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パネルディスカッション
2000.11.11
「EMによる地域活性化への取り組み」
The Theater Event --------
Effective Microorganisms



 
昭和23年3月13日船穂町に生まれる。
昭和41年3月岡山県立倉敷青陸高等学校卒業。
昭和45年3月岡山大学農学部農業工業科卒業。
昭和47年岡山大学院農学研究科農工専攻卒業。
昭和47年岡山県庁入庁(技術吏員)。
平成5年6月岡山県地域振興部交通対策室。(地域振興主幹を最後に退職)。
平成5年11月1日船穂町長に就任。
平成9年11月1日再任。
趣味は散策、読書。特に上杉鷹山に関するものは好んで読む。
土井 博義
船穂町長 岡山県
パネリスト
 
昭和15年9月11日具志川市に生まれる。
平成9年3月沖縄国際大学短期大学部国文科卒業。
昭和45年9月から具志川市議会議員に6期連続当選。その間、教育民生委員会委員長、経済公務委員会委員長、中城湾港建設促進特別委員会委員長、市議会議長を歴任。平成10年5月22日、具志川市長に就任。趣味は土いじりと樹木鑑賞。家庭内でもEMを愛用している。
知念 恒男
具志川市長 沖縄県
パネリスト
 
昭和17年11月5日座間味村阿嘉で生まれる。
昭和36年3月県立那覇高等学校(定時制)を卒業。
昭和42年3月琉球大学農学部を卒業。
昭和42年8月沖縄県庁に勤務。
平成8年4月沖縄県工業試験場長に着任。
平成9年6月座間味村長に就任。
仲村 三雄
座間味村長 沖縄県
パネリスト
 
世界的に知られ、世界各国でEMの普及および技術指導にあたっている。著書に「地球を救う大変革」(サンマーク出版、1993年)「An Earth Saving Revolution」「地球を救う大変革」英語版「地球を救う大変革」(サンマーク出版、1994年)「地球を救う大変革」(サンマーク出版、1997年)「微生物が文明を救う」(共著、クレスト社、1995年)「微生物の農業利用と環境保全」(農文協、1990年)他多数ある。EM技術は現在までに日本を含めた90カ国に広がり、ビジネスだけでなく政府レベルでも色々な分野でEM技術が応用されている。現在(財)自然農法国際普及実行委員会委員長、アジア・太平洋自然農法ネットワーク会長、(財)自然農法国際研究開発センター理事、(財)日本花の会技術顧問、(社)日本の水をきれいにする会学術顧問、農林水産省・建設省提唱「花の町づくり全国コンクール」審査委員長その他、国・県の各種委員を多数歴任。
比嘉 照夫
琉球大学農学部教授
アドバイザー
 
昭和31年沖縄県那覇市生まれ。
昭和55年琉球放送入社、制作局アナウンス部在籍。
平成10年3月報道局兼キャスター室部長補佐で退社。
現在テレビプロダクション(株)メディアエクスプレス代表取締役。昭和59年「沈黙の海ー湖南丸遭難事件」で日本民放連盟優秀賞、平成4年「ハイヴィジョン・琉球王朝の栄華」制作でハイヴィジョン・アワード審査委員長賞を受賞。主な制作番組「ペリー提督と大琉球」「戦後40年の検証」他多数。主な著書に「沖縄のまちづくり・地域おこし」「ペリーと大琉球」他がある。主な論文に「報道の時代とドキュメンタリー」「沖縄戦とドキュメンタリー」他。
玉城 朋彦
テレビキャスター
コーディネーター


玉城:これまでのEMフェスタにおけるパネルディスカッションのテーマは、昨年、一昨年ともダイオキシン問題に関するものでした。今年は、「EMによるまちづくり、地域おこし」がテーマです。すでに沖縄県内では、具志川市や座間味村でEMを活用した地域づくりが進んでいますが、今日は岡山県船穂町の土井町長にも加わっていただきまして、すでに全国的に広がっています、EMを活用した地域づくり、環境、農業、福祉、医療、建築などの実践例を紹介いただきます。そして、どのような人材育成をしているのか、どのような交流の課題があるのか…という点について、比嘉先生にも入っていただきましてディスカッションを展開しようと思っています。
 パネリストの皆さんをご紹介します。まず具志川市長の知念恒男さん、岡山県船穂町長の土井博義さん、座間味村長の仲村三雄さんです。そしてアドバイザーとして比嘉先生にお入りいだきました。よろしくお願いします。
 まず、EMの発祥の地の具志川市から、知念市長のEMの実践報告です。よろしくお願いいたします。


産業振興など各分野でEM活用〜具志川市

知念:具志川市の取り組みについて、ご報告をさせていただきます。具志川市は、県都那覇市から北東約25キロメートルの所に位置し、西に沖縄市、南東に勝連半島がのびる人口6万2千余の県内の中堅都市です。古くから肥沃な土地と水に恵まれ、かつては純農村地帯として発展し、沖縄県の基幹作物・サトウキビの生産高が県内1位であったところから、イチ具志川(ぐしちゃー)、サトウキビが一番の具志川市…という異名がついたほどです。最近では電照菊、野菜、イグサ、洋らん、養豚が主な農産物です。また古くから闘牛の盛んな地域で、市営の闘牛場では、全島闘牛大会をはじめ多くの闘牛に関わるイベントが開催されてきました。今年は、「九州・沖縄サミット」を記念し、7月1日に「大闘牛サミット」も開催しました。
 本市では早い時期から、EMに関する取り組みが行われ、これまで市民、EM関連研究会、行政において、積極的なEM活用によるまちづくりを行ってきました。具志川微生物応用研究会、EM関連異業種交流会、EM建築研究会の各EM関連研究会の取り組みにより、EMを活用したさまざまな市産品が生産されています。それらを含めたEM関連商品や、EMを活用して栽培された野菜や果物を販売するEMショップやEMプラザが設立され、市民の交流の場として運営されております。これらの商品は付加価値の高い商品として、市の産業振興に大きく役立っています。
 行政においても、環境問題、省資源、省エネルギーを考慮したEMによる中水リサイクルを実践する具志川市立図書館や、塩素による人体への影響を緩和した川崎小学校のEMプール、基礎工事からすべてEMを活用した野外レクリェーションセンターのバンガロー等の建築物があります。
 行政の抱える環境問題の解決やまちづくりの手段として、平成11年に「具志川市EMによるまちづくり推進プロジェクトチーム」を発足させ、現在では兼務ではありますが、39名の職員で幅広い分野にEMの活用を推進しています。
 その取り組みの状況は、畜舎排泄物の畑地還元、悪臭対策に始まり、環境教育という観点から学校教育でのEMの推進、行政区単位でモデル地区の指定を行っての各家庭におけるEMによる生ゴミ処理や米のとぎ汁のリサイクルなど、積極的に進めています。建設分野でも、農村集落センターや公立保育所、小学校の建設などでEMを活用させています。
 その他にも積極的に視察団の受け入れを行い、昨年度は約40団体、600 人以上の方々が具志川市を訪れてくださいました。その結果、ホテルなどの産業振興にもつながっており、今年度は、いまの段階で、昨年度に近い数の団体のみなさんが視察に訪れ、あるいは視察を予定しています。
 昨年度は、EM関係団体、企業などのご協力を得て、EMに関する情報交換とネットワークづくりを目的とした「EMサミット2000・環境の世紀に向けて」を開催させていただきました。
 EM推進プロジェクトチームは、産業、環境、健康・福祉、教育、建設施設、広報の各分野で事業に取り組んでいますが、これからの新たな取り組みと、EMサミットについての報告をさせていただきます。

