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EMフェスタ2003
専門分科会
EMならではの農業方法について

コーディネーター
今井 悟(いまい さとる) (財)自然農法国際研究開発センター

パネリスト

谷木 伸行(たにき のぶゆき) アジア太平洋自然農法ネットワーク(アプナン)
早川 仁史(はやかわ ひとし) 農業  北海道石狩郡新篠津村
岩瀬 尉司(いわせ じょうじ) (株)イーエム総合ネット
宮里 幸啓(みやざと ゆきひろ) (有)熱帯資源植物研究所


2003.11.15

 EM農法は、「EMならではの農業方法について」をテーマに、国内外から4人のパネリストを招き行われた。海外の事例として、国家的プロジェクトとしてEMを活用しているミャンマーでの大規模水稲栽培が報告された。国内の事例としては、冷害年にもかかわらず例年通りお米を収穫できた事例や、有機メロン・有機大豆等の生産方法の報告と、生産された豆の特徴を簡易実験で紹介。また、EMスーパーセラ発酵Cを用いた簡易農業の事例と沖縄で初めてナシの栽培を成功した事例が紹介された。さらにEMを活用した時の土壌の変化を各パネリストから紹介。稲作・畑作・果樹と内容は広範囲にわたった。
 
 ◆国内の水稲耕作面積の約1割がEM栽培

 アジア・太平洋自然農法ネットワークの谷木さんから、ミャンマーとの間で1992年に合意書が締結されてから、現在に至るまでのEM活用状況の報告がされた。主に水稲やマメ科植物などの基幹作物にEMが活用されていると語り、「2002年度では約130tのEMが供給され、ミャンマーの水稲耕作面積の約1割にあたる約54万ヘクタールの水稲に利用されています」という。また「普及所ではEMを使った堆肥作りを教えており、材料は生ゴミ・植物残渣や家畜糞等の農家で入手可能なものを使用している」と語ってくれました。また、「中央農業研究訓練センターと共に、作物残渣等の有機物の有効利用と定期的なEMの散布を記載した作業暦を作成しております。収量確保のために国内で通常使用する3倍程度の有機物量を入れています。」と話してくれました。その言葉の節々に、農家さんへの配慮が込められており、EM栽培が拡大している理由を感じる事が出来る内容だった。
 
 ◆大規模複合農業でのEM利用

 次は北海道石狩郡新篠津村から来られた早川さんから、大規模複合農業でのEM活用方法が紹介された。早川さんは夫婦2人で約20haもの面積を数多くの作物を栽培しております。
 まず、水稲でのEM活用を発表した。「種籾・育苗期間中はもちろん、秋処理に反当り100kgの生ヌカと30kgのEMボカシを散布、EM活性液も50L散布して耕起し、春にも反当り120kg施用しEM活性液も50L散布し耕起します。生育期間中はEM活性液の約20倍希釈液を4回程度散布します。」と栽培方法を語ってくれた。今年は例年にない冷害年で、「7月下旬から8月の上旬以降にEM活性液の20倍希釈液を2回散布した。これが良かったのかな。」と秘策まで披露した。収量については「正式な数字が出ていないですが、地域の収量調査では周辺農家の慣行栽培に比べ80kg程度増収になったかなと思っています。」と飾らずに話してくれた。また、最長で11年連作栽培している有機栽培メロンや有機大豆・有機小豆について栽培方法を発表し、収穫した豆について簡単な実験結果を披露してくれた。「食味アンケートをしたら評価が高いので、吸水実験を行ってみるとEM栽培の吸水力が高く、発芽能力も高い。さらに、粉状にして水に溶かし密閉して、体内温度に近い約35度位に放置すると、慣行栽培は腐敗して強烈なニオイがするが、EM栽培の中にはヨーグルトのような発酵臭がする」と語った。最後に「まだ全然満足しておらず、美味しく体に良い農産物を消費者の皆様に提供したい。夫婦2人で楽しく農業をやる事をモットーにこれからも頑張っていきたい」と抱負を語ってくれた。
 
 ◆EMスーパーセラによる簡易農業

 続いて(株)イーエム総合ネットの岩瀬さんより「EMスーパーセラによる簡易農業」についてお話頂いた。「消費者意識の変化等により慣行農法から有機農法へ移行する農家が増えつつあるが、従来の有機農業は手間が掛かるし収量が少ない欠点がある。しかし、EMスーパーセラによる簡易農業は手間が少なく多収・高品質の農業へと転換できる」と力強く語り、「EMスーパーセラ発酵Cと百倍利器等を用いて大量培養した良質なEM活性液、EM米ぬかペレット又はEMボカシの3点セットが基本。EMの密度の向上と抗酸化レベルの向上を図る事を目的にしている」と語り、3点セットを用いた事例紹介に移った。「高原野菜において、病害虫防除はほぼ完全に可能であり、高品質なレタス生産が可能になっている」「リンゴについても、玉伸びが良く、果実が甘い、着色が良い、通常より多く着実しても樹勢に影響しないなどの効果が現れている。また、中卸にも広く認知されるようになりEMりんごのブランド化を目指しています」と今後の抱負も併せて語った。また、トマトや米の生産についても事例紹介を行い、最後に、「生産を点から面に、消費者の立場からEMスーパーセラを用いて簡易的で多収・高品質な農産物が簡単に入手できる仕組み作りに向けチャレンジしています。」と熱っぽく語ってくれた。
 
 ◆最南端のナシ栽培成功!!

 最後に、(有)熱帯資源植物研究所の宮里さんから沖縄で初めてナシの栽培に成功した方法をお話して頂いた。「沖縄にある台湾種のナシはまずいが本土の幸水・豊水はうまい。この幸水・豊水の接ぎ木栽培が出来ないか?と考えたところから始まった。」と語り、「ナシは低温にならないと花芽が分化しないため、本土から11月頃に花芽分化の起こった穂木を取り寄せ、接ぎ木している」とナシの生理的なことも話してくれた。EM活用方法として「1株に9kg/月のEMボカシと敷き藁を2~3ヶ月に1度、堆肥を3ヶ月に1度施用しており、潅水時にEM活性液を常に入れ、EM・3を週1回投入しています」といい、収穫されたナシについては「大きさも本土と変わらず、平均300g。糖度も酸度も残って14度。」と自信の程を窺わせた。また、「台風被害に遭わず、本土より3~4ヶ月早く出荷でき本土の農家と競合しない。また、気候が類似する台湾からのナシは法律上輸入できない」と、このナシのメリットも語ってくれた。最後に、「育種を含め、沖縄で開花するナシにもトライしていきたい」と抱負も語った。
 会場からは熱心な質問が相次ぎ、農業を通して食に対する関心の高さが伺え、時間の制限がある中、有意義なものとなった。最後に、コーディネーターの今井さんから「子供達に豊かな自然と食を永続的に残していくために、お互い協力しながら21世紀の農業の道を切り開いていきましょう」とこの分科会まとめた。

         
The Theater Event --------Effective Microorganisms