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有機性廃棄物資源化分科会
EMフェスタ2001
専門分科会
有機性廃棄物資源化


コーディネーター
仲嶺 真樹 (株)イーエム研究機構本社

パネリスト

吉田正二 (株)イーエム研究機構 大阪事務所
藤井実 医療法人社団志誠会平和病院社会復帰施設部
リハビリテーション農場 「グリーンファーム」
日比野研一 (株)イーエム研究機構 盛岡事務所
2001.11.17

司会:
 本分科会は有機性廃棄物資源化と銘打ち、サブタイトルを循環型社会に向けてとしております。非常に幅広いのですが特に有機性の資源をいかに循環して扱っていくか、その有機性の廃棄物、有機性資源をリサイクルするにあたってのポイントについて、それぞれのパネリストの皆さんに発表頂き、討議を進めさせていただきたいと思います。  
 本日のパネリストの医療法人社団志誠会平和病院の 藤井実さんです。EM研究機構盛岡事務所の日比野研一さんEM研究機構大阪事務所の吉田正二さんの3名からお話を伺いたいと思います。それでは 藤井さんからよろしくお願いいたします。

藤井:


 医療法人社団志誠会平和病院は昭和62年に、精神科専門病院として開設しました。


 新しい精神医療を行うという設立理念に基づき、平成3年に老人保健施設陽光館、平成5年に精神障害者入所授産施設キャンプグリーンヒル、平成6年には同じく生活訓練施設桜邸、福祉ホーム小桜邸、平成8年にグループホーム一葉邸、二葉邸、そして今年2月、精神障害者の社会参加とさらなる自立促進に向けて、法人独自の取り組みで、精神障害者就労訓練工場を開設しました。


 精神障害者就労訓練工場は、陶芸・ミヤマ工房、食品加工・オレンジワークス、製パン工場・スターベーカリー、農場・グリーンファームの四つの工場から構成され、平和病院入院患者や社会復帰施設入所者、または自宅から約70名の精神障害者の方々が利用しています。
 先に述べた関連施設から出せる残飯は、毎日500 キロに達し、かねてからの生ゴミ問題は、法人が取り組むべき問題として検討されていました。平成10年には、試験的に平和病院から出される残飯と、病院敷地から集められた枯葉、関連施設から廃棄される資材、おが屑と混ぜ、攪拌し、独自の方法で、資源循環型の堆肥作りに取り組んで来ました。
回収された生ゴミを、自家製の水切り器で、水分を切り、生ゴミ処理機に投入し、その後集められた有機廃材を投入し、水分調整を行いました。堆肥舎に備蓄された生ゴミ堆肥は攪拌作業を行い、好気分解菌による分解を行っていました。
 しかし作業を繰り返していくうちに、アンモニア臭、メタンガスによる悪臭が発生するようになって来ました。堆肥舎が平和病院に隣接していることもあり、入院患者さんからは悪臭に対する苦情が相次ぎました。 そこで平成13年4月、堆肥舎における発酵過程の悪臭対策として、今回の具志川市EMプロジェクトチームに相談する運びとなりました。


 法人関連施設から毎日約平均500 キロの生ゴミが出ます。厨房にて調理されたあとの、食物残滓と給食の残飯です。自家製の水切り器は、ワイヤーメッシュの網の両横の観音開きに固定されたベニヤを閉じ、上から抑える方法でプレスされるようになっています。


 これは導入されている生ゴミ処理機です。これは金秀アルミ工業の業務用生ゴミ処理機クリーンサイクルです。


処理された生ゴミ堆肥は、堆肥舎に移して行きます。EM導入前は備蓄された堆肥に、ユンボにて拡散作業を行っていました。


 EM導入にあたって、まずEM活性液を散布しました。腐敗菌が先行しているため悪臭は消えませんでした。次に処理機で攪拌の過程において、米ぬかに対しEM活性液と糖蜜の混合液を混ぜ合わせ、1週間発酵させたEM発酵ボカシ1%を混入する方法を取り入れました。処理機の中で、6時間攪拌後、さらに15時間嫌気発酵を促します。翌日処理機の中に3分の1残し、3分の2の生ゴミ堆肥は堆肥舎に移す作業を繰り返しています。