EMによる“いやしのまち”実現へ

 今年1月に開催いたしました「EMサミット2000」では、比嘉照夫教授、土井町長、仲村村長はじめ7名の市町村長を全国からお招きし、私も含めパネルディスカッションを開催いたしました。

(スライド1)
 同時にEM関連事例パネル展示、EM関連商品の展示即売会、市内の視察を開催しましたところ、1千人を超える市民、県内外の方々にお越しいただき、無事成功することができました。あらためて御礼を申し上げます。
 今年度からの新たな取り組みについて、各分野ごとにご紹介をいたします。
 産業・環境分野の新たな取り組みは、EMによる環境浄化モデル地区指定要綱の事業です。自治会を中心とし、生活の中でEMを活用することによって環境浄化を進め、地域住民の生活環境の向上を目的としています。現在、モデル地域に指定されたみどり町5、6丁目の公民館では、地域ボランティアのサークル・みどりの会が定期的にEM講習会を行い、EMボカシ1、2型づくりなどを実施しています。

(スライド2、3)
 本市では、EM活性液や米ヌカなどの資材面での支援及びEM情報の提供を行っております。みどり町5、6丁目の自治会をスタートとして、その他の自治会へも環境美化モデル地区の指定を行い、家庭からの環境浄化を進めていく計画にしています。
 続いて福祉分野における取り組みです。この分野では、具志川市共同作業所「ゆい」で、EMボカシの作成、販売などをサポートしました。この取り組みではEMボカシネットワークのご協力を得て、EMボカシづくりの講習もしていただきました。



(スライド5)現在では作業所のメンバーとその保護者のみなさんが積極的にEMボカシづくりを行っております。

(スライド6)
今後の展開は「ゆい」が作成したEMボカシの普及を図り、メンバーの自立に向けて支援を行っていきたいと考えております。

(スライド7)

(スライド8)
 建設分野の取り組みをご紹介します。2年前にEM水泳プールを設置した川崎小学校は現在、老朽化にともなう校舎改築工事へ、総合的にEM技術の応用を進めています。校舎のコンクリートなどにEMセラミックスを混入させ、建築物の耐久性向上と建築資材に含まれる化学物質の無害化を図り、安全、快適な教育環境づくりを試みています。

(スライド9)
主に生コンクリート1立方メートルに対し、EM-Xセラミックスを500 グラム、EM活性液を1リットル混入しました。使用した水は、具志川市立図書館EM浄化水を用いて、水のリサイクルを進めており、公共事業における省資源、省エネルギーの実現を目指しています。この改築工事は、EMを活用した総合的な学習環境の整備の実現を目指しており、平成12年12月の完成予定です。



(スライド10)
 続いて、教育分野の取り組みです。市内小学校へEM活用を図ってきました。
(スライド11、12)
環境教育を含めた学校運営そのものへEMを導入することで、児童の健全育成をはかります。現在までに市内小学校数校でEM講習会を行い、EMに関する基礎的な知識を中心に授業も行ってきています。



(スライド13)その中でも「あげな小学校」では、子供たちが市産品としてEMをとらえることで、まちづくりへのテーマをEM活用とし、具志川市こども物産展、EMを活用した公園づくりの提案などを行ってきました。この取り組みは、子供たちのまちづくりへの自発的な意識の高揚を図っています。

(スライド14)  最後に広報分野の取り組みです。より多くの市民に、市の政策としてのEM活用およびEM推進プロジェクトチームへの理解を深めていただくために、EMの基礎知識を分かりやすく盛り込んだリーフレットを作成し、市内全所帯へ配布することにしています。EMによる地域の環境浄化は、各家庭の協力が必要不可欠で、このリーフレット配布によって市民の環境に対する意識の高揚を図り、より一層の各家庭でのEM活用が推進されればと期待をしています。

 最後に具志川市が今後、EMによるまちづくりを推進していくうえでの課題を述べさせていただきます。EMによるまちづくり推進プロジェクトチームは2年目を迎えましたが、全庁的、全市的にEMを推進していくときに、なによりもまず必要となってくるのは、市民はもとより市職員の理解と協力です。その理解を形成するための第1段階として、私の方で市役所の職員を対象としたEM講話を各部単位で行わせていただきました。講話の内容はEMのすばらしさはもちろんですが、EMによる環境問題の解決やEMによる波及的雇用促進効果、EM活用による市民の健康づくりなどを中心としたものでした。これからも地道に、市民ならびに職員のみなさんに理解を深めていただくよう努め、環境の世紀といわれております21世紀へ向け、EMによるいやしのまち・具志川の実現に向けて、努力をしていきたいと考えております。どうもありがとうございました。

循環型社会のヒントはかつてのカツオ産業〜座間味村

玉城: 知念市長でございました。次に仲村村長お願いします。
仲村: 座間味村で取り組んでいるEM活用の実践について報告させていただきます。

(スライド1)
これは、座間味村の中の座間味島と周辺の無人島の島々です。座間味村は那覇市の西側約40キロメートルの海上にあり、有人島3つを含む20余の島で構成されています。那覇から船で約50分、飛行機で約15分の距離です。人口は1,070 名です。座間味村は昔から海との関わりが深く、琉球王朝時代の大交易時代・17世紀には船頭をたくさん輩出して中国貿易を助けたといわれています。今世紀のはじめ1901年には、初代の村長が沖縄県で初めてカツオ節を作って世に出したそうです。今はスキューバーダイビングの島として知られています。観光客が年間約10万人訪れ、その中でダイビング客が7万人という数字になっています。

