EMフェスタ2000 > 発表大会


事例発表 No.09
2000.11.12
南アフリカにおける自然農法及びEM技術が 農作物生産に及ぼす影響に関する事例研究
The Theater Event --------
Effective Microorganisms



 
 淡水生態学、水産学博士。他に植物学と動物学の学位をPotchefstroom大学にて取得。1971年より南アフリカ国内の数々の大学で教鞭を取る。1978年から主な研究分野を淡水生態学から水産学へと移す。養殖魚のための栄養学、病理学、また養殖場における水のリサイクルや、統合的な養殖場運営管理などの研究をすすめる。1999年1月に、EMと自然農法の技術が活用された水産養殖の現場へ紹介され、その成果をうけて博士は 、2000-11 EMフェスタ20001月以降、農業生産をビジネスベースにのせるべく取組む地域へのEM普及にも尽力している。100以上の論文を発表し、国内のみならず国際会議にも、多数出席。世界水産学協会、南ア水産学協会、南ア科学技術アカデミー、南ア自然科学評議会のメンバーとして活躍、子供3人、趣味はガーデニング、木工、写真、読書など。
ジェイコブ F.
プリンスルー

(Jacobus F. Prinsloo)
ノース大学水産学博士
 (南アフリカ)



 現代のアフリカの農業は、経済的な面でたいへん困難な状況にあります。と言いますのも、土地の値段や農業機具の値段が上がっており、燃料費や化学肥料などの農薬も高価なものになっているからです。労働者の賃金も上がっています。
 1ヘクタールあたりアメリカドルに換算して最低5,800ドルの生産費がかかります。ですから、商業的に見合うだけの広さを保つためには、最低300ヘクタールが必要となります。これは10年前にたった30ヘクタールで良かったことに比べるとたいへんな増加です。
 これに加えて、生産量を維持するために森を切り開いてしまったり、水資源を使いすぎてしまったり、化学肥料や農薬の与えすぎなども起こり、環境の悪化を招いています。


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 アフリカの農業を困難にしているもう1つの原因には自然災害が挙げられます。アフリカでは過去12年間すごい旱魃に見舞われていました。


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 それが終わったと思ったら、昨年はひどい洪水の被害を受けました。


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 最近では冬の霜の被害も出ております。


EM効果の科学的な実証

 これらのことを考え合わせますと、今までの農法に代わるものが必要になっていることは明白です。そういうときに、EMを使う自然農法は非常に有効だと考えられます。けれども、これも商業農家やこれから農業を始めようと思っている人々が受け入れたらの話です。新しい技術が導入されるときには、どうしても科学的な証明ということが要求されてきます。EM技術においても、品質が良くなること、経済的な効果を証明しなければなりません。
 それで、南アフリカのノース大学で、異なった灌漑法における効果を調べました。1つには水を大量に使った場合、もう2つ目には噴霧状のマイクロスクリンプラーを使った場合、3番目には点適法を調べてみました。

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 この灌漑に使う水というのは、アフリカでは水が少ないので、魚や鶏の養殖をやったあとの排水を使って行います。

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 それぞれ同じ大きさの実験区域を設けて、統計処理が行えるようにしました。水を大量に使った方法ではトウモロコシとたまねぎを育てました。点適法とマイクロスクリンプラーの方法では、レタスとトウモロコシを育てました。トウモロコシはアフリカでは主食となっておりますので、非常に重要な作物で、またレタスもよく食べられている食物です。
 肥料としては、有機物、EMボカシ、EMボカシ堆肥、その中にはいろいろな植物や畜産廃棄物を入れたもの、それと化学肥料を使ったものを比較してみました。水やりは週に2回で、収穫が終わった時点で比較を行いました。
 もう1つ行った実験では、EMの効果を桃の栽培で調べてみました。桃は農薬を使いすぎて大きな被害が出た農場がありましたので、あえてそこを使いました。この桃の果樹園は10ブロックに分かれておりまして、1ブロックに816本の木がありました。


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 ここの農園では農薬を使いすぎたために、木肌が割れて死んだ木もありましたし、矮小化した木が86%にもなってしまいました。この被害が起こったのは今年の1月で、南アフリカでは夏の時期です。EMによる処理が始まったのは6カ月後の6月で、EMボカシを土に入れ、葉面散布も毎週行いました。結果は統計的に処理しました。


実験結果にみるEMの偉大な効果


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 これ(スライド12)はトウモロコシの収穫ですが、どの灌漑法でも同じように素晴らしい結果が得られました。


