EMフェスタ2000 > 発表大会


事例発表 No.11
2000.11.12
中国広州環境プロジェクトにおける
EM活用
The Theater Event --------
Effective Microorganisms



 
 イギリス ランカスター大学にて生物化学の博士号を取得。香港を中心に様々な活動をしている。香港・中国合わせて5社の取締役を兼任。その他、香港において2社の環境コンサルタント、香港YDC環境政策審議会議長などを勤める。
劉 家強
(ラウ カ ケン)
益尊環保科技 香港 有限公司
取締役 研究部主任 高級顧問
(中国)



 今日は、EMフェスタへのお土産を持ってきました。それは香港の新聞です。そこに、今日お話するEMプロジェクトの新聞記事が載っております。残念ながら、1部しか持っておりませんので、皆様へは差し上げられませんが、今日ここでご報告したいのは、中国広州市におけるEMの普及活動です。  EMが中国に進出してもう10年たちました。しかし、そのほとんどが、農業生産の分野に限られております。ただ、環境保全方面においては、中国の広西省で汚水処理のプロジェクトがあり、そのほかに、昆明という都市でEMの水処理のプロジェクトもありました。
 広州市でのEMの普及プロジェクトは主に環境保全です。広州市を簡単にご説明すると、中国の南方にある大都市です。人口はおよそ700万人で、外からの人口を加えると900万人近くになります。毎日の生活ごみの量は膨大で、1日当りだいたい4,500トンです。これらのゴミをいかに処理するかが、広州市政府を悩ませる問題となっています。
 第一に、各住宅地からどのようにゴミを収集してくるか。それから収集したゴミをどこに運ぶか。現在、広州市のゴミ埋立地は飽和に近い状態になっております。また、そういうゴミ埋立地から汚水がたくさん出ており、とても臭い状態で環境を汚染しています。こういう汚染をどのように処理するかも大きな課題です。これらの問題に対し、EMは非常に役に立つと思います。
 まとめてみると、EMの5つの効果が考えられます。第一に消臭効果、第二に、EMは昆虫の幼虫の生育を抑制できます。第三に、生活ゴミ、特に有機ゴミの分解を促進させます。第四に、EMはゴミの嫌気分解によるメタンガスの発生を抑制し、爆発を減少させることができます。第五に、EMはゴミから出てきた浸出液に対する処理工程を強化し、その処理能力を向上させることができます。
 1998年から、私たちは広州市でゴミのEM処理の試験を始めました。


ゴミ埋立地におけるEMの優れた消臭効果


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 広州の李坑という地域のゴミ埋立地の状況をご覧いただきたいと思います。これ(スライド1、2)は、広州市の最大のゴミ埋立地です。1日当り約2,000トンのゴミを処理しています。毎日このゴミ処理場から出てくる汚水は300トンくらいです。雨季は、1,200トンにもなります。この埋立地は、もう20年間くらい使用しており、堆積したゴミは最大で30メートルくらいの高さになっています。また、捨てられたゴミの成分も非常に複雑です。


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 このゴミの堆積物の下にゴミの浸出液を溜める池があります。その容積は12万立方メートル。最初に私たちがそこの処理に行ったときは、ひどい臭気でした。  私たちはまずゴミの消臭処理を行い、次に下の池の汚水を処理しました。EM活性液は自分たちで製造しております。濃度は10%のものを使いました。


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 EMを散布してから7日目に消臭効果が現れました。21日目になると、悪臭がほとんどなくなりました。試験開始当時に視察に来られたある女性議員は、あまりにも悪臭がひどくて現場に入るのは嫌だというほどでしたが、21日後に彼女が再び現場視察に来られたときは、ゴミの近くに立っても悪臭に気づかず、案内者が「ここはすでにゴミの埋立地ですよ」と教えるまで知らなかったようでした。
 ゴミの浸出液に対する処理にもEMを使用しましたが、この処理液はだいたい6,000立方メートル。EMラグーンという方式で処理しております。汚水が入ってきてから、そのラグーンにEMを入れて処理し、EMは2週間に1回入れるようにしました。


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 処理してから103日目の結果をみると、すべてのデータに関して良い結果が得られました。特に注目されるのはCOD値で、1300から315まで下がりました。広州市の放流基準は300ですので、それにかなり近づいています。色度に関しても非常に顕著な効果が得られました。
 これらの結果をみますと、EMは非常に処理効果が良いということが認められます。李坑埋立地には、もともと汚水処理施設がついておりますが、その処理効果はあまり良くなかったのです。今年から私たちはその処理装置の改造にも参画しております。私たちの案では、EMの安定池で予備処理を行い、嫌気処理の後、化学吸着沈殿池を設け、続いて好気処理も行います。この化学吸着沈殿液というのは私たちの案にはもともとなかったのですが、施設の研究者がアイデアを出してくれました。そして、最後の処理段階は、植物プランクトンのある処理池です。この案は、政府の関係機関にすでに提出しており、現在審査中です。
 広州市におけるゴミ圧縮ステーションでのEM処理につきましては、昨日環境分科会でもご報告させていただきましたとおり、すでに67カ所の施設で実施しております。こちらではEMで消臭処理を行っており、1日に1,500トンのゴミを処理しております。


湖もEMで浄化

 次にお話しするのは、広州市内の湖の水質処理です。広州市内には流花湖という湖があります。私たちはこの湖の中で、約1万2,000立方メートルの水を囲んで試験区をつくってEM処理実験を行い、外側のコントロール区との比較を行いました。

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 処理の手段としてはEM活性液を投入し、EMの泥団子を作って湖の底に投入してみました。これ(スライド12)は、ちょうど沖縄のお客様が視察に来られたときの写真です。
 この試験は1年かけて行われる予定ですが、これまでの6〜7カ月のデータをここでご報告いたします。
 まず、水の透明度は、37センチから64センチになりました。私が日本に来る直前に調べると、さらに70センチまで透明度がアップしておりました。CODは、62ppmから50ppmまで下がりました。水の色度とクロロフィルの含有量も減少しております。特にその中の藻類は、EM処理区では外側のコントロール区の1/10しかありませんでした。


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 この試験は難しいところがあり、EM処理区とコントロール区を完全に遮断することはできないので、多少は水の対流があります。ですから、処理効果を予想どおりに上げることはできませんでした。まだまだこれから努力を続けたいと思います。
 これからも広州市において、さらに広い範囲でEMを普及したいと思います。広州市はもちろん、全国の環境保全のために、EMの普及を促進し、きれいで健康な中国社会をつくるために努力していきたいと思います。