〈スライド2〉
座間味の海の情景ですけれど、左側の上の方は12月から5月の間、子づくりをするために来るザトウクジラです。よく見える時期は2月ごろです。他の写真はキンメモドキ、ベラ、ハゼです。この写真を出したのは、非常に透明度の良い海であることを紹介したかったからです。その中にたくさんのサンゴが生息しています。このような自然のなかで、今後どのような村づくりをしていくか…という観点から話をしていきたいと思います。

〈スライド3〉
 先程は海の情景でしたけれど、陸に目を向けますと座間味には天然記念物のケラマジカがいます。ケラマツツジも美しく、海ばかりでなく山も生物の宝庫といいましょうか、自然がそのまま残っています。

〈スライド4〉
 村民の福祉と健康、それからこの豊かな自然を、どのように守っていくのか。決して開発しないという意味ではございません。自然に近い環境をどのようにつくり出すか、そのなかで、産業をどのように活性化させていくのかが課題ということです。
 私は、このテーマのときに必ず申し上げる話があります。先程、座間味村では1901年にカツオ産業が誕生した…と申し上げましたが、このカツオ産業のなかに、私たちがいま地球環境を良くしていく、あるいはEM技術を高めていく鍵、すなわちノウハウが秘められていると思うのです。
 カツオ節を作る際、カツオの生体の5分の1がカツオ節になり、あと5分の4は廃棄物になります。かつて座間味村では、この5分の4の廃棄物を用いて、まず養豚を始めました。すると、堆肥、つまり有機肥料ができました。座間味村は砂質土壌ですが、この有機肥料のおかげでいろいろな穀物ができた歴史があります。これは私たちがEMを使っていった際の可能性を示唆していると思います。いわゆる循環型社会といいましょうか。これからの21世紀の方向性としては、循環型社会を構築して行くことが鍵と言われておりますので、そういう考え方が、カツオ産業の歴史にすでに秘められていたと私は思っています。
 座間味村の農業は近年、衰退気味であり、観光産業が基幹産業になってきました。しかし、その基幹産業から出てくる生ゴミを燃やしたり、あるいは放置したりしますと、猫やカラスが出てきます。燃やすとたいへんな量の重油を使うという問題もありますので、生ゴミをまず畑地に戻していこうと考えています。そういう意味合いで、村づくりを、自然を改変せず、自然に近い環境のなかで人が自然体としての営みのできる環境づくりをと考え、「エコロジー・アイランド計画」を、来年の1月には21世紀の座間味村の指針として出そうと思っています。

特に効果が顕著なダムと健康事業の事例

〈スライド5〉
 座間味のダムは、貯水量が6万5千トン、有効貯水量が3万5千トンです。このダムは村内の水の安定確保のために作りました。しかし深さが19メートルもあります。溜まった水の中では、太陽光線が下まで届かずに、どうしてもよくない変化が起こってきます。落ちた木の葉などの有機物が腐敗分解されたりするわけで、臭気の指摘もありました。いかにこれを解決するか、ということを考えたわけです。
 みなさんもご存じだと思いますが、川の水がいつもきれいなのは、川の底や周辺にいる、いろいろな微生物の働きがあるからです。川自体が水をきれいにしていくという自浄作用の中で、水がきれいに保たれているのです。これを人為的にダムの中でもやろうと、EMを投入しました。比嘉先生が開発したEM技術が世界中で非常にいい結果を得ているという話を聞きまして、座間味でも導入したのです。

〈スライド6〉
 これはEM活性液をダムに、あるいは畑に撒くために仕込んでいるところです。スライド6の下側は、ダムに消防自動車で大量に撒いているところです。

〈スライド7〉
 EM投入後約90日後に、村民のみなさんから声を聞いたアンケート結果です。まず非常に多かった回答がカビ臭さの変化についてです。先程申しあげたように19メートルの水深で水が溜めてありますので、水道水にカビ臭さがあったわけですけれども、これが無くなり、それから石灰分も少なくなりました。「カビ臭さがなくなった」が33%、石灰分は水アカの原因になりますので、この石灰分が減ったことで「湯アカが出なくなった」が25%、水アカがなくなった…が12%で、全体で約70%で効果が見られたという結果でしょうか、村民がなんらかの効果を感じた次第です。その中にあって11%が分からない…との回答で、今後さらに水質を改善するための努力をしていきたいと考えています。

〈スライド8〉
これは、ダムの下を流れる川です。小さな川ですけれど、その状況です。上の方が以前の状態で、下の方が現在。水の透明度だけとっても効果が出てきたと見ています。  これまで農業あるいは環境浄化を目的にEM活性液を使ったわけですが、今度は「活き活き健康事業」の一環として活用しています清涼飲料水のEM・Xについてお話しします。

 これを今、村民の毎月300世帯の方に500本提供しています。社会福祉協議会から提供しています。どういう効果がありましたか?と、私の家のすぐ隣のおじいさん、おばあさんに尋ねてみましたら、この写真を見せて下さいました。
〈スライド9〉2人して85歳のお祝いを元気で迎えることができたそうです。以前は尿が出にくい、残尿感がある、ということや、睡眠が浅かったりしたけれども、EM-Xを飲むようになってから状態が非常に良くなったという報告でした。他の村民の場合も、例えば、これまでは畑に行ってもなかなか根気が続かなかったけれども一日中畑にいられるようになった…とか、持病の首の筋肉が痛む症状が非常に改善され、今はもう元気に歩けるという事例などが私のところに寄せられてきました。

〈スライド10〉
 今の話をひとつ、数値にしてみようとアンケートを取ったものです。

(スライド10)これにはたくさんの回答がありまして、数値が非常に細かくなっておりますけれど、例えば足のむくみが無くなった…が8%。風邪をひかなくなった…が12%。下痢症状が非常に少なくなった…が3%。血圧が安定してきた…などなど、いろいろな項目があります。それを“良くなった”というひとつの項目でまとめてみますと、約80%の方が非常に効果があったと答えています。その中にあって「わからない」というのが9%ありますので、今後徹底して、愛飲していただいて、もう1回効果を確かめてみたいな…と思っています。
 会場には今日、田中茂先生のご講演をお聞きになった方がいらっしゃると思いますが、EMは非常に抗酸化力の高い物質ですから、特に若い人が飲むことが大事なように思います。次世代にどういうふうに繋いでいくのかが、これからの課題です。

