EMフェスタ2003
> 専門分科会
今井
それではこれからしばらく時間がございますので、少しディスカッションをしていきたいと思います。今回はEMをいかに有効に活用しているか、その辺りを、今までの発表の中にも大分ございましたけれども、更に聞き漏らしたところもございますので、再度考えていきたいと思います。比嘉教授は誰でも簡単にできる農業ということで、簡易農業ということもありますし、また種を蒔けばあとは収穫するだけの楽々農業になるのだという様におっしゃてるわけでございますが、今日の発表を見まして、そういうことに少しずつ、一歩ずつ近づいているように思うわけでございます。EMの活性液の作り方とかにつきましては、相当皆さん勉強されて熟練になっているのではないかと思います。このことにつきましては「EMの基礎技術」分科会の方で多分、活性液の作り方とかボカシ作りについてもう一度EMの基礎を見直していこうということでお話があると思いますのでそのところは次の分科会に回したいと考えます。それでは実際にEMを、活性化されたEMを使ってどんな効果があったのか、どんな使い方をしたらいいのか、その辺を今日発表の中の方にお話を伺いたいと思います。やはり農業におきましては、土作りというのが基本でございまして、それが農業の土台の技術になるわけでございますが、その土がEMを活用することによってどのように変化してきたのか、多分農家の方や実際に取り組んでいる方はその変化を見てきているわけでございますが、その辺りのご報告をいただきたいと思います。また土がどんどん変わってくることによって当然その上にあります作物も変化してくるわけでございます。EMを使うようになってからのそういう土の変化・作物の変化その辺りを順番にお答えいただきたいと思います。谷木さんの方からお願いしたいのですけれども。
谷木
ミャンマーでEMを使い始めたのはもう10年以上前からになるのですけれども、私がミャンマーに行って所々の農家さんの所へ行って話を聞いたところによると、元々ミャンマーというところは農薬に関しては、ほぼ使われてないという現状がありますので、これは今経済封鎖を受けていますので輸入ができないというのと外貨が足りないというのもあるのです。また、化学肥料については適宜使うというのが政府の方針なので農家さんに今まで選択の余地はなかったのですが、去年一昨年辺りから政策が変わりまして、それまでは政府買い上げだったのですが、農産物も農家さんが好きなところに売れるようになりました。それによって、使う資材も選べるということになってきました。農家さんが言う話ではEMを使うと土壌にイトミミズが増えてくると、元々農薬とかで汚染されてないところなので効果も早いところもあるとは聞きました。これからですけれども、こういう農家ばかりではなくて、ミャンマーという国のイラワジデルタというところでは年3作、品種を変えて作ってますので、休ませる暇がないということです。だから有機物をどんどん投入していくという考え方は従来からあったのですが、政府の方針として更にもう少し有効に色々なものを使っていこうということで、もちろん化学肥料の併用というのも方針としてあるのですけれども、今まで捨てていた生ゴミとか集めきれなかった畜産糞とかを村レベルで集めてそれを使って土作りを基礎においてやっていこうという今後の方針としてあります。以上です。
今井
ありがとうございました。まあそういうミミズなんかが増えてきて土の中の生態系が豊かになってきたということになりますかね?はい、ありがとうございました。今度は早川さんですけれども、北海道は先程お話にありましたけれども零下20度の世界でありまして、果たしてそんなところでEMが効くのだろうかと思う方もいるかも知れません。長年EMを使ってこられてその辺りの土壌の変化とか作物の変化について早川さんお願いします。
早川
北国ですから菌が活動しないという考え方もありますが、確かに活動は非常に遅いと思った方がいいかと思います。ここで私の土壌が皆さんイメージつくか分からないのですけれども、泥炭土壌という土壌なのですが、いわゆる植物が堆積していって水分がありますから完全に分解せずに堆積していった土壌でして、基本的には有機物の宝庫みたいな土壌なのです。ただ今までは非常に水分が高いということと、未分解の有機物でチッソが高いところで、ものが作りづらいといいますか、僕がメロン始める時も普及所の方から「こんなところでメロン作るな」と怒られたくらいですから、非常に使いづらい土壌だったんですね。ただ考えによっては大量の有機物が下にあるということで、EMをどんどんかけることによって、どんどんどんどん分解していく。数字的に言いますと、非常に泥炭土壌というのはPHが低いです。4台くらいです。ただEMをどんどんやっていきますと、10何年やっている土壌はPHが5.5〜6位ですね。