EMフェスタ2001 > 発表大会

事例発表No.06
2001.11.18
■中国におけるEM活用事例
 白井 博隆(Mr.Hirotaka Shirai)

 アドバンス社社長(President,Advance Corp.)
 昭和38年長野県生まれ。土木設計コンサルタントを経て、1992年株式会社アドバンスを設立。  1995年に農業事業として中国雲南省に合弁会社を設立しEMによる漢方原料の栽培に着手。その後、EMによる取組みが評価され政府の支持を受け新疆ウイグル自治区でEM綿花栽培を開始。また、同様に大連において政府と共同でEMによる野菜の栽培を計画中。

 皆様こんにちは。ご紹介いただきましたアドバンスの白井でございます。本日は「中国におけるEM活用事例」ということで、私どもが中国で行っています、EMの農業事業をご紹介させていただきたいと思います。
 皆様もご存じのとおり、中国もWTOの加入により、工業製品と同様な基準作りというのが、今後中国国内で整備が進んでくると思われます。その中でEMというものが、今後非常に重要な要素になってくるというふうに私たちは考えております。
 EMの今までの中国での流れ、また構造というものを、EM研究機構の南京事務所の方たちのご協力の下で行ってきたことをご覧いただきたいと思います。
 まず、最初に雲南省での活用事例ということで、ご紹介をさせていただきます。雲南省というところは、標高が平均1,600 mほどありまして、気候が亜熱帯、非常に特異な気候でした。収穫物も非常に多種にわたるものがあります。その中で、私どもは伝七人参というものに焦点をあてまして、EMでの栽培というものを手掛けました。


 ちょっと画像は暗いんですけれど、日本と風景が若干違いまして、あのような小さい山が連なって、後はほとんど平らな地域なんですね。このようなところで伝七人参の栽培を行っています。


 これは、標高1,800 mぐらいのところなんですが、ほとんど高い樹木がないところの表土を残すようなかたちで、畑を開墾というかたちで作っていきます。


 これは新しく畑を、当然開墾するときに行う作業なんですけれど、一般的には連作が可能ということで、連作ができる畑、通常使われている畑を使って、農業を展開しています。


 これが伝七人参なんです。これが一つの、下の方に根が入っているんですが、朝鮮人参とちょうど同じような栽培の方法なんですね。上には雨と光を調整する屋根、これはシートですけれど、張りまして、そして下にこんなかたちで植えていきます。栽培までに大体3年から6年の期間が必要なものですから、その農業方法、また使用する資材というものがとっても大事なものになってきます。


 これが健全に育成している、これはもちろんEMを使って栽培しているものなんですが、この葉が広がって、そこから花が咲くと、こんなものになります。
 今実際こんなかたちで、伝七人参の栽培が行われてはいるんですが、これは通常ならば休ませる畑で、翌年、伝七を植えてみたところなんですね。
 それとこれも初年度なんですが、ここにちょうど虫に喰われた跡があるんですが、こういうふうに、想像していたことなんですけれども、かなり大量の虫が発生して被害にあったということになります。


 これらは当然、今まで農薬、化学肥料で使われていたところで、こういった変更をするものですから、そのために概ね予想をしての対応ということで、初年度の実験をしています。
 非常に単純なものなんですけれども、これがEM5号なんですけれど、この中にですね、伝七人参は地下茎の、地中に出来るものですから、どうしてもなかなか、表面につく葉を食べる虫は比較的駆除しやすいんですけれども、土中の虫がなかなかやっかいでして、どうしてもなかなか最初のうちうまく行かなかったんですね。雲南省は非常にとうがらしも多くて、とうがらしを数種類、非常に辛いものから何種類か混ぜて、5号の中に大量に入れて、希釈して、土壌に噴霧した。そうしたところこれで比較的高い効果がでました。 こういうことで今現在、これらを中心に害虫効果等々多くなっています。


 これが今私たちが行っている、伝七人参の有機肥料の工場なんですね。ご覧になっていただいて分かるとおり、非常に古くて、朽ち果てる寸前というようなところなんですが、私たちが栽培している、伝七人参の栽培地は、ミャンマーとラオスの地域に近くて、非常に貧困地なんですね。その中で、こういった有機栽培に必要な有機肥料工場を確保出来たというのが非常についていまして、これで均一的な農家に供給する有機肥料を製造しています。


 ちょっと近寄ると、そこそこのものに見えるんですが、依然このドラム以外は、こんな手押し車ですとか、リヤカーというものを使ってやっています。


 これは栽培風景になります。3年間EMを使いながら、掘り出すんですけれども、このような少数民族の方たちにEMの使い方、または効果を理解していただいて、栽培から収穫すべてにおいて協力していただいています。


