EMフェスタ2003
> 専門分科会
EMフェスタ2003 専門分科会
■ EMスーパーセラ応用による簡易農業
岩瀬 尉司(いわせ じょうじ) (株)イーエム総合ネット
プロフィール:
EM-Xセラミックス簡易農業推進チーフ
1975年10月31日生まれ。アメリカ合衆国ハワイ州出身。
琉球大学大学院農学研究科を終了。
EMスーパーセラ発酵Cを活用した「EMスーパーセラ応用による簡易農業」の普及活動を総合的に行っている。
今井
それでは続きまして岩瀬さんより「EMスーパーセラ応用による簡易農業」についてご報告いただきます。EM技術の三本柱の一つでありますEMセラミックスを活用いたしまして未経験者や高齢者でもローコストで高品質・安全安心な農産物を多収穫できることを実現しようということでEMスーパーセラ応用による簡易農業の基本技術と活用事例をご紹介いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
A3_01.JPG
岩瀬
よろしくお願いします。
こんにちは。ご紹介預かりました株式会社イーエム総合ネットの岩瀬です。若輩者ではございますが、発表させていただきます。ご静聴の程よろしくお願いします。
慣行農法から有機農法に移行する生産者が増えつつありますが、長年の農薬化学肥料を大量に使用した結果、そして消費者意識の変化の結果、これまでの農業が息詰まり初めています。
A3_02.JPG
現在の有機農業は手間が掛かって収量が少ないというのが現実です。当社が普及・推進しているEMスーパーセラ簡易農業は慣行農法の問題点の解決、または手間が掛かって収量が少ない有機農業を、手数が少なく多収・高品質の農業へと解決できる可能性が十分にあることが分かりました。
EMスーパーセラー簡易農業はEMセラミックスである「EMスーパーセラ発酵C」と、「EM拡大培養装置 百倍利器-2」等で製造した良質かつ安価なEM活性液と、EM米ぬかペレットもしくは、これに準ずるEMボカシ等を重点3点セットと位置づけ、それらを適切な使用により農地における有用微生物群EMの密度の向上と、それに伴う抗酸化レベルの向上を図ることを基本としています。
それでは3点セットの特徴を説明したいと思います。「EMスーパーセラ発酵C」はEMとそのエサになる糖蜜ならびにEM-Xを粘土に練り込み、800度で焼成し微粉末化したセラミックスです。抗酸化の場を高め、有用微生物群の共生環境の安定化を促進させます。発酵促進力もあり土壌改良材として使用される他、葉面散布に用いることにより、病害虫の予防にも効果を発揮します。この資材を中心に使用するのがEMスーパーセラ応用による簡易農業の特徴です。
2番目にEM活性液。これは「百倍利器-2」等の拡大培養装置でEM原液を安定的に100倍に培養、これ一次培養ですね、製造されたものを「百倍利器-2」の場合1トンタンクを使い更に10倍程度までは比較的安定培養、二次培養になるのですが、可能となります。
これまでの手仕込みのEM活性液作りと異なり、装置等を用いて良質なEM活性液を大量に製造することが可能となり、ローコストで高品質・安定した活性液を大量に作ることができ、手数が少ない大規模農家でも簡単に製造が可能になりました。このように培養したEM活性液を大量に使用すると、短期間で農地のEMの密度を高めます。
次に3番目は、EM米ぬかペレットもしくはEMボカシです。米ぬかをEMで発酵させて、いわゆるEMボカシで農地におけるEMの安定増殖を促す基質剤であります。なおペレット化された「EM米ぬかペレットSyn 」は「EMスーパーセラ発酵C」が添加され工業的に製造されていることから、品質が安定します。ペレット化されているため手まきが可能であり、従来のEM農法の一つのハードルであった、安定したボカシ作りから解放されることにより、不確実性をなくし、省力化が図れます。施用方法・量についてはそれぞれの農地によりその受益が異なることから、EM農法の基本である収穫後作付け前の土壌改良に重点を置き、作付け後はかん水時の処理と病害虫対策を適宜行うことをベースとしています。