それとECがかなり上がっています。それと腐植の数字がかなり上がってきます。だいたいこれが効いてるか効いてないかという判断の数字なのかなと僕は捉えています。それと泥炭土壌は非常に水分があるという事なのですけれども、これもEMが効いてくると土壌が団粒化してきて非常に秋乾いてくるといいますか、水分がなかなか上には溜まりませんね。ただ下に非常に水分が多いです。多分南国の方は乾いちゃうんじゃないかという問題で、敷き藁とか考えなくちゃいけないと思うのですが、我々の圃場では、ある意味、微生物が非常に住みやすい環境ですので、僕にとってはツイてるところに住んでいるのかな、財産の上に住んでいるのかなという気がしています。それと泥炭土壌はピートモスという商品名で出ていると思うのですが、非常にセルロース含量が高くて放線菌が住みやすいという環境がありますから、村の中でも泥炭でない人は、表層に泥炭を撒いて活性液を撒けみたいなこともやって多少の効果は上がっている者もいます。
今井
ありがとうございました。それでは岩瀬さんですね、相当量のEMを撒きながら、急速に土壌改良しながら無農薬に向かって目指して取り組んでいるわけでございますが、その辺の土の変化についてお願いします。
岩瀬
土の変化は見た目ではまず透水性が良くなります。そして団粒化してきて柔らかくなってきます。あとは生えてくる草が若干変わってくると思います。その辺の見た目の変化は見られると思います。また自分でも3年くらいやっているのですけれども、水田になると年々トロトロ層が増えるのかどうか分かりませんがトラクターを入れるのが毎年辛くなっていくような状況です。それに伴って最初出ていた雑草はどんどん減っていきます。ですので、土の変化は、草・透水性、水田で言うと保水性が変わってくるのではないかと思います。
今井
それはだいたい1年目くらいから変わるのですか?
岩瀬
変わりますね。次年度から変わります。また変えないといけないので単年度でやるということで、とにかく比嘉教授が言うように「効くまで使え」というわけではありませんが、効果が出るように大量にEMを投入して単年度決着ということでやっています。
今井
はい、ありがとうございました。それでは宮里さん、最後にひとつお願いします。
宮里
そうですね、まあ変わったところと言えば、今おっしゃられたように、草の種類・雑草の種類が変わってきたということとですね、ナシの木については年々病害虫の発生がかなり少なくなってきましたし、特に土の団粒構造ですね、良くなれば当然根の張りが良くなるということは、当然ナシの木にとっても健全な抵抗力のある強い木になってきたのかなと思います。敷き藁は2〜3ヶ月に一度敷くのですけれども、その分解がかなり早くなってきている感じがある気がしています。私どもの農場ではナシ以外に、ハーブとかも栽培しているのですが、自分の経験した事ですが、ハーブの親株、芽を取る株を栽培するのですが、約7〜10cm位の床土にハーブの親を植えていく作業の中で、最初はやはりボカシを入れてもすぐ根焼けなど起きてきたのですが、かなり土も2年3年になってくると、EMボカシを全面に施用しても、ハーブの根焼け、親株の根が焼けていないという状況からすると、やはり微生物=有機質というところでEMというのがきっちりバランスとれてきたのかなというところが今分かります。以上です。
今井
はい、ありがとうございました。徐々に土が肥よくになってきて色々な有機物を十分に発酵させるような力が強くなってきたということですね。はい、ありがとうございました。それからこの発表にはなかったのですが、早川さん、水稲で代かきのあとに水田の水を調べた時の結果のことを少しお話いただけますか?水質浄化の話です。
早川
時間がなくて詳しい説明ができなかったのですけども、水質調査をしますと非常にEMを使っている水田は水が綺麗になってくると言えます。これは数字ではっきり出てきます。皆さん田んぼでやっている方は調べていただければ簡単です。それと、ちょっと変わった数字で言いますと、例えば土壌でPH5.5とか5.6位の水質でもEMを使っている水田というのは、土壌でPHが5.5でもその土壌を水に溶かして測ってみるとPHが7とかに上がります。それにプラスして、その中にカリとかマンガンとかそういうものが流出して流れ込んでくる数字が出てくる筈です。だからこの辺EMが効く所以なのかなという気がしています。まだ正式に数字を出してやっているわけではないですけれど。傾向としては非常に泥のPHが5.5なり6なりでも、水に溶かしてみたら上がります。それから他の物質がその水の中に非常に入る。僕の所はわりとカリ成分が水に溶けるような性質があるので、爆発的に収量が穫れないのかなという気がしています。EMはやれば確かに効くのですけれども、その辺の分析をちゃんとして、何かの原因で収量が落ちているということもありますので、やはり化学性と物理性と微生物性のバランスを考えた中でEMを使っていくと、より早く効くのではないかなというイメージで営農しております。
