EMフェスタ2000 > 発表大会


事例発表 No.05
2000.11.11
持続可能な社会と医療のモデルを
EMで創る
The Theater Event --------
Effective Microorganisms



 
 27年間以上もの臨床歯科医としての経験を持つ。イリノイ州立大学歯科学部を1972年に卒業、1974年までは診療所で働くなど開業医として医療に従事。アリゾナ州とバージンアイランドでの臨床医の免許を取得し、1976年に 家族と共にアリゾナ州ツーソンに居を移した。1976年からは、歯の運動生理学と応用運動生理学、電気針治療(EAV)、栄養とホメオパシー効果、ストラクチュラル・アラインメントといった代替治療法やホリスティック治療法の研究や実践に係わるようになった。博士は医師のための頭蓋及び仙骨の整骨療法訓練を大学院研究科で学び、第一国際ホリスティック歯科協会 First International Holistic Dental Associationの創立会員となった。博士は米国において、ホリスティック歯科治療運動の顕著な推進者であり、本会議で報告するように最近ではEM−Xを治療に取り入れ成功を収めている。
スティーブン A.
スイドラー

(Steven A. Swidler)
ウィールウェルネスセンター・ディレクター (アメリカ)



 皆様、こんにちは。今日はここに来られてたいへんうれしく思っています。特に、比嘉先生やEMの仲間達、家族と言ったほうがいいのでしょうか、お目にかかれて本当にうれしいです。
 私は、アリゾナ州のツーソンから参りました。そこはとても乾燥したところですので、沖縄のように湿度があり緑が豊かな所に来るのはたいへん心が和みます。
 私は歯医者が本職でして、医療分科会ではEM―Xを利用した歯科治療や歯茎の治療について発表いたしますが、今日は少し歯から離れまして、社会のコミュニティーのあり方というものについてお話ししたいと思います。
 私がお話しいたしますのは、リジェネシスというプロジェクトについてです。ジェネシスというのは旧約聖書における創世記という意味ですので、リジェネシスとは世界を創り直すという意味になります。
 私がこのプロジェクトを考えたのは、今アメリカだけでなく日本でも問題になっているホームレスの問題をどう対処すればいいのかを考えはじめたことがきっかけでした。
 その人たちには、麻薬中毒やアルコール中毒で苦しんでいる人もいますし、それから、人生で大きな変化、例えば配偶者の死や子どもの死、失業、事故など、そのようなことで生きる気力を失ってしまう人たちがよく見受けられます。結婚しないで子どもを持っている人やネィティブインディアンの部族、退職した人たちにもそのような人がいます。
 そこで私は、人間の基本的な要求をどのように満たしていくかというコミュニティーづくりを目指し、活動を始めたのです。私の友達で治療の薬や手術に頼らない代替医療や自然療法を行っている医者がいるのですが、彼と一緒にスタートしました。
 これは、彼の所に2つの財団から「アメリカ全土に70カ所の救急医療所を造らないか」という話があったことから始まり、そのときはホームレスやレイプの犠牲者の人たちを対象に考えておりました。
 彼はこの2財団の患者の治療にあたっており、身体の治療だけではなく精神面の治療も行おうとしていました。彼は診断を下すだけでなく、いろいろな中毒症状の患者を治すということも仕事の1つでした。
 そのような治療を施すには、医者だけでなく整骨医や針治療をする人、薬草を使った治療をする人、心理学者など、そういう人たちも全部加わって患者を総合的に診断し、何をしたら患者が気力を取り戻して健康になるかを考える必要がありました。
 そこで私は、彼に、クリニックの中では、EMを使った歯科治療を始め、EMやEM―Xを他の部門でも使って治療を進めていったらどうだろうかと提案しました。

