー農業サービスが地区普及所を通して農家や利用者に供給しております。



 これはミャンマー農業サービスの普及所で作られているEMボカシです。このEMボカシは通常販売されておりまして、大規模に使う所とか、その他、育苗関係の会社に販売されております。



 これは実際の農家で作られていた堆肥です。非常に良い品質のものができておりました。



 これは実際の農家の水田での堆肥の散布風景です。通常はほぼ人力でEMの散布もEMの堆肥もEMボカシの散布も行われております。



 以上私達が10年間以上ミャンマー政府と協力して進めてきたEM普及活動の一部を紹介させていただきました。ありがとうございました。
(拍手)


今井
 ありがとうございました。もう既にミャンマーでの取り組みは10数年過ぎているわけでありますが、政府が中心となって取り組んだ結果、地道に普及活動が広がっていることが分かります。先程途中に表がございましたけれども、稲の栽培方針が示されていたわけですけれども、あのような具体的な栽培方針とか説明書があれば、自然農法とかEM技術というのは非常に普及しやすいのではないかというふうに思います。また日本における現在の有機栽培というのは約0.1%くらいなのですが、それに比べてミャンマーは水稲面積の1割ですから、本当に凄い広がりを見せているということがお分かりになると思います。その辺も何故それほど広がったのか時間があれば聞いて見たいと思います。




EMフェスタ2003 専門分科会
■ 大規模複合農業でのEMの活用
早川 仁史(はやかわ ひとし) 農業  北海道石狩郡新篠津村

プロフィール:
 1961年10月10日 北海道新篠津村 生まれ
 酪農学園短期大学農業経営科通信課程
 昭和56年就農 現在に至る

今井
 それでは続きまして早川仁史さんより「大規模複合農業でのEM活用」というタイトルで報告いただきますが、早川さんは20ヘクタールの農地を耕作する専業農家でございます。平成4年頃からEMを使い始めまして、メロンをはじめ大豆・小豆・米・麦・白菜など多種多様な作物を生産しております。そして素晴らしい成果をあげております。平成6年には新篠津EM研究会が結成されまして、その中のリーダー的存在でございます。また平成10年には有機では非常に栽培が難しいとされていますメロン栽培におきまして、有機JAS認定を受けています。地域における有機農業の牽引役でもございます。また今年は全国的に冷害年で、北海道も大変厳しい冷害で、7月の中旬・下旬というのは非常に寒さが続いたわけですが、早川さんの所ではこのような低温の中でもお米をはじめ大豆なども、昨年よりは悪いのですけれども、付近に比べ良い成果をあげておられます。そのように品質も優れ、収量もあげている成果をご報告いただきたいと思います。それでは早川さんよろしくお願いします。



早川
 皆さんこんにちは。北海道新篠津村という所からやってまいりました農業をやっております早川と申します。



 まずは新篠津村の位置関係から説明したいと思います。皆さん札幌はご存じだと思うのですが、札幌から北に車で50分くらいのところにありまして、年間降雪量6mくらいの豪雪地帯でございます。



 我が家の農業の経営状況でございますけれども、その表にあるように約20ヘクタール作っております。かなりの品目を作っておりまして、なおかつこの面積を夫婦2人で年間約300日程度の営農で暮らしております。
 EMは平成4年より導入いたしまして、先程今井さんから紹介いただきましたように、有機JASも取得いたしました。



 早速ですが水稲の説明をまずさせていただきたいと思います。9ヘクタールの慣行田と1ヘクタールの有機JASの水田を持っていますけれども、種籾ならびに育苗期間中は全てEMで、無農薬で全面積をこなしております。水田の秋処理、稲藁処理ですけれども、活性液50リットル散布し耕起します。春も50リットル散布して耕起する事を行っております。



 1ヘクタールの有機JAS水田におきましては、100キロの生糠を散布し、30キロのEMボカシをまいて耕起します。春にはまた、120キロEMボカシのみの施肥でやっております。成育中にEM活性液の約20倍希釈液を4回くらい水田ビークルでかけております。



 今年の北海道は、非常に低温だったので、出稲後の登熟を少し心配したので、出稲期の7月下旬から8月の上旬以降に、EM活性液の20倍希釈液を2回散布しました。かなりこれが良かったのかなという気がしていますが、本当は、3回散布したかったのですがEM活性液の作成に間に合わなかったのが少し悔やまれるところです。



 収量結果ですが、まだ正式な数字は出ていないのですが、地域での収量調査というものがあり、その結果では、有機JASの水田で485キロ、慣行水田で505キロ。慣行水田といってもEMをじゃぶじゃぶまいています。周辺農家の平均が425キロくらいですから、約1俵半といいますか80キロ位は増収になったのかなと思っております。



 続きましてオーガニック、有機メロンの説明をさせていただきます。メロンは昭和63年に導入いたしまして、3〜4年位で連作傷害や、病害虫に非常に苦しんでおりました。その時にEMと出合いまして、ハウスは多くあるのですけれども、試験とかではなく、初年度から全面積にEMボカシを施用しました。実はEMをメロン栽培から使いました。



 EMを使用するうちに、病害虫がなくなり、今現在最長で、11年のメロンの連作がございます。苗立ても自根で行っております。追木はせずに11年連作で作っております。今現在ではメロン畑での活性液の使用はしておりません。殆どいりません。ボカシも春に50キロ、土壌分析の中でカルシウムが不足してきましたので40キロ程度貝化石を入れるだけでメロンを作っております。非常にラクに栽培しております。



 最大の特徴は収穫の1週間位前になりますと、全面マルチの下にオレンジ色の赤い色がびっしり確認されます。多分これは光合成細菌じゃないかと思っているのですけれども、収穫期を教えてくれるというような状況です。難しい説明は割愛させていただくのですが、家の圃場は、泥炭圃場という変わった土なのですが、非常にセルロース分が高くて放線菌の餌になりやすい土壌です。ですから放線菌が非常に活躍してくれますので、結果として病害虫を押さえているのかなと思っております。それに加え、収穫前に光合成細菌が働くことにより、ぐっと糖度がアップすると思っております。このようなサイクルでメロンを栽培しております。


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 続きまして、有機大豆と有機黒豆、それから有機小豆を説明させていただきます。基肥は、EMボカシを反当り150キロのみで、あとはEM活性液の散布だけで栽培しています。堆肥や肥料とかそういうものは一切使っておりません。