 EM発酵ボカシを導入した結果、堆肥舎に備蓄された堆肥は、糸状菌が全体を真っ白にはっており、非常にいい状態で分解が進みました。アンモニア臭やメタンガスなどが発生せず、部分的にきのこが発生することもあり、オガ屑などの分解も順調に進みました。処理機内での発酵温度も70度前後と安定しており、乾燥も早くなりました。今までの好気分解菌による分解だと、毎日攪拌する必要があり、しかも攪拌作業中に発生するアンモニア臭に悩むこともありました。また処理機にEM菌を導入し、発酵熟成の過程にも嫌気発酵を採用したため、以前からの作業工程が特に変わることはありませんでした。
 このことは平和病院の生ゴミ回収から関連施設全体へと広がり、生ゴミ処理機を2台導入するきっかけとなりました。そのことで必要とされる有機廃材も増え、地域からダンボールやオガ屑を回収するまでになって来ており、組織内循環から地域内の循環へと変わりつつあります。  導入から7か月が経過しましたが、これまでいくつかのトラブルが発生しました。高温多湿の沖縄では7月から9月にかけて残飯を回収するまでに腐敗が進みました。これを防ぐために、回収ポリ容器にEM活性液をあらかじめ20センチほど入れ、厨房へ運び、その中に残飯を投入し、容器がいっぱいになり次第蓋を閉め、翌日自家製の水切り器で水を切る方法を取りました。
 次に現時点の私たちが行っている培養技術では発酵が不安定です。処理機内の発酵時の温度上昇が違ったり、堆肥舎にて白く糸状菌がはるときと、はらないときがあります。生ゴミの水分調整管理、EM発酵ボカシの作成管理に原因があるようです。
 堆肥として圃場(ホジョウ)に還元した結果でも、土壌の団粒化についても大分進んで来たようです。


 グリーンファームは病院裏の山裾にあるために、岩肌が見える場所もあり、開設当初は石拾いから良質土壌の導入まで、患者さん、職員ともに、土壌の開拓に明け暮れたころもあります。その後も土壌の改良には多大に手を加え、さまざまな作物の栽培方法も研究して来ました。


 現在訓練生は、ハーブ班、園芸班、堆肥班、野菜班などに分かれ、20名余りが社会参加を目標に日々訓練に取り組んでいます。圃場にはトウガラシ、ハーブ、季節毎の野菜が栽培され、ここ数年漸く訓練の成果が発揮され、野菜などが安定して栽培出来るようにまでなって来ました。またトウガラシ、ハーブ栽培については、オレンジワークス食品加工工場で、コーレーグース、乾燥ハーブとして商品化することも出来ました。今後千坪の圃場にEM堆肥を導入し、より高度な品質のものを栽培して行きたいと思います。 医療法人としては、法人から出るゴミ問題に着目し、生ゴミ処理機の導入を機に、関係業者と機械の改良を行いました。その結果、現在の粉砕機能を持った機械が開発され、より発酵分解が行えることになり処理能力が高まりましたが、腐敗菌が先行した発酵となり、悪臭が発生してしまいました。この対応に苦慮していたやさき、EM技術による有機廃棄物処理事例を聞き、導入を試みましたが、このことにより悪臭が消え、病院環境や就労環境が改善されました。
 行政だけの取り組みではなく、環境問題となっている、ゴミ処理にいち早く取り組みを開始した、生ゴミリサイクル堆肥は、EM導入によって、やっと方向性が見えはじめたようです。
 最後ですが、平成12年に施行された食品リサイクル法は、我々法人が目指してきたものであり、今後法人が一つのモデルとして取り組んでいかなければなりません。  

