EMフェスタ2000 > 発表大会


事例発表 No.02
2000.11.11
行政とNPOで生ゴミ堆肥化モデル事業
〜市民参加型の分別収集システム〜
The Theater Event --------
Effective Microorganisms
 


 
 1949年5月18日生まれ。現在、NPO法人・環境浄化を進める会岐阜・理事長。(財)自然農法国際研究開発センター自然農法農業士。中部EM普及協会理事。(有)フジカワ代表取締役。平成4年より岐阜市を中心に近郊の市町村にEMボカシの普及に努める。平成5年岐阜市において、議会、行政、市民が一体となった「環境浄化を進める会岐阜」を発足。平成11年9月に特定非営利活動法人(NPO法人)取得。
藤川 幹生
(ふじかわ みきお)
NPO法人・環境浄化を進める会岐阜
理事長 (岐阜県)



 私どもがEMボカシを使って家庭の生ゴミ処理を行う運動を始めたのは平成5年でございます。平成6年、7年と、相当な勢いで皆様のご理解をいただき、普及してまいりました。しかし、どうしても面倒くさいとか処理する場所がないということで、平成8年、9年には鈍化傾向にありました。
 そこで、行政にも相談しまして、どうしたらEMが普及できるかと考え、市街地の生ゴミを収集して、一度処理をしてみようということになりました。そうすれば何らかの方向性が見えるのではないかと思ったのです。


生ゴミ堆肥化のシステム
 平成11年度から生ゴミ堆肥化モデル事業を始め、市内500世帯をモデルに1週間に1度生ゴミを収集し、それを処理しております。

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 処理容器は15リットル及び11リットルのものを使用し、ボカシは1袋300グラムのものを2袋、現在は700グラムを1カ月に一度支給しております。この商品については、岐阜市からの補助でまかなっており、紙の袋や生分解性の袋は各メーカーからの無償援助で、研究も進めております。袋は古紙が30%のものですが、現在100%古紙の袋もテストしています。



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 モデル事業のシステムをご説明しますと、まず、各家庭に容器とボカシを配付し、出た生ゴミを袋に入れて密閉していただきます。そのつどボカシを20グラムほどかけていただいています。


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 8〜9世帯ごとにステーションを設け、そこには75リットルの容器を準備しておきます。各家庭からそこに朝9時半までに処理した生ゴミを入れていただきます。それを軽トラックで回収し、洗った容器をそこに設置しておきます。


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 収集したものはステーションごとに重量を計り、今日は何世帯のゴミが集まり、1世帯でほぼ何キログラムのゴミが出たかを計ります。
 各ステーションから収集したゴミは、袋のまま破砕機に入れるのですが、生ゴミを発酵させるためにはあまり細かく破砕してはベトベトになってしまいます。また、粗くても微生物分解が難しくなるので、ちょうど親指の爪くらいになるような破砕機を使っております。

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 破砕したものを発酵機に入れ、水分を適度に飛ばすと、水分量が40〜50%くらいでEM菌が働いております。各家庭でEMボカシを入れていただいておりますので、こちらではEM菌を追加する作業は行っておりません。


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 1カ月くらいたつと、生ゴミはほぼ原形をとどめない、サラサラの状態になります。それを3次発酵させるため、別の機械に入れます。


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 この機械は2時間に1分回転を加える、または3時間に1分というふうに制御機能を持っております。回転させることによって、酸素を行き渡らせ、菌の発酵をうながすのです。
 全部の工程を80日〜90日かけて行うようにしております。


脱臭対策と収集用袋の問題点、今後の展望

 次に脱臭処置です。平成11年は500世帯がモデルですから土壌脱臭で良かったのですが、平成12年は1,000世帯に増えましたので土壌脱臭だけでは悪臭が出てきます。近所からも苦情がありました。そのとき、ちょうど岐阜県の畜産試験場で「水中ブロー方式」といって水の中で悪臭を抜く方法が発表されましたので、それを取り入れました。しかし、臭いはやはり取れません。そこで、3〜4週間前ですが、イーエム総合ネットさんの協力により、その濾材としてEMセラミック、いろいろなセラミック、及び備長炭を詰めて行う方法を取り入れ、現在テスト中でございます。


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 オーバーフローした水はEMセラミック、備長炭を通り、45人層という大きな浄化槽に排出されております。ある部分には汚泥もたまっておりますが、最終段階ではそれほど出ておらず、このまま利用できる可能性もあります。

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 使用している袋なのですが、紙の袋にしても生分解性の袋にしても、良い点も欠点もあります。
 紙の袋は炭素系が入っておりますので微生物の餌になり、それが水分調整もします。ただ、紙の内側にトウモロコシ樹脂で皮膜を作っているのですが、夏場の水分の多い野菜などの場合は水が染み出て袋が破れる場合があり、これが課題です。
 生分解性の袋は、突起物にぶつかると穴が開いてそこから水分が漏れたり、重量があると袋が裂けたりする欠点があります。それを強化すると、破砕機に袋が残ってしまうことがあり、それも現在テストを行い調整中です。