 ちょっとコツがあるのは、ボカシを先にまかないことです。豆は、発芽の段階でタネバエという虫にやられてしまうと、発芽不良を起こしますので、あくまでも無肥料で種をまき、発芽をした後に反当り150キロのEMボカシを追肥で使うというようなやり方でやっています。



 EM活性液は4、5回散布しているのですが、定期的にやっているのではなく、気が向いた時にじゃばじゃば散布しているという感じです。



 長いところでは3年同じところで大豆を作っていますが、収量的に、昨年は大豆が300キロ、今年は340キロ、約5俵半ちょっとのプラスアルファです。黒豆も約300キロ程度の収穫になっております。



 今年は、大豆も不作の年なので、地域の慣行栽培で240キロ程度とみているのですが、いわゆるEMボカシのみの有機JASのEM大豆ということで100キロ位の増収になっております。



 話の中で出てくるEMボカシ、EM活性液をじゃばじゃば使うには、どこで作っているかと言いますと、うちの村は非常にEMに対して理解の深い村のため、EMボカシ1トンタイプの製造器とEM活性液作成タンク1500リットルと今年新たにEM活性液作成3000リットルのタンクを村で購入いただきまして、我々EM研究会が平成6年から作っています。


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 EM研究会には100名位のメンバーがいるのですけれど、それぞれが資材を持ち寄って、ここで培養して家に持ち帰るという非常にラクしてEMボカシとEM活性液を大量に培養し使用できるシステムになっています。



 それに加え、クリーンセンターという土壌診断をできる施設を村が作ってくれました。ここでは、科学的な数字も裏付けとして取れますし、色々な実験も行っております。村の中で350戸位の内の100戸位の農家がEMに何らかのカタチで参加をしていまして、良い農産物を作ろうとみんなで一所懸命頑張っております。



 せっかく収穫した豆ですから、どういう評価を受けるのかなと、多少調査をしてまいりました。昨年の大豆でやってみたのですが、純粋に大豆をフライパンで炒って無作為に食べていただきました。そうすると思った通りと言うか、大変嬉しい結果で、EM大豆の評価が非常に高い。特に甘さもありますし、非常に美味しいという評価を得ております。これは比嘉教授の言う通りなのかなという気がしますが、何故美味しいのか?という個人的に疑問がありまして、少し又違う実験をしてみました。



 これは簡単にできるのですが、吸水実験というもので、シャーレの上に棉か何かに水を浸して豆を置いておきます。



 自分のだけをやっても分かりませんから慣行栽培のものも買ってきましてそれと比べてみましたところ、EM栽培の豆は非常に吸水力が高いです。これは2日目くらいの状況かと思うのですが、非常に大きくなります。



 非常に水の吸収率が高いです。黒豆は発芽しなかったのですが、小豆と白大豆は発芽をしたものもけっこうありました。



 いわゆる発芽能力も非常に高いということがこれで分かるのかなという気がしています。



 それからもう一点、この大豆を摂取したらどうなるのかなという実験も多少やってみました。要するに、体の中でどうなるのかという実験なのですけれども、小豆や大豆や黒豆を粉にして水に溶かし、体内温度約35度位を設定いたしまして、蓋をして密閉して放置しておいたのです。するとまず一番区別がつくのが、24時間後、体内ではだいたい24時間くらい食物が入っていると思うのですが、その段階でEM大豆の方が極端に透き通ってきます。慣行栽培のものはかなり濁ったままでして、この辺から、抗酸化能力が高い作物に水を入れて密閉すると上水の澄むのが早いというところがありますし、また、3日位置いておきますと、慣行栽培のものは蓋を開けられません。これは発酵で開けられないのではなくて匂いが強烈で開けられません。かなりの腐敗臭がします。まだ今年の分をやっていますので、全部のEM大豆がそうなるとは分かりません。ばらつきはあるのですけれども、中にはヨーグルトのような匂いがするものがEM大豆の中にはあります。これは比嘉教授がおっしゃっている通り、EMで作っていくと抗酸化力が高くなって腐敗しない農産物、特にヨーグルトのような香りがすると教授も言ってらっしゃいますので、かなりその方向に近づいているのかなという期待感を持ってこういった実験をやっております。
 ちなみにこの食物をまたPHとかECとか測ってみますと、やはりPHが低くてEC値が高いという傾向があります。7人のメンバーの平均でもそうなっています。活性液と似たようなところがありますけれど、PHが低くてEC値が高い農産物がやはり腐りづらいという結果になるのかなと思っております。

 非常に短い時間なので雑駁な説明しかできないのですけれども、北国でかなりEMをじゃぶじゃぶ使って、年間3万リットル位活性液を使っているのですが、そういう風にじゃばじゃば使えばそれなりの結果がでるのかなと思います。ただ自分自身の中では全然満足していませんので、これからもどんどん大量に使って、美味しくて、そして特に体に良い農産物を大量に作って、皆さんにご提供できればなということを思いながら、尚かつ夫婦2人で20ヘクタールですから楽しくないとなかなかやっていけないものですから、楽しく農業をやるというのをモットーに、これからも頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)

今井
 はい、ありがとうございました。普通冷害の年は農家の顔を見るのが嫌なものでございますが、早川さんは冷害を克服されて、非常に元気そうなお顔で今日お越しいただきました。本当にありがとうございました。これも早川さんの日頃の努力の賜物、またEMを上手く活用された成果ではないかという様に感じております。早川さんのメロンは有機JASを取っておられますが、有機を取ったメロンというのは珍しいと思います。是非とも一度そういうメロンを食べてみたいものだと思います。今日は沖縄の方が多いと思いますが、早川さんのメロンを食べに北海道へ行くツアーを考えてもいいのじゃないかという様に思います。(笑)それから大豆の腐敗実験でございますけれども、EMを使用しますと、どういう物質が増えたのかというのはまだ分かりませんが、どの物質が腐敗を押さえるようなものなのか学問的に解ってまいりますと、健康な食べ物の一つの指標にもなってくるのではないかということで、今後色々な分野で研究されるとありがたいなと思いました。




EMフェスタ2003 専門分科会
■ EMスーパーセラ応用による簡易農業
岩瀬 尉司(いわせ じょうじ) (株)イーエム総合ネット

プロフィール:
EM-Xセラミックス簡易農業推進チーフ
1975年10月31日生まれ。アメリカ合衆国ハワイ州出身。
琉球大学大学院農学研究科を終了。
EMスーパーセラ発酵Cを活用した「EMスーパーセラ応用による簡易農業」の普及活動を総合的に行っている。