司会:
続きまして 日比野さんよろしくお願いいたします。

日比野:
 皆さん、こんにちは。EM研究機構盛岡事務所の日比野と申します。
 今日発表する内容は二つあります。手元の資料の方にあるとおり、一つは実践例ということで、岩手県にある岩手コンポストという会社があります。
 こちらは下水汚泥の堆肥を製造及び販売をしている会社です。もう一つは、私の修士論文で取り上げた内容について、これは沖縄県の本島北部にある本部下水処理場にて96年から、EMを用いた下水処理を行っている事例についてEM使うと水だけではなく、汚泥の質もよくなる、ということを発表したいと思います。
 まずそれでは、岩手コンポストの事例から発表させていただきます。
 結論から言いますと、EMを使うことで切り返しの回数が少ないということと、発酵過程で発生する悪臭が非常少なくなります。一般の堆肥工場では運転中に入ると、アンモニア臭がひどくて、鼻の粘膜がやられてしまうぐらいひどいのですが、岩手コンポストの堆肥工場では、アンモニアの発生量が非常に少なくて、運転中でも施設内に入って見学することが出来ます。
 EMの処理方法は下水汚泥やし尿汚泥などの原料に対して搬入時にEMを処理しています。EMを処理するのはその時点だけで、あとは戻し堆肥やあ副資材と混合して発酵させます。
 切り返しは二次発酵のところのみになります。通常ですと毎日切り返しとか3日に1回とか、そういう運転の方法を取るのですが、こちらの場合は、1週間ほど置いて切り返します。置いている間に堆肥の下に管が通っていまして、ここから空気を送って発酵をさせています。EMを使わない場合ですと、切り返しを沢山する必要がありますが、岩手コンポストでは切り返しの回数が非常に少ないという特徴があります。
 岩手県は本州で一番寒い場所でして、冬場にはマイナス10度から15度と、非常に寒い地域なのですが、発酵温度は60度から70度を保っています。これらは冬場の温度の低い時期の発酵に対してもEMが有用であるという実際例になっております。EMを使えば、堆肥が効率よく製造可能という事例になります。
 何故うまくいったか、という理由の一つとして、工場の施設そのものにEMを取り入れています。途中からEMを使うのではなくて、運転の一番始めからEMを使っていることが、このうまく運転している成果に繋がっていると思われます。
 堆肥プラントの設置時にはEMをコンクリートそのものに混ぜたりすることが出来ますので、従来問題であった悪臭や発酵の促進の他、施設の延命化にも効果が期待できます。
 次に汚泥の発生元である汚水処理の段階で、EMを使った事例について実際に調査した結果を発表いたします。
 調査地は沖縄県の本部下水処理場です。この下水処理場は96年からEM浄化法に取り組んでいまして、そこでさまざまな効果を上げています。汚水の処理場ですから、一般的には悪臭がひどいのですが、その代表的な指標として、硫化水素とアンモニアを測定しています。


 結果としましては、硫化水素が0.23ppmだったものが、0.0595ppm。アンモニアにおいても同じく減少しました。EMを使うと、まず効果として悪臭の除去が確認されます。これは本部下水処理場だけではなくて、汚水処理を行うさまざまな場所で悪臭が抑制されるということは多数報告されています。 汚水処理を行う際、下水汚泥と呼ばれる泥のようなものが出ます。汚水処理は微生物の力を使って、水をきれいにする方法が一般的なのですが、水をきれいにした微生物自身が死んだときに、それが汚泥となって出ます。その汚泥が廃棄物として問題になっています。


 次にEMを使うことで、その汚泥に変化が出ることについて説明します。
下水汚泥をお湯で抽出しまして、その液を濾紙に浸して、その上に種を蒔いた実験の結果について報告します。EMを用いていない下水汚泥の抽出液の発芽率は20%程度ですが、EMを使っている本部処理場の下水汚泥の抽出液は、80%以上の発芽率を示しました。EMを使う場合と使わない場合で、まず植物の発芽(発芽に与える影響)について違いがあることが分かります。
 下水汚泥を土と混ぜてその上に小松菜の種を蒔いた実験では、一般に土に対する汚泥の割合が高くなるほど発芽が抑制されます。汚泥そのものに播種したときは発芽はしないんですけれども、本部処理場のEM浄化法を用いた下水汚泥の場合ですと、発芽し、悪臭が少なく分解有害物質が少ないという結果をしめしました。