 これは収穫した伝七人参を河川で洗浄しているところですね。


 水道の施設とか、そういったものがまったくありませんので、近くで流れている河川を利用して、洗浄を行います。
 これは合弁会社の倉庫兼洗浄場なんですけれども、このように、これが水が張ってあるんですけれども、ここで再度、前の画像でご覧になっていただい河川での洗浄後に、もう一回洗浄します。通常、ここは普通の水なんですけれども、ここも普通の水を入れて、あと残りの、こことここ、二つぐらいのところにEMの活性液を入れます。


 これが作業風景なんですけれども、ここのところで、この2か所で、徹底的に伝七に付いた土を完全に落としてしまいます。


 こちらの方で、今これは活性液を入れているんですけれども、この層の中に活性液を投入して、こちらで洗ったものを再度振り分けて、30分くらいこの中に浸け込みをします。


 これは洗浄風景なんですけれども、1回河川で洗っても、これだけのまだ泥が付くんですね。通常であれば、ほとんどの伝七人参、栽培されて、泥が付いたままの状態で持ち込まれるんですけれども、我々もう1回洗浄ということで、こんなかたちでします。この中にもEMの活性液は入っているんですけれども、そもそもの目的というのは、洗浄後に、これは乾燥させるんですけれども、乾燥させた後の、酸化防止ということを我々は考えています。


 これを洗浄して、乾燥して、大体商品として、日本に持ち込んで粉末にするまでに、早くて半年くらい、その間時間があるものですから、どうしても密閉したところでの保存ということになるんですね。その時に、カビの対策を、ということで、当初EM1号を使いはじめたんですけれども、非常に効果が高い、ということで、全ての伝七をこのように、洗浄したものを浸け込み、ということをしています。


 今まで、このような方法で、3年間保管して、3年前の伝七が、密閉した容器の中に入っているんですが、カビのはえているというものは、まだ一つもありません。非常に効果が高いと、私たちは思っています。
 洗浄して浸け込んだ後は、このように倉庫の上で天日乾しを行います。
 これが、一つひとつこんなかたちで干されています。
 ここまでが中国での作業になるんですが、栽培から洗浄、ちょっと保管を睨んだEMでの対策、というもので、品質の維持、また安全性の確保というものを計っています。
 これは私たちが栽培している栽培の畑、それから収穫される伝七人参を、今、ここに書いてあるんですが、龍角散が商品として販売をしてくれております。


 これは当然私どもの伝七人参の原料を使ってもらってはいるんですけれども、私たちの会社の方で、錠剤まで作らせてもらっているんですね。その錠剤には、EM・Xをさらに、造粉といって、粒に一度するんですけれども、その時に練り込んであるんです。龍角散の方は非常にEMを高く評価しまして、製品の原材料名のところに、EM・Xと表記していただいています。インターネットで製品の確認が出来ますので、ご覧になっていただければ、龍角散で、この畑から出た伝七人参が売られております。
 これは分析の結果なんですが、ちょっと見づらいので、口頭で説明しますが、こちらは大手、上場企業の伝七人参なんですね。これは相談を持ち込まれまして、ここに書いてあるのが、砒素なんですね。で重金属、DHC、DDTという表記がされているんですけれども、これが非常に高くて、製品化にならないという相談を受けまして、であれば、私たちの伝七はどうですか、と。EMで栽培したものですよ、ということで、こちらにタイジしているものがあるんですが、砒素が0.4 、こちら通常の栽培ですと、砒素が3.1 、重金属類が、通常の農業方法ですと、5.6 、EMでやると、こちら0.3 DHCはどちらも出ていません。DDT、今では中国では使われていない、と言われているものなんですが、こちらの方は、0.29、当然EMで栽培したものは出ない。しかもこの結果は、連作をした土地、当然、私たちが使うまでは農薬等は使われていたんですね。そこで3年間栽培すると、こんな結果が出ると、非常に頼もしい結果です。
 こうして栽培されたものに、これは雲南省の輸出入の検疫局の書類なんですけれども、日本食品分析センターというところに対して、うちの会社を通して依頼をしているんですが、どういうことか、というと、私たちがEMで育てた伝七人参を雲南省から輸出する基準値にしたいという申し入れなんですね。さき程出てましたとおり、残留農薬がないということで、検疫局がこれを基準に食品の基準に食品の基準値を設定したいと。その分析方法等を、日本の食品分析センターというところと協議して、日本に輸出するものが、中国で認可されたものがそのまま日本のマーケットに持ち込めるように、ということで、今、現在、この検疫局と食品分析センターの間で連絡を取り合って、私どもも含めて、今基準の策定を行っております。
 今までが伝七人参。


