EMフェスタ2003
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EMフェスタ2003 専門分科会
■ 大規模複合農業でのEMの活用
早川 仁史(はやかわ ひとし) 農業 北海道石狩郡新篠津村
プロフィール:
1961年10月10日 北海道新篠津村 生まれ
酪農学園短期大学農業経営科通信課程
昭和56年就農 現在に至る
今井
それでは続きまして早川仁史さんより「大規模複合農業でのEM活用」というタイトルで報告いただきますが、早川さんは20ヘクタールの農地を耕作する専業農家でございます。平成4年頃からEMを使い始めまして、メロンをはじめ大豆・小豆・米・麦・白菜など多種多様な作物を生産しております。そして素晴らしい成果をあげております。平成6年には新篠津EM研究会が結成されまして、その中のリーダー的存在でございます。また平成10年には有機では非常に栽培が難しいとされていますメロン栽培におきまして、有機JAS認定を受けています。地域における有機農業の牽引役でもございます。また今年は全国的に冷害年で、北海道も大変厳しい冷害で、7月の中旬・下旬というのは非常に寒さが続いたわけですが、早川さんの所ではこのような低温の中でもお米をはじめ大豆なども、昨年よりは悪いのですけれども、付近に比べ良い成果をあげておられます。そのように品質も優れ、収量もあげている成果をご報告いただきたいと思います。それでは早川さんよろしくお願いします。
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早川
皆さんこんにちは。北海道新篠津村という所からやってまいりました農業をやっております早川と申します。
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まずは新篠津村の位置関係から説明したいと思います。皆さん札幌はご存じだと思うのですが、札幌から北に車で50分くらいのところにありまして、年間降雪量6mくらいの豪雪地帯でございます。
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我が家の農業の経営状況でございますけれども、その表にあるように約20ヘクタール作っております。かなりの品目を作っておりまして、なおかつこの面積を夫婦2人で年間約300日程度の営農で暮らしております。
EMは平成4年より導入いたしまして、先程今井さんから紹介いただきましたように、有機JASも取得いたしました。
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早速ですが水稲の説明をまずさせていただきたいと思います。9ヘクタールの慣行田と1ヘクタールの有機JASの水田を持っていますけれども、種籾ならびに育苗期間中は全てEMで、無農薬で全面積をこなしております。水田の秋処理、稲藁処理ですけれども、活性液50リットル散布し耕起します。春も50リットル散布して耕起する事を行っております。
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1ヘクタールの有機JAS水田におきましては、100キロの生糠を散布し、30キロのEMボカシをまいて耕起します。春にはまた、120キロEMボカシのみの施肥でやっております。成育中にEM活性液の約20倍希釈液を4回くらい水田ビークルでかけております。
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今年の北海道は、非常に低温だったので、出稲後の登熟を少し心配したので、出稲期の7月下旬から8月の上旬以降に、EM活性液の20倍希釈液を2回散布しました。かなりこれが良かったのかなという気がしていますが、本当は、3回散布したかったのですがEM活性液の作成に間に合わなかったのが少し悔やまれるところです。
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収量結果ですが、まだ正式な数字は出ていないのですが、地域での収量調査というものがあり、その結果では、有機JASの水田で485キロ、慣行水田で505キロ。慣行水田といってもEMをじゃぶじゃぶまいています。周辺農家の平均が425キロくらいですから、約1俵半といいますか80キロ位は増収になったのかなと思っております。
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続きましてオーガニック、有機メロンの説明をさせていただきます。メロンは昭和63年に導入いたしまして、3〜4年位で連作傷害や、病害虫に非常に苦しんでおりました。その時にEMと出合いまして、ハウスは多くあるのですけれども、試験とかではなく、初年度から全面積にEMボカシを施用しました。実はEMをメロン栽培から使いました。
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EMを使用するうちに、病害虫がなくなり、今現在最長で、11年のメロンの連作がございます。苗立ても自根で行っております。追木はせずに11年連作で作っております。今現在ではメロン畑での活性液の使用はしておりません。殆どいりません。ボカシも春に50キロ、土壌分析の中でカルシウムが不足してきましたので40キロ程度貝化石を入れるだけでメロンを作っております。非常にラクに栽培しております。
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最大の特徴は収穫の1週間位前になりますと、全面マルチの下にオレンジ色の赤い色がびっしり確認されます。多分これは光合成細菌じゃないかと思っているのですけれども、収穫期を教えてくれるというような状況です。難しい説明は割愛させていただくのですが、家の圃場は、泥炭圃場という変わった土なのですが、非常にセルロース分が高くて放線菌の餌になりやすい土壌です。ですから放線菌が非常に活躍してくれますので、結果として病害虫を押さえているのかなと思っております。それに加え、収穫前に光合成細菌が働くことにより、ぐっと糖度がアップすると思っております。このようなサイクルでメロンを栽培しております。
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続きまして、有機大豆と有機黒豆、それから有機小豆を説明させていただきます。基肥は、EMボカシを反当り150キロのみで、あとはEM活性液の散布だけで栽培しています。堆肥や肥料とかそういうものは一切使っておりません。
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ちょっとコツがあるのは、ボカシを先にまかないことです。豆は、発芽の段階でタネバエという虫にやられてしまうと、発芽不良を起こしますので、あくまでも無肥料で種をまき、発芽をした後に反当り150キロのEMボカシを追肥で使うというようなやり方でやっています。
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EM活性液は4、5回散布しているのですが、定期的にやっているのではなく、気が向いた時にじゃばじゃば散布しているという感じです。