 一方、他の処理場の汚泥は発芽はしませんでした。極論で言いますと、下水汚泥は堆肥化して農地還元するわけですが、EMを使用することにより、乾燥のみでそのまま農地還元することが可能ということを示唆しております。実際に刺激臭は無く完熟したにおいがします。においが少ないということは、発芽を抑制する物質自体も少ないんですが、そういったのが目に見えて分かるかたちになっています。


 次に汚泥をお湯で抽出した際の抽出液の状態について調査しました。その結果、EMを処理した汚泥の場合は、抽出液の透明度が高くなりました。これが何を示しているかというと、透き通っている方が分解が進んでいるということを表しています。
また、EMを使うときちんと分解されているということを示す例として汚泥に含まれるタンパク質の含量が減少します。


 脱水ケーキ、下水汚泥の成分について調べた時は、特異的なものは、脂肪分、脂質が多いということです。これらは微生物の数が多いということを示しています。微生物も細胞で出来ており、細胞の膜がありますがそのリン脂質という脂質、脂分で出来ています。そのため、脂質の量と生物の量の相関を測定して見ました。結論から言いますと、微生物数を測定した際も、EM処理の汚泥が最も微生物数も多かったということを示しています。


 次に各処理場の消化汚泥について調査しました。その際もEMを使ったときの処理場の消化汚泥が他の処理場に比べて、タンパク質が少なく有機物はきちんと分解されているということを示しました。  
次に各処理場の消化汚泥について調査しました。その際もEMを使ったときの処理場の消化汚泥が他の処理場に比べて、タンパク質が少なく有機物はきちんと分解されているということを示しました。
 次に各処理場の消化汚泥について調査しました。その際もEMを使ったときの処理場の消化汚泥が他の処理場に比べて、タンパク質が少なく有機物はきちんと分解されているということを示しました。


 またクリスタルバイオレット耐性菌(グラム陰性菌)、というのは主として病原菌が多いのですが、EMを使った処理法の場合は、11.8%と、他の処理区の、47.5、25.2、と比較し抑制されていることが分かります。
 EMを水処理の段階から使うことで、下水汚泥もより分解されたかたちで排出されます。更に堆肥化に際しては発酵時間短くてすみますし、スムーズに資源を循環することが可能です。
 以上で発表を終わります。

司会:
日比野さんありがとうございました。  続きまして吉田さんに発表をしていただきたいと思います。

吉田:
 私の方からは有機性廃棄物という中でも、家畜から出てくる廃棄物についてお話させて頂きます。
 一昨年前の琉球大学で研究した内容ですが、沖縄における酪農にEMを導入し廃棄物をいかに利用出来たかについて報告いたします。  


 協力して頂いた農家さんは大体50頭前後から60頭の搾乳牛がいまして、10頭から20頭の間で育成牛がおります。大体日にしまして糞尿が3トン前後ぐらい出てまいります。場所は沖縄県の恩納村で土壌は赤土の地域であります。
 そちらでのEMの使い方というのはシンプルでありまして、EMボカシを1日に1頭当たり300 グラム、EM活性液を5千倍から1万倍くらいに希釈したものを飲水投与しました。また噴霧については100 倍から500 倍のものを月に2回から4回、牛舎内に散布しました。  そうしますとどういう変化が起きてきたかというと、まず出てくる便が変わってきました。酪農の糞と言いますのは、非常に軟便で肉用牛の糞に比べて非常に柔らかいです。その糞が落ちてきても形状を残すくらいの状態になりました。色の方も少し黒みを帯びてくる。トウモロコシを食べさせますけれども、そういったものが消化が促進され結果として色が黒くなってまいります。