今井
 それでは続きまして岩瀬さんより「EMスーパーセラ応用による簡易農業」についてご報告いただきます。EM技術の三本柱の一つでありますEMセラミックスを活用いたしまして未経験者や高齢者でもローコストで高品質・安全安心な農産物を多収穫できることを実現しようということでEMスーパーセラ応用による簡易農業の基本技術と活用事例をご紹介いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。



岩瀬
 よろしくお願いします。
 こんにちは。ご紹介預かりました株式会社イーエム総合ネットの岩瀬です。若輩者ではございますが、発表させていただきます。ご静聴の程よろしくお願いします。
 慣行農法から有機農法に移行する生産者が増えつつありますが、長年の農薬化学肥料を大量に使用した結果、そして消費者意識の変化の結果、これまでの農業が息詰まり初めています。



 現在の有機農業は手間が掛かって収量が少ないというのが現実です。当社が普及・推進しているEMスーパーセラ簡易農業は慣行農法の問題点の解決、または手間が掛かって収量が少ない有機農業を、手数が少なく多収・高品質の農業へと解決できる可能性が十分にあることが分かりました。
 EMスーパーセラー簡易農業はEMセラミックスである「EMスーパーセラ発酵C」と、「EM拡大培養装置 百倍利器-2」等で製造した良質かつ安価なEM活性液と、EM米ぬかペレットもしくは、これに準ずるEMボカシ等を重点3点セットと位置づけ、それらを適切な使用により農地における有用微生物群EMの密度の向上と、それに伴う抗酸化レベルの向上を図ることを基本としています。
 それでは3点セットの特徴を説明したいと思います。「EMスーパーセラ発酵C」はEMとそのエサになる糖蜜ならびにEM-Xを粘土に練り込み、800度で焼成し微粉末化したセラミックスです。抗酸化の場を高め、有用微生物群の共生環境の安定化を促進させます。発酵促進力もあり土壌改良材として使用される他、葉面散布に用いることにより、病害虫の予防にも効果を発揮します。この資材を中心に使用するのがEMスーパーセラ応用による簡易農業の特徴です。
 2番目にEM活性液。これは「百倍利器-2」等の拡大培養装置でEM原液を安定的に100倍に培養、これ一次培養ですね、製造されたものを「百倍利器-2」の場合1トンタンクを使い更に10倍程度までは比較的安定培養、二次培養になるのですが、可能となります。
 これまでの手仕込みのEM活性液作りと異なり、装置等を用いて良質なEM活性液を大量に製造することが可能となり、ローコストで高品質・安定した活性液を大量に作ることができ、手数が少ない大規模農家でも簡単に製造が可能になりました。このように培養したEM活性液を大量に使用すると、短期間で農地のEMの密度を高めます。
 次に3番目は、EM米ぬかペレットもしくはEMボカシです。米ぬかをEMで発酵させて、いわゆるEMボカシで農地におけるEMの安定増殖を促す基質剤であります。なおペレット化された「EM米ぬかペレットSyn 」は「EMスーパーセラ発酵C」が添加され工業的に製造されていることから、品質が安定します。ペレット化されているため手まきが可能であり、従来のEM農法の一つのハードルであった、安定したボカシ作りから解放されることにより、不確実性をなくし、省力化が図れます。施用方法・量についてはそれぞれの農地によりその受益が異なることから、EM農法の基本である収穫後作付け前の土壌改良に重点を置き、作付け後はかん水時の処理と病害虫対策を適宜行うことをベースとしています。
 3点セットの活用は、農地におけるEMの密度の向上と、それに伴う抗酸化レベルの向上を簡易に、且つ短期間で達成し維持されることに特徴があります。
 私は2000年の大会で「EMスーパーセラ簡易農業」について発表させていただきました。その後2001年に「EMスーパーセラ簡易農業」の大会を当社にて行いました。それから2年が経過し、その時紹介した事例が更に発達し、加えて多くの人々との縁も手伝い、更に取り組む生産者が農業全分野・全国規模で飛躍的に広がっています。
 次に紹介する事例は、各産地・各農産物のトップ農家と呼ばれる人々が簡易農業の3点セットを効果的に活用することによる、比較的短期間でEMの活用による効果が得られている事例です。



 最初は農薬化学肥料なしでは考えられない高原野菜の事例です。これは長野県小諸市を中心に栽培している企業農家8名のグループ「ファーム浅間」の会長を務めている塚田実さんです。塚田さんは長野県小諸市軽井沢町にて標高差を利用し約7ヘクタールのレタス栽培をしています。



 このグループは、一家に1台または2台の「百倍利器」を正式農機具として導入しています。



 農薬なしでは考えられない高原野菜の世界においても、EMスーパーセラで作る発酵堆肥による土作りとEM活性液・EMスーパーセラの葉面散布で、EMの密度を高め、抗酸化の場ができあがりますと、病害虫防御がほぼ完全に可能であることが分かりました。防除可能な害虫としてアブラムシ、ハダニ、ハモグリバエ、ヨトウムシ、アオムシです。さらに有害センチュウの密度が激減、フザリウム由来の根腐れ病の発生の激減が確認されています。



 これは成育中のレタスです。



 堆肥の作成方法はEMスーパーセラ発酵Cと堆肥が層になるように散布して一切切り返えせずに発酵させます。非常に手間の掛かる従来の堆肥作りとは異なり、手数が掛かりません。また、この3点セットと堆肥との組み合わせ・秋処理・植え付け前処理を行うことで高品質なレタスの生産が可能となりました。



 続きまして果樹の事例です。日本のリンゴの生産量の半分は青森県です。その青森の生産地の中心であるのが弘前市です。その弘前市でも農林水産大臣賞を受賞するなどトップ地区の下湯口地区では、前JA弘前組合長の今井さんを中心にトップ農家8名が集まり、平均5ha計40haの栽培規模でのEMスーパーセラ簡易農業によるリンゴ栽培を平成13年度5月よりスタートしました。



 現在は会員数が、今年の秋からスタートする新人15名を含めて45名、栽培面積は約100haになります。



 このように「百倍利器」を利用し、効率よくEMを培養し、



 EMボカシ作りについては装置化することで大量生産・投入が可能となりました。



 リンゴ栽培では3点セットを秋処理時に徹底します。栽培期間中は葉面散布を中心に行うと、葉が小型化し、厚くなり、光合成能力が向上し、リンゴの糖分蓄積に良い影響がでます。EM効果としては、導入初年度より玉伸びが良く、果実が甘い、固い、着色が良くなる等の効果が出ました。秋処理を徹底した昨年は、より効果が明確になりました。ここのリンゴのもうひとつの特徴としては、長野県東部町の巨峰栽培で反あたり1tを現在2t収穫しても、翌年の樹勢に影響なく栽培されている事例と同様に、通常より1割から2割多く着果している点であります。