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化学肥料で栽培したものとEMで栽培したものとでは、ご覧のように(スライド13)、EMが優れております。灌漑法による優位の差は見られませんでしたが、(スライド14)EMの効果はありました。また、化学肥料を使った場合にも、灌漑法による有意な差はみられませんでした。(スライド15)


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 レタスの場合も同様に、EMで栽培したものに大きな効果が見られました。


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レタスをEMで栽培した場合は、マイクロスプリンクラーの方が点適法で栽培するよりも良い結果が得られました。レタスにはやはり水分がある程度必要なようです。(スライド17、18)


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 しかしながら、化学肥料で栽培した場合には、灌漑法による優位な差は見られませんでした。
 たまねぎの栽培でも、EMによる効果は素晴らしいものでした。(スライド19、20、21)

 では次に桃の栽培結果をご報告します。


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 ここでも、EMを施用したところでは木が回復して良い結果が得られましたが、EMを使用しなかったコントロール区では駄目でした。(スライド23)


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矮小化した桃の木も、EM処理を施すと改善が見られました。これは施用しなかったブロックと比べるとたいへん大きな差が見られました。同じように、正常な木についても大きな差が見られました。(スライド24、25)
 これらの結果をまとめると、次のようなことが言えます。
 トウモロコシは基本的には水が多い栽培方法がうまくいきます。そして、EMで栽培した場合は化学肥料で栽培した場合より多くの効果が見られます。これはEMの作用によって土壌中の養分が保持され引き出されるのではないかと考えられます。土壌は砂状なのですが、砂は水はけがよく、乾燥しているので栄養分が凝縮して存在しているのではないかと思われます。
 レタスとたまねぎの場合にしても、トウモロコシと同様にEMを使うと化学肥料で栽培するよりも良い結果が得られました。フザリウムベーサルロットというたまねぎ特有の病気があり、その病気は今回の試験ではEMを施用しても完全に防ぐことはできませんでしたが、それが発生する時期は化学肥料を使った場合よりもずっと遅くなりました。
 桃の果樹園に関しては、ここではEMを使うことによって、ほとんどだめになった木を蘇生させることができました。これはたいへん重要な注目すべきことだと思います。
 これらのノース大学で行った実験結果を見ましても、EMを使った自然農法は、これからの南アフリカ、またはアフリカ全土の農業に、非常に大きな役割を果たしていくと思われます。


広まりつつあるEM普及の輪

 アフリカでこの新しいEM自然農法を進め、成功させていくためには、組織だった普及努力が欠かせません。私の研究は現在第2段階にあり、EMのいろいろな使い方や使用量、どのような作物にどのように効果があるのかを実験している段階です。


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 こちら(スライド26)は小さな専業農家ですが、この方が自らEMを使って実験に協力してくださっています。こちらではキャベツを無農薬で作っております。
 これ(スライド27)はニンジンですけれども、化学肥料を使わずにここまでの品質のものができるというのは素晴らしいと思います。


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 これ(スライド28、29)は私どもの大学の側にある花卉の栽培農家ですが、こちらでもEMを非常に気に入って、興奮して使っております。
 先ほどお話した桃の農家は、南アフリカで輸出している桃の全体量の24%を占めています。この大きな農家が今、EMを使って農法を切り替えようしております。


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 また、亜熱帯性の果物を作っている農家はウイルス性の病気などに悩んでいるのですが、みんなEMに興味を持っておりまして、今はグアバ農家がやりたいと言っております。バナナ農家でも最近は研究会を組織して、EMの勉強を始めています。バナナもアフリカの主要な農産物の1つです。


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 そのほかにも、マンゴーやアボカドやリーチなどいろいろな作物でEM農法を実験中です。


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 ジンバブエとボツワナの国境リンポポ川流域にある灌漑用の大規模施設ですがこのあたりの地域は塩害に悩む地域です。ここもEMでなんとかしたいと考えています。


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 畜産の分野をみますと、こちら(スライド37)は豚の養殖場ですが、ここでもEMの施用が実験されています。同じようなことが養鶏でも行われています。


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 こちら(スライド38)は牛を養っているところですが、ここでもEMを使いはじめて62日目に1頭あたり30ドル以上価値が増したと喜んでいます。

 今日は発表の機会をいただきましてありがとうございました。アフリカの状況を皆様にお話できてうれしく思っております。アフリカは死にかけた大陸と言われておりますが、EMの助けを借りて生き返ることをお約束いたします。