 夏場になると、特に沖縄県は暑いので餌の食べ残しが減少し食欲が増してきます。さらに牛の回りにハエがひどくまとわりつくんですが、これが大きなストレスになります。ある文献によりますと、このストレスで、乳量が大体1キロぐらい減るというくらい、乳量に直接係わってくるというぐらいのストレスを受けるものです。このハエが減少し、牛にまとわりつかなくなり、その次はハエが全くいなくなります。  こういったことの全体像から、牛自体の消化率が上がって、そしてストレスも軽減したということが分かりました。


 酪農について話させてもらっていますが、一番大切な牛乳の量ですが、EMを使いだすと年平均しまして、1頭当たり1.5 キロぐらい上がりました。  
 体細胞数についてですが、牛乳の中に含まれる細胞の数で、その牛の健康状態がどういうものか分かります。EMを使っていない場合は30万という値が一つのラインになっているんですけれども、それを超すことが多々ありました。これは牛の健康状態があまりよくないということとともに、実際この30万を超えると、出荷量や取引額に影響がでます。それがEM使用後、蒸し暑い時期に30万を超えることがありましたが、それ以後はずっと減少し乳質や健康度が向上しました。それらは直接経済的メリットも出てきているという状況であります。


 次は代表的な悪臭物質を測定しました。EM使用中は全てにおいて基準値以下の検出出来ない状態でした。実際問題、ほとんどアンモニア臭や硫化水素等の悪臭を緩和したということです。


 今度は糞尿処理についてですが非常に単純に、四つぐらいにオーバーフローで分かれている槽にですね、糞と尿を混合して入れています。普通はバンクリーナーというもので、固液分離するものですが設備が故障しておりまして、糞尿混合で処理を行いました。この手法はEM的で糞と尿は両方一緒にやった方が、微生物が沢山増えやすかったのでちょうどよかったと思います。
 EMの使用方法は糞尿に対して、EM活性液を大体1,000 分の1ぐらいの量になるように、毎日処理を行い、発酵糟の最終糟から一番はじめの糟へ返送処理を行いました。




 こういう処理をしますと当初黄緑色糞が1か月程度で真っ黒になって来ます。液状の糞尿は最終的に堆肥を発酵させた放線菌の臭気を発します。糞尿混合の液体は一般的にスラリーといわれますが、EM未処理のスラリーは測定範囲を上回りアンモニアが30ppm以上、硫化水素が2ppm以上出ています。それに対しEM処理したスラリーは、アンモニアがは2ppm、硫化水素が0.2 ppm以下で極端に臭気が減少しております。


 実際に糞尿中の成分はどうなっているのかということなんですが、当初は結構アンモニアや窒素分も多いのですが、30日後は10分の1ぐらいになります。ECや炭素量も減少し非常に分解が進みます。
 次に畑に実際に還元した場合どのようになるかについて検討しました。


 酪農ですので資源循環のため酪農のエサ、トウモロコシ、レッド・コーンを栽培しました。




 10年以上の休耕地にEM処理したスラリーを畑一面に散布しました。


 一度耕起しましたが沖縄の赤土ですので、ガチガチになったためもう一回スラリーを撒きました。この時に撒いたのが、結果的に反当たり40トンぐらいとなりました。


 普通は40トンぐらい入れると何も作物が出来ないのではないかとなるんですが試験的に投入しました。


 その後種を蒔きまして1週間で結構きれいに発芽が揃いました。欠株も無く良好に生育しております。


 沖縄の赤土ではトウモロコシは栽培出来ないとされていたため、大量のスラリーを撒きました。その際、スラリーに一部幼株が埋まってしまいましたが、なんの障害もなく良好に生育しました。EMで処理した糞尿にアゲハの一種の蝶々がいっぱいここに群がって、ハエじゃなくて蝶が飛んできたことが驚きでした。