 今井さんらグループのリンゴは初年度から東京青果、大阪青果において高い評価を受けました。また市場内の中卸しにも広く認知され、EMりんごを取り扱う中卸し業者の数が年々増えて来ております。大市場でのブランド化を目指し、更にはリンゴの輸出産業化を目指して真剣に取り組んでいます。



 これは選果場ですね。



 これはCA貯蔵庫の画像です。本年度、本格出荷に向けて選果場を借り、光センサーによる選果、CA貯蔵庫を積極的に導入しました。更にEMリンゴジュース作成時に出るリンゴ粕を、前のレタスの事例を参考に、EMスーパーセラを活用して有効な堆肥を作成し、積極的に施用しております。また、弘前では、EMスーパーセラ簡易農業により、成果を上げているトマト栽培先進地の愛知県弥富町の生産者と連携を取り周年出荷し、EMトマトのブランド化にも力を入れております。この取り組みは、関西地区の一般消費者にも広く認知され始め、好評も得ております。



 こちらは米の事例です。本年度はご存じの通り全国的な天候不順により、各地でイモチ病または不稔が多発して、俵数が収穫できず、収穫しても屑米が多くて問題となっています。


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 これは本年度から取り組みが始まった栃木県日光市の日光東照宮の事例です。日光東照宮は国の特別史跡・特別天然記念物に指定されている日光杉並木、約1万2600本の立ち枯れ問題が深刻な中、これをくい止めるための特効薬がこれといって見あたらないとし、この度、新たに当社が協力を行い、日光東照宮境内にある13本の杉を対象に、EM技術を用いた樹勢回復プロジェクトをスタートしました。
 また日光東照宮の稲葉宮司は、これから、観光客に人気のある日光にするにはどうするかを考え、日光東照宮を中心にし、日光市を資源循環型社会に転換すべくリーディングすることにより、日本人観光客はもちろん、外国人旅行者に対しても、日本の伝統文化を提起したいとされています。



 その一環として稲葉宮司は、神前へのお供え物は本物であるべき、農薬化学肥料のない、安心安全な農作物でなければいけないとの長年の思いがあり、今回御神米として御神前に献上するお米の生産を、昨年までJA宇都宮組合長であった東照宮総代 松島忠男さんの水田2反にて、EMスーパーセラ簡易農業にて栽培させていただく機会を得ることができました。また併せて御神馬のいる日光乗馬クラブにて大根の栽培を行いました。



 これは収穫期の絵ですね。春からのEM処理にも関わらず春起し前、3点セットを散布。出穂前の葉面散布だけという手数の掛からない方法にて収量面で最大の効果を得ました。ただし今回は一番軽い初期除草剤を使用しました。3年後、完全無農薬栽培を目指します。低温防止のために幼穂形成時の深水管理はもちろん行いましたが、通常8俵、本年度周辺が7俵だったのに対し、ここの水田では10俵近く収穫できました。また屑米が反あたり5キロと少なかったのも特筆すべき点ではないでしょうか。
 EMスーパーセラ簡易農業は、生産を落とさず、無理をせずとも3年目には完全無農薬無化学肥料の農業を可能とするのが見えてきました。また、EMスーパーセラ農業での米の栽培は日光だけでなく、米どころ新潟県最大のJA、JAえちごの取り組みをはじめ、全国的に事例がありそれぞれに効果をあげています。



 大根栽培では連作障害で圃場の三分の一しか穫れなかったのが、今年はロスが少なく味が良いと好評をいただきました。



 稲葉宮司はこの結果を踏まえ、来年度の日光全体の計画を毎日楽しく考え始めています。
 以上数々の事例を発表し、EMスーパーセラ簡易農業の特質を述べて参りました。EMスーパーセラ簡易農業は大規模、手数の掛けられない兼業農家に十分耐えうる農業であること、現在の行き詰まりの農業を変える可能性が十分にあることが分かりました。
 余談ではありますが、生産を点から面へ展開、消費者の立場から、簡単に手数が少なく多収・高品質のEMスーパーセラ農業物を入手できる仕組み作りに向け、いくつかのチャレンジを始めています。
 最後に本発表についてのご質問および紹介者農産物の試食は、展示棟にある当社ブースまでお気軽にいらして下さい。以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


今井
 ありがとうございました。EMセラミックス簡易農業の歴史はまだ浅いですけれども、着実に成果を上げられているということが伺われると思います。リンゴにつきましては、果樹は大変無農薬栽培は非常に難しいわけでございまして、しかし段階的に切り替えながら、現在は20%くらいカットし、高品質のリンゴということでブランド化してらっしゃるそうでございます。これから更に品質が向上していくことを願うものでございます。




EMフェスタ2003 専門分科会
最南端のナシ栽培
宮里 幸啓(みやざと ゆきひろ) (有)熱帯資源植物研究所

プロフィール:
昭和43年生まれ
県立南部農業高校から県立農業大学校に入学。
H2年農業協同組合入社。
H6年やんばる農業協同組合へ合併。
H12年(有)熱帯資源植物研究所 入社。
現在、農産園芸事業部 許田チーム リーダー
(兼)総合企画部 販売企画チーム リーダー

今井それでは最後に果樹に取り組んでいらっしゃいます宮里さんから「最南端のナシ栽培の成功」というタイトルで発表していただきます。皆さん沖縄でナシを見たことはないと思いますが、ナシは亜熱帯植物ではございませんので、普通、栽培は難しいわけでございます。それを台木育成の時からEMを使いまして、また他の技術を駆使しながら、美味しいナシの生産が可能になりました。これは沖縄では画期的なことでございまして、これが実現すればナシが沖縄の美味しい果物の一つに加えられるのではないかなと期待しております。それでは宮里さん、お願いいたします。
(拍手)