ともに協力し合う思いやりにあふれた コミュニティーづくり

 そのときにひらめいたことがあります。それは、身体の治療や精神面の治療をしても、良くなった患者を怒りや暴力に満ちた、アルコールや麻薬のある世界に戻したら、それはどんな治療をしても助けにならないということです。
 私は、比嘉先生がおっしゃるEMのように、健康に良い微生物が一緒になると蘇生の方向に向かうのと同様に、人間も食べるものと快適な住居があるだけでなく、そこに住む人みんなが協力し、お互いに思いやりをもって生活していくことによって、個人も全体も良くなっていくのではないかと考えました。
 そこで私は、市や町、インディアンの保護区などに話しかけ、使っていない荒地を使わせてくれれば、そこにクリニックを建て、人が心身共に健康になれるようなコミュニティーを造りたいと申し出たのです。
 そこでは、クリニックで治療したときも収入に応じた額を払うだけで済むようにしたり、治療費が払えない場合には自分で働くことで治療費に代えるということも考えております。また、診療所の周りのコミュニティーに住む人は、自分で家を建てて、そして自分の生活の面倒をみるということを基本的には考えています。そこには麻薬やアルコールをやめて、そういうことには関わらないで生活をしようという意志を持つ人なら、だれでも参加できるようにしたいと思っています。
 私の友達にマイケル・ローゼンバーグという人がいますが、彼は非暴力言語というのか、暴力的でない言葉について研究しています。彼は、人と人とのコミュニケーションを良くし、暴力的な行動にならないようなコミュニケーションを持つには、人を判断したり非難したりするのではなく、思いやりを持ってお互いに話し、感情を理解し合うことが大切だと言っています。
 EMと同じように、一緒に、お互いに働きかけ合うことによってお互いの感情を理解し、相手の立場を理解し、思いやりを持って接すること。そうすることでより良いコミュニティーができると思います。私たち、リジェネシスとしましては、すでに既存の社会団体や診療所に話しかけ、従来の生活のし方を変えて再出発をしたいと思っている人たちが、このプログラムに参加できるようにしたいと思っているのです。
 私たちは、ここで住居を提供するのですが、それはインディアンのホーガンのように八角形のものを考えております。八面の壁というのは、人生のそれぞれの時期、家族や友人や仕事などといった人間の側面を象徴しています。その八つの側面からカウンセリングなどを通してお互いの理解を深めていくというシステムを考えております。
 この八角形の住居は、資材の再利用で造り、わら束などを壁にし、その上に屋根をかけ、プラスティックで覆って雨をしのぐという形が基本的なもの。わらの上には泥を塗って泥壁にするのですが、そこにEM資材を入れて、抗酸化作用や波動を強くすることも考えています。
 そして、市などから提供された空き地の一部には、土壌にEMを混入し、EM有機栽培を行い、そこで食材を取れるような自給自足生活を目指しています。
 ここでは医療はもちろん、精神的なカウンセリングも受けられ、身体と心の両面での健康を維持することができ、そしてEMによる食材、資材で栄養もエネルギーも充実し、また水もストラクチャード・ウォーターを使うことによってさらにエネルギーを高めていきたいと考えています。

地域社会との連携、他コミュニティーとの交流を深める

 この診療所がある都市や町にもこのリジェネシスに積極的に参加してもらい、いろいろな生活面での指導、仕事をする上で必要な技能の修得などをガイドしてもらおうと考えています。
 コミュニティーでは、ワークショップや季節の催しなどを通して、リジェネシスと外の一般社会との交流を盛んにして、リジェネシスの住人が一般社会に戻りたいといったときに戻りやすいような技能の習得などができるように務めます。
 そして、インディアンの社会が近くにありますので、私が「セレブレーション・オブ・ライフ」と名付ける生命の喜びを表現する祭典を、インディアンのドラムや踊り、演劇を通して行い、近くの街に住む世界各地の人々も招待してともに生きる喜びを分かち合う機会を作っていきたいと思っています。
 アメリカでは、退職者はあまり社会からの尊敬も受けられませんし、日本のようにお年寄りが敬われるという伝統もありませんので、老人ホームや老人だけのコミュニティーに押しやられているのが現状です。
 考えてみますと、年とった人たちというのは経験も知識も豊富ですし、社会の大切な資源と考えられます。ですから、健康である限り活力的に若い世代に働きかけてその技術を指導したり、また若い人たちが働きに出る間子供の面倒を見てあげるというサポートもできると思います。
 ですから、私たちは、アメリカ全土に予定されている70カ所のクリニックと連動して、いろいろなサービスを提供し、地域内でのいろいろな団体と協力し合って活動していきたいと思っています。
 EMが協力し合うことによって、いかに素晴らしい効果を発揮しているかを知ることによって、自分たちを振り返ってみると、私たちもEMと同じように協力していけばそれぞれが持っている素晴らしい力を発揮できるのではないかと思うのです。
 私たちが目指しているのは自己の成長、健康的な環境、それとコミュニティーの協力の元での活動、共存共栄、選択の多様性と思いやりを持って接すること、それから、周辺のコミュニティーに働きかけることによって、私たちのコミュニティーの良さを伝え、周りのコミュニティーの中から良さを引き出せる、そういう関係をつくっていきたいと思います。
 また、様々な問題によってコミュニティまで来られない人たちのために、こちらから出向いていくことも心がけています。
 最後に、インディアンの古い諺で発表を締めくくらせていただきたいと思います。
 「私たちが待ち望んでいたのはだれでもない、私たち自身だ」。
 どうもありがとうございました。