自然の残っている村をいかに受け継ぐか

〈スライド11〉
仲村: 次は農業面での使い方です。座間味村では「パパイヤ1人2本植え付け運動」をしていますけれども、それを始めた理由は、まず南国らしい植物ですから景観作物になるということ。そして、パパイヤが非常に肥料を喰う作物であることです。つまり、毎日生ゴミをEMで処理をして、おじいさん、おばあさんたちが施肥しやすいので各家庭に植えていただいております。
 農業試験場のご支援をいただきまして、このパパイヤに蔓延している病原性ウイルスを撲滅する事業も一緒に行いました。

〈スライド12〉
 パパイヤの料理をされた方はご存じかと思いますが、パパイヤの皮というのは非常に剥きにくいものです。けれどもまるでキュウリの皮を剥くように、非常に簡単に剥けるパパイヤができました。これはEMの効果と、パパイヤの病原性ウイルスを撲滅したという2つの効果が一緒に出てきたものだと私は思っております。このように、ひとつひとつ実績を上げてきています。
 先程、生ゴミを堆肥化して土壌に戻そうという運動をしていると申しました。座間味は観光地でもありますので、地域美化のために刈り取った雑草類があります。それを乾燥させて生ゴミと混ぜ、EMで発酵させて肥料にしています。かつてカツオ産業で農業も栄えた…という話をしましたけれども、あの循環型農業のかたちをもう1回作ってみようと始めている事業です。

〈スライド13〉
 黒々と肥料を積んであります。これから有機質をいっぱい入れて作物を作っていこうと考えています。この地域を、座間味村では座間味平原と言ってますが、平地の少ない座間味村の中で、8ヘクタールと一番広くまとまった土地です。砂地ですので、以前はスイカなどがよくできたのですが、昭和50年にカツオ産業が無くなると同時に非常に土地が荒れ、草が生えていった地域です。それをこの度新たに耕して、じゃがいもなどを植えていこうと考えているところです。いわば有機農法の再構築です。

〈スライド14〉
 先程の消防自動車です。(スライド14)座間味村では、この消防自動車が火事で出動したことは1回もありません。しかし農業に役立っております。有機肥料を撒きまして、その効果をもっと上げようと、ダムにも入れたEM活性液を上から散布しています。作物への水分補給と、いわゆる土壌の活性化を狙ってやっているところです。

〈スライド15〉
 なんと言いましても、EMを普及していくには、村民のEMに対する理解度が深くならないといけません。座間味村には五つの集落がありますが、各地域の集落ごとにEM実践研究会を作って、個々に活動をしていただいています。

〈スライド16〉
 教育という面でも、21世紀は環境の時代といわれますので、子供たちにも微生物を通して環境の勉強をしてもらおうと提案しました。給食の残りをEMで発酵させ、花づくりをしたところ、非常にいい結果が得られました。EMは、教育現場でも非常に喜ばれる資材ではないかと思います。

〈スライド17〉
 消防車のタンクです。上の写真がEM活性液を使っていなかったときの状況で、かなりサビています。これが、水の代わりにEM活性液を入れておくと、非常に赤茶けてサビていたのが、サビ面が黒褐色になってきました。酸化鉄が少し還元されて、別の鉄に変わったのでしょうか。軽く布で拭きますと、きれいな地金が出てくる状態になりまして、こういう効果も出てきました。

〈スライド18〉

 生ゴミをEMで堆肥化し土壌に返そうという運動をして、生ゴミを焼却ゴミから分別したら、焼却炉からの排ガスのダイオキシン濃度が変わってきました。
 平成11年3月に測定した時は、68ナノグラムでしたが、生ゴミ分別をしたあと今年1月に計った濃度は14ナノグラム。減少率で約80%になります。それから焼却灰、これは8.5 ナノグラムあったのが0.2 に。今のところ焼却灰には法的規制はありませんが、平成14年には、まず排ガスの中は10ナノグラム、それから灰の中で3ナノグラムという規制がかかってきますので、今後いろいろなかたちでダイオキシン類を減少させる技術を投入していかなければいけないのではないかと思います。

〈スライド19〉
 ここに96万円と書いてありますけれど、年間96万円が、生ゴミを分別することによって節約できました。(スライド19)なんだ、これぐらい…と思うかもしれませんけれど、座間味村の予算ではたいへんな額でございます。まず生ゴミのある状態で燃やしている時はひと月の重油代が25万円掛かったけれども、生ゴミを分別することによって17万円に減ってきました。単純な計算で8万円を12倍すると96万円です。このように環境面、財政面など、いろいろな面で効果が出ています。

〈スライド20〉

 これまでお話してきたことから、あるいは今後の課題として申し上げますと、やはり自然の残っている村、これを壊さずにいかに次世代に繋げていくか…が私の大きな課題、命題だと思っています。それをEM技術を活用してやっていきたい。まず第一に自然と調和した村づくり、それから、福祉の充実と住民の健康、複合産業の確立、そして環境教育の徹底、結論としましては、循環型社会の実現と考えています。
 EMによる地域づくりを進める中で大切なのは、根気強く実践を続けてゆくことだと思っています。そして自治体もいわゆる経営体ですので、そのコスト意識を持つことも大切です。これが先程の生ゴミを分別して経費を節減したことにつながると思います。それからもう一つ非常に大事なことは、EM技術を本当に効果的に実践できる人材の育成だと痛感しています。こういう課題をクリアすれば、必ずや未来の循環型社会が見えてくると考えています。

EMによる“し尿経費軽減化”〜船穂町

玉城: 仲村村長ありがとうございました。いろいろ具体的なデータがありましたが、消防自動車まで活性化するというのは本当におもしろい話でした。さて土井町長。先程、発表大会で報告なさったばかりですが、この席で補足することがございましたらお願いできますか。

土井: 船穂町では今年から、EMによるし尿処理に関する経費の軽減化を手掛けています。今日お集まりのみなさん方、お帰りになりましたら、自分のまちの行政にぜひ、そういった経費の軽減化の声を挙げていただきたいと思います。と言いますのは、新しいことをしますと、役所というのは、みなさん税金で仕事をしているものですから、なかなか抵抗が激しくて、せっかくいいものでもやりにくいという観があります。なぜやりにくいかと言いますと、古くから各自治体ではこういった廃棄物の運搬業者がおられます。これをまた時限立法で保護するような法律がありますから、仕事を変えられない現状があるのです。
 彼らにとって、運搬した廃棄物を燃やす経費は関係ありませんから、新しい21世紀型の環境ビジネスに生まれ変わってもらうように行政がお手伝いをすれば、各自治体にある処理場の機能を120 %活用してやれば、すべてのし尿の問題は解決がつくんじゃないかと、私の頭の中で試算が出ています。ぜひ、みなさん方、お帰りになって各自治体にそういう提案をしていただきたいのです。