宮里
 ただいまご紹介に預かりました有限会社熱帯資源植物研究所の宮里と申します。タイトルに入る前に余談になるのですけれども、私、熱帯資源植物研究所4年目になるのですが、その前約10年間JAの方で農家指導、花卉栽培指導を行っていました。その時に慣行栽培、農薬をじゃぶじゃぶ掛けて虫を殺しましょうとか、土壌分析をした結果、化学肥料をどれだけやりましょうという形でずっと指導してきたのですけれども、その中でなかなかEMというものを理解できず、今のままの農業ではいけないなあという思いから、現在の会社に入社して、EMを自分の目で見て自分で触れて土作りをしながら今やっている最中です。
 これから本題に入りますが「最南端のナシ栽培成功」ということで、先程も紹介がありましたように、沖縄の方では温帯果樹がなかなか栽培できないということで、何か手法はないかなということを捉えながら栽培に取り組んできました。



 まず最初に説明概要としまして、1.問題提起、2.解決手法、3.結果、4.考察、5.EM活用メモという順番で発表させていただきます。



 まず1.問題提起としまして、先程話しました沖縄の方でもナシができないかというところで、元々当社の方では台湾の方から在来種のナシの種を導入しまして、その台木に豊水・幸水の接ぎ木をしていくのですけれども、台湾在来種・原種のナシはあるのですが、品質的に不味く・形も悪いので、本土スーパーの店頭に並べられていますのは、旨い豊水・幸水です。これらの品種の接ぎ木栽培ができないかということを問題提起としてとらえました。その技術的課題としては、本土の豊水・幸水は温帯向けに品種改良されているので、沖縄で実がつかないというところです。その理由としては、低温にならないと花芽が分化しないということで、ナシについては、花芽分化温度というのが6〜7度ないといけないのですが、沖縄の中ではよく下がっても、10〜15度なので、まだ全然温度が足りません。



 こちらは解決手法1として、沖縄にある台湾在来種のナシを台木としてEMで育てるというところですが、下の写真は農場の状況です。特にナシというと、僕も見に行ったことないのですが本土の方に行くと自分の背丈以上の棚式で栽培されているようですが、特徴的に棚を約1m位にしまして、枝は誘引していきます。約1mにした理由としては、毎年接ぎ木していきますので、その時にラクして誰でもできるという高さにしたというところです。



 解決手法2としまして、11月頃から本土からツボミの付いた、花芽分化のおこった穂木を取り寄せるということです。接ぎ木というのは色々方法があるのですが、特に花芽・ツボミの付いたものを接ぎ木するというのは、ちょっと常識外なところです。右の方に写真がありますが、昨年、千葉・栃木の方から取り寄せた花芽分化のおこった穂木です。
 一芽つけまして約4〜5cmくらいに穂木を調整しております。この時期の本土農家では整枝剪定をするために、穂木になる枝を手に入れやすいということで、捨てるというのは少し本土農家に対して失礼なのですが、必要のない枝を沖縄に送ってもらうということをしております。



 解決手法3としまして、台木に豊水・幸水の花芽分化のおこった穂木を接ぎ木しますということで、先程の穂木を今ちょうど台木の方に接ぎ木しているところです。切り接ぎになるのですが、右の方の写真のように形成層を合わせ、テープを巻くだけで、誰でも簡単に接ぎ木が出来ます。テープを巻いてから約10日位で穂木と台木が活着します。30日程で花が咲くので、接ぎ木したあとには当然水分とか直接入らないようにビニールをかぶせておきます。



 解決手法4としまして、人工授粉によって着果させるということです。特にナシにつきましては、直に受粉させると奇形果がでる可能性が随分と高いので、花粉は購入するか、前季のものを取り置くか、あるいは豊水と幸水で互いに受粉させる必要があります。一昨年からナシの栽培を始めているのですが、一昨年は豊水・幸水を筆で交配しました。そうするとかなり時間が掛かるので、ナシの穂木は水に漬けておくだけで花粉が取れるのを利用して、昨年は幸水の穂木を水に漬けておいて幸水の花粉を採取し、豊水に交配していくという方法でやりました。



 解決手法5としまして、穂木が10日くらいで活着したものに交配して、2〜3週間すると実がなりだすということです。花芽は起こらないのですが、沖縄の真冬の1月・2月・3月は、ナシにとって花を咲かせて実を結んでいく一番良い温度になっており、冬から春にかけて果実の肥大期になるということです。今年も11月3日くらいから接ぎ木しているのですけれども、5月頃から収穫が始まります。



 解決手法6としまして、5月から6月までにナシの果実が収穫できるということです。それは特に沖縄では、毎年到来します台風シーズンに合わないということで、5月に収穫が終われることが一番メリットであります。
 下の写真は今年収穫されたナシの販売をしている直売所です。ちなみにこの大きさで1個400〜500円で販売をしました。



 結果としまして、穂木1本に2〜3個のナシを実らせるということ。一つの穂木に6〜7個の花が咲くのですが、その中で摘果をしながら、一つの穂木に2〜3個のナシを付けて残していきます。大きさについては平均300gです。本土から出てくるナシも300〜400g位なので、沖縄の場合でも充分なナシが収穫できます。糖度を測ってみますと14度でした。本土の方でも糖度は13、14度位だと思います。評判としては良かったです。10aあたりの収穫量なのですが、今年の実績で400kg弱でした。今年、接ぎ木しているのは、台木がかなり充実してきていますので、一つの木に約40本の穂木を接ぎ木する予定で、4tの収穫目標を掲げております。



 結果2としまして、平成15年7月に沖縄タイムスの新聞記事に掲載されております。



 考察としまして、期待される効果は、先程もお話しましたように、1.台風シーズンに入る前に収穫が終わっているので、台風被害に遭わない。2.千葉・栃木辺りから幸水が出てくるのが8月上旬と聞いていますので、3〜4ヶ月は早めに収穫でき、本土の農家と競合しないということ。3.同様の手法で、気候の類似する台湾の方でも豊水・幸水はでき、競合が懸念されますが、台湾産のナシは法的規制により日本に輸入できないということになっています。



  EM活用メモとしまして、EMボカシは毎月一度・1株に9kgの割合で施肥を行っております。特に沖縄は、暖かくて紫外線が強いものですから、有機質の分解が早いため、EMボカシ・微生物もどんどん突っ込んでいこうと思います。
 次にEMボカシの良い点として、慣行農法では、株や葉の成長期にはN・チッソ、花・実を肥大させるのにP・Kリン・カリが多用されるのですが、ボカシではこのことを特に考慮することなくできます。先程言いましたように農協で、以前このNPK指導してきたのですが、ボカシを使用していると、このようなことも考えることもなくラクして土作り・栽培できるということです。