 これは雲南省というところです。
 次は新彊ウイグル自治区での事例です。新彊ウイグル自治区ではですね、世界的に評価の高い、綿花の栽培を行っております。綿花と同様に、ウイグル自治区は砂漠地なものですから、砂漠の塩害地の改善。塩害地をいかに畑にするか、ということも行っています。 これがウイグル自治区の風景なんですが、一般的にすべてこうではないんですけれども、大半の土地がこのように砂漠化ですね。これはちょっと一番ひどい砂漠のところなんですけれども、しかし押しなべてこんな状況が一帯に広がっているというところです。


 ここで灌水施設を用いて、綿花栽培を行っております。これはEM1号の製造工場の内部なんですけれども、窓がどこにもないんですね。というのはウイグル自治区は真冬が氷点下20度から30度までいきますので、EMが発酵しないんですね。ということで冬場の発酵ができるように、このような窓がない施設の中に、この壁の側面に、オイルヒーターが付いているんですけれども、でもって部屋を温めて、発酵を促進すると、いうこれが内部です。


 これはボカシを作っている有機肥料工場のところなんですが、こんなかたちで施設を作って、ここでボカシ作りをしています。


 これは作ったボカシを1回乾燥させているところですね。こうしたあとに、新彊ウイグル自治区で協力していただいているところが、養鶏場なものですから、これと混ぜて有機肥料を作るという工程に入ります。




 これが有機肥料工場になります。前にご覧になっていただいた雲南省の施設とは大分異なりまして、こちらは国が綿花事情も投資をしていまして、また有機肥料工場というのも、国の施設を使わせてもらっていますので、このような非常に量産出来る施設を使って、今応用しています。


 これがEMで作りました有機肥料です。これを用いて、このような綿花栽培を。これは綿花栽培地の一部なんですけれども、途方もなく広がっておりまして、数字的で何平米というような規模ではありません。


 これが綿花の、今年の花ですね。ところどころ、こんな虫に喰われてはいますが、比較的いい綿花が、今年は出来上がったと思っています。
 これが拡大したもので、この中身がコットンボール、ここを使うことになります。








 ちょっとここからは、綿花を化学肥料とEMということで照らし合わせて実験したものをご覧になっていただきます。細かい説明ははぶかせていただきますが、ここで試験しているのが、超長綿という繊維長が非常に長い綿花なんですね。これを用いて実験をしています。3区画に地域を分けまして、その3区画の中で実験をしています。EMの試験地では、EMの1,000 倍希釈液を使って、有機肥料、それからこちらに葉面散布、1,000 倍のEMの希釈液を葉面散布して、種も1,000 倍の液に30分つけています。もう一つの対象としたものは、通常の化学肥料を使ったものです。
 この黄色いところなんですが、実験したところが海南島、海南省でして、ここに海の砂が使われてしまったらしく、ちょとここだけは実験からの対象外ということになっています。
 ちょうど砂がこんなふうに混入していたらしくてですね、ここはちょっとデータとしては使えません。実際には、本当はライン的には、こんなかたちでこうなっていまして、この化学肥料のところのデータはきちんと使えていますので、本当はこんなかたちなんですね。で、1、2、3、4、5、と5つ、一つのこれがライン。これがもう一つのライン、これをもう一つのラインというふうに、3か所に別けて、一応実験をしています。
 ここの2区というところが、二つ綿のタイプがあるんですけれども、ここもどうやらあまりうまく成長しなかったものですから、長丁綿の違う種を二つ用いて実験をかけています。
 この赤いのが化学肥料なんです。この青いブルーのところが、実験の対象から外したところです。こう見ると、生産高の1ムーあたり、中国の単位で666 平米なんですけれども、この666 平米に何キロ綿花が出来たかというものなんですね。
 これは化学肥料を100 として、すべてEMの方で換算してあるんですが、すべてのもの、まあ一か所ここが99というのがあるんですけれども、ほぼ同じと考えていただいて、すべての対象地において、これは116 、123 、一番多いのでは136 というものなんですが、化学肥料と対比して、EMの方が1ムーあたりの収穫量は確実に増えているということが分かります。
 それと一つの枝についた、実の数、実の重さを調べています。このオレンジのところが、化学肥料になります。ここが3.5 ですね。これは一つの実の重さが3.5 なんですが、EMで育てたものに関しては、4.64、4.8 、4.7 、こちらは4.49、ちょっとこれは低いですね。こちらは5.08。こちらが5.87。ここを除いて、すべて化学肥料で育てたものより、実の重さというのはすべて超えているんですね。
 次に生長の速度の違いを調べてみました。第1回目の測定なんですけれども、背丈がEMで育てたものが46.6、化学肥料が49、2(?)が121 、127 、141 、142、というふうに全て、化学肥料の方が生長速度は勝っています。
 その次が、これが重要なのが、実のなる枝と数ですね。ここのところで我々が重要視しているものなんですけれども、この生長の速度と、ここのところに、全部化学肥料に比べてEMというのは生長は遅いんですけれども、つぼみの数というものが、この生長速度によって比例して、大体来るんですね。たとえばこちらEMですと121 、こちらは127 、これに比べて、つぼみの数というのが21なんですけれども、こちらは19.3、5.8 に4.7 。けして生長速度が遅いからつぼみが少ないということではない、ということなんですね。
 この実験の中から、ほんの一部を取り出したものなんですけれども、何がこの実験から読めたかというと、化学肥料と生産高の比較においては、化学肥料に比べて113 %、13%の生産高の向上というのが確認出来ています。それと実の数と重さという、実際どのくらいのここから綿花が採れるか、という比較なんですけれども、化学肥料が29.86 、EMが30.05 、まあ若干ですけれども上回っているんですね。