今井
はい、ありがとうございました。時間が大分迫って参りましたので、本当はEMを大量に使う時のポイントとかボカシの使い方につきましても少し詳しくさせていただきたかったのですけれど、時間がございませんので会場の方からご質問を受けたいと思います。質問がある方は手を挙げてご質問いただきたいと思います。はい、どうぞ。
質問者1
パネリストの皆さん素晴らしい発表ありがとうございました。私もEMの研究を初めて、もう17、8年になるのですが、アメリカの農務省がいわゆる空気・水・光に次いで人類の第四の財産として認定したのがミネラルですね。アメリカはマクバガンレポート以来、ミネラルをとるようになって、確実に毎年癌が減少しています。ちなみに私もEMの関係者にたえず申し上げているのは、この栄養基準を戦前の微量栄養素と今日の農産物、一番変化しているのは微量ミネラルなのですね。ものによってはもう半分、あるいは3分の1。それでアメリカのコニスキャットの農業試験場の方々が発表してらっしゃいますけれども、いわゆるミミズの糞粒と有機質の含んでいる表土と比較すると、マグネシウムで3倍、チッソで5倍、リンで7倍、カリウムで13倍違うことを発表しています。私はEMの発表して、もちろん無農薬で素晴らしいけれども、もっとやはり国民大衆に健康野菜としてやるには、ミネラルの土壌分析とそれに伴って収穫した野菜がこういうふうに微量栄養素が増えてくると、ちなみにこういう健康効果があるという、こういうふうに変わらないといけないなと、今日の発表を見ても、私も毎回EMの発表を見て、その安全とかとういう面ではいいけれども、もっと科学的にEMの素晴らしさをやっていくにはそろそろEMミネラル農法というカタチでもとレベルをアップしていくそういう視点が求められるのではないかなと思っています。ちなみにEMセラミックス発酵Cの施用も、やはり抗酸化波動を上げて地力を高めていくけれども、それによって土壌微生物、特にミミズとの関連だとかそういう点も考える必要があるのではないのかなと思っています。そういう意味で私も沖縄でEMを用いて色々実験しているのですが、沖縄でもやはり冬場になるとなかなかEM活性液を作るのが難しいのですが、EM活性液を作る時に、海水をだいたい5倍か10倍位に薄めてやると非常に活性液が作りやすいのですよ。それで海水とEMボカシそういったものとの併用すると非常に関連があるので、今日お尋ねしたかったのは、そういう視点でミネラルでこういう風に違いがあるというデータをお持ちのパネリストの方がおられたら是非教えていただきたいなと思います。
今井
はい、ありがとうございました。貴重なご意見ありがとうございました。データはあるかどうか分かりませんが、早川さんがその辺少し考えて農業してらっしゃいますので、少し早川さんが考えていることをお願いします。
早川
おっしゃることは非常に良く分かりますし、農産物のデータ取りというのは実はやっていることはやっているのですが、ただ生産者としてそのデータをどんどん公表することが良いのか悪いのかというのを多少悩んでいます。僕は作っている側ですから僕の農産物の判断としての数字は持っているのですけれども、これを公表することによって嘘発見器になられても困るかなというところはあるのですよ。だからその辺は我々生産サイドではなくて、まあ研究所がいいのか農水省がいいのか厚生省がいいのか分かりませんけど、その辺で基準ができた中で私の数字はここですよという提示はできると思います。米のタンパク質などもそうですが、数字を出しちゃうとどうしても数字戦争に走っていくんですよね。これは正直言って現場でやってる農家の気持ちとしては非常に辛いところがあるのですよ。心底作った農産物が、仮に数字が悪くて売れないっていう状況が起きる可能性があるのですよね。だから僕は数字として生産者として自分のものはどうだったかという意味での研究はしますけれども、その数字を使って物を売るという行為はちょっとまだ時間が掛かると思っていますので。ただ先程おっしゃった、僕も活性液に塩使っていますし、海洋深層水で活性液を作ったこともあります。非常に良いと思います。だから海水といいますか塩に含んでいるミネラル分は何らかのカタチで土壌にも効きますし、作物に効くのはこれ確かです。ただ数字の発表については少しコメントを控えたいと思っています。
今井
はい、ありがとうございました。それではもう一人、はい、お願いします。
質問者2 金城ともうしますが、早川さんにご質問したいのですが、このデータの中で小豆の方が新篠津村で170キロで、新篠津村の慣行栽培の平均が240キロとなっていますがこれは逆ではないのですか?