 EM活用メモ2としまして、敷き藁を2〜3ヶ月に一度、EMのエサにもなりますし、乾燥を防ぐということで、特に私の捉え方なのですが、EM=有機物が必要と思っておりますので、敷き藁についてもEMのエサですよと言う感じで、敷き藁を敷いております。
 土の理想的な団粒構造としまして、固相で50%、液相で25%、気相で25%なので、理想的な状態かどうかは有機質含量によるとの捉え方をしまして、有機物=EMといった感覚で栽培を行っております。



 EM活用メモ3としまして、EM活性液を潅水時に常に散布しています。これは有機物の分解等が早いものですから、EMをどんどん入れながら、ただの水はやらないということで、毎日でもEM活性液を投入しております。
 続いて、土の水分量をみて適宜に潅水するということです。果実の肥大期には水を多めに掛けるという水の潅水方法をしております。



 EM活用メモ4としまして、敷き藁も同様なのですが、堆肥3ヶ月に一度投入していく。これについてもEMのエサという捉え方で堆肥を投入しております。EM3号、光合成細菌なのですけれども週に1度潅水時に散布しております。



 今後の課題・展望といたしましては、特に豊水・幸水を栽培してきたのですけれども、これから育種を含めながら沖縄で開花するようなナシにトライしていきたいなと考えております。以上です。ご静聴ありがとうございました。 (拍手)


今井
 ありがとうございました。4名の方にご報告をいただきました。今のナシの栽培でございますが、本土より2ヶ月位早いということで、5月・6月頃にナシが食べられましたら、珍しいものが好きな日本人にとっては興味のある方もあるのではないかと思います。それも無農薬でできましたら最高ではないかと思います。



今井
 それではこれからしばらく時間がございますので、少しディスカッションをしていきたいと思います。今回はEMをいかに有効に活用しているか、その辺りを、今までの発表の中にも大分ございましたけれども、更に聞き漏らしたところもございますので、再度考えていきたいと思います。比嘉教授は誰でも簡単にできる農業ということで、簡易農業ということもありますし、また種を蒔けばあとは収穫するだけの楽々農業になるのだという様におっしゃてるわけでございますが、今日の発表を見まして、そういうことに少しずつ、一歩ずつ近づいているように思うわけでございます。EMの活性液の作り方とかにつきましては、相当皆さん勉強されて熟練になっているのではないかと思います。このことにつきましては「EMの基礎技術」分科会の方で多分、活性液の作り方とかボカシ作りについてもう一度EMの基礎を見直していこうということでお話があると思いますのでそのところは次の分科会に回したいと考えます。それでは実際にEMを、活性化されたEMを使ってどんな効果があったのか、どんな使い方をしたらいいのか、その辺を今日発表の中の方にお話を伺いたいと思います。やはり農業におきましては、土作りというのが基本でございまして、それが農業の土台の技術になるわけでございますが、その土がEMを活用することによってどのように変化してきたのか、多分農家の方や実際に取り組んでいる方はその変化を見てきているわけでございますが、その辺りのご報告をいただきたいと思います。また土がどんどん変わってくることによって当然その上にあります作物も変化してくるわけでございます。EMを使うようになってからのそういう土の変化・作物の変化その辺りを順番にお答えいただきたいと思います。谷木さんの方からお願いしたいのですけれども。

谷木
 ミャンマーでEMを使い始めたのはもう10年以上前からになるのですけれども、私がミャンマーに行って所々の農家さんの所へ行って話を聞いたところによると、元々ミャンマーというところは農薬に関しては、ほぼ使われてないという現状がありますので、これは今経済封鎖を受けていますので輸入ができないというのと外貨が足りないというのもあるのです。また、化学肥料については適宜使うというのが政府の方針なので農家さんに今まで選択の余地はなかったのですが、去年一昨年辺りから政策が変わりまして、それまでは政府買い上げだったのですが、農産物も農家さんが好きなところに売れるようになりました。それによって、使う資材も選べるということになってきました。農家さんが言う話ではEMを使うと土壌にイトミミズが増えてくると、元々農薬とかで汚染されてないところなので効果も早いところもあるとは聞きました。これからですけれども、こういう農家ばかりではなくて、ミャンマーという国のイラワジデルタというところでは年3作、品種を変えて作ってますので、休ませる暇がないということです。だから有機物をどんどん投入していくという考え方は従来からあったのですが、政府の方針として更にもう少し有効に色々なものを使っていこうということで、もちろん化学肥料の併用というのも方針としてあるのですけれども、今まで捨てていた生ゴミとか集めきれなかった畜産糞とかを村レベルで集めてそれを使って土作りを基礎においてやっていこうという今後の方針としてあります。以上です。

今井
 ありがとうございました。まあそういうミミズなんかが増えてきて土の中の生態系が豊かになってきたということになりますかね?はい、ありがとうございました。今度は早川さんですけれども、北海道は先程お話にありましたけれども零下20度の世界でありまして、果たしてそんなところでEMが効くのだろうかと思う方もいるかも知れません。長年EMを使ってこられてその辺りの土壌の変化とか作物の変化について早川さんお願いします。

早川
 北国ですから菌が活動しないという考え方もありますが、確かに活動は非常に遅いと思った方がいいかと思います。ここで私の土壌が皆さんイメージつくか分からないのですけれども、泥炭土壌という土壌なのですが、いわゆる植物が堆積していって水分がありますから完全に分解せずに堆積していった土壌でして、基本的には有機物の宝庫みたいな土壌なのです。ただ今までは非常に水分が高いということと、未分解の有機物でチッソが高いところで、ものが作りづらいといいますか、僕がメロン始める時も普及所の方から「こんなところでメロン作るな」と怒られたくらいですから、非常に使いづらい土壌だったんですね。ただ考えによっては大量の有機物が下にあるということで、EMをどんどんかけることによって、どんどんどんどん分解していく。数字的に言いますと、非常に泥炭土壌というのはPHが低いです。4台くらいです。ただEMをどんどんやっていきますと、10何年やっている土壌はPHが5.5〜6位ですね。それとECがかなり上がっています。それと腐植の数字がかなり上がってきます。だいたいこれが効いてるか効いてないかという判断の数字なのかなと僕は捉えています。それと泥炭土壌は非常に水分があるという事なのですけれども、これもEMが効いてくると土壌が団粒化してきて非常に秋乾いてくるといいますか、水分がなかなか上には溜まりませんね。ただ下に非常に水分が多いです。多分南国の方は乾いちゃうんじゃないかという問題で、敷き藁とか考えなくちゃいけないと思うのですが、我々の圃場では、ある意味、微生物が非常に住みやすい環境ですので、僕にとってはツイてるところに住んでいるのかな、財産の上に住んでいるのかなという気がしています。それと泥炭土壌はピートモスという商品名で出ていると思うのですが、非常にセルロース含量が高くて放線菌が住みやすいという環境がありますから、村の中でも泥炭でない人は、表層に泥炭を撒いて活性液を撒けみたいなこともやって多少の効果は上がっている者もいます。