玉城:ありがとうございました。さて、みなさん、これからはちょっと総合的な話をしたいのですが、なぜいま、行政がEMを導入しなければいけないのか…。民間ではグループで導入したり、あるいは企業が導入したり、いろいろなケースがあるのですが、いま顕著なのは、市町村という行政が導入し始めていることです。大きなポイントです。この観点から伺いたい。知念さん、いかがですか。
知念:20世紀は大量生産・大量消費の時代で、私たちの身近な生活環境も含めて、自然がどんどん壊されていきました。これについては、これまで比嘉先生が著書の中でもいろいろと解説されています。行政としても、やはり自分たちの身近な生活環境を守って、次の世代にそれをしっかりと受け継いでいく使命があると思っています。その使命を果たすためには、なんといってもEMをおいて他にはない…という信念ですから、私は一人でも多くの理解者、そして、確実に実践をする人を増やすことを、いま重点に考えています。
 EMはすばらしいものです。にもかかわらず、なかなか多くの方々が理解をしていただけない。一人でも多くの方にEMを活用していただくためには、行政がリードすることも必要になってきますから、具志川市では昨年からEMによるまちづくり推進プロジェクトチームをスタートさせていただきました。これは全庁的に、あるいは議会の理解、同意もいただいているわけですから、他の地域よりは取り組みがしやすいと言えます。しかし、従来の概念といいますか、いいものであってもなかなかそれに対して理解をしようとしない方々も依然おられるわけです。しかし、EMを活用することによって付加価値をつけ、新しい市産品の開発ができるということになれば、それだけ地域の経済が活性化される…すなわち、雇用にも繋がっていくことになる。やはりいいものはいいで、多くの方々に使っていただこうと思っています。

ロー・コスト、ハイ・クオリティが認知

玉城:比嘉先生。先程、座間味村長や土井町長はずいぶん具体的な数値を挙げて、財政的な面からの効果を指摘されました。やはり、そのあたりは本音のところがあるのではないでしょうか。先生はどう見てらっしゃいますか。
比嘉: はい。困ったときこそ、EMの実力がでます。多くの市町村が問題をかかえています。EM技術はロー・コスト、ハイ・クオリティで、それの持続を可能にするのですが、これが行政に入らないのは、既得権益と必ずぶつかるからなのです。例えば、汚泥を減らすとなると、汚泥処理業者の職が無くなる。これに似たようなことがいっぱいありまして、こういった理由でなかなか入っていきませんでした。
 でも本当に困ってしまいますと、市町村は借金する以外にないのです。そういう意味で、ようやくロー・コスト、ハイ・クオリティのEMが認知されてきました。そして実際に政策の中に入れてみると、例えばEMをやることによって、人々の協力体制ができるとか、家庭のだれもが環境に責任をもって運動をすることが可能だとか、EMそのものよりもプラス・アルファの方に目を見張る部分が多いのです。この会計バランスの認識がだんだんお分かりいただけたんじゃないでしょうか。
 先程、具志川市の学校校舎に、コンクリート1トン当たり500グラムのセラミックスを入れるとありました。校舎はおそらく普通でしたら耐50〜60年の建物なのでしょうけれど、EM建築ですから200年ぐらいはもつのではないでしょうか。場合によっては千年ぐらいもつのではないかと思います。千年となるとだれも確認できませんが、1回建てて、200年もつか50年もつかはたいへんな違いです。だんだんそういうことに、みんな気がつき始めたのではないでしょうか。 玉城 なるほど…。仲村村長。先程、生ゴミの処理の方法で100 万円近く予算が変わる…という話がありましたね。座間味村という小さな島の財政としては、その額はたいへん大きな力になりますね。
仲村: はい、額ではあまり大きくない数字ですが、そこから大きく広がっています。例えば、高齢者のみなさんがかつて撒いてくださっていた堆肥がありますけれども、約20キロで700 円の堆肥ですから、それを買わないですむと約700 万円ぐらいの返りがあるわけです。そういうふうにEMで生ゴミから堆肥を作って、地域のみなさんに使っていただくことは、たいへんな効果と言えるのではないでしょうか。ただ一つの切り口からですと、大したことは無いようですけれども、いまの堆肥と燃費だけで見ても、約800 万円くらいの効果があると見ています。総合的に考えると、もう限りない余得が出てくると思います。
玉城: それこそまさに、循環型社会と言えるのではないでしょうか。土井町長は、いまなぜ行政がEMに取り組むのか…という点について、どのように見ていらっしゃいますか。
土井: 日本中の賢い住民は、行政に対して、行政経費の削減を求めています。これは本当に時代的な要請です。また一方では、質の高い生活や福祉、教育なども求めています。これからの行政は、経費をかけて新しいものを作ることは、もう不可能に近くなりましたので、いまある制度、いまある施設を有効に使おうと考えます。そこで、EMの持っている、比嘉先生がいつもおっしゃられる低コスト、ハイ・クオリティというEMの性質を活用すれば、先程ご報告させていただきましたように、行政経費が軽減するのです。この軽減した分だけ、地域のコミュニティ経費や社会福祉協議会の活動に還元していけば、またそこで新しいものが生まれてくる。そういう、人の心の善意の輪も循環するし、お金も循環するという仕掛けを1年でも早く作りあげていくことが大事だ…と思っています。
玉城: リサイクルの過程でそういう予算が捻出できて、それを福祉の面でも活用できる…。これこそ非常に望ましい行政運営のかたちだとイメージできました。
 さて、比嘉先生。実は、どの自治体も、循環型の社会というのは、みなさん考えていることですよね。それはもう保守も革新も関係ありません。福祉や自然環境なども考慮した、循環型の社会というのは、実はEMがぴったりと合ってしまっているということです。こう言ってしまうと結論的ですか?しかし、明確な事実ですよね。