3点セットの活用は、農地におけるEMの密度の向上と、それに伴う抗酸化レベルの向上を簡易に、且つ短期間で達成し維持されることに特徴があります。
私は2000年の大会で「EMスーパーセラ簡易農業」について発表させていただきました。その後2001年に「EMスーパーセラ簡易農業」の大会を当社にて行いました。それから2年が経過し、その時紹介した事例が更に発達し、加えて多くの人々との縁も手伝い、更に取り組む生産者が農業全分野・全国規模で飛躍的に広がっています。
次に紹介する事例は、各産地・各農産物のトップ農家と呼ばれる人々が簡易農業の3点セットを効果的に活用することによる、比較的短期間でEMの活用による効果が得られている事例です。
A3_03.JPG
最初は農薬化学肥料なしでは考えられない高原野菜の事例です。これは長野県小諸市を中心に栽培している企業農家8名のグループ「ファーム浅間」の会長を務めている塚田実さんです。塚田さんは長野県小諸市軽井沢町にて標高差を利用し約7ヘクタールのレタス栽培をしています。
A3_04.JPG
このグループは、一家に1台または2台の「百倍利器」を正式農機具として導入しています。
A3_05.JPG
農薬なしでは考えられない高原野菜の世界においても、EMスーパーセラで作る発酵堆肥による土作りとEM活性液・EMスーパーセラの葉面散布で、EMの密度を高め、抗酸化の場ができあがりますと、病害虫防御がほぼ完全に可能であることが分かりました。防除可能な害虫としてアブラムシ、ハダニ、ハモグリバエ、ヨトウムシ、アオムシです。さらに有害センチュウの密度が激減、フザリウム由来の根腐れ病の発生の激減が確認されています。
A3_06.JPG
これは成育中のレタスです。
A3_07.JPG
堆肥の作成方法はEMスーパーセラ発酵Cと堆肥が層になるように散布して一切切り返えせずに発酵させます。非常に手間の掛かる従来の堆肥作りとは異なり、手数が掛かりません。また、この3点セットと堆肥との組み合わせ・秋処理・植え付け前処理を行うことで高品質なレタスの生産が可能となりました。
A3_08.JPG
続きまして果樹の事例です。日本のリンゴの生産量の半分は青森県です。その青森の生産地の中心であるのが弘前市です。その弘前市でも農林水産大臣賞を受賞するなどトップ地区の下湯口地区では、前JA弘前組合長の今井さんを中心にトップ農家8名が集まり、平均5ha計40haの栽培規模でのEMスーパーセラ簡易農業によるリンゴ栽培を平成13年度5月よりスタートしました。
A3_09.JPG
現在は会員数が、今年の秋からスタートする新人15名を含めて45名、栽培面積は約100haになります。
A3_10.JPG
このように「百倍利器」を利用し、効率よくEMを培養し、
A3_11.JPG
EMボカシ作りについては装置化することで大量生産・投入が可能となりました。
A3_12.JPG
リンゴ栽培では3点セットを秋処理時に徹底します。栽培期間中は葉面散布を中心に行うと、葉が小型化し、厚くなり、光合成能力が向上し、リンゴの糖分蓄積に良い影響がでます。EM効果としては、導入初年度より玉伸びが良く、果実が甘い、固い、着色が良くなる等の効果が出ました。秋処理を徹底した昨年は、より効果が明確になりました。ここのリンゴのもうひとつの特徴としては、長野県東部町の巨峰栽培で反あたり1tを現在2t収穫しても、翌年の樹勢に影響なく栽培されている事例と同様に、通常より1割から2割多く着果している点であります。
A3_13.JPG
今井さんらグループのリンゴは初年度から東京青果、大阪青果において高い評価を受けました。また市場内の中卸しにも広く認知され、EMりんごを取り扱う中卸し業者の数が年々増えて来ております。大市場でのブランド化を目指し、更にはリンゴの輸出産業化を目指して真剣に取り組んでいます。
A3_14.JPG
これは選果場ですね。
A3_15.JPG
これはCA貯蔵庫の画像です。本年度、本格出荷に向けて選果場を借り、光センサーによる選果、CA貯蔵庫を積極的に導入しました。更にEMリンゴジュース作成時に出るリンゴ粕を、前のレタスの事例を参考に、EMスーパーセラを活用して有効な堆肥を作成し、積極的に施用しております。また、弘前では、EMスーパーセラ簡易農業により、成果を上げているトマト栽培先進地の愛知県弥富町の生産者と連携を取り周年出荷し、EMトマトのブランド化にも力を入れております。この取り組みは、関西地区の一般消費者にも広く認知され始め、好評も得ております。