今井
 ありがとうございました。それでは岩瀬さんですね、相当量のEMを撒きながら、急速に土壌改良しながら無農薬に向かって目指して取り組んでいるわけでございますが、その辺の土の変化についてお願いします。

岩瀬
 土の変化は見た目ではまず透水性が良くなります。そして団粒化してきて柔らかくなってきます。あとは生えてくる草が若干変わってくると思います。その辺の見た目の変化は見られると思います。また自分でも3年くらいやっているのですけれども、水田になると年々トロトロ層が増えるのかどうか分かりませんがトラクターを入れるのが毎年辛くなっていくような状況です。それに伴って最初出ていた雑草はどんどん減っていきます。ですので、土の変化は、草・透水性、水田で言うと保水性が変わってくるのではないかと思います。

今井
 それはだいたい1年目くらいから変わるのですか?

岩瀬
 変わりますね。次年度から変わります。また変えないといけないので単年度でやるということで、とにかく比嘉教授が言うように「効くまで使え」というわけではありませんが、効果が出るように大量にEMを投入して単年度決着ということでやっています。

今井
 はい、ありがとうございました。それでは宮里さん、最後にひとつお願いします。

宮里
 そうですね、まあ変わったところと言えば、今おっしゃられたように、草の種類・雑草の種類が変わってきたということとですね、ナシの木については年々病害虫の発生がかなり少なくなってきましたし、特に土の団粒構造ですね、良くなれば当然根の張りが良くなるということは、当然ナシの木にとっても健全な抵抗力のある強い木になってきたのかなと思います。敷き藁は2〜3ヶ月に一度敷くのですけれども、その分解がかなり早くなってきている感じがある気がしています。私どもの農場ではナシ以外に、ハーブとかも栽培しているのですが、自分の経験した事ですが、ハーブの親株、芽を取る株を栽培するのですが、約7〜10cm位の床土にハーブの親を植えていく作業の中で、最初はやはりボカシを入れてもすぐ根焼けなど起きてきたのですが、かなり土も2年3年になってくると、EMボカシを全面に施用しても、ハーブの根焼け、親株の根が焼けていないという状況からすると、やはり微生物=有機質というところでEMというのがきっちりバランスとれてきたのかなというところが今分かります。以上です。

今井
 はい、ありがとうございました。徐々に土が肥よくになってきて色々な有機物を十分に発酵させるような力が強くなってきたということですね。はい、ありがとうございました。それからこの発表にはなかったのですが、早川さん、水稲で代かきのあとに水田の水を調べた時の結果のことを少しお話いただけますか?水質浄化の話です。

早川
 時間がなくて詳しい説明ができなかったのですけども、水質調査をしますと非常にEMを使っている水田は水が綺麗になってくると言えます。これは数字ではっきり出てきます。皆さん田んぼでやっている方は調べていただければ簡単です。それと、ちょっと変わった数字で言いますと、例えば土壌でPH5.5とか5.6位の水質でもEMを使っている水田というのは、土壌でPHが5.5でもその土壌を水に溶かして測ってみるとPHが7とかに上がります。それにプラスして、その中にカリとかマンガンとかそういうものが流出して流れ込んでくる数字が出てくる筈です。だからこの辺EMが効く所以なのかなという気がしています。まだ正式に数字を出してやっているわけではないですけれど。傾向としては非常に泥のPHが5.5なり6なりでも、水に溶かしてみたら上がります。それから他の物質がその水の中に非常に入る。僕の所はわりとカリ成分が水に溶けるような性質があるので、爆発的に収量が穫れないのかなという気がしています。EMはやれば確かに効くのですけれども、その辺の分析をちゃんとして、何かの原因で収量が落ちているということもありますので、やはり化学性と物理性と微生物性のバランスを考えた中でEMを使っていくと、より早く効くのではないかなというイメージで営農しております。

今井
 はい、ありがとうございました。時間が大分迫って参りましたので、本当はEMを大量に使う時のポイントとかボカシの使い方につきましても少し詳しくさせていただきたかったのですけれど、時間がございませんので会場の方からご質問を受けたいと思います。質問がある方は手を挙げてご質問いただきたいと思います。はい、どうぞ。

質問者1
 パネリストの皆さん素晴らしい発表ありがとうございました。私もEMの研究を初めて、もう17、8年になるのですが、アメリカの農務省がいわゆる空気・水・光に次いで人類の第四の財産として認定したのがミネラルですね。アメリカはマクバガンレポート以来、ミネラルをとるようになって、確実に毎年癌が減少しています。ちなみに私もEMの関係者にたえず申し上げているのは、この栄養基準を戦前の微量栄養素と今日の農産物、一番変化しているのは微量ミネラルなのですね。ものによってはもう半分、あるいは3分の1。それでアメリカのコニスキャットの農業試験場の方々が発表してらっしゃいますけれども、いわゆるミミズの糞粒と有機質の含んでいる表土と比較すると、マグネシウムで3倍、チッソで5倍、リンで7倍、カリウムで13倍違うことを発表しています。私はEMの発表して、もちろん無農薬で素晴らしいけれども、もっとやはり国民大衆に健康野菜としてやるには、ミネラルの土壌分析とそれに伴って収穫した野菜がこういうふうに微量栄養素が増えてくると、ちなみにこういう健康効果があるという、こういうふうに変わらないといけないなと、今日の発表を見ても、私も毎回EMの発表を見て、その安全とかとういう面ではいいけれども、もっと科学的にEMの素晴らしさをやっていくにはそろそろEMミネラル農法というカタチでもとレベルをアップしていくそういう視点が求められるのではないかなと思っています。ちなみにEMセラミックス発酵Cの施用も、やはり抗酸化波動を上げて地力を高めていくけれども、それによって土壌微生物、特にミミズとの関連だとかそういう点も考える必要があるのではないのかなと思っています。そういう意味で私も沖縄でEMを用いて色々実験しているのですが、沖縄でもやはり冬場になるとなかなかEM活性液を作るのが難しいのですが、EM活性液を作る時に、海水をだいたい5倍か10倍位に薄めてやると非常に活性液が作りやすいのですよ。それで海水とEMボカシそういったものとの併用すると非常に関連があるので、今日お尋ねしたかったのは、そういう視点でミネラルでこういう風に違いがあるというデータをお持ちのパネリストの方がおられたら是非教えていただきたいなと思います。