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 また、このモデル事業でいろいろ気づかされることもありました。モデル事業500世帯のゴミの中に、金属類も数多く含まれていたのです。園芸用スコップ、スプーン、時には包丁まで混入していました。これは処理する場合にとても危険な状態が出てきます。堆肥にしたときにも危険です。分別の徹底も課題となりました。

生ゴミ堆肥を活用し、市民にPR


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 この事業でできた堆肥を使って、私どもの会では市役所の正面玄関や警察署の前で毎年花を飾っております。「EMボカシを土に使っております」と書いてPRしているのです。チューリップの後にはカサブランカを植え、非常に良く咲くので市民にも喜んでもらっています。  また、夏場には役所の前でキュウリやトマトの苗を並べております。プランターでトマトを栽培すると、通常15〜20しか実がならないのですが、EMボカシを活用した生ゴミ堆肥を使うことで、うまくいくと40〜50も実がなることもあり、その成果を展示しております。



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 市民の方にもミニトマトを栽培していただいておりますが、私どもよりももっと実が多くなるケースもあり、葉よりも実が多いという栽培例を私も初めて見ました。  また、白菜を育てると、通常85日〜105日くらいの間に3キロから4キロにするのですが、生ゴミ堆肥を使うと同じ期間で6、7キロになります。ですから早く収穫することもできるし、遅くとって大きくすることもできます。こういう栽培を一般の市民の方にもやってもらっています。

NPO法人と行政のタイアップ

 このような運動を我々は8年間続けてきたわけですが、運動を続けるには行政とのタイアップがものすごく必要になってきます。そのために、平成11年9月にはNPO法人、いわゆる特定非営利活動法人を取得しました。これは日本の国が認めたボランティアの法人ですよという資格がありますから、行政からの委託がスムーズにいきます。
 平成11年の委託事業を受託するときには、まだ任意の団体でした。それが半年たってNPO法人がやるということになると、世間からも認知されます。ですから、ものすごく仕事がやりやすくなりました。
 それと、岐阜市においては41万人の市民、ほぼ14万世帯が生活しております。この14万世帯の生ゴミをどう処理するか、これはやはり行政にかかってくると思います。
 岐阜市では、平成10年から日量450トンという日本でも最新の焼却炉が完成しました。しかし、現状では300トン程度しか燃やしていません。その行政が生ゴミ問題に着手したということは、ものすごくうれしいことだと思っております。
 また、生ゴミは日量がほぼ150トン出るわけですが、これをどうやって処理するか、モデル事業を通して良い面も悪い面もいろいろ知ることができました。我々はそのデータを集めて、平成13年度には予算化し、15年には本格駆動に入りたいという意向がありますので、職員も我々も一生懸命努力しております。こういう岐阜市の姿勢は本当に前向きでありがたいと思っております。
 我々NPO団体としても、やりがいのある仕事だと思っております。生ゴミというものは人類が滅亡するときまで出てくる問題だと思っておりますので、この生ゴミをいかにいい肥料にして、いかに農業者の使いやすいものにするか、またいかに低コストでいいものにできるか、これが私たちの一番の課題だと思っております。


市と民間の協力で岐阜を全国の見本に

 現在、岐阜市では懇談会を立ち上げ、行政者、市民が1カ月に1回、2ヵ月に1回と話し合う機会を持っています。行政からは生活環境部の方々が、我々はNPO団体として、また市民サイドからは主婦の方、婦人会の代表、消費者団体が参加し、その他農協の職員や紙袋メーカー、堆肥メーカーなど、いろいろな方々が懇談会に参加しております。
 難しい面はたくさんあります。しかし、それを一つ一つ改善していき、何とかならないかを今話し合っているのです。
 どこの市町村も、農業残さや畜糞に生ゴミを混ぜ、それに国の補助金を使って堆肥センターを造っています。しかし、我々は生ゴミを主にやりますので、国の補助金はありません。ですから、何とか安く、良いものができるセンターを造ろうと、比嘉先生にもご相談してあらゆる施設を見させてもらっております。
 私が感動いたしましたのは、昨年、韓国で見た釜山の施設です。釜山という400万人都市で生ゴミの堆肥化ができるのだから、岐阜の40万人ぐらいはそんなに難しくないだろうと、今がんばっております。また、全国の見本になるような良いデータがでましたら皆様にも発信して、生ゴミ堆肥化を成功させたいと思っております。  施設としてもまだ小さいのですが、皆様、岐阜にお見えになる際には、施設の方に寄っていただけましたら、現状を見ていただけるかと思います。