借り物の時代から本物の時代へ

比嘉: はい。この20年間で、ようやくそういう意味でのEMの力が認知されてきました。こういう場合に、どうしても、パラダイム(物事の認識方法)を変えないといけないんです。頭の切り替えです。そのためにはみんなが本当の意味で、真理に基づいたもののあり方を根底から構築することです。要するに人の本を読んだり、人の知恵など借り物で何かやるのではなくて、自分が実行し、自分が正しいといえる新しいパラダイムを作らないといけないんです。これを作りあげたところは順調に行くわけですが、できないところは、常にせめぎあいになるのです。
 ですから、問題は思想の本質的な転換なのです。要するに今まではほとんど借り物であり、上から予算がきて…という、行政も住民もただ消費者的な性格をずっと続けてきたのですが、これからはだれもが生産的に、自分の生活を通して、創造的に、クリエイティブに生きていく時代です。そうすれば、例えば、生ゴミだって宝物になるし、村の高齢者もゲートボールだけの消費者的老人だったのが、元気になってみんなで楽しく働くようになれば、生産者的な老人になるわけです。元気なお年寄りは、すばらしい経験もあるわけですから、たいへんな宝物です。これからはそんなふうに視点を移してやっていかないといけません。借り物の時代から、本物の時代に入っていくのだという認識が必要だと思います。
玉城: 拍手が起きました。知念さん、いま先生がおっしゃったように、まさしく行政に必要なのはEMなのでしょう?ずばり伺いますけれども。なぜEMなのか…という批判的な声もずいぶんあったんじゃないですか。
知念: 確かにそれはあります。私の場合は、この選挙に出させていただくときに、EMを活用したまちづくりをとお約束しましたので、そういう意味では、多くの市民の方々が理解をしていただけている…という後押しみたいなものを、いま感じています。しかし、ある意味での障壁もあると思っています。そういった意味でもやはり行政が取り組んでいかないと、なかなか大勢の方々に実践していただけません。
 具体的な例を申し上げますと、具志川市には2級河川の天願川というのがあります。かつては澄みきったきれいな水でしたが、近年どんどん汚れてしまいました。以前はそこで泳げましたが、いまでは、なかに入ることさえできません。県が工事をして整備をしました。しかし、それだけで水がきれいになるかというと、そうはいかないわけです。やはり、行政が市民を巻き込んだかたちで浄化をしていく…すなわち、お互いの生活の中身からチェックをしながら、見直しをしながらでないとうまくいかないのです。こちらの考え方にご賛同いただいた多くの住民が、毎日毎日、川に優しい暮らしを送ることによって、かつての豊かな自然が回復していくのではないでしょうか。やはり行政が率先をして、市民と一緒になってやることが大事だと思っています。
玉城: 土井町長は、なんでEMなの…という反感が、議員、役所内、あるいは市民からありませんでしたか。
土井: もう過去形になりつつありますけれども、はじめの3、4年間、本当に嫌がらせがたくさんありました。しかし、私としては、行政的な課題としてやっているわけですから、このシステムが完結しているんだということを、早く、町民のみなさんに広く認識してもらうことを祈るだけです。しかし最近は、効果の方が目立つようになりましたから、そのような嫌がらせもかなり無くなりまして、もう終わったのかなといまは安心をしています。
玉城: ありがとうございました。仲村村長は今の問題、どのようにご覧になりますか。ずいぶん反感や批判もあったと伺っておりますけれども。
仲村: どうして行政にEMか…という話と関連するかと思うのですが、私は先程の、カツオ産業と有機農法という話をずっと村づくりの中に取り入れてまして、この中でEMを導入しましたので、特に障壁はないと思っています。  なぜならば、いわゆる有機質農業をやっていた地域が、ある日突然、有機肥料が無くなって、畑が荒れ放題になったという経緯があります。有用微生物を使って、早い時期に畑地を蘇生させよう…という考え方でやっておりますので、それには抵抗は無いと思います。
 ただ、EM・Xを村民のみなさんに1ヵ月500 本飲んでいただいているのですが、なかには、一つの商品をどうして…という声はあります。私は、これはかなり成果を上げている商品ですので、みんなが飲んでいただければ健康増進に効果が上がる。飲みやすい体制を作って、村がみなさんに健康の支援をすればいいんじゃないかというかたちでやっているのですけれども、いろいろ意見を言ってくる方々はいます。そういう意味合いからすれば、ぜひ早くEM効果や技術が沖縄県で認められて普及し、多くの人が活用するかたちになればいいと思っています。
玉城: 会場のみなさん、仲村村長は、村長ご就任前は、県庁の役人でいらっしゃったんですよ。ですから、そのへんの事情はもう、たいへん良く分かっていらっしゃるわけです。村長、継続とさっき言われましたけれど、やっぱりそれが鍵ですかね。
仲村: そうですね。私も職業柄といいますか、村長に就任して3年ですけれども、以前の仕事の進め方ですと、なぜこれが利くのか…という理由を知ってから使おうというような考え方で、なかなか手が出なかったのです。
 私はEM・Xを飲んで、もう3年が経ちました。田中先生の本に白髪が黒くなるという話があります。私も期待しておりましたら、そうではなくて、白髪はそのままですが、生えてくる毛が全部黒い。黒い毛と白い毛の割合がだんだん黒い毛に押されてくるということもあり、そういった実績、効果を見てきますと、なぜ利くか理由を考える前に、使うことが大切じゃないか…と実感したのです。それで地域でも導入しているところです。
玉城: 笑っていらっしゃいますが知念市長。反対したり批判したりする面もありますけれど、やはり「百聞は一見」という、そういうことが重要かもしれませんね。
知念: そうです。私も自分で使っていますけれども、使えば使うほど効果があります。比嘉先生がおっしゃるように、利かなければ利くまで使え…が原点だと思うのです。それを肝に命じながら、ずっと実践をしていこうと思っています。
玉城: 比嘉先生。それからしますと、オープニング・セレモニーに沖縄県の商工労働部長もお見えでしたけれども、県のEMに対する見方もずいぶん変化してきて、これはもう全国的な自治体の動きとして出てきていると見ていいのでしょうか。