今井
 はい、ありがとうございました。貴重なご意見ありがとうございました。データはあるかどうか分かりませんが、早川さんがその辺少し考えて農業してらっしゃいますので、少し早川さんが考えていることをお願いします。

早川
 おっしゃることは非常に良く分かりますし、農産物のデータ取りというのは実はやっていることはやっているのですが、ただ生産者としてそのデータをどんどん公表することが良いのか悪いのかというのを多少悩んでいます。僕は作っている側ですから僕の農産物の判断としての数字は持っているのですけれども、これを公表することによって嘘発見器になられても困るかなというところはあるのですよ。だからその辺は我々生産サイドではなくて、まあ研究所がいいのか農水省がいいのか厚生省がいいのか分かりませんけど、その辺で基準ができた中で私の数字はここですよという提示はできると思います。米のタンパク質などもそうですが、数字を出しちゃうとどうしても数字戦争に走っていくんですよね。これは正直言って現場でやってる農家の気持ちとしては非常に辛いところがあるのですよ。心底作った農産物が、仮に数字が悪くて売れないっていう状況が起きる可能性があるのですよね。だから僕は数字として生産者として自分のものはどうだったかという意味での研究はしますけれども、その数字を使って物を売るという行為はちょっとまだ時間が掛かると思っていますので。ただ先程おっしゃった、僕も活性液に塩使っていますし、海洋深層水で活性液を作ったこともあります。非常に良いと思います。だから海水といいますか塩に含んでいるミネラル分は何らかのカタチで土壌にも効きますし、作物に効くのはこれ確かです。ただ数字の発表については少しコメントを控えたいと思っています。

今井
 はい、ありがとうございました。それではもう一人、はい、お願いします。

質問者2 金城ともうしますが、早川さんにご質問したいのですが、このデータの中で小豆の方が新篠津村で170キロで、新篠津村の慣行栽培の平均が240キロとなっていますがこれは逆ではないのですか?

早川
 これは残念なことにそれが正しいのですよ。有機小豆は作るのは、すごく難しいんです。特に北国の話なのですけれど、大豆は病害虫など、ポイントさえ押さえれば何とかなるのですけど、小豆は、最大の敵は最初にタネバエがいて、その次にヨトウムシという虫がやってきて、その次にアブラムシという虫が永遠後半まで来ます。集中して小豆を管理していると、これらをクリアできるのですけれども、なにせ、私はあまりにも作物を作ってますので、けっこう駄農なところもありまして、行かないうちにアブラムシに喰われて多少減収というのがあるのですよ。ただ今年の中で、やはりこれも、塩がけっこう効くなという感覚は得ています。それと植物油の添加もいいかなと思っています。

質問者2
 これは連作とかそういうことで減収をしたという意味ですか?

早川
 いえ、虫です。

質問者2 周囲の生産より低いものですから印刷が間違っているのかなと思い訊いているのです。それと平成4年から色々EMをお使いになっているようですが、もう10年位なりますね?この稲作の中で水田の中には普通ドジョウとかカエルとか色々な生物がいると思いますが、そういうものの変化というのはどのようになっているのでしょうか?

早川
 水稲の写真の中でちょっと見づらかったのですが、あの手に泥を取っていた写真はですね、実はイトミミズがいるところを見せたかったのですが、ちょっと写真が大きすぎて見えなかったのですが、イトミミズは田面が真っ赤になる位います。ゲンゴロウだとかありとあらゆる昆虫が泳いでいます。

質問者2
 ではそれは他の使用していない地域よりもそういう水生生物が生存しているということですか?

早川
 そうですね、近所の人がうちの田んぼ見て、呆れて帰っていきますから多分その方の田んぼには、いないんじゃないですか。

質問者2
 (笑)

今井
 はい、ありがとうございました。生態系が豊かになってくるということだと思いますね。そういうことで、皆さんもよく観察しながら自分の畑の変化、田んぼの変化をよく観察しながら効果を確認していただければなと思います。残念ながら時間が参りましたので、そろそろまとめに入りたいと思います。本日は長時間ありがとございました。EMも開発がされましてもう既に20数年経ちまして、この大会も20年ということで、最初から比べますと大変盛況でございますが、最初の頃はやはり失敗もございまして、色々な人が失敗をしながら、試行錯誤しながら現在のような技術の確立を図ってきたわけでございます。しかしながら、まだまだ現在の農業は農薬や化学肥料に依存している農業というのが中心になっておりますし、農薬の殆どが、環境ホルモンの原因だということが言われているわけでございますので、私たちはこれから更に環境を守り、食の安全を守り、子供たちに豊かな自然と食を永続的に残していくために、人類から農薬がなくなるまで、更にこの道を広めていかなければならないと思っております。そうした課題も今日ありましたように、有機農業とかEMの技術がその課題を解決する一つの手段として有効であるということは、もう内外に証明されているわけでございますから、これからは今までの20年の積み重ねの上に、更にお互いに協力しながら21世紀の農業の道を切り開いていきたいと思います。それでは時間の制約もありまして十分な質疑応答ができませんでしたことをお詫び申し上げたいと思います。少し消化不良なところもあろうかと思いますが、どうか今夜の懇親会にお出になられましたら、その場で個人的に交流を図って頂きまして、もっと詳しいことを是非とも聞いていただきたいと思います。それでは最後になりましたが本日は、4名の発表者の方にそれぞれ大変貴重なお話や情報を提供くださりましてありがとうございました。4名の皆様に感謝を込めて盛大な拍手をお願いしたいと思います。(拍手)
本日はこれをもちましてEM農法分科会を終了させていただきます。ご静聴ありがとうございました。(拍手)



 [コーディネーター

  今井 悟(いまい さとる) (財)自然農法国際研究開発センター 

 プロフィール:

  昭和25年1月23日愛知県生まれ
 滋賀大学経済短期大学部経営科卒
 1982年自然農法専任コース研修終了その後中部、奈良にて自然農法普及に携わる 
 1989年京都試験農場勤務
 1994年千葉試験農場勤務
 2000年(財)自然農法国際研究開発センター 普及部勤務
  その後現在は総務部ならびに有機JAS検査事務局を兼務
The Theater Event --------
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