 それと綿花というのは、発芽をして植え込んで2か月くらいが、とっても大事というふうに我々は認識しているんですね。それは、ここにあるんですが、生長速度と生産高というのが、非常に密接にどうも連動しているということが分かっているんですね。いかに幼児期に生長させないか、ということが非常に大事なポイントで、この生長を遅らせることによって、根を張って、一つのつぼみから重たい綿花を収穫するということをこのEMによって可能なんですね。一般的なものは、大体あまり公にはなっていませんけれども、生長抑制剤を使って、生長を止めて根を張らせるということをしているんですね。まあそういったものが、たまたま新彊ウイグル自治区が砂漠地ということもあって、灌水の、水の調節と、EMを使うことによって、生長速度というものを十分にコントロール出来るということになっています。


 これは綿花とは関係ないんですけれども、新彊の塩を吹いた土地でのEMの実験なんですね。こういうふうに塩を吹いたところを、綿花の畑にしたり、農作物を作ったりということをしていきたいということで、日本大使館ですとか国連の機関のUNDPというところに、これらの実験データを持ち込んで、共同で事業を推進してもらおうということで、この実験をしています。


 これが一般的に雑草ですとか作物を植えてみたんですけれども、全然育たないんですね。




 こんなふうに塩が吹いていて、まるで生長はしません。ところが、これがEMを撒いてやった土地なんですね。これはひまわりなんですけれども、一面ひまわりが出ています。これなんか非常に分かりやすいんですけれども、ここの部分はEMを撒いていません。ところがこちらのEMを撒いた所は、ひまわりがこのような状態で育つということです。非常に効果的なものですから、今年これらの数字をデータ化しまして、日本大使館、また中国のUNDPに持ち込んで、これらをEMでの事業ということで、正式に検討してもらうということを提案します。


 これもそうなんですが、これはポプラです。中国の街路樹はこのようなポプラが一般的に使われるんですけれども、このようにあらゆるものが育成できる、ということが分かっています。
 最後に総括させていただきますが、皆様もご存じのとおり、中国からの輸入野菜というものは、かなりの量で日本に入り込んでいるんですね。しかし、我々は中国で活動してよく分かるんですが、これらの野菜の安全性というのは全く無視をされている。確認をされていない。今後、WTOの加盟によっても分かることなんですが、大量の野菜が今後入ってくると思われます。非常に私たちも悩むところなんですが、日本の農業と中国の農業ということで、どうしても自問自答はするんですけれども、まずしなければならないことは、既に輸入されている野菜を安全なものに変えるということは、これはすぐにでも出来ることなものですから、こうしたところから対処していこう、ということで、今ある野菜をEMを使って安全な野菜に変えて、日本に入れるということで、実際の作業を、今進めています。
 まずスタートしたのは大連なんですけれども、今まで画像でご覧になっていただいたとおり、EMでの効果というのは、どなたも疑う余地がありませんので、これらのものを使って、今後日本に輸入される野菜、また新たに輸入される野菜に関しても、これらEMを使って、安全な野菜を提供していきたい、とこういうふうに思っております。
 簡単ではありますが、中国での活用事例ということで発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。

The Theater Event --------
Effective Microorganisms