エキスパート養成とインターネット活用を

比嘉: はい。EMによる地域づくりは、単なるまちづくり・むらづくりを越えまして、県単位に広がっています。例えば去年、愛媛県がEMでやりますと手を挙げました。それから山口県。また地元沖縄県では、このEMフェスタに90%ぐらいの市町村が後援しています。アンケートを取りますと、全国ほぼ400 以上の市町村が、EMによってまちづくりをしたいという結果があります。しかし、先程からお話しているように、どう取り組んで、どう具体的に動かしていくかということです。
 ですから、先にスタートした、EMでまちづくりをしている先輩方の市町村の情報をたくさん出していただくことですね。これは「論より証拠」「百聞は一見にしかず」です。
 しかし、学者など勉強が好きな人は、実際にやらずに、人の本を読んで、みんなゲームの世界にいて、実践の世界にいないのですよ。まだ日本はゲームの世界で、本当のクリエイティブな世界に入っていませんから、ここがどうしても引っかかっていますね。
 それで私たちは、EMの勉強をしたい人の研修を考えています。例えばを3人一組にして、海の浄化であれば広島県の内海町で、3泊4日なら3泊4日、徹底して研修させます。まちづくりであれば具志川市でもいい、船穂町でもいいんです。全国各市町村の中から研修チームを出していただいて、それを月に1回ずつ、1市町村ではなく、大体バス1台に乗るくらいの参加者を各々派遣していただいて、1年間続ければ大体EMのエキスパートになるでしょう。
 こういう人たちを養成し、またインターネットなどで日本中にあるいまの現場を使って、みなが少しでも早くEMを理解して地域全体の機能性を上げていくのです。要するにトータルとしての行政コストを下げていくことが急がれます。さっき出ましたね、ゴミを捨てるとコストが掛かりますけれど、これが生きてくると価値を生む…と。みんなが病気にならないで健康であることだけですごくコストが安くなりますね。ですから、従来言われている概念と違うところに意識を置いて人材を育成していけば、飛躍できるのではないでしょうか。
 幸いにして、日本政府も世界に向けて、政府広報としてEM技術を紹介したわけですから、最近は、反EM的な意見はありません。むしろ積極的に声が掛かってきていますが、私たちがそれに対応できない現状にあります。ですから、なんとかインターネットのシステムを使い、先進地域のみなさんの協力を得て押し上げれば、数年で目を見張るような結果が出てくるのではないでしょうか。またEMを後押しするNGO、NPOなどたくさんの任意団体がありますので、協力してやっていけば、まあ行けるんじゃないかと楽観しています。
玉城: 土井町長、比嘉先生から、いわゆる人材育成という視点で、一つの自治体を越えて、各地の研修を行うというご提案がありました。やはり、そういう人材の育成のネットワークも必要なんでしょうね。スタッフの育成には…。
土井: リーダー格になる人がいなければ組織の活動がなかなかできないという意味では、人材育成が必要です。ただ、地方から見ていますと、そう思っても、旅費など経費が掛かるなどの問題があります。そういうようなものをEMの活動で生まれるような仕掛けを地域で作っていくことが大事じゃないのかなと思います。
玉城: 仲村さん、どうですか。いま比嘉先生は3名と言われたけれど、村役場にとっては、3名は大きな人数だと思いますが。
仲村: そうですよね。役場職員というのは、限られた人数でたくさんの仕事を持っていますから、島から離れてそれを学びにいくというのは、非常にやりにくいと思います。これからいろいろな仕組みを作りながら、できれば出前指導とか、出前研究会とかいろいろなことが考えられると思うのですけれども、座間味村でそういう研究会をすれば、またいろいろな人材が育成されていくんじゃないのかなと思っていますが。
玉城: ありがとうございます。たいへん意欲的な村長のご発言でございました。知念市長、もう福祉も医療も自然もリサイクルシステムも、この人材の育成というのは、みんな全部共通のテーマですね。やっぱり同じに考えないといけないことですね。
知念: そうですね。特に具志川市の場合は、先程の報告でも申し上げましたが、微生物応用研究会、EM関連異業種交流会、さらにEM建築研究会などの組織がありまして、積極的に活動に取り組んでいるわけですから、それだけ人材の育成も含め、EMに関する理解者が作りやすいといいますか、私ども行政にとって大きな支援組織であると受け止めています。
 自治体同士で、EMのネットワークづくりをするという意味では、「EMサミット2000」を今年1月に具志川市で開催させていただきました。北は北海道から私たち沖縄も含めて7市町村の首長が出席し、市民の関心も高まりました。ここで構築されたネットワークは人材育成、あるいはEMの実践をする方々をこれからどんどん増やしていくことにも力を発揮してくると思います。
玉城: なるほど。さて、もう一つの私たちの直面する課題に、福祉の問題がありますね。先程、EMボカシづくりに取り組んでいる施設の話がありましたが、福祉という視点でのネットワークも強力なものができつつありますね。どうですか。土井町長は福祉の視点はどんなふうに見てらっしゃいますでしょうか。
土井: わが町ではまだまだ浸透しきっていないのですが、お年寄りに関して申し上げますと元気な間は年齢には関係ない、みんな青春だと、どんどんまちづくりに参画をしていただきたい。その仕掛けを作るための知恵を絞っています。行政経費を軽減する体制をつくるのにそれほど時間は掛けられないと思います。住民のみなさんは行政に対してその経費の軽減をどんどん求めます。ですから、軽減した金を地域のサービスに還元できる輪ができたら、自ら地域の福祉体制は、いまの運営維持の半額でできるはずです。
玉城: 半額ですか。
土井: 本当に困った人は当然応援しなければいけませんけれど、いまは逆に本当に困ることを作っているような感じがしますね。どんどん地域のために働いてもらう場を作ることから始めなければいけないのじゃないか…と思います。
玉城: 仲村村長、しかし半額というのは非常に魅力的ではありますよね。先程80代のおじいちゃん、おばあちゃんの元気な写真が映っていましたけれど、これから高齢化、長寿に向け、どういうふうにお年寄りを支えていくかが課題ですから。その点では、土井町長の取り組みは、非常に見本になるんじゃないですか。
仲村: 本当に見本になると思いますね。私たちはいま、村で、あるいは社会福祉協議会で、EM・Xを安く提供することによって支援を行っていますけれども、今日の土井町長さんのお話の中で、たいへん大きな示唆をいただいたと思っています。
玉城: 比嘉先生、行政コスト面の効果が非常に顕著なんですが、EMというのは、福祉とか環境などの分野に実はメインの力があるということですね。