早川
これは残念なことにそれが正しいのですよ。有機小豆は作るのは、すごく難しいんです。特に北国の話なのですけれど、大豆は病害虫など、ポイントさえ押さえれば何とかなるのですけど、小豆は、最大の敵は最初にタネバエがいて、その次にヨトウムシという虫がやってきて、その次にアブラムシという虫が永遠後半まで来ます。集中して小豆を管理していると、これらをクリアできるのですけれども、なにせ、私はあまりにも作物を作ってますので、けっこう駄農なところもありまして、行かないうちにアブラムシに喰われて多少減収というのがあるのですよ。ただ今年の中で、やはりこれも、塩がけっこう効くなという感覚は得ています。それと植物油の添加もいいかなと思っています。
質問者2
これは連作とかそういうことで減収をしたという意味ですか?
早川
いえ、虫です。
質問者2 周囲の生産より低いものですから印刷が間違っているのかなと思い訊いているのです。それと平成4年から色々EMをお使いになっているようですが、もう10年位なりますね?この稲作の中で水田の中には普通ドジョウとかカエルとか色々な生物がいると思いますが、そういうものの変化というのはどのようになっているのでしょうか?
早川
水稲の写真の中でちょっと見づらかったのですが、あの手に泥を取っていた写真はですね、実はイトミミズがいるところを見せたかったのですが、ちょっと写真が大きすぎて見えなかったのですが、イトミミズは田面が真っ赤になる位います。ゲンゴロウだとかありとあらゆる昆虫が泳いでいます。
質問者2
ではそれは他の使用していない地域よりもそういう水生生物が生存しているということですか?
早川
そうですね、近所の人がうちの田んぼ見て、呆れて帰っていきますから多分その方の田んぼには、いないんじゃないですか。
質問者2
(笑)
今井
はい、ありがとうございました。生態系が豊かになってくるということだと思いますね。そういうことで、皆さんもよく観察しながら自分の畑の変化、田んぼの変化をよく観察しながら効果を確認していただければなと思います。残念ながら時間が参りましたので、そろそろまとめに入りたいと思います。本日は長時間ありがとございました。EMも開発がされましてもう既に20数年経ちまして、この大会も20年ということで、最初から比べますと大変盛況でございますが、最初の頃はやはり失敗もございまして、色々な人が失敗をしながら、試行錯誤しながら現在のような技術の確立を図ってきたわけでございます。しかしながら、まだまだ現在の農業は農薬や化学肥料に依存している農業というのが中心になっておりますし、農薬の殆どが、環境ホルモンの原因だということが言われているわけでございますので、私たちはこれから更に環境を守り、食の安全を守り、子供たちに豊かな自然と食を永続的に残していくために、人類から農薬がなくなるまで、更にこの道を広めていかなければならないと思っております。そうした課題も今日ありましたように、有機農業とかEMの技術がその課題を解決する一つの手段として有効であるということは、もう内外に証明されているわけでございますから、これからは今までの20年の積み重ねの上に、更にお互いに協力しながら21世紀の農業の道を切り開いていきたいと思います。それでは時間の制約もありまして十分な質疑応答ができませんでしたことをお詫び申し上げたいと思います。少し消化不良なところもあろうかと思いますが、どうか今夜の懇親会にお出になられましたら、その場で個人的に交流を図って頂きまして、もっと詳しいことを是非とも聞いていただきたいと思います。それでは最後になりましたが本日は、4名の発表者の方にそれぞれ大変貴重なお話や情報を提供くださりましてありがとうございました。4名の皆様に感謝を込めて盛大な拍手をお願いしたいと思います。(拍手)
本日はこれをもちましてEM農法分科会を終了させていただきます。ご静聴ありがとうございました。(拍手)
[コーディネーター
]
今井 悟(いまい さとる) (財)自然農法国際研究開発センター
プロフィール:
昭和25年1月23日愛知県生まれ
滋賀大学経済短期大学部経営科卒
1982年自然農法専任コース研修終了その後中部、奈良にて自然農法普及に携わる
1989年京都試験農場勤務
1994年千葉試験農場勤務
2000年(財)自然農法国際研究開発センター 普及部勤務
その後現在は総務部ならびに有機JAS検査事務局を兼務
The Theater Event --------
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