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長いところでは3年同じところで大豆を作っていますが、収量的に、昨年は大豆が300キロ、今年は340キロ、約5俵半ちょっとのプラスアルファです。黒豆も約300キロ程度の収穫になっております。
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今年は、大豆も不作の年なので、地域の慣行栽培で240キロ程度とみているのですが、いわゆるEMボカシのみの有機JASのEM大豆ということで100キロ位の増収になっております。
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話の中で出てくるEMボカシ、EM活性液をじゃばじゃば使うには、どこで作っているかと言いますと、うちの村は非常にEMに対して理解の深い村のため、EMボカシ1トンタイプの製造器とEM活性液作成タンク1500リットルと今年新たにEM活性液作成3000リットルのタンクを村で購入いただきまして、我々EM研究会が平成6年から作っています。
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EM研究会には100名位のメンバーがいるのですけれど、それぞれが資材を持ち寄って、ここで培養して家に持ち帰るという非常にラクしてEMボカシとEM活性液を大量に培養し使用できるシステムになっています。
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それに加え、クリーンセンターという土壌診断をできる施設を村が作ってくれました。ここでは、科学的な数字も裏付けとして取れますし、色々な実験も行っております。村の中で350戸位の内の100戸位の農家がEMに何らかのカタチで参加をしていまして、良い農産物を作ろうとみんなで一所懸命頑張っております。
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せっかく収穫した豆ですから、どういう評価を受けるのかなと、多少調査をしてまいりました。昨年の大豆でやってみたのですが、純粋に大豆をフライパンで炒って無作為に食べていただきました。そうすると思った通りと言うか、大変嬉しい結果で、EM大豆の評価が非常に高い。特に甘さもありますし、非常に美味しいという評価を得ております。これは比嘉教授の言う通りなのかなという気がしますが、何故美味しいのか?という個人的に疑問がありまして、少し又違う実験をしてみました。
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これは簡単にできるのですが、吸水実験というもので、シャーレの上に棉か何かに水を浸して豆を置いておきます。
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自分のだけをやっても分かりませんから慣行栽培のものも買ってきましてそれと比べてみましたところ、EM栽培の豆は非常に吸水力が高いです。これは2日目くらいの状況かと思うのですが、非常に大きくなります。
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非常に水の吸収率が高いです。黒豆は発芽しなかったのですが、小豆と白大豆は発芽をしたものもけっこうありました。
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いわゆる発芽能力も非常に高いということがこれで分かるのかなという気がしています。
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それからもう一点、この大豆を摂取したらどうなるのかなという実験も多少やってみました。要するに、体の中でどうなるのかという実験なのですけれども、小豆や大豆や黒豆を粉にして水に溶かし、体内温度約35度位を設定いたしまして、蓋をして密閉して放置しておいたのです。するとまず一番区別がつくのが、24時間後、体内ではだいたい24時間くらい食物が入っていると思うのですが、その段階でEM大豆の方が極端に透き通ってきます。慣行栽培のものはかなり濁ったままでして、この辺から、抗酸化能力が高い作物に水を入れて密閉すると上水の澄むのが早いというところがありますし、また、3日位置いておきますと、慣行栽培のものは蓋を開けられません。これは発酵で開けられないのではなくて匂いが強烈で開けられません。かなりの腐敗臭がします。まだ今年の分をやっていますので、全部のEM大豆がそうなるとは分かりません。ばらつきはあるのですけれども、中にはヨーグルトのような匂いがするものがEM大豆の中にはあります。これは比嘉教授がおっしゃっている通り、EMで作っていくと抗酸化力が高くなって腐敗しない農産物、特にヨーグルトのような香りがすると教授も言ってらっしゃいますので、かなりその方向に近づいているのかなという期待感を持ってこういった実験をやっております。
ちなみにこの食物をまたPHとかECとか測ってみますと、やはりPHが低くてEC値が高いという傾向があります。7人のメンバーの平均でもそうなっています。活性液と似たようなところがありますけれど、PHが低くてEC値が高い農産物がやはり腐りづらいという結果になるのかなと思っております。
非常に短い時間なので雑駁な説明しかできないのですけれども、北国でかなりEMをじゃぶじゃぶ使って、年間3万リットル位活性液を使っているのですが、そういう風にじゃばじゃば使えばそれなりの結果がでるのかなと思います。ただ自分自身の中では全然満足していませんので、これからもどんどん大量に使って、美味しくて、そして特に体に良い農産物を大量に作って、皆さんにご提供できればなということを思いながら、尚かつ夫婦2人で20ヘクタールですから楽しくないとなかなかやっていけないものですから、楽しく農業をやるというのをモットーに、これからも頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
今井
はい、ありがとうございました。普通冷害の年は農家の顔を見るのが嫌なものでございますが、早川さんは冷害を克服されて、非常に元気そうなお顔で今日お越しいただきました。本当にありがとうございました。これも早川さんの日頃の努力の賜物、またEMを上手く活用された成果ではないかという様に感じております。早川さんのメロンは有機JASを取っておられますが、有機を取ったメロンというのは珍しいと思います。是非とも一度そういうメロンを食べてみたいものだと思います。今日は沖縄の方が多いと思いますが、早川さんのメロンを食べに北海道へ行くツアーを考えてもいいのじゃないかという様に思います。(笑)それから大豆の腐敗実験でございますけれども、EMを使用しますと、どういう物質が増えたのかというのはまだ分かりませんが、どの物質が腐敗を押さえるようなものなのか学問的に解ってまいりますと、健康な食べ物の一つの指標にもなってくるのではないかということで、今後色々な分野で研究されるとありがたいなと思いました。
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