 このように栽培したトウモロコシは100 日ぐらいで収穫になりました。通常は4か月程度必要ですがこの手法を用いると3か月ちょっとで収穫が可能です。




 更に、収穫物は実が充実しておりました。飼料用のトウモロコシをそのまま給餌しても良いのですが、保存用として例外的な真夏のサイレージを作成しました。




 適度に裁断したトウモロコシにEM活性液を散布し、シートで被覆しました。2週間程度で酪酸発酵もせずに、きちんとしたサイレージが出来ました。夏場においても、EM処理によりサイレージを作ることが可能でありました。


 トウモロコシの作付けについてですがその後連作を行いました。2作目においても同様にたっぷりと糞尿を処理し軽く耕起したところ大分軟らかくなりました。




2作目は10月の頭に植えて、1月の10日に収穫しました。時期は長引きましたが、同様に充実した収穫物が得られました。


 1作目、2作目の収量については、10アール当たりにすれば1作目は7トンぐらい収量が得られました。2作目についても6トンぐらい採れました。慣行農法より多く採れていると言えるでしょう。深耕もせず、土寄せもなし、さらに無農薬であります。


 次にスイートコーンについても糞尿の安全性の確認のために行いました。水田のようにひたひた流してみましたが、生育には全く問題はありませんでした。更に対照区は雑草が繁茂しましたが、EM糞尿区は表面が被覆されているため雑草は一切生えませんし生育も良好でした。このことから糞尿の安全性については一切枯れませんし、きちんと撒ければ雑草対策にもなるというようなかたちです。


 これは先程のスイートコーンです。これは全くの真夏にやりました。普通スイートコーンは播種して90日で収穫ですけれども、60日ぐらいで収穫しました。普通は真夏になると、スイートコーンでもなんでも花粉が35度以上になると受粉する能力がなくなり実が付かないと言われています。


 沖縄の8月でも授精不良はなくきちんと実っています。


 収量については計算上2トンになりました。無農薬で真夏に出来ていることを含めるとまずまずの収量であると言えます 。




 他の作物もどうだということで、真夏に大豆を播種しました。着果状況は良好でしたが、台風の影響により収穫することは不可能でありました。しかしながら、着果状況から推察し真夏でも無農薬栽培が可能と判断できました。










 その他、キャベツ、ブロッコリー、トマト、大根を栽培しましたが全てにおいて、無農薬でやりましたけれども立派に出来ました。
















 作物栽培について良好な結果を得ましたが、続いて土壌について調査を行いました。結果は良好で、団粒性、排水性共にすぐれており、赤土に処理することにより糞尿の資源、酪農へEMを使った糞を用いてやると、作物栽培が可能なうえ、赤土流出などの環境問題にも適用が可能であると判断できます。今までやっかいものだと言われていたものが、それがあることによって植物が生産できて、なおかつ環境もよくしていくものになる。ということで循環型社会、それをさらによくしていくことの実現が可能と認識いたしました。どうもありがとうございました。

司会:
 ありがとうございました。
 藤井さん、生ゴミの堆肥化に際し現在の問題点とか何かありませんか。

藤井:
 精神障害者の就労支援ということで開設当初から農場を持ってました。ようやく15年目になるんですけど、もともと有機農法というのを全然やらなくてですね。化学肥料をどんどん撒いた時期がありました。そのコストが年間、千坪の農場というと200万円かかるんです。その200万かかるコストの削減と有機農法の農場にしたいということで、特に有機廃材のリサイクルを取り入れたいという方向になってきました。一番最初生ゴミ処理機を導入したんですが、そのコストがすごいんです。その機械を導入して反対に赤字経営になっているためランニングコストは10年かかるという計算になります。それが一つの課題です。

司会:
  日比野さん、たとえば硫化水素が減少する要因として考えられることを簡単に教えてけませんか?