本当に必要なことだけを徹底してやる

比嘉: はい。私たちの今までのライフスタイルをそのまま続ければ、絶対にダメだということはもう皆さん分かっているのです。ですから、ここで根本的転換が必要です。私たちは未来型社会をEMで創ろうと言っているわけですが、ポイントは、本当に必要なことだけ満足いくようにやるということです。さっき土井町長が言われたように、本当に必要なことをやれば、日常生活のあらゆるものはコストは半分以下ですよ。私は3分の1でできると思っています。
 まず自分が健康であり、きちんと生活すればもうすべてコストは安くあがります。日常生活もすごく安くなる。それと同時に、本当にコストを安くするには、みんながある意味で創造的なプロフェッショナルな生活をしないといけない。それをあらゆるものに生かさないといけないです。例えば障害を持っている人たち。この人たちの存在というのは、私たちに優しさとか思いやりとか、それから、たいへんだな…というどんなに本を読んだって学べないようなことをたくさん教えてくれるわけですよ。ですけれど、私たちは不必要なことをたくさんやりすぎて、忙しすぎて、そこまで目が回らないのです。
 本当に必要なことは何かを理解し、それができれば、その上に創造的活動ができます。高齢者も障害を持った人たちも、いろいろな人たちが、それぞれの存在そのものが、社会的大きな役割を果たします。こういう世界を目指すみなさんの決心…EMのグループのみなさんは、そういう決心をして、そのコアが育っていくから大きな勢力になって来たんだと私は思っています。ですから、私たちの課題はいま、それぞれの存在を存在たらしめるためには、本当に必要なことだけを徹底してやる。ここが原点だと思います。
玉城: なるほど。いいお話でございました。知念市長、いま比嘉先生はプロ意識と言われましたけれど、やはり各個人が福祉の視点とか、教育の視点を持っていらっしゃいますね。それぞれの立場から取り組むと、相当な市民参加型地域づくり…ということに結局はなってくる。行政も役所の人間だけじゃなくて、いろいろな人とも関わっているでしょう。そんなことが結論的に見えてきますね。
知念: そうですね。何といいましても、行政で一番大事なことは、市民にとっていかに暮らしやすい生活環境を作っていくかということと、何といっても基本は、一人でも多く市民が健康で元気であるということですから、おそらくそういう究極の目標は、EMを活用したまちづくり…それが私はベースになるのではないかと思っています。これはもう信念を持ってやり抜くと言う以外にないと思っています。
玉城: ありがとうございます。最後に、それぞれの立場から、今後どういうことを、自治体で、自分の村で、町でやっていこうとお考えかという課題を伺いたいと思います。今度は、仲村村長からお願いします。
仲村: はい。いまやっていることをとにかく確実に位置づけていくということが大切だと思っています。先程も知念市長さんから話があったように、他の行政のみなさんも同じ意見を持っていると思います。座間味村としては、やはりこれからの展開は村民ひとりひとりにもっとEMを理解してもらう運動…というのでしょうか、これを徹底してやっていく。今日はお話しなかったのですけれども、モズク養殖などにも展開していけるように事業計画を進めていまして、いろいろな分野でEMを使っていこうと考えています。
 村が、一つのことで村づくりを確実に押し進めていくというコンセンサス(合意)が得られるならば、これはもうすごいことですよね。私は、パパイヤのウイルス・フリー作戦と植え付け運動というのをやりましたけれども、それをやることによって村全体が一つの話題を持ちました。以前はカツオ節でしたが、EMを通して、村民の間に共有できる共通の話題、共通の考え方を提供できていけば…と考えています。
玉城: 村が一つにまとまっていくということですね。これはやはり村づくりの大きな鍵ですよね。
仲村: ええ、基本ですけれども、なかなか難しいのです。ですから、EMの実践を通して、それがまた実っていけば、それはたいへんなものだと思っています。
玉城: 仲村村長にもう一度拍手をお願いいたします。比嘉先生、仲村村長からモズクの話がありました。これはずいぶん可能性があるんじゃないですか。
比嘉: あります。 玉城: 続きまして土井町長お願いします。
土井: 私は近いうちに二つのことをぜひ実現したい。一つは、し尿処理に関わる処理費の経費を半減し、その半減した経費の中で、生きがいセンターのお年寄りの仕事の場を増やすこと。
 もう一点は、いろいろな地域に各種のボランティア活動のグループがありますが、環境のテーマを中心にした、コミュニティ活動の団体を実現させたいと思っています。こども会、PTA、婦人協議会、あるいは老人クラブ…など、誰でもみんなが参加できるようなコミュニティ活動を行い、その経費を自主経費でできるように、EMの活性液を一つの材料にして、町内に販売することによって自ら経費を作る。そういう団体を実現させたいと思っています。
玉城: ありがとうございました。土井町長でございました。今日は岡山県からお越しいただきました。ありがとうございました。知念市長、今後の取り組みたいテーマを。
知念: はい。ちょっと大きなことを申し上げて失礼かもしれませんが、具志川市に来ていただくとEMのすべてが見える、EMがわかると言って頂けるようなEMの都市を目指して、市民のみなさんと一緒にまちづくりを進めていき、なおいっそうたくさんの方々に具志川市に足を運んでいただくという元気なまちづくりをしたいと思っています。
玉城: ありがとうございました。知念市長は部下の方々に対して、各セクションごとにEMの勉強会をしたり…という、人柄の市長でいらっしゃいます。では、比嘉先生から最後に総括をお願いいたします。
比嘉: はい。時代はどんどん進みまして、IT革命、情報革命の時代に突入しました。情報革命の本質は、独創的な一番だけが通用して、二番は通用しないという世界です。相撲でいえば、優勝した人は山ほど商品をもらえますが、二番になった人は賞状1枚ももらえない、これと同じです。私たちはEM技術を使えば、世界で一番優れたものを集めて、無駄なことをやめて、一番いいものの上に立って、新しい世界を構築できる。それを進めていくときに、EMがあると、大変にスムーズに行くわけです。
 ですけど、いま一番いいと思っても、このIT時代は、あっという間に一番よかったのがビリッコになるという時代ですから、常に勉強し、創造的に、そしてみんながクリエイティブな賢い活動、またそういう情報の取り方を学ぶ必要があります。もう2番以下はがらくたになるんですから、不用になった情報は捨てる。抱えるだけ、コストがかかるわけですから。
 こういう時代に入って、そしてこの時代に合致するEM技術が出てきたというわけです。そして、このEM技術もさっき話したようないろいろなクリエイティブな活動で育てていくということが大きなポイントになるだろうと思います。ですから20世紀にEM技術ができたということは、私たちにとってたいへんラッキーだったと思います。21世紀はさらに今の考え方でいけば、もっとすばらしい社会を築き上げられるのではないかと期待をしております。
玉城: ありがとうございました。去年、比嘉先生のお供をしまして、アメリカのアリゾナ州のEMの取材にまいりまして、州立の盲聾学校へ行きました。そこで目の不自由な子供たちが一所懸命EMボカシを作って、次に、今度は耳の不自由な子供たちが、これを天日で乾すんですね。EMの活動は国境を越えているのは、もはや当然の話です。福祉や医療や農業や畜産や、もう無限の可能性の事例が自治体に潜んでいるわけですから、来年のディスカッションには海外の自治体のケースの事例も含めて、そういう各地域の取り組みがご紹介できれば…と思っています。今日はありがとうございました。