沖縄から発信されたEM が、国内のみならず世界中に普及し、河川や大気の汚染、農業などの各分野で数多くの成果を上げている。EMワールドリポート(ミニ・フォーラム)では、EM技術が国政になっているパキスタンからサイド・アリさん、1997年にEMが政府公認となったハワイからナゴ・ヒロミチさんの2名が事例報告を行った。また、農業現場の屋宜芳文(EM研究機構)さん、医療から中国の女性医師柯彬(カヒン)さん、白土純さん(EM 研究機構)がパネリストとして参加した。
パキスタンでは排気ガス対策でも注目 パキスタンの民俗衣装を着て登場したアリさんは、車から出る排気ガスの問題を取り上げた。「排気ガスは世界中で年間100億トンも出され、パキスタンの排出量は、アメリカ、中国、ドイツ、日本に次いでワースト5位だ」と深刻な現状を説明した。このままだとオゾン層が破壊されると危惧し、EMを使用した実験の経過を語った。
ビデオでは、古い型式のディーゼル車が真っ黒な排気ガスを出しているシーンからスタート。アリさんは「ディーゼル車のガソリンタンク内にセラミック粒とEM・Zを入れ、1キロ走行してみると驚くほどに黒煙が出なくなった」と成果を発表し、モノを酸化させないEM・Zの性質がガソリンを完全燃焼させ、排気ガスを少なくさせている…と解説した。そして、「仮にガソリンを10リットル使うと、8リットルはただ排気ガスになるだけ。完全燃焼すれば燃費もよくなる」としめくくった。
映像での説明が終わると、パネリストたちとの質疑応答が行われ、「これからもEM・Zをどんどん普及させて、排気ガスの量を減らして下さい」との言葉に、アリさんは笑顔で「がんばります」と答えた。
パキスタンのコメ収穫高3倍増 EMワールドリポート前の展示場には「パキスタンの黄金」と題して、シャキッと元気のある稲とそうでないものが1束ずつ並んでいた。先述のアリさんに尋ねてみると「EM-Xのみと、化学肥料による育ち具合を比較した実験結果だ」と説明した。「EM-Xを使用した稲は色つやもよく、一束に32本の稲がある。しかも害虫の被害も一切なかった。一方、化学肥料を使ったものは、根の先端が黒っぽく、一束にたったの18本の稲しかなかった。収穫高も成果が出ている。化学肥料を使っていたときは1ヘクタール当たり9トンだったが、約3倍になった」とアリさん。ちなみに沖縄県では、よく収穫できるところでも6トンだという。
農業が国の70%を占めるパキスタンは、例年雨量が少なく水不足に悩まされていた。アリさんは「少しでも収穫量を上げようと大量の化学肥料を使用したが、結果として害が増え、逆に作物ができにくくなった。田の植物は枯れ落ち、土壌はどす黒くなった」と、EMを使う前の農場風景を思い出すかのように振り返った。
パキスタンでは2000-11 EMフェスタ20001月からEM技術を導入したハウスバナナの栽培も行い、同年4月には、減少しつつあったバナナの収穫量が14%増加という成果を上げているという。
ハワイでEMボカシが浸透 EMワールドレポートではもう一人、ハワイから日系3世のナゴ・ヒロミチさんが、手作りのアロハシャツを着こなし、アロハダンスを踊りながら登場した。ハワイでは1997年にEMが政府に認可された。会場が大いに湧いたところで、大きなパネルとともにナゴさんの説明が始まった。
「ハワイでは主に農業用にEMが使用されている。特にアラカキさん(BOKASHI HAWAII, Inc. 社長)が作るボカシは人気だ。作り方は、ミキサーでよく混ぜてタンクで発酵させる。現在で3年間ボカシを作り続けて、ハワイの農家に販売している。業務用だけじゃなく、一般の家庭用としても普及している」
ナゴさんが手にしたパネル写真は、ボカシがミキサーに入れられているところの製造過程。パネリストの屋宜さんの「家庭用で使用されるEMの用途は?」という質問に、ナゴさんはすかさず「家庭菜園や盆栽などで使用されているようだ」と答えた。
ハワイでは、EMが認可されてわずか3年間にボカシの出荷量が倍増したという。「EMがハワイで人気が出たのは、製造しているアラカキさんの熱意や、裏打ちされた結果のお陰だ」と年間2トンの出荷量を誇る理由を補足した。料金について「ボカシ10キロで2400円、50個まとめて購入すると1200円」とナゴさんが説明すると、パネリストたちは納得するかのように相づちを打った。
ハワイのタロイモ病害にも効果 続いてナゴさんが、別のパネルを手にした。
「EMが入る前、ハワイではタロイモが原因不明の病害に悩まされていた。成長過程でなぜか腐ってしまう。1997年にEMを使用してから、この病害が解決した」
パネルの写真は荒廃した土地。当時の農家の深刻な状況を物語っている。ナゴさんは「EM処理をした農作物は、よい微生物群によって病害に強いだけでなく、収穫量にも違いがある」と説明し出した。「パキスタンからの報告にもあったように、一反あたりの収穫量は倍以上の差がある」。
パネリストの屋宜さんから「ほかに、ハワイで主だった効果は?」という質問に対し、ナゴさんは「サトウキビを例に挙げれば、キビの糖度が格段に違う。製造効率も飛躍的に向上している」と返答し、「農業現場からの成果の事例は枚挙にいとまがない」と付け加えた。
ハワイでは農作物以外に環境面でもEMは効果を挙げているという。
「悪臭を放つため住民が悩んでいたフラミンゴ池に、EM・1を入れるだけで、3カ月で悪臭が消えた。いろいろなところでEMの成果が表れてくるのはこれからだ」とナゴさんは締めくくった。パネリストから「これからも多くの効果があるEMを広めてください」との励ましに「分かりました」と強く答えていた。