日比野:
 硫酸還元菌という菌がいまして、それが硫化水素を発生させている菌です。EMを使うことで、菌を抑制します。ということで発生させる菌そのものを抑制させます。更に硫化水素をEMの中の光合成細菌のエサとして、生体の合成に使うものですから、硫化水素そのものもなくなります。という二つの点で悪臭除去が行われているといえます。

司会:
  吉田さん、先程、畜糞を農地に還元させる際、普通は堆肥というイメージなんですが、スラリーという方式でやられてましたね、それは何か理由がありますか。

吉田:
 実際上は、スラリーで処理するしか仕方がなかったためです。一方から言えば、スラリーできちっと糞尿自体が発酵して、作物に害がないということを検証することでした。スラリーで処理が出来れば酪農の場合は一番簡単なわけですよ。いちいち水分飛ばしてどうのこうのするよりも一番簡単で楽で肥料にもなる。

司会:
 三名様のパネリストの皆さまの方に、会場の方から質疑を受けたいと思います。

質問者1: 
 日比野さんにお願いしたいんですが、岩手コンポストの一次発酵のところで、送気パイプより暖空気が送気されるとあります。これはエネルギーを使って加温しているものなのか、どうなのかということが一点。それからその後、高温、70度から80度Cが持続しますと書いてあります。これは普通の状態でピット状に積み上げますと、大体60度から65度Cぐらいでしか上がらないんですよ。この温度を上げたいというふうに思っているんですが、この温度が70度から80度というのは、何か別の微生物を混入しているのか、または別の私たちの知らない方法があるのかどうか、そこら辺をちょっとお願いしたいと思います。

日比野:
 温度の問題から申し上げますと、やはり微生物が呼吸することで温度があがります。この場合は強制的に空気を送っているため、必然的に呼吸が進みます。その違いによる温度差になると思います。

司会:
 補足しますとまず最初に、送気、空気を送るときの温度なんですが、普通ブロアーというのは圧力をかけて送ります。基本的に圧力をかけると温度が上がってしまいます。ですから、結果として温かい空気が行くようになっています。

質問者2: 
 
北海道の石川です。今のブロアーで切り返しが少なくていいと言っているんですが、空気を入れているということは、切り返しで、空気を入れるわけですね。ブロアーで送っているのも同じですね。言うなれば、酸化腐敗発酵させているわけです。ですから温度が上がるわけですね。その辺の問題はどう考えているのか。僕らは出来るだけ上げないで、そういう嫌気性の微生物を使って、そういう養分を飛ばさないかたちで、いいかたちでやっていこう、というふうに考えているんですが、それがちょっと違うのかなあ、と思うのですが、その辺どう考えていますか。

日比野:
 これは目的によって、発酵の仕方を変えることが出来ると思います。要は空気があっても腐らなければ、悪臭がするような発酵でなければ、EMの発酵であるということです。肥料として高い養分を保って、それで使いたいという場合は空気をなるべく落とす。あと量をこなしたいと。次から次へと沢山入ってくる廃棄物に対しては、とにかく早く分解させたいというときは、沢山空気を送って運転せざるをえません。どちらともEMは対応可能であります。要はその抗酸化状態で、腐敗菌がいない発酵であれば、空気のあるなしは関係ないと判断できます。

司会:
 今おっしゃるように、石川さんは嫌気式の堆肥と好気式の堆肥どちらがいいですか。栄養価は間違いなく嫌気式がいいです。

質問者2:
 
EMはどちらかと言うと嫌気ではないのか?

司会:
 そうなんですよ。そこで日比野さんから出たのは、目的という話があったんですけれども、一つとして、岩手コンポストさんは下水汚泥を大量に引き受けています。下水汚泥はかなり高分子剤を使用しています。これを分解するためには、どうしても最初に熱を上げてしまって、バラバラにして、それで積み上げた上で、EMで再発酵というようなかたちを取らざるを得ないという現状なんですよ。

質問者2:
 汚泥の性状は?