A3_16.JPG
こちらは米の事例です。本年度はご存じの通り全国的な天候不順により、各地でイモチ病または不稔が多発して、俵数が収穫できず、収穫しても屑米が多くて問題となっています。
A3_17.JPG
これは本年度から取り組みが始まった栃木県日光市の日光東照宮の事例です。日光東照宮は国の特別史跡・特別天然記念物に指定されている日光杉並木、約1万2600本の立ち枯れ問題が深刻な中、これをくい止めるための特効薬がこれといって見あたらないとし、この度、新たに当社が協力を行い、日光東照宮境内にある13本の杉を対象に、EM技術を用いた樹勢回復プロジェクトをスタートしました。
また日光東照宮の稲葉宮司は、これから、観光客に人気のある日光にするにはどうするかを考え、日光東照宮を中心にし、日光市を資源循環型社会に転換すべくリーディングすることにより、日本人観光客はもちろん、外国人旅行者に対しても、日本の伝統文化を提起したいとされています。
A3_18.JPG
その一環として稲葉宮司は、神前へのお供え物は本物であるべき、農薬化学肥料のない、安心安全な農作物でなければいけないとの長年の思いがあり、今回御神米として御神前に献上するお米の生産を、昨年までJA宇都宮組合長であった東照宮総代 松島忠男さんの水田2反にて、EMスーパーセラ簡易農業にて栽培させていただく機会を得ることができました。また併せて御神馬のいる日光乗馬クラブにて大根の栽培を行いました。
A3_19.JPG
これは収穫期の絵ですね。春からのEM処理にも関わらず春起し前、3点セットを散布。出穂前の葉面散布だけという手数の掛からない方法にて収量面で最大の効果を得ました。ただし今回は一番軽い初期除草剤を使用しました。3年後、完全無農薬栽培を目指します。低温防止のために幼穂形成時の深水管理はもちろん行いましたが、通常8俵、本年度周辺が7俵だったのに対し、ここの水田では10俵近く収穫できました。また屑米が反あたり5キロと少なかったのも特筆すべき点ではないでしょうか。
EMスーパーセラ簡易農業は、生産を落とさず、無理をせずとも3年目には完全無農薬無化学肥料の農業を可能とするのが見えてきました。また、EMスーパーセラ農業での米の栽培は日光だけでなく、米どころ新潟県最大のJA、JAえちごの取り組みをはじめ、全国的に事例がありそれぞれに効果をあげています。
A3_20.JPG
大根栽培では連作障害で圃場の三分の一しか穫れなかったのが、今年はロスが少なく味が良いと好評をいただきました。
A3_21.JPG
稲葉宮司はこの結果を踏まえ、来年度の日光全体の計画を毎日楽しく考え始めています。
以上数々の事例を発表し、EMスーパーセラ簡易農業の特質を述べて参りました。EMスーパーセラ簡易農業は大規模、手数の掛けられない兼業農家に十分耐えうる農業であること、現在の行き詰まりの農業を変える可能性が十分にあることが分かりました。
余談ではありますが、生産を点から面へ展開、消費者の立場から、簡単に手数が少なく多収・高品質のEMスーパーセラ農業物を入手できる仕組み作りに向け、いくつかのチャレンジを始めています。
最後に本発表についてのご質問および紹介者農産物の試食は、展示棟にある当社ブースまでお気軽にいらして下さい。以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
今井
ありがとうございました。EMセラミックス簡易農業の歴史はまだ浅いですけれども、着実に成果を上げられているということが伺われると思います。リンゴにつきましては、果樹は大変無農薬栽培は非常に難しいわけでございまして、しかし段階的に切り替えながら、現在は20%くらいカットし、高品質のリンゴということでブランド化してらっしゃるそうでございます。これから更に品質が向上していくことを願うものでございます。
前に戻る
次に進む