日比野:
 搬入の状況として脱水ケーキですので大体水分含量が80から85%くらい。まあべたべたのケーキの状態ですので分解しにくいかたちであるということは言えます。

質問者2:
 活性液の投入量はどのくらいか?

司会:
 1トン当たり10リッター。これは希釈液です。EM活性液の状態で3リッター、それに希釈水を7リッター混ぜて10リッターを噴霧している、とそういうふうに伺っています。

司会:
 他にご質問ありますか。

質問者3: 
 吉田さん、収穫された時、病虫害はどんな状況でございましたですか。

吉田:
 基本的には病虫害はあまり出なかったですね。害虫については1箇所やられてそれから広がらない、というのが今回の場合確認されました。それがどういう条件下で起こったかはわかりませんけども、結果的に1つ2つは出るんですが、まったくそれ以上広がらなかったんで、農薬をかける必要はありませんでした。
 キャベツは時期もあるんですが、9月くらいから植えたんですけれども、やはりモンシロチョウが来ます。外葉はある程度食害を受けましたが、結球してきて大きくなると割ってみてもまったく害はなかったですね。今回に関してEMの言われてますのは、累積効果と言いますか、年々通すことによって土をよくしていく。土をよくした結果、植物自体が健全になって、害虫の被害を抑えていくというかたちを確認しました。

司会:
 よろしいですか。

質問者2:

 たいへん素晴らしいデータを出していただきまして私ども、十分それを活用させていただいております、ありがとうございました。一つ、上からバッとかけちゃうと雑草対策になる、というのはまだテストやってないんですが、相当量かけなきゃならん、と思いますんでね、どのくらいの量、反当たりかければね、除草対策になるのか難しいかと思うんですが、どうですか。

吉田:
 実際の話ですと、大量に糞尿があって畑が平面であり水平で水田のような状況である、というところでは、方法論は可能であります。大量に糞尿がなくても少々水で薄めて、出来る場合であれば可能だと思いますけれども、なかなかそれは難しいと思いますんで、雑草対策に至っては、収量が確保できれば良いと思います。
 もう一個の方向性は、牛にやる方法ですから、まあそう言えますけれど、EMの糞尿を入れることによって発芽が非常に促進されますんで、一回畑に入れて、雑草を生やしたところで、物理的に抑えていくように、耕耘したり、そういったもので雑草対策としては考えています。ああいうふうに、きちっとがーっとできる場所があればできると、技術的に可能だということで、今回のはさせてもらっています。

司会:
  吉田さん、ちなみに一反あたり40トンから50トン?

吉田:
 量は2、3センチなんで、ですから、一反ですと計算上30トンぐらい必要だと思います。

司会:
 わかりました、土壌の性質にもよると思うんですが、大体30トン、それが目安というふうになっております。続きましてどなたか。

質問者4:
 
また岩手コンポストさんの件なんですけれど、最終的に農地還元、コスモグリーンとかEMパワーペレットという商品にされてるようなんですけど、一般的に下水汚泥だとかし尿の汚泥だとかコンポスト化されると、実際に農業とかやっておられる方は、重金属とかそういうものを気にされるということをよく聞くんですが、この場合はどうなんでしょうか?そういうことで重金属の量だとかそういうものを計られて、製品にされて、実際に販売されて、買っていただいているのかどうか、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思うんですけれど。

日比野:
 確かに重金属の問題が下水汚泥にありまして、実際に入ってはいます。ただ、基準値がありまして、それ以下でもちろん作っていますので法的には問題はありません。それを守るのは当然なんですが、ちゃんと基準値を守りながら、プラスEMを使うことでそういった問題は解決できると考えています。販売されて、買われる方も、そういうことで買われていると思います。

司会:
 ということはちゃんと規制値の範囲内、チェックを重ねた上で、それを販売されている、と。で販売するに当たってはちゃんと農家さんに公表した上で、販売しているということですか。

日比野:
 はい、そうです。

司会:
 これを持ちまして有機性の廃棄物資源化に関する分科会を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。